父親の死の真相にせまる余命1年の女子
ヒロインの岬は9年前に事故で父親を亡くしてから、養護施設「星空の家」で暮らしている。生まれてすぐに病気で母親を亡くし、5年前に兄も母親と同じ病気で亡くしている。そして岬自身も不治の病を患っており、医師から余命1年を宣告されている。周囲から父親は事故死と聞かされていたが、謎の人物から形見の指輪の秘密を知っていると告げられる。そして岬は、指輪の秘密を知る手がかりがあるとされる黒衣大学付属中学校に編入。そこで学園の「魔王」と呼ばれる嶺治の力も借り、父親の死の真相にせまっていく。
岬に恋して変貌する学園の魔王
嶺治は黒衣大学付属中学校の権力者で、月に一度開かれる「中学部会」のリーダーでもある。さまざまな分野で功績を残した特別な生徒しか参加できない中学部会は、気に入らない先生や生徒を追放する権限を持つ。嶺治は転校初日から自分に対して反抗的な態度を取る岬に対しても、中学部会で邪魔者とみなして追放を宣言。しかし、岬の短い命を激しく燃やすような前向きな言動を受け、彼女に好意を寄せるようになる。そんな中、養護施設「星空の家」では岬に特別なケアが必要になったため、ほかの子供たちへの世話が手薄になっていると聞き、岬を自宅に招いていっしょに暮らすことを提案する。当初は冷めた性格だったが、岬と付き合ってからは笑顔を見せ、彼女のために自分は何ができるのかを考えて力を尽くすようになる。
二人の仲を引き離す難病
岬は難病「先天性呼吸器機能低下過眠症候群」を患っており、緩和する薬はあるものの、明確な治療法は確立されてないため、嶺治は岬と共に過ごせる時間を大切にしている。そんな中、嶺治は父親から一族が経営している製薬会社「三国製薬」の力をもってすれば、岬の病が治る可能性があると聞かされる。しかし、治療を受ける条件として岬と嶺治が別れること、そして岬が新薬の実験体になることを提示される。二人は引き離されたうえ、岬は後遺症で記憶の一部を失ってしまう。そんないくつもの挫折に見舞われながらも、困難を乗り越えた岬と嶺治は強い絆(きずな)で結ばれていく。
登場人物・キャラクター
奥村 岬 (おくむら みさき)
父親の死の真実を探るため、黒衣大学付属中学校に転校してきた女子。9年前に事故で父親を亡くしてからは、兄の渚と養護施設「星空の家」で暮らしていた。5年前に兄も母親と同じ病気で亡くしており、天涯孤独の身。岬自身も生まれながらに難病「先天性呼吸器機能低下過眠症候群」を患っており、医師からは余命1年を宣告されている。ふだんは薬を服用していることもあって元気一杯で、運動神経も抜群。天真爛漫な性格で、自分の意見をはっきりと口にすることから、学校を支配している「魔王」と呼ばれる嶺治に目をつけられる。その後、岬の優しさに触れた嶺治から思いを寄せられるようになり、強引なアプローチを受け、のちに正式な恋人同士となる。父親の死の真相につながるとされる指輪をペンダントにしている。
三国 嶺治 (みくに れいじ)
黒衣大学付属中学校に所属している男子。有名政治家の息子で裕福な家庭に育ったこともあり、学校内では圧倒的な権力を握っている。特別な生徒しか参加できない「中学部会」ではリーダー役を務め、岬に出会う前は自分に従わない相手は容赦なく追及していた。しかし、実際はいじめや争い事をなくすため、嶺治自身の権力を活かして学園の平和を守っており、私利私欲のために行動していたわけではない。自分に反発して反抗的な態度ばかり取る岬が気に入らず、彼女が転校して早々に嫌がらせを開始。しかし、ひょんなことから岬の優しさを知り、それからは彼女に恋心を寄せるようになる。しかし気持ちを伝える術を知らず、最初は強引に自分のものにしようとしていたが、次第に岬の心に寄り添うようになる。親しい友達からは「レイ」と呼ばれ、一部の生徒からは「魔王」と呼ばれて恐れられている。
書誌情報
終わる世界でキミに恋する 8巻 小学館〈ちゃおコミックス〉
第1巻
(2016-03-31発行、978-4091383228)
第2巻
(2016-07-22発行、978-4091386076)
第3巻
(2016-11-29発行、978-4091388070)
第4巻
(2017-05-31発行、978-4091393432)
第5巻
(2017-10-31発行、978-4091395962)
第6巻
(2018-03-30発行、978-4098700516)
第7巻
(2018-08-01発行、978-4098702275)
第8巻
(2019-01-30発行、978-4098703272)







