概要・あらすじ
原因不明の大災害から5年。復興とそれに伴う技術革新が急速に進み、ロボット産業が飛躍的に栄えた日本。メカシティーにある国立練馬大学に通うロボット工学科修士の研究生であるお茶の水博志は、同じ研究生仲間の天馬午太郎とともに、第7研究室で新型人工知能ベヴストザインシステムの開発研究に勤しむ生活を送っていた。
しかし、ロボットの制作には大幅なコストが掛かるため、2人はさまざまなアルバイトをして制作費を工面していた。今日もアルバイトの1つである、メカシティーのパレードにスタッフとして向かわなくてはならなかった。博志は午太郎を第7研究室に残して、先にアルバイト先のメカシティーに向かったが、そこでは午太郎が着る予定だった着ぐるみが、すでにパレードに参加していた。
そしてその着ぐるみは、突如もの凄いスピードでどこかへと向かって走り出す。博志は午太郎に何かトラブルを起ったのではと、暴走する着ぐるみの後を追いかけるのだった。
登場人物・キャラクター
お茶の水 博志 (おちゃのみず ひろし)
国立練馬大学ロボット工学部工学科修士の研究生。鼻が大きく、痩せ型で灰色の癖のある髪型をしている青年。ジーパンに長袖のシャツを着用している。天馬午太郎とは同じ第7研究室の研究仲間で、A10シリーズ完成形のA107の開発費用を捻出するために、ともにさまざまなアルバイトをしながら新型人工知能ベヴストザインシステムの開発研究を行う日々を送っている。 自己中心的な性格の午太郎とはたびたび対立するものの馬が合い、現在に至るまでパートナーとしては良好な関係を保っている。A106(シックス)の生みの親の1人で、ロボット愛が非常に強く、特にシックスに対しては他のロボット以上の、友人や親子のような特別な感情を抱いている。おっちょこちょいなところもあるが、人懐こくて裏表のない性格のため、誰からも愛される憎めない人物として周囲からは認知されている。 しかし、そんなお人好しな人柄ゆえに学内では彼をからかったり、馬鹿にしたりする者も一部ではあるが存在する。好物は学食のコロッケパン。人間と心を通わせられるような自我を持ったロボットを作ることが夢。
天馬 午太郎 (てんま うまたろう)
国立練馬大学ロボット工学部工学科修士の研究生。黒髪でまつ毛が長く、黒い長袖シャツを腕まくりして着ている青年。「天馬馬鈴薯加工場」という工場を経営する両親と3人で生活していたが、5年前の大災害によって工場は全壊。両親もその時の爆発に巻き込まれて亡くなった。お茶の水博志とは同じ第7研究室の研究仲間で、A10シリーズ完成形のA107号の開発費用を捻出するために、ともにさまざまなアルバイトをしながら新型人工知能ベヴストザインシステムの開発研究を行う日々を送っている。 ロボット設計の才能に優れており、誰もが認める天才。しかし、異常なまでの研究への熱心さと自己中心的で自信過剰な性格から、博志や周囲の人たちと対立することもしばしばで、一部の学内の人間からは変人呼ばわりされている。 学内の研究生で、同じく天才と評される堤茂理也には敵対心を抱いている。A106をはじめとするロボットたちに愛情を持って接する博志とは対照的に、ロボットには従順さを求めており、命令に従わないロボットは出来損ないだという考え方を持つ。人間を超越した、神のような能力を持つ、究極のロボットを作ることを目標にしている。
堤 茂理也 (つつみ もりや)
国立練馬大学ロボット工学部工学科修士の研究生。長袖のストライプシャツを腕まくりして着ている青年。車椅子のような形状をした、4つの足に車輪が装着された乗り物に乗っている。第一研究室の主任研究生で、学内では天才との呼び声が高く、お茶の水博志からは「日本一の天才的頭脳の持ち主」と評されている。普段は知的な雰囲気のおとなしい性格をしているが、相手によっては見下し、冷たく突き放す二面性を持つ。 特に同じく学内で天才と評判の高い天馬午太郎とは敵対関係にあり、午太郎のことは「変人」と陰で呼び、その「変人」と一緒にロボットの開発研究をしている博志のことは「クズ」と呼んでいる。2人の研究室に足繁く通っている妹の堤茂斗子には、彼等と付き合っていると「クズが感染する」と言い放ち、彼等と親しくしないよう助言する。
