古々路ひめるの全秘密

謎の少女、ひめるは、「異世界サライネンの勇者の転生体」「銀河帝国皇帝と国際諜報組織のリーダーの娘」「顔出ししていない伝説の歌手」「全国除霊師連盟の除霊免許者」「かつて魔法少女だった」「幻獣を保護する資格を持っている」「暗殺拳の奥義継承者」など、実に16以上もの秘密を抱えている。本作は、そんな彼女の秘密をめぐる数々のエピソードが、学園コメディやファンタジー、SFなど多岐にわたるジャンルを融合させながら、テンポよく展開される。

超一流の用心棒であるツグムは、組織の命令により大富豪の令嬢、ひめるの護衛を任される。ツグムは彼女が通う高校に生徒として潜入するが、ある日、授業を抜け出したひめるの行動に不審を抱き、あとを追う。そこで目にしたのは、ひめるが巨大なドラゴンを魔法で拘束するという、常識を超えた光景だった。さらに、ひめるを敵視する異星人「共和国過激派」に拉致されるなど、ツグムは超常的な出来事に巻き込まれていく。ひめるの途方もない秘密と、それに伴う数々の超常現象が明らかになる中、ツグムはいっさい動じることなく、冷静沈着に用心棒としての任務を全うし続けるのだった。

ひめるの秘密を知ったツグムは、彼女が小型化したドラゴンをペットとして迎え入れる。さらに、ひめるの父親でありマフィアの頭目、マティーニからも人柄を認められ、持ち前の順応力で次々と超常的な知己を増やしていく。そんな中、ツグムは椎暮兎高校に生徒として潜入していた銀河帝国軍の騎士、真島シンジから因縁をつけられる。真島は幼い頃からひめるの騎士として仕えてきたが、その過剰な使命感はひめるにとって悩みの種だった。しかし、ひめるを狙う共和国軍の強襲という危機に直面し、ツグムと真島は思わぬ形で共闘。やがて二人は互いの実力を認め合うようになるのだった。