あらすじ
第1巻
スマートフォンのゲームにはまっている柊琴音は、その中の一つであるファンタジーRPG「ラグナロク・エッジ」のイベントで100位以内にランキングされる。特別報酬として届いたURLをタップすると、今までプレイしていた「ラグナロク・エッジ」とは別の「ラグナロク・エッジ」が始まり、目の前に一人の男性、ウルが現れる。ウルから「琴音がゲームの中からウルを召喚した事で二人は主従関係となり、さまざまなミッションをクリアしていく必要がある」と説明されるが、琴音は半信半疑でいた。そんな琴音を見たウルは、琴寝にはっきりと理解させようと家の外に出ると、いきなり銃を持った男性とその主人と思われる女性に襲われてしまう。
第2巻
ある日、ウルに続いて二人目の従者、フェオを召喚した柊琴音は、ラグナロク・エッジの運営から「バトルイベント」の招待を受ける。ラグナロク・エッジ関連では、これまで何度も危険な目に遭っている琴音だったが、イベント参加を決める。イベント当日、指定された場所に行くと、そこには自分と同じようなプレイヤーが多く集まっており、その中にはラグナロク・エッジを通じて友達になった冬城雪や、ウルを召喚した直後に琴音を襲った一条沙羅もいた。バトルイベントの内容は、バトルロワイヤル方式で最後まで残っていたプレイヤーにスペシャルアイテムが贈られる、というもの。ある者はスペシャルアイテムのために、ある者は雪辱を果たすためにと、イベントに掛ける思いが交錯する中でイベントが始まる。
登場人物・キャラクター
柊 琴音 (ひいらぎ ことね)
スマートフォンで複数のゲームをプレイしている女子高校生。お小遣いの範囲内で課金もしており、「計画的な課金」をモットーにしている。どうせ現実では友達関係や恋愛事はうまくいかないからと、ゲームで類似体験すればいいと考えている。幼なじみの藤倉祥太や、ゲームを通じて知り合った冬城雪以外に友人はいない。1年前にサービスを開始した大人気ファンタジーRPG「ラグナロク・エッジ」にはまっており、イベントでランキング100位以内に入った報酬として受け取ったURLをタップした事で、これまでプレイしていたラグナロク・エッジとは別のラグナロク・エッジが始まり、ウルを召喚して彼の主人となってしまう。ゲームをクリアするか、ゲームオーバーになるまでウルとの主従関係は続くが、ゲームオーバーになると命が脅かされるため、ウルと協力してゲームクリアを目指している。二人目の従者であるフェオからは「フェアリーちゃん」と呼ばれている。
ウル
柊琴音がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した男性キャラクター。琴音の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。不遜な態度で口が悪いが、琴音の事を大事に思っており、いつも彼女を気にかけている。バトルでは身長と同じくらいの大剣を使用する。
フェオ
柊琴音がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した男性キャラクター。琴音の二人目の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。女性のような口調でしゃべり、見た目も女性っぽいため、ほとんどの人から性別を間違えられている。自他共に認める究極の魔法使いで、バトルではニイドの全身を一瞬のうちに凍らせた。
一条 沙羅 (いちじょう さら)
ウルを召喚したばかりの柊琴音を襲った女子高校生。ニイドとハガルの主人でもある。負ける事をなによりも嫌い、琴音やウルとの勝負で負けたニイドに対して、お仕置きのような仕打ちをするサディスティックな性格。他人だけでなく自分にも厳しく、雪辱を果たすための努力をいっさい惜しまない。
ニイド
一条沙羅がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した男性キャラクター。沙羅の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。沙羅に対して絶対の忠誠を誓っており、沙羅からどんな叱責をされても受け入れる。のちに、沙羅との間に、主と従者の信頼の絆が生まれた時のみ使える技が使えるようになる。バトルでは二挺拳銃を使用する。
ハガル
一条沙羅がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した少年キャラクター。沙羅の二人目の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。自由奔放な性格をしており、ふだんは沙羅の言う事をあまり聞かない。バトルでは鎖の両端に鎌がついた鎖鎌を使用し、鎖で相手を拘束したり鎌で襲い掛かったりする。
冬城 雪 (ふゆしろ ゆき)
モンスターに襲われていた柊琴音を助けた少女。琴音と同じくスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」をプレイしており、イスという従者がいる。イスからは「マイロード」と呼ばれている。同じゲームをプレイして話も合う事から琴音と友達となる。のちに、ウィンを二人目の従者とする。少し気弱な性格だが、従者の事を大切に思っており、イスやウィンの事を悪く言う人間に対しては容赦しない。
イス
冬城雪がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した初老の男性キャラクター。雪の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。雪を献身的に支える紳士で、つねに雪の身を第一に考えている。バトルでは棒を使用する。
ウィン
冬城雪がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した男性キャラクター。雪の二人目の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。雪の従者をしつつ独自に動いており、真意は謎に包まれている。バトルでは刺突剣を使用する。
藤倉 祥太 (ふじくら しょうた)
柊琴音のとなりに住む男子高校生。琴音とは幼なじみで、同じ高校に通っている。勉強や友達付き合いをせずに、ゲームばかりしている琴音を心配して頻繁に声をかけている。琴音がウルを召喚した直後に一条沙羅とニイドに襲われたバトルで、琴音をかばって大ケガを負う。ケガは琴音がバトルに勝利する事で完治し、その後、藤倉祥太もファンタジーRPG「ラグナロク・エッジ」を始めて、ラーグの主となる。「ダーク・プリンス」というユーザー名で登録しており、周囲からよくからかわれている。
ラーグ
藤倉祥太がスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」から召喚した男性キャラクター。祥太の従者。スマートフォンから現実世界に現れる事もでき、人間と会話もできる。イベントでのウィンの戦い方を見て、ウィンの事を怪しむ。
青山 (あおやま)
柊琴音がアルバイトする喫茶店で店長を務める男性。つねに笑顔を絶やさず、琴音が失敗しても励ます優しい性格ながら、裏ではスマートフォンゲーム「ラグナロク・エッジ」の運営者とつながっており、ある計画のために琴音や一条沙羅、冬城雪などのプレイヤーを注視し続ける。
クレジット
- 原作
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緑川 光