概要・あらすじ
霊感体質の少女姫路若葉は人には見えないモノが見えてしまうため、周囲に馴染めずにうつむき気味の日々を過ごしていた。ある日、若葉は「プピポー」と鳴くピンク色でフカフカの不思議生物、ポーちゃんを拾い、共に暮らすことになる。不思議な力を持つポーちゃんのおかげで、身の回りに起こる心霊現象に立ち向かえるようになった若葉は、徐々に明るく変化していく。
登場人物・キャラクター
姫路 若葉 (ひめじ わかば)
小学五年生。人には見えないモノが見える霊感体質の持ち主。黒髪で前髪パッツンの美少女。若葉にかかわるとロクなことがない、とクラスメイトからは「まじょ」と呼ばれ敬遠されていた。不思議な生きものポーちゃんを拾ってきて、飼うことになる。
若葉のママ (わかばのまま)
姫路若葉の母親。昔、猫にひっかかれてしまい、猫嫌いになった。娘の若葉に笑顔を取り戻させるため、若葉が拾ってきたポーちゃんを飼うことを許す。
ポーちゃん
霊体でも生物でもない、ピンク色のフカフカした生き物。段ボール箱に入れて捨てられていたところを姫路若葉に拾われ、姫路家で飼われることになった。カタコトだが日本語を話す。不思議な力を持ち、若葉に起こる心霊現象から彼女を守っている。当初はオバケと言われていたが、正体は不明。
百 桃華 (ひゃく ももか)
姫路若葉が飼うことになったポーちゃんの正体を怪しんで、若葉のパパが連れてきた霊能力者。頭を覆う大きなフードの付いた服と黒眼鏡が特徴。プピポーをおぞましい怨霊だと言うが、実はカワイイ女を見るとボコボコにしたくなるという悪質な詐欺師。
東 礼子 (あずま れいこ)
姫路若葉が通う学校に、長野県から転校してきた少女。若葉の隣の席に座ることになる。瓶底のようなグルグル眼鏡が特徴。霊感はまったくないが、オカルト大好きっ子。家はわりと裕福で、「この世のビックリするものはひととおり見てきた」と豪語する。若葉を「まじょ」と言ってシカトするクラスメイトたちに「アンタたちの方がよっぽど魔女よ!」と啖呵を切る、性根の良いところがある。 通称あーちゃん。
若葉のパパ
姫路若葉の父親。昔、犬に咬みつかれたトラウマを持つ。メガネとヒゲが特徴。娘の姫路若葉に笑顔を取り戻させるため、プピポーを飼うことを許した。天才画家であり、その作品は何百万円という値段で取り引きされている。しかし画力は乏しく、自分が描きたい美しいものを描けないことに悩んでいる。大学時代にダーツの腕を磨いていた。
雨山 良平 (あめやま りょうへい)
姫路若葉のクラスメイト。若葉の不思議な魅力に惹かれ恋をしてしまうが、若葉の方は彼を恋愛対象としては見ていない。
結城 直哉 (ゆうき なおや)
姫路若葉と同じく霊感体質に苦しんでおり、その能力を捨てたがっている。ポーちゃんに触れたことがきっかけで、若葉の友達となる。
宮本 爆散 (みやもと ばくざん)
若葉のパパの絵の師匠。姫路若葉と同じく霊感体質で、プピポーのことが可愛らしい男の子の姿に見えている。妻を亡くしたショックで一時期、まったく絵を描けなくなってしまったが、妻への溢れる感情を葬り去ることで復帰した。
園田 美代理 (そのだ みより)
姫路若葉のクラスメイトで、若葉を「まじょ」と言ってイジメている。通称ミヨちゃん。過去に結城直哉にフラれたことがある。若葉と結城の仲を疑い、2人を気まずくさせるための作戦を雨山に持ちかける。
ハル
忘失の間で、結城直哉たちが出会った少女。手足が鳥のような姿をしている。もともとは人間のように話したいと願っていた鳥。
アマナス・ドン・ペスカトーレ
最果ての間にある城で自らを王と称し、魂を囚えては自分に都合の良いものに生まれ変わらせている。姫路若葉の友人である東礼子と園田美代理を誘拐し、強制的に生まれ変わらせて自分の妻にしようとする。
場所
忘失の間
『プピポー!』の用語。人々から忘れられ捨てられていったものが辿り着く場所。寝ているあいだにプピポーに見せられた夢で姫路若葉も来たことがある。ここに来たものは、この世との決別を果たし、やがて忘失の最果てへと流れ着く。この世ともあの世ともつかない、まったく別の世界。