堤 茂斗子 (つつみ もとこ)
国立練馬大学ロボット工学部工学科2年の女性。茶髪のショートカットで、黒い肩の出たシャツに柄の付いたミニスカートを着用している。堤茂理也の妹で、茂理也を快く思わない天馬午太郎からは「スパイ女」「ネズミ女」と揶揄されているが、それでも第7研究室に顔を出しては、午太郎と口喧嘩をやり合う気が強い性格。また、茂理也がお茶の水博志のことを陰で「クズ」と呼んでいるのとは対照的に、堤茂斗子は博志にとてつもない才能を感じており、かねてから興味を抱いていた。 そんな彼のことをからかうことが大好きな困った性癖を持っているが、博志に差し入れをする優しい一面もある。
お茶の水 蘭 (おちゃのみず らん)
高校生の少女。黒髪のおかっぱ頭で、黒いフレームの眼鏡をかけて白い帽子をかぶり、セーラー服を着用している。お茶の水博志の妹で、博志が新型人工知能ベヴストザインシステムの開発研究に勤しんでいる第7研究室に時折遊びに来ては、機械の部品をもらっている。A10シリーズの中の1つ、A106(シックス)が大のお気に入りで、特別な感情を抱いている。 人と会話することが苦手でほとんどしゃべることはないが、博志と同じくロボットの開発に精通している。ロボット・レスリングに出場して故障したシックスの修理をするなど、その技術力は一般の高校生のレベルを遥かに凌ぐ。
Dr.ロロ (どくたーろろ)
天才的なロボット設計士で、美人でスタイル抜群の女性。金髪の長い髪の毛先を大きくカールさせ、リボンの付いた大きなつば広帽子をかぶり、白いロングドレスを着用している。ロボット・レスリングの2大会連続王者マルスの設計士ということ以外、素性は一切公表されていない、謎の多い人物。無表情で普段は感情を表に出すことは極めて少ないが、時折ふとした気の緩みで、笑顔を見せたりすることもある。
ばあや
堤家に仕えているメイドの老女。小柄で長い髪を後頭部で1つに束ねており、メイド服を着用している。堤家のメイドの中では最も古株で、堤茂理也と堤茂斗子からの信頼も厚い。料理の腕前は三ツ星シェフ級で、他にも飛行艇の操縦ができたりと、多才な才能の持ち主。夏休み期間中にDr.ロロの正体を突き止めるため、無人島へと向かうお茶の水博志たちについて行く茂斗子に同行し、SVTOL艇を操縦した。
アーロン ブレムナー
研究者の男性。黒くて長い髪をしており、口ひげを生やしている。眼鏡をかけてタキシードを着用し、大きな球形の装飾が付いた杖を手に持っている。お茶の水博志たちが夏休み期間中にDr.ロロの正体を突き止めるため、無人島へ行った際に遭遇した。無人島ではロボットの開発研究の他、5年前の大災害を独自に調査している。紳士的な振る舞いや言動をしてはいるが、自信過剰なナルシスト。 自称「スコットランドが世界に誇る知の研究者」で、自身が開発した人型ロボットのノースは実戦において世界最強の戦闘能力を誇ると自画自賛している。
伴 健作 (ばん けんさく)
マルヒゲ運送を経営している社長の男性。丸顔で、額から頭頂部にかけての毛髪はないが、耳の周りから後頭部にかけて黒髪を生やし、鼻の下に生やした白くて太く、長いひげが特徴。白いワイシャツに黒いネクタイを締め、右腕にアルファベットで「MARUHIGE」と社名のロゴの付いた作業着を着用している。伴俊作の父親で、お茶の水博志と天馬午太郎の雇い主でもある。 メカシティーの住人ではあるが、ロボット産業が飛躍的に発展を遂げた今の社会をあまり快く思っておらず、ロボットを人の代わりに働かせることには不信感を抱いている。全従業員には、真心を込めて思いやりの精神を大切に仕事に取り組んで欲しいと提言している。元来の頑固な性格もあり、A106(シックス)の能力を試すために会社で雇って欲しいと嘆願する午太郎の話にはまったく耳を貸さず、断固として断っている。
伴 俊作 (ばん しゅんさく)
伴健作の息子。茶髪の長髪で、腕まくりした白いワイシャツにスラックス姿で、リュックを背負っている。父親の会社を継ぐ気はない様子で、将来は探偵になりたいと考えている。また、ロボット・レスリングマニアで、マルスの熱狂的なファンでもある。お茶の水博志の妹のお茶の水蘭に淡い恋心を抱く。特技は伴家直伝の実践型柔術。
