概要・あらすじ
日本のどこかにある、世間から隔絶された村・凹村に、ある日突然「X」の形をした謎の物体が落下した。村の中学生・凹沢アルは、物体の正体を突き止めようと奔走する中で、H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』を読み、小説と同様に凹村の外では火星人による侵略が行われていること、それは凹村にも及ぼうとしていることを知る。
登場人物・キャラクター
凹沢 アル (おうさわ ある)
凹村中学校の3年生で、凹伴ハジメ、凹坂カヨと同級生。勉強は苦手で、誰でも合格すると言われている凹村高校への進学も危ぶまれている。村に落ちてきた謎の物質に興味を持つ。凹伴に借りて『宇宙戦争』を読んだことで村に起きている出来事に気づき、凹瀬戸サナエに焚き付けられたことがきっかけで、事態に立ち向かうべく東京の高校を目指す。 素直で一本気な性格。
凹伴 ハジメ (おうとも はじめ)
凹村中学校の3年生で、凹沢アル、凹坂カヨと同級生。読書家で賢く、大人びた性格。メガネをかけている。『宇宙戦争』を読んだことで、アル、カヨに先んじて世界に起こっていることを理解していたが、特に行動を起こそうとはしなかった。物語後半でカヨと付き合い始める。
凹坂 カヨ (おうさか かよ)
凹村中学校の3年生で、凹沢アル、凹伴ハジメと同級生の女子生徒。担任教師の凹瀬戸サナエになんとなく反感を抱いている。インベーダーゲームが好き。ハジメとつき合うようになる。
凹瀬戸 サナエ (おうせと さなえ)
凹沢アルらが通う凹村中学校の女性教師で、担当教科は数学。もともと凹村の出身で、結婚にともない一度は村を出たが、離婚してまた凹村に戻ってきた。3歳の娘がいる。実は教員免許を持っていない。
場所
凹村 (おうそん)
凹沢アルらが暮らす村。四方を高い山に囲まれた盆地にあるためにその名がついたと言われている。テレビはNHKしか映らず、インターネットも携帯電話も使用できず、新聞は2週間遅れで届く。村の中に中学校と高校があり、ほとんどすべての子どもが村内で進学する。名前の元ネタは、H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』をラジオ番組化した脚本家・オーソン・ウェルズ。