あらすじ
第1巻
北海道から転校して来たばかりの坂口亜梨子は、おとなしい性格のために、なかなか周囲に溶け込めずにいた。同じマンションのとなりの家に住む小林輪は大人びた小学生で、亜梨子の関心を引きたいがために、なにかとちょっかいをかけてくる。ある日亜梨子は、学校の中庭でクラスメイトの小椋迅八と錦織一成が怪しげなムードで話をしているところを見てしまう。次の日、輪と亜梨子は二人で動物園に出かけるが、ばったり会った迅八と一成から、二人が共通の夢を見ているという事情を聞く。それは地球を見守る七人の科学者達が月に住んでいるという不思議な話だった。迅八に嫉妬した輪は亜梨子にわざと意地悪をし、叱られた勢いで15階のベランダから落ちて、意識不明の重体に陥ってしまう。輪を突き落とした張本人として、亜梨子は輪の母からなじられ、学校でも悪い噂を立てられて、つらい思いをする。亜梨子の祈りが届き、輪は奇跡的に意識を取り戻す。しかし輪は以前とは様子が変わっており、突然亜梨子と婚約したいと言い出す。そして、誰にも内緒でこっそり夜中に部屋を抜け出しては、「S」という偽名を名乗って暴走族の少年、松平タカシに接触し、超能力を使って脅すのだった。
第2巻
坂口亜梨子は、小椋迅八と錦織一成から聞いたものと同じ夢を見る。夢の中で亜梨子は木蓮と呼ばれており、紫苑という名の婚約者と共に未来の基地のような場所にいた。迅八と一成と亜梨子は、同じ夢を見ているかもしれない残りのメンバーを探し出そうと、雑誌に投稿する。その頃、同じく月の科学者の夢を見ている笠間春彦という少年は、心臓に疾患があるため長らく学校を休んでいたが、久しぶりに復学しようとしていた。一方小林輪は超能力を使い、暴走族を使って迅八と一成を襲わせる。巻き込まれた亜梨子を助けようとした迅八は、必死で無自覚のまま自身の超能力を発揮するのだった。その後、雑誌を見た土橋大介と国生桜から一成に連絡が入り、五人は会合をする。大介と桜は既に夢のストーリーが進んでおり、そこで迅八、一成、亜梨子は夢に見た月の科学者が自分達の前世である事を知らされる。そのうえ、故郷である母星シアは星間戦争で消滅し、残された七人の科学者達のあいだに発生した原因不明の伝染病のせいで全員が死亡したという事実を知らされ、ショックを受ける。その頃、ふさぎこむ松平タカシを心配した世話役の田村一登は春彦との会食をすっぽかし、「S」からの呼び出しの場所に一人で訪れる。
第3巻
「S」こと小林輪の呼び出しに応じた田村一登は、東京タワーの設計図を渡され、超能力で激しく痛めつけられる。田村の異変を察知した笠間春彦は、瞬間移動して田村のもとに駆けつけた際、一瞬だけ輪と出会ってしまう。坂口亜梨子は前世の仲間達と会合に参加するが、無理やりついて来た輪が、そこで自分もまた月の科学者の一人だと告白し、周囲を驚かせる。その反面、亜梨子は月の夢を見たのがたった一度きりである事から、会合でも話が合わず、自分は木蓮ではないと思うようになる。一方、輪は人知れず超能力を使って春彦を誘い出し、二人だけで話をする。春彦の前世である秋海棠は、伝染病で仲間達が亡くなっていく中、抗体ワクチンを作り出し、それを輪の前世である紫苑だけに投与したのだった。紫苑はそのせいで、仲間達の亡骸に囲まれながら9年間という月日をたった一人で生きなければならなかった。前世の自分である秋海棠が犯した罪をまざまざと見せつけられた春彦は、輪の命令に従う約束をさせられる。しかし田村から事情を聞かれ、自分の罪を明かす事ができずに瞬間移動で逃げ出し、川に身を投げてしまう。そこへ偶然通りかかった錦織一成は、春彦を助けるために川へと飛び込む。
第4巻
