ぽっちゃりヒロインと一途な後輩のじれったいラブストーリー
本作は、体型にコンプレックスを抱える女性の恋愛を描いたラブストーリー。ぽっちゃり体型を気にしている琴里は、後輩の亮介に懐かれ、次第に彼に惹かれていく。亮介は琴里だけを特別に思い、ストレートな愛情を表現するが、琴里は恋愛から遠ざかっていたため、二人の関係はなかなか進展しない。このじれったい関係性が本作の大きな見どころとなっており、琴里たちが働くオフィスの同僚や家族など、個性的なキャラクターたちとの微笑ましい日常も、ピュアで不器用な二人の恋愛模様に彩りを添えている。
クールな塩対応男子×奥手な世話好き女子
スイーツ好きのOL、琴里は、高校時代の苦い経験から長年ぽっちゃり体型にコンプレックスを抱いている。仕事では優秀だが、恋愛からは遠ざかっていたため、いつの間にか会社でも世話焼きな一面が目立つようになっていた。そんな琴里の職場には、後輩の亮介がいる。入社2年目の優秀なエンジニアである亮介は、ほかの社員からの飲み会の誘いを冷淡に断ることが多く、周囲からはクールで「塩対応」として知られていた。しかし、実は亮介には低体温症という意外な弱点があり、体が冷えやすい。ある雨の日、寒さで震える亮介を見かねた琴里が優しく手を差し伸べたことをきっかけに、二人の関係に変化が訪れる。ふだんは誰に対しても素っ気ない亮介だが、琴里にだけは特別な感情を抱き、ついに彼女に思いを告白し、しばらくのあいだお試しで付き合うことを提案する。
お試し期間から真実の愛へ
1か月のお試し期間が始まると、亮介は積極的に距離を縮めようと猛烈なアプローチを始める。しかし、恋愛に不慣れな琴里は、そんな亮介に翻弄される日々を送っていた。幸せを感じる一方で戸惑いも隠せない中、かつて琴里の高校時代のトラウマの原因となった高峰智哉が突然二人の前に現れたことで、穏やかだった日常は一変する。琴里は複雑な思いを抱えつつも、智哉が立派に成長した姿に安堵し、ビジネスライクに接しようとするが、亮介は過去に琴里を傷つけた智哉を許すことができずにいた。智哉との再会や仕事でのかかわりを通じて、琴里と亮介にはすれ違いが生じ始める。それでも、亮介の変わらぬ深い愛情に気づいた琴里は、彼との絆を一層深め、ついにお試しではない本当の恋人同士となる。
登場人物・キャラクター
緒方 琴里 (おがた ことり)
Web制作会社に勤務する女性で、相馬亮介の先輩で、年齢は28歳。高校時代、両思いだとカンちがいして同級生の智哉に告白した結果、陰口を叩かれたことが深いトラウマとなり、当時の肥満体型に対するコンプレックスを抱えている。ダイエットに励んで「ぽっちゃり」と名乗れる程度には痩せたものの、心に残る傷とお菓子への抗えない欲求は今も続いている。面倒見がよいことから、周囲から慕われている。体型にコンプレックスを抱えながらも、決して弱音を吐かず、何事にも一生懸命に取り組んでいる。
相馬 亮介 (そうま りょうすけ)
Web制作会社に勤務する男性エンジニア。琴里の後輩で、ふだんは他人に対して冷たい態度をとることが多いが、琴里にだけは懐いている。実は低体温症で寒さに弱く、ある雨の日に凍えていたところを琴里に温めてもらったことがきっかけで、彼女の存在が気になり始める。さらに、上司が冗談で琴里の体型をいじった際には、思わず上司に注意をうながすなど、彼女を心配する気持ちが次第に強くなっていく。こうした出来事を経て、琴里への思いを告白し、「お試し期間」と称して仮の交際を始めることになる。
書誌情報
低体温男子になつかれました。 3巻 ハーパーコリンズ・ジャパン〈プティルコミックス〉
第1巻
(2025-04-24発行、978-4596727794)
第2巻
(2025-05-23発行、978-4596729712)
第3巻
(2025-06-24発行、978-4596963499)







