僕の妻は感情がない

僕の妻は感情がない

杉浦次郎の代表作。日本のとある町で一人暮らしをしている社畜サラリーマン・タクマは、仕事に忙殺される日々の中、思い切って少女型の家電ロボット・ミーナを購入する。さらにタクマが酒に酔った勢いで、ミーナにお嫁さんになってくれないかと発言したことで、二人の結婚物語が幕を開ける。恋愛に不慣れな男性と家事ロボットの、つつましやかで心温まる不器用な恋愛模様が描かれている。KADOKAWA「月刊コミックフラッパー」2019年9月号から連載の作品。「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門で第6位を獲得。テレビアニメ化され、2024年7月2日よりTOKYO MXほかにて放送。タクマを豊永利行、ミーナを稲垣好が演じる。

正式名称
僕の妻は感情がない
ふりがな
ぼくのつまはかんじょうがない
作者
ジャンル
ロボット
 
夫婦
レーベル
MFコミックス フラッパーシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊8巻
関連商品
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ロボットと人間が共存する世界

ロボットと人間が日常的にかかわり合いを持つ世界。家電ロボットのミーナはタクマの妻として、機能を失った介護ロボットのマモルは二人の子供としての日々を送っている。ほかにもミーナの上位機種であるスーパーミーナのロボットと、タクマや妹のあかり、ミーナシリーズを製造する会社のサポートスタッフのイイダなど、さまざまなロボットと人間が互いに役割を持ち、それぞれが守られるように作られた制約の中で暮らしていた。一方で、主人との主従関係に悩むロボットがいたり、ロボットを疎ましく感じている秘密クラブ「ロボットを町から追い出す会」などが存在していたりと、ロボットと人間が共存するうえでさまざまな問題が発生する。

家電ロボット・ミーナの感情

ミーナはサラリーマンが買える値段で購入できる中古のロボットで、性能は家事に特化しており、自分の役割や職務を忠実に守ろうとする性質を持っている。人間のように喜怒哀楽の感情を持たないため、表情も変わらないが、タクマからの愛情を受けたミーナが、彼女のルールの範囲内でタクマに心から寄り添おうとしている描写が多くあり、ロボットながらも人間を理解したいという気持ちを抱いていることが伝わってくる。すべてがプログラムされたものだったとしても、その時々に応じて彼女の思考と行動を描くことで、ミーナにないはずの感情がうまく表現されている。また、廉価版であるミーナだからこその不思議な魅力があり、制約のある範囲での愛情を100%表現しようとするミーナの様子が愛おしい。

結婚と夫婦のかたち

結婚においてタクマとミーナは、人間とロボットという大きな弊害を抱えており、タクマは結婚や夫婦の関係性を含め、ミーナが人間のようにあってほしいか否かで思い悩む。しかし、ロボットを妻に迎えるにあたってタクマの決意や覚悟は強固なもので、ミーナを家族として迎え、愛そうとしている。タクマはミーナがロボットだからといって決して軽んじることなく、何かをするときに前もって許可を取るなど、信頼できる一人の人間として見ていた。また、タクマは付き合いたてのカップルのようにミーナに惚れ込んでいる様子を見せており、そんなタクマとミーナの結びつきが強くなればなるほど、その愛情がすごく伝わってきて、不器用な二人の幸せな結婚生活を願わずにはいられない。

登場人物・キャラクター

タクマ

穏やかで優しい性格をしているサラリーマンの男性。一人暮らしを始めて3年になるが、仕事が忙しすぎて家事に手が回らないため、リサイクルショップで中古品の家電ロボット・ミーナを購入した。自分のために料理を作ってくれるミーナに愛おしさを覚え、酔った勢いでミーナに僕のお嫁さんになってくれないかと告白。その言葉を真に受けたミーナがタクマを夫として気遣う態度を見せたため、タクマもミーナを妻として扱うようになる。当初はロボットのミーナに対して自分の気持ちを隠していたが、会社の先輩との会話がきっかけで、ミーナとの関係を恥じることなく、ありのままに生きていくことを決めた。実は中学生の頃に理想の女子との交際経験があるが、それ以降恋愛に関しては意識的に遠ざけている。しかし、ミーナと生活を共にするようになり、ミーナへの気持ちを昂らせていく。

ミーナ

少女型の家電ロボット。「ミーナ」シリーズと呼ばれるロボットで、この個体の商品名は「ミーナCL」。人間並みに感情表現豊かで、あらゆることを完璧にこなす汎用型家事ロボット「スーパーミーナ」に対し、ミーナCLは料理と食器洗いのみに機能が限定された廉価版となっている。タクマがリサイクルショップで中古品として購入した。冷蔵庫の食材を使い、登録されたレシピからランダムで選ばれた料理を、決められた時間に作ることができる。また、体内から70度程度のお湯を作り出せるほか、腹部には小さなスペースがあり、冷温庫として利用できる。基本的に室内用のロボットだが、頭髪が太陽光発電ユニットになっており、屋外での活動も可能。感情を持たない仕様ながら、タクマから僕のお嫁さんになってほしいとの言葉に反応し、夫婦関係を築こうとタクマへの態度に変化が見られ、彼だけに特別な感情を抱き始めた。人間の言葉を言葉どおりにしか受け取ることができないが、プログラムされた行動の中で、時折人間のような感情を見せることがある。ネットを介して離れた場所の人と、会話やメッセージのやりとりもできる。

書誌情報

僕の妻は感情がない 8巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉

第1巻

(2020-02-22発行、 978-4040643427)

第2巻

(2020-10-23発行、 978-4040649818)

第3巻

(2021-06-23発行、 978-4046804846)

第4巻

(2021-12-23発行、 978-4046810410)

第5巻

(2022-07-23発行、 978-4046814562)

第6巻

(2023-03-23発行、 978-4046819925)

第7巻

(2023-10-23発行、 978-4046829368)

第8巻

(2024-09-21発行、 978-4046837660)

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