川へ飛び込んだ笠間春彦は、自分を助けようとして溺れてしまった錦織一成もろとも、駆けつけた田村一登に救助される。一方、坂口亜梨子の弟、坂口はじめから亜梨子と小林輪が婚約している事を聞いた小椋迅八は、亜梨子に思いを告白するが、輪を悪く言った事で亜梨子から叱られてしまう。そして一成は自分の前世である槐が、迅八の前世である玉蘭の事を愛していた気持ちを今でも引きずっており、男同士であるにもかかわらず迅八に思いを伝え、キスしてしまう。春彦の悩みや松平タカシの怯えの原因はすべて輪に元凶があると考えた田村は、旧友である薬師丸北斗に相談を持ち掛ける。北斗の弟である薬師丸未来路は超能力を持っており、瞬間移動で京都から東京まで移動する事ができるのだった。田村はこれまであった事を未来路に伝え、超能力に関する知識を習得する。春彦は輪の命令で、前世の仲間の前では紫苑として名乗る事を強要され、秋海棠がかつて月基地で設定した大事なキィ・ワードを渡す。自分自身の過去の罪と、現在の輪からの命令に苦しむ春彦は、唯一の心の支えである田村がタカシと共に京都に行くという話を聞き、いてもたってもいられなくなる。
第5巻
笠間春彦は田村一登にすべての事情を告白するという約束を守り、京都に発った田村に自分の前世である秋海棠の過ちを手紙にしたためて送る。そして、小林輪の命令に従って、紫苑のふりをして前世の仲間達と初会合を果たす。しかしそこには、春彦が川に飛び込んだ際に顔を合わせていた錦織一成と国生桜がおり、話があらぬ方向へ進んでしまい、全員からキィ・ワードを聞き出したいという輪の思惑から外れてしまう。輪は命令以外の勝手な振る舞いをした春彦を脅し、田村や松平タカシにも危害が及ぶ事を恐れた春彦は、京都まで瞬間移動して手紙を取り戻そうとし、心臓に大きな負担をかけてしまう。前世のつらい思い出のせいで覚醒自体を無意識に拒否している坂口亜梨子を、穏やかな覚醒に導いてキィ・ワードを聞き出すために、輪は春彦に紫苑として亜梨子とデートするよう、あいだを取り持つ。春彦の前世である秋海棠はかつて木蓮を深く愛しており、輪の前世である紫苑の前で恥じ入っている彼女の事をいつも見守っていた。亜梨子と話しているうちに、その頃の記憶がフラッシュバックした春彦は、亜梨子に対して木蓮の素晴らしさを熱く語り、輪に対してどのような感情を抱いているのか迫る。
第6巻
坂口亜梨子の覚醒をうながすために、亜梨子との婚約を解消した小林輪は、今でも月で独りぼっちでいる夢を見ると、苦しげに告白する。前世の仲間の会合では、キィ・ワードを公開しようという国生桜の意見に、土橋大介が強固に反対していた。一方、京都の田村一登は笠間春彦からの手紙を読み、それを薬師丸未来路に渡して助力を仰いでいた。未来路から手紙を見せられた未来路の母は田村を呼び出し、かつて実の親に捨てられた未来路を引き取った時の話、そして孤独に凝り固まっていた彼と心を通わせた時の話をし、春彦の友達として彼を守るだけでなく、輪をも救ってあげてほしいと伝える。小椋迅八は、前世である玉蘭が木蓮にあこがれていた気持ちをずっと引きずっており、亜梨子への行き場のない思いを抱えていた。そして錦織一成もまた、前世である槐が玉蘭に抱いていた思いを引きずっており、行き場のない感情を持て余していた。前世の仲間達は記憶を集めて年表を作り始めるが、それが引き金となってつらい過去を思い出していく事になる。未来路はまだ面識はないものの春彦の身体を心配するあまり、瞬間移動が心臓に負担がかかるという事を匿名の手紙で伝えるが、かえって春彦の警戒心を刺激してしまう。
第7巻
