あらすじ
第1巻
種無高校に入学したばかりの助手は帰宅部になるつもりだったが、高校が部活動強制のためやむなく部活を探していた。なるべく楽そうな部活を探していた助手は、たまたま「奇術部」の張り紙のある教室のドアを開ける。そこで一人で手品の練習をしていたのは、極度の上がり症のため失敗ばかりの変な先輩だった。強引に手品の練習に付き合わされるうち、助手はしぶしぶ奇術部に入る事を承諾する。しかし、実は奇術部は部員不足で、そもそも部として承認されていない事が判明。こうして、助手の苦労の日々が始まるのだった。
第2巻
先輩の押しに負けて奇術部の活動に参加するようになった助手だが、失敗と暴走を繰り返す先輩の被害をたびたび被っていた。そんな折に先生が部室に現れ、奇術部は未承認のため助手は入部できない事、したがって助手は別の正式な部活に入る必要がある事を告げる。また一人になってしまい、寂しそうに手品の練習をする先輩だったが、そこに唐突に助手が戻って来た。助手は斑の厚意で化学部に籍だけを置かせてもらい、先輩が卒業するまでは奇術部に付き合う事にする。
第3巻
先輩と助手の二人きりだった奇術部に、咲と正志の姉弟が入部希望者として現れた。しかし、咲は部室に現れるなり「部活名を大道芸部にして、正志を部長にする」と無理を言い出し、先輩と言い合いになってしまう。先輩と咲はお互いの特技を見せて勝負しようとするが、それぞれ失敗して決着がつかず、先生の仲裁で「奇術部」の名前が存続する事になった。こうして奇術部の部員は四人となり、晴れて部に昇格する。それ以来、傍若無人な咲と先輩の大人げない張り合いで部室は余計騒がしくなっていく。
第4巻
夏休みが近付いて来たため、学外での活動が楽しみな先輩は浮かれていた。そんな中、正志が助手に「先輩が知らない男性と歩いているのを見かけた」と言い出す。先輩に彼氏がいると思った助手と咲、正志の三人は先輩を尾行するが、結局その男性は先生の夫で先輩の義兄でもある深村だと判明する。その後、夏休みを迎え、咲の提案で合宿を行う事になった奇術部の部員達は、2泊3日で海に向かう。部長である先輩は、部員達が友情を深められるよう、張り切ってさまざまな手品関連の準備をしていたが、ことごとく空回りに終わってしまう。
テレビアニメ
登場人物・キャラクター
先輩 (せんぱい)
種無高校に通う3年生の女子。美人で胸が大きくスタイルもいいが、言動はかなり間が抜けている。ひどい上がり症で、人に見られていると手品は必ず失敗する。一方見栄っ張りで、手品に失敗しても無理にごまかそうとする図太さもある。学校に友達はおらず、強引に助手を奇術部に引き入れた。ガードが緩く、無自覚に下着が見えているなどするため、助手をよく慌てさせる。 子供っぽい性格で助手達を振り回しているが、姉である先生だけは苦手にしている。上がり症を何とかしようという努力はしているが、治す試みはたいてい失敗に終わる。単純な性格で、考えている事が表情や言動にすぐ出てしまう。当初は助手と二人きりだったため、奇術部は未承認だった。その後、咲と正志の加入で正式な部活になると、晴れて奇術部の部長となる。 料理は比較的上手で、好物は甘いお菓子と甘口のカレー。苦手科目は数学で、追試になった事がある。
助手 (じょしゅ)
種無高校に通う1年生の男子。入学時になるべく楽そうな文化部を探していたところ、たまたま奇術部の先輩と出くわす。失敗ばかりの変な先輩にあきれながらも、先輩に突き合わされ、なし崩し的に入部した。ふだんは先輩への冷静なツッコミ役だが、先輩の胸に目がいくなど年頃の男子らしい面もある。「自分はクールで近寄りがたい雰囲気だ」と思い込んでいるなど、時折痛々しい言動も見せる。 先輩の事は基本的に雑に扱っているが、たまに同年代の女子として意識する事もある。「先輩に彼氏がいる」という誤解が広まった時にはショックを受けていた。
先生 (せんせい)
