君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

住野よるの同名小説のコミカライズ作品。難病に侵された明るい女子高生と、彼女が病気であることを偶然知ってしまった目立たない男子高生という、それまで接点のなかった2人の奇妙な交流を描く青春ラブストーリー。「月刊アクション」2016年10月号から2017年7月号にかけて連載された作品。2017年7月から、月川翔監督、浜辺美波と北村匠海のダブル主演による劇場版が公開されている。

正式名称
君の膵臓をたべたい
ふりがな
きみのすいぞうをたべたい
原作者
住野 よる
作画
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

上巻

本好きの地味な高校生の【僕】は、急死したクラスメイトの山内桜良の通夜に行かず、一人で自室に閉じこもって本を読んでいた。しかし、実は【僕】と桜良はただのクラスメイト以上の関係であった。そんな【僕】が彼女に最後に送ったメールの内容は、「君の膵臓をたべたい」というものだった。

【僕】は桜良の生前、病院で偶然に彼女が書いた「共病文庫」を読み、彼女が膵臓の病気で余命幾ばくもない事を知った。そこから二人の特別な交流が始まったのである。桜良は大変な状況にもかかわらず、人当たりがよくて明るく前向きで、誰からも愛されていた。自分とは正反対である桜良と交流していくうちに、【僕】は彼女に惹かれていく。

下巻

山内桜良に未練があった彼女の元彼、タカヒロと対峙する事によって、【僕】は桜良をより強く意識するようになった。しかしそんな時、桜良は入院してしまう。お見舞いに行った際、桜良の親友である恭子と鉢合わせした【僕】は、桜良を傷つけたら許さないと言われる。その後、桜良に抱きしめられているところを恭子に目撃されて【僕】は怒られるが、これを機に二人の仲はさらに深まる。そして、今まで他人に興味がなかった【僕】は、桜良の影響で他人の心を意識するようになっていく。【僕】はその人間的魅力で自分を変えてくれた桜良に、愛情と尊敬の思いをこめて「君の膵臓をたべたい」という言葉を送った。しかし、その言葉が届く前に桜良は、病気ではなく、通り魔に命を奪われてしまう。

登場人物・キャラクター

【僕】 (ぼく)

高校生の男子。前髪を目の上で切ったストレートショートカットの髪型をしている。物静かで他人に関心の薄いクールな性格。そのため人とのかかわりを持たず、高校でも1人でいることが多い。しかしある日病院へ行った際に、山内桜良が落とした「共病文庫」を拾い、中身を読んでしまったことで、桜良が膵臓の病気に侵されていることを知る。 以来、桜良の秘密を知る唯一の人物として、桜良と親しくなっていく。趣味は読書で、高校でも桜良と一緒に図書委員を務めている。好きな作家は太宰治。ちなみに本名が明かされるのは物語後半で、それまでは名前が「【?????】」と表記される。また、主に自分自身のことは「【僕】」と呼び、周囲からは、桜良との関係性を反映した呼び名、例えば「【秘密を知ってるクラスメイト】」「【地味なクラスメイト】」「【仲のいいクラスメイト】」などと呼ばれている。

山内 桜良 (やまうち さくら)

高校生の女子で、【僕】のクラスメイト。髪型は前髪を目の上で切り、胸まで伸ばした茶髪のストレートロングヘアにしている。明るく分け隔てない性格で、誰からも好かれるクラスの中心的存在。しかし実は膵臓の病気に侵されており、闘病生活を送っている。闘病記録をつづった「共病文庫」という日記をつけており、【僕】が偶然「共病文庫」を拾ったことから病気を知られ、それをきっかけに親しくなっていく。 【僕】とは同じ図書委員でもある。

恭子 (きょうこ)

高校生の女子で、山内桜良や【僕】、タカヒロとはクラスメイト。桜良と特別に親しいことから、【僕】には「親友さん」と呼ばれている。前髪を右から左へ向かって斜めに分け、耳の下まで伸ばしたボブヘアにしている。気が強く思ったことをはっきり言う性格。そのため攻撃的で怖いと誤解されがちだが、桜良のことを誰よりも大切に想い、案じている。 しかし、桜良の病気のことは知らないため、急に【僕】と親しくなった桜良のことを不審に思っている。

タカヒロ

高校生の男子で、山内桜良や【僕】、恭子とはクラスメイト。髪型は前髪を眉が見えるようにばらばらの高さで切ったショートカットで、眼鏡をかけている。桜良に想いを寄せているが、桜良の病気のことは知らないため、突如桜良と親しくなった【僕】を快く思っていない。そのため【僕】の持ち物をぐちゃぐちゃにしたり、きつい言葉を浴びせたりと、攻撃的な態度をとる。

山内桜良の母親 (やまうちさくらのははおや)

髪型は前髪を左寄りの位置で分けたショートカットにしている。桜良の死後、桜良の遺品から「共病文庫」を発見したことから、桜良が「共病文庫」を執筆した真意を知る。しかし「共病文庫」に書かれている桜良の親しい人物が誰のことなのかわからず困っていた。そこに訪れた【僕】に、桜良が「共病文庫」を書いた真意を伝える。

【僕】の母親 (ぼくのははおや)

前髪を右寄りの位置で斜めに分け、耳の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。山内桜良と面識はないが、【僕】に親しい女性ができたことを察しており、最近明るく前向きになりつつある【僕】の変化を喜んでいる。

イベント・出来事

真実か挑戦 (しんじつかちょうせん)

山内桜良が好きなトランプゲーム。裏返して楕円形に置いたトランプから1枚選び、選んだカードの数字が大きい方が勝利するというルール。勝利した側は敗北した側に質問することができ、敗北した側は質問に答える場合は「真実」と言って回答し、質問に答えたくない場合は「挑戦」と言って、勝利した側が指示したことに挑戦する。このゲームを一緒にプレイしたことで、【僕】と桜良は、お互いについてより深く知ることとなった。

その他キーワード

共病文庫 (きょうびょうぶんこ)

山内桜良が、書き続けていた日記。その名の通り文庫本サイズのノートに綴られており、さらにブックカバーがかかっているため、日記には見えない。内容は闘病日記だが、桜良が「病気になった自分の運命を恨まないために」という理由で「闘病」日記ではなく「共病」日記と名付けた。桜良にとっては日記であるとともに遺書でもあり、自分の死後は身内に公開する予定で執筆している。

クレジット

原作

住野 よる

SHARE
EC
Amazon
logo