小椋迅八に誘われ、坂口亜梨子は再び前世の仲間達との会合に加わる事になったが、亜梨子の前世が木蓮である事を疑っている国生桜らに対して、亜梨子は植物の気持ちがわかるという事実を告白する。小林輪は前世である紫苑が、故郷や家族を知らずに育った寂しさや、誰よりも故郷を欲していた記憶を引きずっており、転生して手に入れた今の幸せを手放したくないと強く願っていた。全員分のキィ・ワードを集める事を目的としている輪は、亜梨子には木蓮時代のつらい記憶を思い出させないためにも、会合に参加する事をよく思っていなかった。そこで輪は再び笠間春彦に亜梨子を会合に来ないように食い止める命令を下すが、その際に、春彦が田村一登にすべての事情を話してしまったという事を知り、春彦への見せしめのために田村に制裁を加えようと、京都へ飛ぶ。春彦もまた田村を守るために瞬間移動を繰り返して京都へ飛ぼうとするが、心臓への負担が大きくなり、途中で倒れてしまう。松平タカシを人質に取った輪は田村を呼び出して攻撃するが、そこへ駆けつけた薬師丸未来路が助太刀し、超能力対決になってしまう。しかし輪の力はすさまじく、圧倒的な力の差に未来路はなすすべもなかった。
第8巻
駆けつけた笠間春彦を圧倒的な力で倒した小林輪は、春彦と薬師丸未来路にとどめを刺そうとする。しかしお互いの超能力の性質が違う事を知らず無防備で戦った輪は、反発した力がすべて自分に跳ね返ってしまい、大ケガを追ってしまう。病院へ担ぎ込まれた輪は深い昏睡状態に陥り、前世の夢、ムーンドリームを見続ける。輪の前世である紫苑は戦災孤児で、まだ幼い頃から独りぼっちで戦場の中を隠れながら生きていた。自分に銃を向けた兵士を超能力で殺した事で、国の命令に従う事を条件に保護された紫苑は、母星シアに引き取られ、修道院に預けられる。修道女達は紫苑にサージャリムという神道を説こうとするが、幼いながらも利発で真っ直ぐな気性の持ち主である紫苑は、反発するばかりで修道女達の手を焼かせていた。ある時、紫苑はラズロという男性の家に引き取られる事になる。ラズロの家にはキャーと呼ばれる大型の猫のような珍獣がおり、優しいラズロと可愛いキャーと共に暮らしているうちに、紫苑はかたくなな心を少しずつ開いていく。しかしラズロとキャーは交通事故に遭ってしまい、たったの78日間しか共に住む事ができなかった。開きかけた心を再び固く閉じた紫苑は、玉蘭や秋海棠と同じ学校で出会う。
第9巻
紫苑は、温かい家庭や素直さなど、自分が持っていないものをすべて持っている玉蘭に対して激しいコンプレックスを抱いていた。玉蘭に対して突っかかっるたびに、彼が自分よりも圧倒的に満たされているという事実を突きつけられ、紫苑は激しい劣等感にさいなまされてしまう。とうとう紫苑と玉蘭は激しく衝突し、学生時代は終わりを告げた。成人した紫苑は色んな女性達と付き合うが、どの女性にも夢中になれず長続きしないでいた。そんなある時、国からの要請で、紫苑は地球を観測する任務のために、月へ赴く事になる。月基地に行くメンバーは合計で七名が選ばれ、リーダーである柊を始め、玉蘭、秋海棠、槐、繻子蘭らと紫苑は顔を合わせる。そして紫苑はそこで初めて、メンバーの一人である木蓮と出会うのだった。木蓮は額に印を抱いて生まれたキチェ・サージャリアンという希少な存在で、植物と会話ができたり、歌声で植物の成長を促進させたりする力を持っていた。月基地では、トップエンジニアの紫苑は旧式の機械類を片っ端から改造し、メンバー達にとって重宝がられる。しかし紫苑は木蓮を目の敵にし、傷ついた木蓮がストレス発散のために歌ったせいで、月基地がジャングルと化してしまうのだった。
第10巻
