とつげきウルフ

とつげきウルフ

狼に育てられたアイダ恭介が、両親と再会するヒューマンドラマ。数々の困難を家族愛で乗り越える姿が描かれている。コミックス2巻の巻末には、当時の島本和彦の仕事場兼自宅が掲載されている。「週刊少年サンデー」の1987年18号から41号に連載された。

正式名称
とつげきウルフ
ふりがな
とつげきうるふ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

1歳のアイダ恭介は、両親と一緒に、富士山の麓にある日本一動物サファリパークに遊びに来ていた。そのとき、地面が大きく裂けるほどの大地震に見舞われた。恭介は裂け目に落下してしまうが、サファリパーク内の狼に助けられる。しかし助けられた場所は、両親のいる場所とは、裂け目を挟んだ反対側だった。そして再度発生した揺れで、恭介は狼と共に再び裂け目へと落下してしまう。

奇跡的に生き残った恭介は、狼の群れに育てられながら、両親との再会を願う。

登場人物・キャラクター

アイダ 恭介 (あいだ きょうすけ)

狼に育てられた少年。1歳のときに、大地震によって両親と離れ離れになった。人間の言葉を学んだ狼から育てられたため、人間の言葉を話せる。また、さまざまな動物と意思の疎通ができる。聴覚や嗅覚、持久力に優れ、常人の10倍の身体能力を誇る。疑うことを知らない真っ直ぐな性格をしており、親しい人間を傷つける者には容赦しない。

恭介の父親 (きょうすけのちちおや)

アイダ恭介の父親。警視庁に勤める警察官。階級は警部。子煩悩で、10年前に生き別れたアイダ恭介を、ずっと想い続ける。通報により急行した銀行で、両親を探す旅をしていた恭介と再会。

えつ子 (えつこ)

アイダ恭介の母親。恭介の父親の顔を見ると、恭介を思い出すため、現在は別居中。恭介の父親から連絡を受けて、10年ぶりに恭介と再会を果たす。

ジャンク

銀行強盗の巨体の男性。マッキー、木全えいじと一緒に銀行を襲った。荒々しく暴力的な性格だが、即興で武器を作ったり、壊れた機械を直せるなど、頭脳は優秀。銀行強盗時に、アイダ恭介に倒されたことを恨み続ける。

マッキー

銀行強盗の女性。ジャンク、木全えいじと一緒に銀行を襲った。強盗の際に出会ったアイダ恭介の身体能力に興味を持ち、拉致して研究所でもろもろ調べる。冷徹な部分もあるが、恭介の生い立ちに同情して涙するなど、女性らしい一面もある。

木全 えいじ (もくぜん えいじ)

銀行強盗の男性。ジャンク、マッキーと一緒に銀行を襲った。数年前は生物地質の若き天才学者と言われたが、優秀すぎたため、持論を理解されず学会から追放された。銀行強盗するときに、ドーベルマンを操るヘルメットを作成。「銀行強盗でお金を得る→その資金で研究→成果を売ってお金を得る→再び研究」と、都合のいいことを考えている。

バーム

研究所の男性。ジャンク、マッキー、木全えいじの仲間。研究所で、自分の体を使って冷凍睡眠の実験をしていた。睡眠を解除したとき、目の前にいたアイダ恭介に実験を見られ、問答無用で恭介を凍らせた。研究所に警察が迫ると、即座に研究所破棄を決め、逃亡の準備に入るなど、決断は早い。また恭介とジャンクの対決で、ジャンクが劣勢になると見捨てるなど、性格は冷酷。

思春期ターバン (ししゅんきたーばん)

頭にターバンを巻いた男子中学生。中学生になったアイダ恭介が出会った。警官の銃を奪い、恭介の父親や同僚警官を撃って逃亡。その最中に恭介と出会う。中学生活に不満を持って自暴自棄になっていたが、恭介と話して考えを改める。

一条寺 美咲 (いちじょうじ みさき)

私立激闘中学に通う女子生徒。好みのタイプは、ほかの人を押しのけてでも、自分だけは生きのびる、というバイタリティのある男の子。ラグビーの練習試合に出場したアイダ恭介を見て、恭介が本当の力を隠していると思い、正体を暴こうとする。

斧塚 信吾 (おのづか しんご)

私立激闘中学サッカー部のキャプテン。狼の特集をした番組を見て、サッカー界の狼になると決意。相手の頭頂部を、バイシクル・シュートで蹴る必殺技「トマホーク1号」を持つ。部員からは反則技と言われるが、気にしていない。私立青春学園サッカー部との練習試合に、アイダ恭介を出場させるよう、青春学園側に要望し、恭介と対戦する。

ライ牙 (らいが)

ライオンに育てられた13歳の男子。アイダ恭介と同じく、大地震で親と離れ離れになった。ライオンの「ライ」に「牙」と書いて「ライガ」と読む名前は、自分で付けた。性格は非常に攻撃的で、身体能力は恭介をも上回る。両親が自分を迎えにこなかったため、親に見捨てられと思い、人間そのものに復讐を誓う。まずは自分と同じ境遇だったが、今は両親と一緒に暮らしている恭介を狙う。

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