概要・あらすじ
農民の子、猿飛佐助は甲賀流忍術学校の落第生。天正18年(1590年)、いくさで孤児となった佐助は幼なじみのおサイと旅に出て、真田幸村の家臣である真田十勇士の一員となる。そして同郷ながら敵方につき大泥棒となった先輩忍者の石川五エ門と、お互いに忍術の限りを尽くして対決する。
登場人物・キャラクター
猿飛 佐助 (さるとび さすけ)
上州栗ノ木村で農民の子として生まれた15歳の少年。甲賀流の忍術学校である戸沢塾に入学して忍者修行をするが、停学や落第を繰り返し、あまりの劣等生ぶりに師匠を怒らせ忍者の免許証を取り上げられるほどの問題児。両親の仇討ちのために村を出て、真田幸村の家来となって派手な忍術を駆使して、痛快に暴れまわる。
おサイ
猿飛佐助の幼なじみで忍術学校の同級生。勝気なおてんば娘で佐助とは口喧嘩ばかりしているが、本心は佐助に思いを寄せており、彼との結婚を夢見ている。大蛇に変身して大勢の敵を追い払ったりと忍術の腕はかなりのもので、佐助のピンチをたびたび救う。
石川 五エ門 (いしかわ ごえもん)
猿飛佐助と同じ忍術学校の元生徒。佐助を上回る不良で、すでに退学している。豊臣秀吉死後の混乱に乗じ、忍術を使って悪事を働き、世間を騒がす大泥棒として名を馳せる。佐助とは、幾度も忍術対決をする宿命のライバル。見かけは強暴だが、佐助と将来のことをしんみりと語り合ったりする憎めない一面もある。安土桃山時代に実在したとされる人物、石川五右衛門がモデル。
真田 大助 (さなだ だいすけ)
真田幸村の跡継ぎである嫡男。まだ元服前ながら真田十勇士から慕われる若きリーダー。同年代の猿飛佐助やおサイと協力して敵と戦う。正しい時代を作るために行動する正義感あふれる少年で、私利私欲で農民たちを苦しめる武士や役人を毛嫌いしている。江戸時代初期に実在した人物、真田幸昌がモデル。
真田 幸村 (さなだ ゆきむら)
真田大助の父親であり、真田十勇士をはじめとする軍勢を率いて徳川勢に挑む総大将。猿飛佐助の能力をいち早く見抜き、一度は家来に引き入れるが、石川五エ門のあまりの悪行ぶりに、すべての忍者を信用しなくなった。安土桃山時代に実在した人物、真田幸村がモデル。
戸沢 白雲サイ (とざわ はくうんさい)
甲賀流忍術学校「戸沢塾」の校長兼用務員。長い白髪と髭という仙人のような風貌の老人。塾の規範に違反する塾生には厳しい罰を与える頑固者。あばれ者の猿飛佐助から一旦忍術免許証を取り上げるが、のちに卒業を認める。
片桐 且元 (かたぎり かつもと)
豊臣秀吉に仕えていた武将で、秀吉亡き後は豊臣家を裏切って天下取りを企む。「狂犬も使い方によってシッポをふる」という悪らつな考え方の持ち主で、秀吉の跡継ぎとなった秀頼を抹殺するために石川五エ門を雇い暗殺者に仕立てる。戦国時代から江戸時代初期に実在した人物、片桐且元がモデル。
三好 清海 (みよし せいかい)
真田十勇士のかしら。猿飛佐助とおサイの忍術の腕を見込んで仲間に引き入れた。巨体を活かして金剛棒を振り回す怪力自慢の破戒僧で、太い眉毛に髭面という強面だが、弱きを助け強きをくじく正義漢でもある。
塙 団右衛門 (はなわ だんえもん)
関ヶ原の戦いでは豊臣側についた戦国武将。山賊を集めてその総大将となり、徳川家との来るべき決戦に備えている。真田大助に出会った時には、彼の意思の強さを確認するために、敵と見せかける芝居を打つほどの戦略家。戦国時代から江戸時代初期に実在した人物、塙直之がモデル。
代官 (だいかん)
上州可木郡八ヶ村代官所の筆頭官吏。公職の身でありながら野武士のかしらからワイロを受け取って村人を苦しめる悪らつな役人。ワイロとして受け取った小判を「山吹色のヘソクリ」と称して数えるのが趣味。悪行を見破られたことで、野武士たちと共に真田十勇士と対決する。
野武士のかしら (のぶしのかしら)
代官にワイロを渡し、仲間を率いて村の穀物倉を襲い食物を奪い取る野武士の頭目。般若のような不気味な顔をしている。村を襲うための戦法に工夫を凝らす戦略家であり、「徳川が天下を取る」と予想するなど先見の明がある。代官と共に真田十勇士と対決する。
集団・組織
真田十勇士 (さなだじゅうゆうし)
真田幸村に仕え、三好清海をかしらとして徳川勢と戦う十名の隠密的武装集団で、家を焼かれ家族を敵に殺された者たちで構成されている。メンバーは、清海を筆頭に清海の弟子「伊佐の坊」、モチツキの「六郎」、医者の「根津甚八」、カケイ屋の「十蔵」、カマをとぐのが商売の「由利カマの助」、こえ屋の「ウンの六郎」、漁師の「穴山の小助」の8名で組織されていたが、のちに猿飛佐助とおサイが仲間に加わり真田十勇士となる。