月基地をジャングルのようにしてしまった事で、紫苑は木蓮をきつく責める。玉蘭はそんな木蓮をかばううちに、本気で彼女に惹かれてしまう。しかしキチェ・サージャリアンである木蓮は、生涯独身である事が国から義務付けられていた。その一方で、槐は玉蘭からつれない仕打ちをされていても、木蓮しか見ていない玉蘭を健気に愛し続けていた。ある時、母星シアから星間戦争が緊張状態に入ったという連絡が入る。続く悪い知らせを待っているうちにやがて連絡が途絶え、母星シアからの電波すら途絶えてしまう。星間戦争の末、人類が全滅してしまったのだった。月に残された七人は、受け入れられない現実の前に、あがき、泣き、放心していた。少しだけ冷静さを取り戻した紫苑と木蓮が、地球に降り立つ事を提案する。しかし柊と玉蘭はそれが第一級の犯罪である事を理由に反対する。強引なやり方で自分の思い通りに運ぼうとした紫苑は、玉蘭らから危険思想の持主とみなされて幽閉されてしまう。紫苑と玉蘭のあいだを取り持つために奔走する木蓮だったが、彼女を玉蘭から奪い取ろうと考えた紫苑に騙され、凌辱されてしまう。しかし木蓮はそれでも紫苑をかばい、紫苑との関係は合意のうえだとして、彼の釈放を求める。
第11巻
凌辱した相手である木蓮からすべてを許され、受け入れられた紫苑は、これまで自分が玉蘭や木蓮に対して意地を張ってきた理由はすべて、誰かに愛してほしかったからだという素直な気持ちを語り、涙を流す。長いムーンドリームから目覚めた小林輪は、現実と月基地での記憶が混乱し、母親を拒絶してしまうが、坂口亜梨子の姿を見て落ち着きを取り戻す。一方、笠間春彦は京都の薬師丸未来路の家で静養していた。田村一登は春彦を説得し、輪と対峙する準備を進める小椋迅八は覚醒を恐れる亜梨子のために、全員のキィ・ワードを集めて月基地にコンタクトをする事をけじめにして、それを機に解散しようと考える。迅八は輪に自分のキィ・ワードを伝え、協力を仰ぐ。しかし迅八からキィ・ワードを教えてほしいと懇願された錦織一成は、亜梨子ばかりを気遣う迅八に対して嫉妬心を抱き、醜い気持ちで迅八の失恋を願う。前世である槐の頃から一成の思いを見守ってきた国生桜は、そんな一成を叱咤しつつ、一番の親友として応援する。槐の恋心を引きずるのをやめて解放しようと決心した一成は、迅八へ自分のキィ・ワードを伝える。いまだ入院中の輪は次の手を打つために、田村の恋人である綾子に接触するのだった。
第12巻
小林輪のために前世の記憶を思い出そうと決心した坂口亜梨子は、少しずつ覚醒しつつあった。順調にキィ・ワードを収集する輪の病室に、田村一登と薬師丸未来路が現れる。田村と未来路は輪に対し、超能力を使うと心臓に負担がかかる事を伝え、平和的な解決を求める。しかし、輪が綾子までもを抱きこもうとしているのを知った田村は、輪の説得を中止して、ひとまず京都へ戻る。紫苑の人格の影響で別人のようになってしまった輪に対して、輪の母は違和感を感じ、やがてノイローゼにかかってしまう。輪のただならぬ様子に、何者かに脅迫されているのではないかと勘違いした亜梨子は、輪のために覚醒してすべてを知る覚悟を決めたのだったが、亜梨子が小椋迅八を思っていると勘違いした輪は、亜梨子にひどい言葉を投げつけてしまう。泣きながら病室から飛び出していく亜梨子を追いかけた迅八は、亜梨子を愛し守っていく事を誓い、かつて木蓮が紫苑から凌辱されたという事実を伝える。輪は無理がたたって昏睡状態に陥り、ムーンドリームを見る。月基地で仲間達の亡骸と共に独りぼっちで過ごした9年間のあいだに、紫苑は狂ってしまい、なにかの装置を作っていた。しかしそれが何の装置だったのか、狂っていたため輪にはどうしても思い出せないのだった。
第13巻
