十年目の毬絵

十年目の毬絵

染め物屋に勤める島田太一は、久野毬絵に告白する夢を見、彼女と結婚した津川克美の個展の話を聞いて、自分の思いに向き合い、一念発起して個展の開催を志す。そこに津川から毬絵が死んだという連絡が入る。島田は津川の家に赴き、毬絵と大学時代を懐かしんだ。

正式名称
十年目の毬絵
ふりがな
じゅうねんめのまりえ
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

染め物屋に勤める島田太一は、昔交友を絶った久野毬絵に告白する夢を見た。職場では、彼女と大学の頃に結婚して、姿を消した津川克美の個展の話を耳にする。自分の毬絵への思いを意識する島田。上司の勧めもあり、二人に顔向け出来る自分になろうと、個展の開催を決意する。そこに津川から毬絵が死んだという連絡が入る。

葬儀に向かった島田に、津川毬絵が以前書いて遺したという「なぜ三人でいられなかったのか」という手紙を見せ、島田に彼女を奪われるのを恐れるあまり、連絡もせずに彼女と結婚、大学を辞めたのだと口にした。彼女と結婚した後、幾度も衝突を繰り返したという津川。一度は家を後にした島田だったが、不吉な気配に津川のところへ戻り、自分の個展に来てくれるように言う。

島田津川は、大学時代の頃を懐かしんだ。

登場人物・キャラクター

島田 太一 (しまだ たいち)

『十年目の毬絵』に登場するキャラクター。三十歳過ぎの独身男性。毬絵に恋をし、夢にまで見ていた。のれんの染め物屋に勤めており、描く図案は個展の開催を勧められる程。毬絵と津川とは、大学の芸術学部で知り合い、友情をはぐくんだ。大学三年生の冬に、毬絵と津川が結婚、大学を辞めた。毬絵に恋していた島田は消沈。 だが十年後の或日、毬絵を夢に見、津川の個展の話を聞いて、自らも個展の開催を志す。だがそこに津川から毬絵の死を知らせる電話がかかってくる。津川の家で彼と毬絵の思いを聞いた島田は、大学時代を懐かしんだ。

久野 毬絵 (ひさの まりえ)

『十年目の毬絵』に登場するキャラクター。島田と津川の大学の芸術学部での学友。大学三年生の冬に、津川と結婚し大学を辞めた。薬の濫用のため死亡。島田に宛てた「なぜ三人でいられなかったのか」という手紙を遺した。

津川 克美 (つがわ かつみ)

『十年目の毬絵』に登場するキャラクター。島田と毬絵の大学の芸術学部での学友。大学三年生の冬に、毬絵と結婚。島田に毬絵をとられるのを恐れるあまり、連絡もせずに大学を去った。毬絵の葬儀に島田を呼び、彼女の遺した手紙を見せた。

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