アタマのナカの鈴せんぱい

アタマのナカの鈴せんぱい

ふつうの男子中学生・九段が、脳内で作り出したタルパの少女と過ごす非日常の世界を描いたダークファンタジー。「ComicWalker」および「ニコニコ静画

正式名称
アタマのナカの鈴せんぱい
ふりがな
あたまのなかのすずせんぱい
原作者
にゃるら
作画
ジャンル
美少女・萌え
 
その他SF・ファンタジー
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

神田との出会いと別れ

平凡な男子中学生・九段は、自らが作り出したタルパと共に楽しい生活を送っていた。そんな中、九段はクラスの人気者・神田がパパ活をしている場面に遭遇し、九段は神田になぜパパ活をしているのかを聞き、その秘密を共有する仲となる。神田は九段が自分のよき理解者だと考えて好意を寄せるが、そのたびに鈴の存在が危うくなっていく。そんなある日、パパ活をしていた神田は警察官に補導され、母親から冷酷な言葉を浴びせられる。それにショックを受けた神田は、九段を誘って駆け落ちを計画するが、九段は鈴の存在が消えることを恐れて断る。その後、神田は家庭の事情で転校してしまうが、神田のことを忘れられない九段は学校内でのみ神田(タルパ)を発現させるようになる。

中野との出会い

九段は図書委員会で知り合った中野ルミ子に気に入られ、なかば強制的に友達となるが、中野は九段が神田(タルパ)と会話している場面に遭遇し、タルパについて問いただす。九段からタルパやのことを聞いた中野はタルパを受け入れ、さらには三人で行動するようになる。九段は鈴を認めてくれた中野に多少の好意を抱いていたが、中野は自分を認めてくれた九段を独占したいと思うようになっていく。そして中野は九段に告白し、鈴の存在を消して自分を選ばなければ窓から飛び降りると言い放つ。しかし九段は、迷うことなく鈴のことを優先するのだった。

登場人物・キャラクター

九段 (くだん)

とある中学に通う平凡な男子。一人暮らしをしているが、家族構成は不明。内向的な性格でクラス内では孤立しているが、いじめられているわけではない。ある時、タルパの存在を知り、夏休みを利用して鈴を作り出した。鈴には精神的に依存をする一方で、鈴が架空の存在であることを自覚しており、現実世界に干渉できないことを自虐的に語っている。九段自身の精神が不安定になった際に、鈴の存在が揺らぐ現象を「バグる」と表現し、鈴に対して恐怖心を抱くこともある。基本的に他人を肯定する姿勢のため、神田や中野ルミ子にはその性格に対して好意を寄せられている。しかし二人から告白された際は、鈴の存在が消えることを恐れて断った。神田が転校したあとも彼女の存在を忘れられず思いを募らせた結果、学校でのみ神田(タルパ)を発現できるようになり、校内で過ごしているあいだは神田のタルパと会話している。図書委員会に所属しており、中野とは委員会活動をきっかけに知り合った。

(すず)

九段が脳内で作り出した二次元美少女のタルパ。九段からは「鈴せんぱい」と呼ばれている。ウエーブがかかったピンクのロングヘアで、メイド服のような衣装を身につけており、語尾を伸ばして話す。作られた当初は、九段が設定したとおりの性格だったが、日常を過ごすあいだに自我を持ち始めるようになり、九段が予想しない発言をすることもある。現実世界にはいっさい干渉できない。

神田 (かんだ)

九段と同じ中学に通う女子で、九段とはクラスメート。周囲からも美少女と評されている人気者ながら、母親からは幼少の頃より否定的な言葉を受け続けており、母親に認めてもらうためにパパ活をして得た金銭で自分磨きをしていた。九段とはパパ活をしている最中に出会ったことをきっかけに交流するようになり、自分を否定しない九段に好意を寄せ始める。パパ活の件で補導された際には、母親が自分を侮辱したことに絶望し、九段を誘って家出しようとしたが断られる。その後、母親と離れて暮らすことを選択して親戚のもとに引き取られて転校した。

神田(タルパ) (かんだ)

神田の転校後に九段が作り出したタルパ。九段が学校内にいると現れる。外見は神田そのものだが頭上に輪があり、天使のような服装を身につけ、性格もやや違っている。

中野 ルミ子 (なかの るみこ)

九段と同じ中学に通う女子。九段のとなりのクラスに在籍している。黒髪ツインテールの髪型で、猫耳をつけている。周囲からは美少女だと評されているが、他人との距離感がわからず一方的にまくし立てて話す癖があるため、周囲からは孤立している。九段とは同じ図書委員であることから知り合ったが、自分の会話に肯定的に応えてくれる彼に好意を抱くようになる。九段からタルパの存在を聞かされた際も理解を示し、鈴に対しても友好的に接していた。九段を独占したいという気持ちから脅迫めいた告白をするが、九段からは断られてしまう。

メイド

メイド喫茶で働いている女性。中学生の頃、タルパを作り出していた経験があり、客として訪れた九段にタルパの鈴がいることを理解した初めての人物。ちなみにメイド自身が作り出したタルパは、中学生の頃に現実世界で恋人ができたことによって消滅した。

その他キーワード

タルパ

脳内で作り出した架空の存在に具体的な情報を追加することでリアリティを出し、現実世界に出現した存在。もとは具現化した思念体を指す仏教用語である。存在を確認できるのは作り出した本人のみだが、会話を始めとするコミュニケーションを取ることができる。タルパは作り出した人間の精神状況が強く影響し、激しく動揺した際にはノイズが入って視認が難しくなったり、異形の存在となって恐怖感を与えたりする。

クレジット

原作

にゃるら

書誌情報

アタマのナカの鈴せんぱい 全3巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2021-12-23発行、 978-4046809377)

第2巻

(2021-12-23発行、 978-4046809384)

第3巻

(2024-02-22発行、 978-4046833952)

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