佐流田 彦蔵 (さるた ひこぞう)
国立練馬大学の教授の男性で、佐流田月江の父親。ICEの特殊操作部員でもある。襟足の長い白髪で、もみあげまでつながった顎ひげを生やしており、大きな鼻をしている。体格は小柄だが、強面でいつも険しい表情をしている。電子頭脳研究の第一人者でもあり、18年前に妻を亡くすことになった事故で右目と脳の一部を失う重体に陥った月江に、電子頭脳を脳の代替として移植する手術を行い、一命をとりとめることに成功した。 他の教授が第7研究室を廃止にしようと考える中で唯一反対し、多数の意見を強引にねじ伏せて研究室の廃止を見送らせた。お茶の水博志と天馬午太郎が作った人型ロボットA106に興味を示している。
佐流田 月江 (さるた つきえ)
ICEの特殊操作部員の女性で、長身でスタイルが良い。長い黒髪をしており、白いブラウスとタイトスカートを着用している。佐流田彦蔵の娘で、星江という名前の娘が1人いる。18年前にある事故に巻き込まれ、その時に母親を亡くし、自身は右目と脳の一部を失った。当時電子頭脳の研究に携わっていた彦蔵の手術により、失われた部位を機械で補うことで一命を取り留めた。 現在も右目の周りにはその当時の傷跡が残っており、普段は前髪で隠している。所持している車には最新鋭の仮想人格プログラムのラヴィを搭載させており、機械を埋め込まれた自身の脳の一部および右目にリンクをさせることで、自分の意思で自由自在に車を操縦することができる特殊能力を持っている。
大石 リンダ (おおいし りんだ)
モヒカン・バッソの開発者の女性。長い髪を後頭部で1つに束ねてポニーテールにしていて、水着のような露出度の高い服装をしている。モヒカン・バッソをロボット・レスリングに出場させ、A106と対決することになった。普段はぶりっこで周囲に愛嬌を振りまいてはいるが、感情が高ぶると言葉遣いが汚くなる。
A106 (えーてんしっくす)
お茶の水博志と天馬午太郎によって人工知能の研究用に開発された人型ロボット。身長162センチ、重量80キロ。丸みのある頭の形をして、胸にA106と自身の名前のロゴが入っている。博志たちが研究している新型の人工知能ベヴストザインシステムの試作プログラムが、バージョンアップしたうえで搭載されており、会話をすることができる他、自ら思考したうえで、人間のようにさまざまな言動ができる自我を持つ。 もちろん、他のロボットと会話を行うことも可能。普段は第7研究室で生みの親である博志や午太郎の身の回りの世話や研究室の近辺の掃除をしている。戦闘用に作られたわけではないが、1千馬力のパワーを秘めており、正義感の強い性格から、博志の妹のお茶の水蘭がマルスに襲われた時には身を呈して守り抜いた。 通称「心やさしき科学の子」。
マルス
人型ロボット。身長190センチ、重量120キロ。設計士はDr.ロロと公表されており、流線型の洗練されたデザインで、ボディーにはゼロニウム合金と呼ばれる特殊な金属が使われている。頭部にある尖った耳のようなデザインが特徴。開発費は戦闘機数機分以上だと想定される超最新鋭ロボットで、2年前にロボット・レスリング(ロボレス)に初出場して以来、ずっと王座に君臨し続けている無敗の帝王。 今回の大会でも、特別シード枠で決勝戦に出場する予定。ロボレスに出場しているロボットの中では最も人気が高く、マルスの活躍を見るためにロボレスを観戦しにやって来るファンも多い。第7研究室でお茶の水蘭を襲ったロボットなのではないかという疑惑が持たれている。 必殺技は、指先に仕込まれた超振動カッターからあらゆるものを切り刻む「ナイフハンドストライク」。通称「無敵の軍神」。
ノース
アーロンブレムナーが開発した人型ロボット。身長4.72メートル、重量680キロ。ストレートの長い髪をしていて、上半身は女性の体型を模してデザインされており、肩のパーツが大きく、人間が乗ることも可能。両肩に3本ずつホース状の腕があり、それぞれの手が器用に武器や道具を使い分けることができる。下半身にはタイヤが装着された大きな球体が付けられていて、地上を走行可能な他、球体に複数空いている穴から炎を吐き出して空を飛ぶこともできる。 実戦での戦闘能力は世界最強だとアーロンは自負している。
