八雲百怪

八雲百怪

明治時代、日本のゴーストストーリーを収集する小泉八雲は、日本の西欧化・近代化のために「かくり世」へつながる門を閉じる仕事をしている甲賀三郎と出会い、行動を共にするようになる。彼らが出会った様々な妖怪や怪異を描いたオカルト和風ファンタジーの連作短編。『北神伝綺』『木島日記』に続く民俗学ロマンシリーズ第三弾。

正式名称
八雲百怪
原作者
大塚 英志
作者
ジャンル
オカルト
レーベル
角川書店(角川書店)
巻数
全2巻
関連商品
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概要・あらすじ

明治時代、近代化を進める日本政府に“お雇い外国人”として招き入れられたアイルランド出身の男性・ラフカディオ・ハーンは、日本に帰化し、日本名を小泉八雲と名乗っている。彼は帝国大学で教鞭をとりながら日本に伝わる民話や伝承、特にゴーストストーリーを収集していた。ある時、八雲は祭りを見るたびに訪れた農村で、甲賀三郎と名乗る男に出会う。

彼は日本の近代化のために「かくり世」へつながるを閉じる仕事をしていると言った。彼の連れているキクリという市松人形に気に入られた八雲は、以降、甲賀三郎と行動を共にし、様々な怪異に出会う。

登場人物・キャラクター

主人公

アイルランド出身の男性。明治時代、近代化・西欧化を進める日本政府に“お雇い外国人”として招き入れられた西洋人の一人。帝国大学の講師として教鞭をとっており、英文学と詩を教える傍ら、地方をめぐって民話や伝... 関連ページ:小泉 八雲

内閣法制局の嘱託を受け、松岡の私設調査員として各地を回っている男。日本の西欧化、近代化のため、各地に残る「かくり世」への門を封じる仕事を行っている。肌も目も陽の光に弱いため、日中外に出るときは布で目を... 関連ページ:甲賀 三郎

東京専門学校に通う明るい性格の青年。小泉八雲の大ファンで、帝国大学に何度も英語の講義を聞きに行ったという。旅先で八雲と出会い、腹痛を起こしたガイドの代わりをする。その際、甲賀三郎とも知り合っている。東... 関連ページ:会津 八一

甲賀三郎が鞄に入れてもち歩いている市松人形。意識があり、人語を喋る。「かくり世」への門を自由に開閉でき、この世と常世(とこよ)を好きに行き来できる力を持つ。また、鈴のついたリボンのような頭飾りを解くこ... 関連ページ:キクリ

小泉八雲の妻。八雲との間に子供をもうけている。時に不思議なことを話す八雲を自然に受け入れ、女主として家を切り盛りしている。八雲の話では、夢見と呼ばれる夢占いがよく当たるという。また、八雲の夢に入ったと... 関連ページ:ママさん

内閣法制局で参事官を務める男性。口ひげを生やしている。甲賀三郎の雇い主。元々は詩人として活躍しており、森林太郎に認められるほどの才能があったが、現在は日本の西欧化・近代化のため、各地に存在する「かくり... 関連ページ:松岡

森林太郎

東京第一師団軍医部長を務める男性。口ひげを生やしている。ドイツ留学より帰国後、軍医を務めながら文筆活動を開始。ドイツ女性との恋愛を描いた『舞姫』を発表した。松岡と面識があり、彼の詩人としての才能を惜しんでいる。ドイツ留学時代に恋人だったエリーゼを口寄せしたことから怪奇に遭遇。松岡に相談をする。

エリーゼ

ドイツ人の若い女性。青い目をしている。ドイツ留学中の森林太郎と恋に落ち、結婚の約束をする。森林太郎を追いかけ来日したものの、森家から結婚の許しが得られず破局。失意のうちに帰国の途についたが、その途中、船から落ちて死んだとされている。事故か自殺かは不明。

アンネッタ

小泉八雲が書いたゴーストストーリーを手紙として送る女性。八雲は彼女を「親愛なる異端者(ペーガン)」と呼ぶ。

土玉

東京医学校で講師を務める男性。眼鏡をかけている。医学校内では奇人として有名。老人と化した若者を調べるため、森林太郎の紹介を受けた甲賀三郎が尋ねた。賑やかに現れ、患者のもとに甲賀三郎を連れて行くと、「好きにして」と告げて去っていった。

百々目鬼

両腕に多数の目を持つ妖怪。「かくり世」への扉を開く門番の橋姫であったが、土地の名前が変わり、人々がその名を忘れるに従って自分の正体を忘れてしまっている。

儀来婆

海の近くに現れるという妖怪。甲賀三郎は海で神隠しにあった女の成れの果てだという。

その他キーワード

「かくり世」に通じる亀裂のような場所。日本中に散在しているという。門は何らかの条件で開閉するが、開いた際にはそこから「この世ならざるもの」妖怪や神が顕現することがある。甲賀三郎は日本の近代化、西欧化のため、松岡の命を受け、この門を閉じる仕事をしている。

縄筋

キクリが鈴のついたリボンのような頭の飾りの紐を解き、伸ばすことで作られる道。行きたい場所へ瞬時に到着することができるが、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が使用する魔物の道のため、紐から振り落とされた人間は、元の世界に戻ることができないという。

クレジット

原作

書誌情報

八雲百怪 全2巻 〈角川書店〉 完結

第1巻

(2009年2月5日発行、 978-4048542746)

第2巻

(2009年3月5日発行、 978-4048542821)

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