病床で苦しむ小林輪のもとに、薬師丸未来路が訪れる。未来路は輪と戦う気持ちはなく、かつて苦しんでいた自分自身と輪を重ね合わせ、彼を救いたいと考えていた。しかし輪はかたくなに未来路を拒絶する。そこへやって来た輪の母は、とうとう輪に対する不信感を爆発させてしまい、輪に向かってあなたは息子ではないと言い放つ。輪は病室から瞬間移動して姿を消し、そのまま失踪してしまう。輪が前世の記憶によって苦しんでいると考えた前世のメンバーは、輪のために前世の記憶を封印する事を提案するが、錦織一成の主張で、その前にすべての問題をクリアにすべきという意見にまとまる。坂口亜梨子は輪の母に、輪の様子が変わってしまった理由は前世の記憶によるものだという事情を説明する。一方輪は、瞬間移動のせいでまた傷が悪化してしまい、公園の植え込みの中に倒れていたところを、ホームレスのブンさんに発見され、森という闇医者のもとで意識を取り戻す。目が覚めた途端に超能力で威嚇する輪に対し、人の心がわかるブンさんは輪の窮状を察し、森と協力して輪をかくまう事にする。輪はブンさんと森のもとで少しずつ回復していく。一方、亜梨子、小椋迅八、一成の三人は修学旅行で京都に向かっていた。
第14巻
修学旅行先の京都で熱を出し倒れてしまった坂口亜梨子だったが、かねてからの予定通りに、小椋迅八、錦織一成と共に田村一登のもとを訪ねた。田村の仲介で、三人は笠間春彦に再開する。そして春彦から、実は春彦の前世は秋海棠であり、輪の前世は紫苑である事、それを輪の命令で隠してきたという事実を知らされる。春彦の前世である秋海棠は、月基地で仲間が亡くなっていく中、死ぬ事を恐れて病原菌の抗体ワクチンの研究をしていた。しかし、やっと抗体ワクチンを作り上げた時には、自分自身も病気に感染している事がわかり、自分が生き残る事を断念。紫苑にだけ抗体ワクチンを打ち、木蓮には栄養剤を打ったのだった。それは、汚い手を使って木蓮を奪い、手中に収め続ける紫苑に対する秋海棠なりの報復のつもりだったのだが、秋海棠もまた極限状態の中で、正気ではなかった。抗体ワクチンのせいで死ぬ事もできない紫苑が、仲間の亡骸と共にたった一人で生き続けた9年間を思い、亜梨子、迅八、一成は激しくショックを受ける。そして田村からは、輪が「S」と言う偽名を使ってこれまでしてきた事、そしてまだなにかを企んでいる事を知らされる。亜梨子は春彦の誘導によって覚醒が始まり、高熱を出して再び倒れ、額に木蓮が持っていたキチェ・サージャリアンとしての証であるキチェスが浮かび上がる。そして膨大な量の前世の記憶が夢になだれこんでくるのだった。
第15巻
高熱のため、修学旅行先の京都から東京に戻って来た坂口亜梨子は、前世の夢、ムーンドリームを見続ける。亜梨子の前世である木蓮は、キチェ・サージャリアンの両親から生まれるという特殊な境遇にあった。キチェ・サージャリアンは、生涯純潔である事を国から義務づけられており、楽園と呼ばれる施設で生活しなければならない。法に背いて愛し合ってしまった木蓮の両親は、その罪を実の親から責められ、幼い木蓮を奪われてしまう。祖父母の養子として無理やり楽園に入れられた木蓮は、周囲から奇異の目で見られ、異端児として育っていった。間もなくして、木蓮の両親は亡くなってしまう。寂しさを抱えた少女の木蓮は、辺境の星である地球に自分自身を重ね合わせていた。両親にあこがれ、両親のように誰かと恋をしてキチェ・サージャリアンである事をやめたいと夢見る木蓮は、ある日セヴ=オルーという少年と知り合いになり、恋仲になる。しかし事故で大ケガした父親を、奇跡の力で救ってほしいとセヴ=オルーに懇願されるが、植物の言葉を聞く事と歌で植物の成長を促進する事以外は、普通の人間である木蓮にはなにもできず、セヴ=オルーの父親は亡くなってしまう。彼から恨みの目を向けられた木蓮は、なにもできない自分の無力さを呪う。
