概要・あらすじ
軽薄でスケベな青年坂田光男の先輩、徳山はある日恋人純子の為に300万円稼ぐと言い自衛隊への入隊。その二年間の間、純子に悪い虫が付かないように坂田に見張りを頼んだ。しかし、坂田は自分自身がこらえきれずに彼女と何度も関係を持ってしまう。嫉妬深い徳山は純子から届いた手紙にあった何気ない一文で激昂し自衛隊を退職、坂田へと殴り込みをかけた。
折悪く純子と情事に励んでいた坂田は、とっさに自分が徳山の代わりに300万を稼ぐことを提唱、自衛隊に入隊させられることに。遊び感覚でふざけまくる坂田だったが、自衛隊は彼の想像を超えて過酷な所だった。更に配属された教育中隊第21内務班は班長の山口健太を始め曲者が勢ぞろいしており、騒がしい日々が幕を開けるのであった。
登場人物・キャラクター
坂田 光男 (さかた みつお)
初登場時19歳。軽薄でスケベな性格の青年。先輩の徳山が自衛隊に行っている間、彼の恋人純子に悪い虫が付かないよう見張っているように言われるが、自分自身が手を出してしまう。そのことを察して脱退した徳山に殺されかけ、彼の代わりに自衛隊に行って金を稼ぐことになる。教育中隊第21内務班一のトラブルメーカーであり、戒律違反の常習犯。 周囲を巻き込み、様々な騒動の中心となっていく。毎月の給料はその日に徳山に取り上げられてしまうため、自由に使える金銭は殆どない。広報班の三曹・浅野ちえに惚れており、しばしばアプローチをかけている。
浅野 ちえ (あさの ちえ)
陸上自衛隊広報班に所属する女性。その美貌とプロポーションから思いを寄せる男性も多く、マドンナ的扱い。男を手玉に取ることも上手く、しばしば坂田光男で遊んでいる。
山口 健太 (やまぐち けんた)
陸上自衛隊教育中隊第21内務班の班長を務める三曹。坂田光男の上官であり、脱退前の徳山の指導教官でもあった。小男であり、重度のインキン。更には徳山が脱退する際、彼に顔面を殴られたせいで歯も何本か欠け落ちている。軍の規律に厳しくあろうとするが、坂田に良いようにやられてしまうことが多く、問題児の多い21班に手を焼いている。 悪人ではなく、部下を気遣うこともあり、坂田と類似する点も多い。博打好きの父親のせいで中学卒業後進学せずに働きに出て、更には父親によって自衛隊へと売られてしまう。そういった過去で培われた財テクはかなりのものであり、貯金は多い。将来は自衛隊で出世を繰り返し政治家になることを夢見ている。 坂田同様浅野ちえに惚れているが、相手にされていない。
徳山 (とくやま)
坂田光男の先輩で、強面で腕っぷしの強い大男。異常に嫉妬深い性格で、恋人の純子を溺愛している。当初は純子の美容室開店資金の300万を稼ぐために自衛隊に行くも、彼女の浮気に気が付き脱退、その際に訓練で虐められた上官の山口健太を殴り飛ばしている。その後は坂田の給料日の旅に、彼の給料を没収しに自衛隊を訪れる。
純子 (じゅんこ)
徳山の恋人で、色っぽい美女。美容室を開店させることを夢見ており、徳山に開店資金、300万円の用意を依頼した。性的に奔放で、マイペースな性格。
渡辺 伸一郎 (わたなべ しんいちろう)
坂田光男と共に教育中隊第21内務班に所属する男性。常に落ち着き払った人物だが、ストレス発散のために喧嘩をする凶暴な面も持ち合わせる。子供がいるが、詳しい事情は不明。浅野ちえに気を持っており、坂田や班長の山口健太とはライバル関係。
松永 達也 (まつなが たつや)
坂田光男と共に教育中隊第21内務班に所属する男性。分厚いメガネをかけた小男で、背格好は班長の山口健太に似ている。かなりのガンマニアであり、入隊理由は本物の銃が撃ちたいから。弾丸を自作できるなど、手先が器用で知識も豊富。
三輪 義彦 (みわ よしひこ)
坂田光男と共に教育中隊第21内務班に所属する男性。鹿児島出身の純朴な大男で、家族への仕送りのため、そして国を守るという意志から自衛隊に入隊した。班内で一番成績が良いが、性的な物事に興味深々な童貞であり、しばしば問題を起こす。
河合 郁男 (かわい いくお)
坂田光男と共に教育中隊第21内務班に所属する男性。元は相撲部屋に所属していたが、あまりにもきつい稽古に耐え切れず脱走、その後行くあてもなく自衛隊に行きつく。体重が100キロを超える巨体であり、運動神経は著しく低い上にすぐに空腹を訴える軟弱な意志の持ち主。しかし、喧嘩にはめっぽう強く、特に飯のことが絡むと性格が豹変する。
赤木 俊治 (あかぎ としはる)
坂田光男と共に教育中隊第21内務班に所属する男性。女性的な言動が多く、医者である父親によって、性格を矯正させるために入隊させられた。入隊前に髪を伸ばしていた時は、女性と見間違うほど中世的な顔立ち。同班の渡辺伸一郎に好意を持っている。
水津 (みなづ)
陸上自衛隊・教育中隊小隊長を務める男性。階級は二尉。メガネをかけて、神経質そうな顔立ち。防衛大出身のエリートで出世欲が強く、問題ばかり起こす21班に頭を抱えている。
水戸 (みと)
陸上自衛隊・教育中隊小隊長に転勤してきた男性。水津とは防衛大の同期で、階級は二尉。爽やかで人当たりの良い上司を演じているが、内心では人を利用することを常に考えている計算高い性格。
外園 (そとぞの)
坂田光男らが所属し、問題を頻発させる陸上自衛隊教育中隊第22班を更生させるために、山口健太の副官として付けられた士長。10年近く昇進試験に落ち続けており、性格が極度にねじ曲がっている。憂さ晴らしのように坂田たちに酷な訓練を付けるものの、仕返しとして外で階級詐称していることをばらされ、更迭されてしまった。
集団・組織
自衛隊教育中隊第21班 (じえいたいきょういくちゅうたいだいにじゅういっぱん)
『右向け左!』に登場する集団。自衛隊の新入隊員が、研修を受けるために振り分けられる班の一つ。班長は山口健太。坂田光男を初めとした問題児が多数揃っており、教育中隊小隊長の水津でさえも手を焼いている。