イワン
ロシア製のヘビー級軍用ロボット。身長4.3メートル、重量2.6トン。ベルトが巻かれた円柱状の胴体に手足のパーツが取り付けられていて、体の各部位に歯車のようなデザインが施されている。耐久性に優れているだけでなく、大きな岩を軽々と砕いてしまうほどのパワーを備えていることから、ロシアが計画している月面開発プロジェクトに参加するロボットとして採用されることになった。
モヒカン・バッソ (もひかんばっそ)
大石リンダがロボット・レスリング(ロボレス)のために開発したロボット。全高3.8メートル、重量22トン。大きな鶏冠のある頭部を持ち、左胸に稲妻をモチーフデザインされたロゴが入っている。通称「紺碧の稲妻」と呼ばれている。遠隔操縦型のロボットで、スピードアップ機能が搭載されており、必殺技は拳から何発も放たれる大電圧バッテリーの超高速攻撃「稲妻連続パンチ」で、ロボレス会場全体に轟くほどのパワーを誇る。
ギガトンハンマー
A106がロボット・レスリングの第2試合で対戦したロボット。人間が搭乗して操縦するタイプのロボットで、無数の大きなトゲの付いた球形の鉄槌が両手に装着されているのが特徴。足にはキャタピラーが装着されており、「キャタピラーダッシュ」と呼ばれる高速移動を行い、両手の鉄槌で対戦相手を粉砕する。通称「怒涛の鉄槌」。
歩兵型ドローンCO-84 (ほへいがたどろーんしーおーはちよん)
量産型の人型ロボット。マルスに非常に酷似した見た目で、性能も似通っている。ICEの特殊操作部員の佐流田月江からは通称「バルト」と呼ばれており、同じ形状をしたロボットが多数存在する。国立練馬大学から帰宅途中のお茶の水博志と天馬午太郎を誘拐しようとした謎の黒服集団が、逃走する博志たちを追跡させるために歩兵型ドローンCO-84に応援を要請した。
F14 (えふじゅうよん)
お茶の水博志と天馬午太郎に拾われてから、第7研究室で飼われることになった猫。白毛と黒毛の混じった三毛猫で、2月14日に見つけられたことから午太郎が命名した。主に廃材置き場を遊び場にしている。マイペースで人懐こく、第7研究室に顔を出すようになったばかりの堤茂斗子にもすぐ懐いていた。特に博志の妹のお茶の水蘭に非常に懐いており、蘭に危険が迫ると、自分よりも一回りも二回りも大きい相手に対しても怖気づくことなく勇敢に立ち向かう。
集団・組織
マルヒゲ運送 (まるひげうんそう)
伴健作が経営している運送会社。新型人工知能ベヴストザインシステムの研究・開発費を捻出するためにお茶の水博志と天馬午太郎が働いている。届け物の配達、業者や会社などへの荷物の運搬、引越し業務を行っている。ちなみに堤茂理也、堤茂斗子の家は上得意先。
ヘラクレス社 (へらくれすしゃ)
科学雑誌に掲載されるほどに有名な軍事会社。超振動技術を応用したプレートユニットから超強風を発生させる新しいテクノロジー「ジェッターシールド」を開発し、ロボット・レスリングの2大会連続王者であるマルスに今大会からその機能を搭載し、空中飛行させることを可能にした。
ICE (あいす)
国際犯罪調査機構。国内外の犯罪を調査する国際組織で、日本政府も調査対象の1つ。国立練馬大学から帰宅途中のお茶の水博志と天馬午太郎が謎の黒服集団に誘拐されそうになったことがあるが、ICEはこの黒服集団と敵対関係にある。佐流田月江が所属している組織でもあり、月江は黒服集団に誘拐されそうになった博志と午太郎を救出する一助を担う。
場所
メカシティー
お茶の水博志たちが住んでいる都市。5年前に起きた原因不明の大震災で焼け野原になった後、都市の復興のために国がロボット産業の発展を推進した結果、ロボットを中心とした開発技術が大幅に飛躍し、最もテクノロジーが進んだ都市の1つになった。メカシティーでは住人たちが制作したロボットや着ぐるみを装着、または乗り込んで市内を縦断するパレードが開催されている。 博志や天馬午太郎もこのパレードにアルバイトスタッフとして参加していた。
