あらすじ
つかさと有馬の出会い
中学3年生の篠原つかさは、1年前に自分のクラスに転入して来た有馬隼人に片思いをしていた。その後、つかさと有馬は親密な関係を築いていき、周囲からもすでに両思いなのではないかと噂(うわさ)されるほどの間柄になる。卒業を間近に控えたある日、恋心が抑えきれなくなったつかさは、有馬に告白するものの断られてしまう。次の日、傷心のつかさが登校すると、黒板に「つかさが有馬に振られた」との落書きがされていた。
高校生活のはじまり
篠原つかさは第一志望の高校へ進学し、そこでも有馬隼人と同じクラスになる。一度は有馬に振られたつかさだったが、やはり彼のことがあきらめきれずにいた。そんな中、オリエンテーション合宿が催される。つかさはクラス委員ではないものの、困っている人がいると助けずにはいられない性分から、忙しく働いていた。そんなつかさを見た有馬は、さりげなく彼女のフォローをする。慌ただしい時間が過ぎる中、つかさはクラスの女子から誘われ、夜中に男子の部屋にこっそり遊びに行くことになる。つかさと同室の女子が有馬たちの部屋に遊び行ったタイミングで、運悪く先生の見回りがやって来る。先生から逃れるため、つかさは有馬と一つの布団に入ることになってしまう。
有馬と元彼女・麻友の再会
篠原つかさは有馬隼人と長谷部泰広の会話から、有馬には自分と出会う前に彼女がいたことを知る。元彼女の存在が気になるつかさは、ひょんなことから有馬、泰広、そして元彼女の長谷部麻友の四人で遊園地に遊びに行くことになってしまう。有馬から麻友と別れた理由は転校が原因であり、お互いが嫌いになったからではないことを知り、つかさはまだ二人が惹(ひ)かれ合っているのではないかとショックを受ける。しかし、有馬はつかさの不安を打ち消すかのように、麻友にはもう未練がないことや、以前つかさから受けた告白が嬉しかったと告げ、つかさは安堵(あんど)する。しかし麻友は有馬にまだ未練があり、復縁するために行動を起こす。
高校最初の夏休み
篠原つかさは長谷部泰広から、有馬隼人と長谷部麻友には誰も入り込めない絆(きずな)があると意味深な言葉を聞く。絆の意味はわからないものの、つかさは二人が復縁するのも時間の問題なのだろうと考え、失恋を覚悟するが、やはり彼のことがあきらめきれない。そして夏休みに入り、つかさと有馬が在籍するクラスでは、学校を舞台にした肝試し大会が催されることになる。準備を進める中、つかさは有馬と距離を縮めようとするが、運悪く別のグループになり、なかなか会話ができないでいた。そして肝試し大会当日、つかさはドッキリ企画のターゲットにされ、暗闇で驚かされたことにより、パニック状態になってしまう。すると有馬は、つかさを落ち着かせるために彼女を誰もいない教室へと誘い、二人は久しぶりに会話をする。そこで有馬は、自分のせいで麻友を傷つけてしまった過去を、つかさに打ち明ける。
焦りを覚えるつかさ
肝試し大会の夜、篠原つかさは有馬隼人から大切な言葉をかけられそうな雰囲気となるものの、邪魔が入ってしまい、結局なんだったのかわからないままだった。そして夏休みが終わり、つかさはクラスメイトの女子から、有馬がモテることを告げられる。つかさが知らなかっただけで、有馬はすでに複数の女子から告白を受けており、改めてつかさは焦りを覚える。そこでつかさは、有馬の特別な存在になりたいと、少女漫画を教科書に恋愛を研究しようと奮闘する。
つかさと有馬の初デート
長谷部泰広から自分たちが住む街で祭りが催されると聞いた篠原つかさは、有馬隼人を誘うことにする。こうしてつかさと有馬は、初めて二人きりのデートで楽しい時間を過ごす。幸せな気分に浸るつかさだったが、偶然一人になったタイミングで泰広と出会い、突然キスをされてしまう。初めてのキスを泰広に奪われたつかさは、有馬に合わせる顔がないと、泣きながら祭りから逃げ出すのだった。
傷ついたつかさと有馬の告白
長谷部泰広から突然キスをされた篠原つかさは、心に大きな傷を負っていた。しかし、有馬隼人には悟られたくないつかさは、わざと明るく振る舞うものの、空回りしてしまう。そんなつかさの微妙な変化に気づいた有馬は、彼女に何かあったのかと尋ねるが、つかさは泰広とキスしたことを有馬に知られたら嫌われるだろうと、打ち明けられずにいた。そんな中、有馬はつかさのことを大切に思っている自分に気づき、彼女に告白する。やっと有馬と両思いになれたつかさは幸せに包まれるが、泰広とキスしてしまった自分が許せず、彼の気持ちに素直に応じられないでいた。
泰広の告白と恋の行方
篠原つかさは有馬隼人からの告白にうまく応えられずにいたが、有馬はつかさに理由を聞くこともなく、彼女の返事を待つことにする。そんな中、つかさの学校では学園祭が催されることになる。つかさは世話好きな性格から準備に追われながらも、なんとか当日を迎える。そして、つかさは学校内で偶然長谷部泰広と顔を合わせる。警戒するつかさに対して、泰広はキスをしてしまったことへの謝罪だけでなく、以前からひそかに思いを寄せていたのだと告白する。
付き合い始めたつかさと有馬
紆余(うよ)曲折を経て、篠原つかさと有馬隼人はついに思いを通じ合わせる。二人は交際をスタートさせてデートを重ね、親密な関係を築いていく。そして、つかさと長谷部泰広はふつうの友達に戻り、時おり有馬を嫉妬させながらも、穏やかな日々が過ぎていた。そんなある日、有馬がクラスメイトとの会話の中で、「つかさとは交際していない」と発言しているのを、つかさは聞いてしまう。有馬が自分との交際を隠している事実に、つかさは大きなショックを受けてしまう。
メディア化
登場人物・キャラクター
篠原 つかさ (しのはら つかさ)
中学3年生。中学校2年生のときから、転校してきた有馬隼人に片思いをしている。困っている人をみると思わず助けずにはいられない世話焼きな性格で、学級委員長や先生の手伝いなど、ほかの人がやらないようなことを進んで行っている。高校は北高に進学する。
有馬 隼人 (ありま はやと)
主人公篠原つかさのクラスメイトで、つかさの片思い相手。つかさとは仲良しで、よく話したり、一緒に帰ったりすることも。いつも余裕たっぷりでクール。女子の扱いがうまい。気まぐれで意地悪な面もあるが、無邪気に笑うので、憎めないタイプ。女子の扱いもうまく、派手ではないがかっこいいので女子にモテる。 転校前の中学校で長谷部麻友と付き合っていた。高校は北高に進学する。
長谷部 泰広 (はせべ やすひろ)
北高の1年生で、篠原つかさや有馬隼人と同級生。転校する前の有馬と同じ中学校だった。有馬の元彼女の長谷部麻友とはいとこ同士。高校のイベントでつかさからシュシュを借りたことがきっかけで、つかさにちょっかいをだすようになる。チャラいキャラクターで、いつも周辺には女子がいる。
長谷部 麻友 (はせべ まゆ)
有馬隼人の中学時代の元彼女で、長谷部泰広のいとこ。別れた後も、有馬のことが忘れられないでいる。病弱な美少女。首に傷跡がある。お嬢様学校の聖百合丘高校に通っている。