あらすじ
第1巻
売れないイラストレーターの角野純子は、成り行きから異世界の勇者、アクセルと同居することになり、現代日本の暮らしになじめず、さまざまな失敗をやらかすアクセルのフォローをする日々を送っていた。しかしアクセルと暮らす前は、仕事が徐々に減っていくことへの恐怖や、孫の顔を見たがる親からのプレッシャーで、将来への不安に苛まれるだけだった。純子は能天気で純粋なアクセルに励まされ、明日への活力を取り戻していくのだった。(QUEST:1。ほか、12エピソード収録)
登場人物・キャラクター
角野 純子 (かどの すみこ)
イラストレーターを生業とする女性。年齢は34歳。まじめで几帳面な性格で、軽度の引きこもり。家にいるのが大好き。仕事は少なくなり、彼氏もいない寂しい生活を送っており、恋愛に枯れた女を指す「喪女」を自称している。純子の母から電話が来るたびに「孫の顔が見たい」とプレッシャーを受け続けている。ひょんなことから異世界の勇者であるアクセルと同じアパートでいっしょに暮すことになった。現代日本の生活に不慣れなアクセルにいろいろと振り回されてしまうが、何事にも純粋でまっすぐなアクセルに応援され、不安に苛まれていた心を救われることになる。酔った勢いでアクセルに甘えることが多いが、酔いがさめるとそのことはすべて忘れてしまう。アクセルからは「モジョ」と呼ばれている。
アクセル
異世界からやってきた勇者の男の子。年齢は13歳。純粋な瞳を持つ根っからの勇者で、さまざまな魔法を使うことができる。修行のため異世界の賢者によって現代日本に飛ばされ、たまたま街で出会った角野純子といっしょに暮らすようになった。異世界でも世俗に疎かったうえ、現代日本のことも何も知らないため、アパートでも街でも素っ頓狂な行動に出て純子を戸惑わせることが多々あった。勇者としての能力を活かし、とっておきのアイテムを使って純子の仕事を手伝ったり、仕事で思い悩む純子を励ますなど、心優しい性格をしている。勇者として、異世界にいた時のままの格好をしていたため、近所の人からはコスプレイヤー扱いされていた。絵がとてもうまく、純子のアシスタントとして働くこともあった。寝場所はアパートの押入れ。
セイテツ
異世界からやってきたドワーフの男性。高度な鍛冶や工芸の技能を持っており、未知の素材を求めて日本へと移住し、工房を開いた。勇者であるアクセルとは知り合いで、刀鍛冶としての能力はアクセルから一目置かれている。ドラゴンも倒せる出刃包丁や、100%効果のある魔除けのお守りなどを販売して生計を立てていた。
純子の母 (すみこのはは)
角野純子の母親。アクティブな性格で、少々のことでは動じない肝っ玉母さん。世話好きで、30代半ばで彼氏のいない純子に全力で婚活を勧めている。アクセルと会った際は、社会人のお兄さんがいないかどうかを最初に確認していた。
スライム
異世界に住む不定形の魔物。アクセルの道具袋に紛れ込み、聖水や聖書にもまれているうちに瘴気が抜け、無害な存在になった。身近な人間そっくりに擬態することができ、角野純子に擬態した時は、数々の純子の醜態をすべて披露していた。