国立練馬大学 (こくりつねりまだいがく)
メカシティーにある国立大学。最先端技術に特化した大学で、特にロボット工学科では、学内でも天才との呼び声が高い天馬午太郎と堤茂理也の2人が、研究生としてそれぞれの研究室でロボットの開発研究をしている。多くの研究室では「自立型人工知能」の研究が重点的に進められている。
第7研究室 (だいななけんきゅうしつ)
国立練馬大学にあるお茶の水博志と天馬午太郎がロボットの開発をしている研究室。プレハブ小屋のような小さな研究室で、立物の周囲には、はた目からは廃材にしか見えないような金属や機械の部品などが、山のようにうず高く積み上げられている。室内は土足厳禁。研究室の研究生は博志と午太郎だけで、博志の妹のお茶の水蘭や、堤茂斗子が時々遊びにやって来るだけ。 主にA10シリーズの開発、改良を行い、新型人工知能ベヴストザインシステムの開発研究に勤しむ日々を送っている。
その他キーワード
A10シリーズ (えーてんしりーず)
お茶の水博志と天馬午太郎によって開発されている、A106をはじめとした、人工知能の搭載されたロボットのシリーズ名。ベヴストザインシステムという新型人工知能の研究のために開発されているシリーズで、A101から現在に至るまでに計6体が作られている。現在はA106がこのシリーズの最新型だが、シリーズの完成形となるA107を鋭意開発中。
ベヴストザインシステム
お茶の水博志と天馬午太郎がA10シリーズで開発研究している新型の人工知能システム。「自我」という概念をロボットに持たせるためのシステムで、完成すれば、魂のない機械に真の意味での自律をもたらすことが可能となる。国立練馬大学の研究室の中では、博志と午太郎が所属している第7研究室のみがこのシステムの開発研究を行っている。 しかし、ロボットに自我を持たせるという従来の人工知能の開発研究とは一線を画した突飛な発想についていけない研究者は多く、ベヴストザインシステムの開発研究に否定的な声も多い。
ロボット・レスリング (ろぼっとれすりんぐ)
5年前の大災害から復興の象徴として急速に成長したロボット産業の影響で、近年爆発的に人気上昇中のロボットによるエンターテインメント格闘大会。通称「ロボレス」。制限時間内に相手が動けなくなったら勝利、引き分けは両方負けと、非常にシンプルで誰にでもわかりやすいルールも人気を定着させた要因の1つ。ロボットの大きさの規定も特になく、闘技場のゲートさえくぐることができれば、大きさもスタイルも無制限。 現在2大会連続でマルスが王座に君臨し続けている。優勝賞金目当てに、お茶の水博志と天馬午太郎がA106を出場させる。
SVTOL艇 (えすぶいとーるてい)
短距離滑走でも垂直でも離着陸できる飛行艇。機体の後方に大きな2つの羽が付いており、羽の下部にエンジンが搭載されている。お茶の水博志たちが夏休み期間中に、Dr.ロロの正体を突き止めるため、無人島へ行く際に使用した堤家の飛行艇。操縦はばあやが行った。
ラビィ
最新鋭の仮想人格プログラム。車にリンクさせれば各種装置の操作はもちろん、自律運転や観光案内もしてくれる。また、笑ったり怒ったり悲しんだりといった喜怒哀楽の感情も持っていて、世間話のような会話もできる。佐流田月江が所有している車にこのプログラムを搭載させており、機械を埋め込まれている脳の一部と右目にリンクをさせることで、自分の意思で自由自在に車を操縦することができる。
チューリングテスト
イギリスの数学者であるアラン・チューリングが考案したテストで、人工知能に知性があるかどうかを証明するために使われる。判定者が隔離された「人工知能」と「人間」の両方と会話して、どちらが人間か判断できない場合は、その「人工知能に知性がある」と判定する。お茶の水博志が佐流田月江に人工知能について説明する際、AI判定するための1つの例としてこのチューリングテストを挙げていた。 しかし、近年ではAI判定にチューリングテストを用いることはほとんどないと天馬午太郎は語っている。
クレジット
関連
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