第16巻
成人した木蓮は大学院に通う事になり、楽園の外の世界にデビューする。しかし美しく聡明な彼女は同性からやっかみの対象でしかなく、親友どころか友達一人できなかった。キチェ・サージャリアンであり、美貌の歌姫として世間から注目されつつも、それを誇るどころか、なにもできない自分に対して劣等感を抱いている木蓮は、家族も友達もおらず、いつも孤独の中にいた。そんな時、月基地のスタッフ総入れ替えにあたり、メンバー募集の話を聞いた木蓮は、周囲の反対を押し切って自ら立候補する。メンバーの一人に決定し、残りのメンバー達との顔合わせの場へ赴いた木蓮は、玉蘭、秋海棠、柊、槐、繻子蘭、そして紫苑と初めて顔を合わせるのだった。世間の人達と同じく彼女を特別扱いするほかのメンバー達とは違って、紫苑は木蓮を普通の人間として扱う。初めての経験に戸惑いつつも、木蓮は紫苑に特別な感情を抱く。月基地へ旅立った木蓮は、楽園とは違って植物の成長を制御する装置がない事を忘れて歌ってしまったり、服を着て生活する習慣をうっかり忘れて裸で人前に出てしまったりと、なにかとハプニングを起こしてしまう。そんな彼女に惹かれる玉蘭とは対照的に、紫苑は木蓮を目の敵にするのだった。
第17巻
心無い言葉で紫苑に傷つけられた木蓮は、ストレス発散のために歌を歌う。しかしそのせいで基地中に草がはびこり、機械類まで故障させてしまう。その事を責める紫苑の言葉になおも傷つけられた木蓮を慰めたのは玉蘭だった。紫苑に惹かれる気持ちがある一方で、つらい時に優しい言葉をかけてくれる玉蘭に対して、木蓮は心を許すようになる。二人の距離は少しずつ近づいていき、やがて玉蘭は木蓮にプロポーズする。その頃、修学旅行から戻った小椋迅八と錦織一成が、ムーンドリームを見続けて寝込む坂口亜梨子の見舞いにやって来る。一成のテレパスの力を使って、二人は亜梨子の見ている夢を共有する。母星が全滅したという知らせを受けた木蓮はパニックに陥っていたが、やがて落ち着きを取り戻す。そんな木蓮に対し、玉蘭はキチェ・サージャリアンとしての木蓮に奇跡を求める。セヴ=オルーの時のように、なにもできない自分の無力さを痛感した木蓮は、唯一普通の人間として扱ってくれる紫苑に、他の人とは違うものを感じるのだった。地球降下を巡って玉蘭と紫苑が対立し、木蓮に失恋した玉蘭は激しい嫉妬の気持ちと、紫苑に対するコンプレックスから、紫苑と木蓮を引き離そうとする。
第18巻
ムーンドリームを見続ける坂口亜梨子だったが、木蓮が紫苑に凌辱されるところで拒絶反応を起こしてしまう。小林輪の失踪事件は誘拐の線でも捜査が進んでおり、輪が病室から姿をくらました時に現場に居合わせた薬師丸未来路にも、警察の嫌疑がかかっていた。一方、亜梨子達と偶然同じ時期に修学旅行に行っていた土橋大介が帰宅すると、大介の弟を人質に取った輪によって、前世の罪を責められる。大介の前世である柊は月基地の責任者でありながら、母星シアが全滅したあとに、残された全員で地球に降下するという英断を下せずにいた。小心者であり、重い責任の前では臨機応変な判断を下す事ができなかった柊は、結果的に部下の命を見殺しにしたも同然なのだと輪に責められ、大介の弟の命をたてに取られてキィ・ワードを奪われる。輪と対峙し、亜梨子を守るために京都から田村一登と笠間春彦が訪れるが、春彦に再び覚醒を誘導されるのを嫌い、亜梨子はこっそり逃げ出してしまう。しかし偶然会ってしまった春彦と話をしているうちに、一番思い出したくない記憶を呼び覚まされてしまう。それは紫苑に凌辱された事自体ではなく、亜梨子の前世である木蓮が、紫苑に愛されてなどいなかったという事実だった。
第19巻
