青い霧が不老不死をもたらす世界
本作の舞台は謎の青い霧が発生して以来、人や動物などが不老不死になってしまった不思議な世界。かつて「ベルギー」と呼ばれていた国の工業地帯、ブリュッセルアクロポリスで青い霧を管理する煙突局に勤務するパゼは、謎の怪物に追われている不思議な少女、マーガレットと出会ったことで、大きく運命が変わっていく。不老不死の生き物に死をもたらされるようになった街で、パゼとマーガレットが過酷な運命に立ち向かっていく姿が、ラブコメディやバトルファンタジーを交えて展開される。
煙突公務員と青い鳥を探す少女
パゼが暮らしているブリュッセルアクロポリスは一見なんの変哲もない街。しかし、突如全世界の大地からあふれ出た謎の青い霧の影響によって、すべての生き物が不老不死になり、老婆は老婆のまま、少年は少年のままで生活を送っている。青い霧の発生からすでに数百年が経ち、生き物が永遠の命を得たことで食糧危機が深刻化していた。そんなユートピアのようなディストピアのような世界で生きてきたパゼは、いつしかこの不死によって繰り返される日々が無意味に感じられ始め、本当の幸せとは何かを考え、そんな答えのないものを求めるようになる。
怪物「死会背」の脅威
マーガレットを長年追っているのは、不死の生き物に死をもたらす「死会背」という怪物だった。ふつうなら見えぬはずの死会背を視認できるパゼは咄嗟(とっさ)に反応し、マーガレットを救うことに成功する。そして、死会背を視認できるのは一部の人間のみで、その人間は国家公務員として死会背と戦っていることが判明する。マーガレットと同居することになったパゼは、死会背や国家公務員と無縁の立場ではいられなくなり、新たな葛藤や戦いに身を投じていく。人々の生死を左右する死会背や、青い霧が蔓延(まんえん)した世界の謎、パゼの周囲に現れるようになった青い鳥の秘密が、ストーリーが進むにつれて明らかになる。
登場人物・キャラクター
パゼ
青い霧に閉ざされた世界にあるブリュッセルアクロポリスに住む少年。煙突やダクトを整備して青い霧を管理する「煙突公務員」を務めている。金髪をツンツンヘアにしている。父親と暮らしていたが、父親が出て行ってからは一人暮らしをしている。青い霧の影響であらゆる生き物が不死身の体になってしまった世界で、幸せとは何かを考えながら、幸せを追い求めている。マーガレットと出会ったのをきっかけに、ふつうの人には見えない青い鳥や死会背が見えるようになる。
マーガレット
幸せの青い鳥を探している謎の少女。金髪をロングヘアにしている。天真爛漫(らんまん)な人懐っこい性格で、不思議な言動を繰り返している。ある日突然、ブリュッセルアクロポリスに現れてパゼと出会う。実は何百年も前から死会背に追われており、青い鳥を追い求めて逃げ続ける日々を送っていた。死会背が見えるパゼに救われ、一人暮らしの彼と同居を始める。全裸で寝るなど破天荒なところがあり、食い意地が張っている。
その他キーワード
死会背 (しあわせ)
マーガレットを追っていた謎の怪物。青色の巨大な鳥獣のような姿をしている。青い霧の影響で不死になった生き物を襲い、死をもたらす存在。ふつうの人間は他人に取り憑(つ)いた死会背を見ることはできず、ごく一部の者のみが視認できる。口を開けた時のみに露わになる「死に目」の赤い部分が弱点。
書誌情報
別にいやらしい意味じゃなくて一緒に住んでも構わないよマーガレット 全2巻 マッグガーデン〈BLADEコミックス〉
第1巻
(2012-05-10発行、 978-4861279959)
第2巻
(2013-01-10発行、 978-4800000699)