種無高校で助手のクラス担任を務める女性教師。先輩の姉で、年齢は25歳。先輩には「お姉ちゃん」と呼ばれている。また既婚者で、夫は深村。おっとりした摑みどころのない性格で、先輩いわく「ちゃらんぽらん」。妹の事をかわいがっているが、胸をもむなどセクハラまがいの行動も多く、鬱陶しがられている。妹の手品にはまじめに相手をせず、からかって遊ぶのが常。 奇術部の顧問を引き受け、よく部室に遊びに来るようになった。いたずら好きで、たまに先輩の奇術道具の中に隠れて助手達を驚かせている。
咲 (さき)
種無高校に通う3年生の女子。明るい髪色で派手な化粧をした、スタイル抜群なギャル。明るく積極的だが、傍若無人な性格の持ち主。突然奇術部に現れ、弟の正志と共に入部を希望する。部活名を「大道芸部」にしようと強引に話を進め、先輩と揉めるが最終的に「奇術部」のままで落ち着いた。実は正志と共に転校して来たばかりで、先生から廃部寸前の奇術部の事を聞きつけてやって来た。 特技はバルーンアートで、人前で芸を披露するのにも慣れている。ひどいブラコンで、弟を「まーくん」と呼んで溺愛しているが、正志には鬱陶しがられている。料理は下手で、家庭科の授業で焼いたクッキーは黒焦げだった。成績は悪く、同時に3科目で追試を受けた事がある。
正志 (まさし)
種無高校に通う男子。咲の弟で、姉と共に転校して来た。咲からはもっぱら「まーくん」と呼ばれ、「かっこいい」と言われているが、実際はかなりの肥満体。なにかと構いたがる姉の事を鬱陶しく思っている。姉と比べれば常識的でおとなしい性格。心理学に凝っており、人の行動から内面を読み取ろうと分析する事があるが、ほとんど外している。 咲よりも早く大道芸をやり始めたが、あとから始めた咲の方が上達が早く、要領のいい姉に複雑な思いを抱いている。同じく苦労人の助手とはやがてなかよくなった。
斑 (まだら)
種無高校2年生の女子。小柄で黒縁の眼鏡をかけている。化学部の部長を務めている。奇術部がまだ部として正式承認されていない時、助手が奇術師の活動を続けられるよう、化学部に籍だけ置くのを認めた。助手はその事を恩に着ており、たまに化学部を手伝っている。「化学は手品と違う」と口では言いながらも、好きな事に夢中になっている先輩については悪く思っていない。 たどたどしい話し方をするが、自分の好きな化学の話題では饒舌になる。助手が化学部の部室に顔を見せた時は、化学の原理を用いたマジックを披露している。
深村 (みむら)
先生の夫で、先輩の義理の兄。妻の誕生日プレゼントを選ぶため、先輩に頼んで買い物に付き合ってもらっていた。その様子を正志に目撃されており、「先輩に彼氏がいる」という誤解が部員達に広まる事となった。その後、助手、咲、正志に先輩との買い物を尾行され、いかがわしい職業の人物であるという疑いまでかけられたが、最終的に誤解は解けた。 非常に温和な性格で、助手達が尾行していたとわかっても怒らなかった。
その他キーワード
べひもす君 (べひもすくん)
ぬいぐるみの中にばねが入った手品道具「スプリングアニマル」。うまく動かすとまるで生きているように見える。「べひもす君」の名は先輩が付けた。先輩が助手の前で披露しようとしたが、大きな胸に引っかかってうまくいかなかった。先輩はペットのように異様なほどかわいがっていたが、誤って踏んで壊してしまう事となった。 しかしその後に修理したのか、以降もしばしば手品道具として登場する。
書誌情報
手品先輩 8巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2016-08-05発行、 978-4063828351)
第2巻
(2016-12-06発行、 978-4063828887)
第3巻
(2017-04-06発行、 978-4063829556)
第4巻
(2017-09-06発行、 978-4065101445)
第5巻
(2018-11-06発行、 978-4065135594)
第6巻
(2019-09-06発行、 978-4065169933)
第7巻
(2020-07-06発行、 978-4065201947)
第8巻
(2021-03-05発行、 978-4065225868)