坂口亜梨子は再びムーンドリームに陥る。紫苑に告げられた愛は噓で、すべては玉蘭を傷つけるために木蓮を騙す目的だった事を知っても、木蓮は紫苑を愛する事をやめようとしなかった。しかし懺悔する紫苑は木蓮に対し、女性としてではなく、キチェ・サージャリアンとしての慈愛を求めた。木蓮にとってそれが一番つらい記憶であり、亜梨子が最後まで思い出せなかったのもそのためだった。一方、小林輪は亜梨子を手中に収めるために、罠を仕掛ける。田村一登とは昔から因縁のある間島正輝を利用し、田村を呼び出して、輪誘拐の犯人として警察に逮捕させる。そして薬師丸未来路を引き付けておき、亜梨子の周辺を手薄にさせる。おりしも笠間春彦が持病の心臓が原因で倒れてしまった事もあり、独りぼっちで留守番する亜梨子を、間島を使って誘拐させたのだった。睡眠薬で眠らされた亜梨子は、木蓮が発病してから亡くなるまでのムーンドリームに入る。ほかのメンバー達を看取り、月基地に二人きりになった紫苑と木蓮だったが、木蓮が発病してしまう。宇宙にたった一人置き去りにされる紫苑の事を考え、木蓮は彼を殺して自分も自ら命を断とうとするが、紫苑を愛するあまりどうしてもそれはできずにいた。
第20巻
危篤状態に陥った木蓮の意識は、未来の地球に飛んでいた。15階のベランダから落ちていく小林輪を風になって受け止めた木蓮は、樹木に頼んで輪の身体をそっと受け止めさせるのだった。かつて輪の命が助かった背景には、実は木蓮が死の間際に起こした奇跡の存在があったのだった。月基地で意識を取り戻した木蓮は、紫苑の腕の中で、今起こした奇跡を夢で終わらせないために、自ら命を絶たないでほしいと懇願しながら死んでいく。間島正輝は輪の命令で森の診療所へ坂口亜梨子を運び、森を別の場所に遠ざける。意識を取り戻した木蓮は、輪と一対一で対峙する。キィ・ワードを求める輪に、亜梨子はそれを欲しがる理由を尋ねる。輪は、紫苑が木蓮を亡くしたあとに発狂してしまった事実を打ち明け、その時に作っていた装置がなんだったのかを確かめて爆破したいと伝える。そしてそれとは逆に、亡くなる前に木蓮から聞いた、キチェ・サージャリアンだけに伝えられた秘密である、植物をたちどころに枯らしてしまうという黒聖歌の存在をヒントに、戦争をなくすために黒聖歌を使って地球をコントロールしたいと伝える。爆破とコントロールという二つの矛盾した目的は、実は輪の中で輪自身と紫苑という二つの人格がせめぎ合っているからなのだと、亜梨子はやっと理解する。
第21巻
小林輪を家に連れ戻そうと決めた坂口亜梨子は、月基地を爆破するのを条件に、キィ・ワードを教える。亜梨子は爆破を望む輪の心に訴えかけるが、輪はコントロールを望む紫苑の心に支配されそうになる。そこに小椋迅八、錦織一成、国生桜、笠間春彦、土橋大介、田村一登、薬師丸未来路が現れ、輪を説得しようとする。しかし追い込まれた輪は診療所の屋根を吹き飛ばし、東京タワーへ瞬間移動する。輪がタワーの一部を破壊した事で騒然となって立ち入り禁止になったタワー内に、輪を追って未来路と亜梨子、春彦、続いて迅八と田村が瞬間移動で入り込む。輪は亜梨子の目の前で手に入れたキィ・ワードを次々と入力し、月基地にアクセスする。亜梨子の涙ながらの願いが輪に届き、輪は爆破を選ぶが、作動不能エラーになってしまう。そこで輪はやっと、狂っていた時の自分がなにを作っていたのかを思い出す。それは木蓮の歌う姿を録画したものをもとに作った、繰り返し流れる立体映像投影装置だった。誰もいない月基地で歌う木蓮の映像は、基地中に植物をはびこらせ、すべての機械をショートさせていたのだった。すべてを乗り越えた輪と亜梨子、そして月基地のメンバーはそれぞれの道を歩み出す。
登場人物・キャラクター
坂口 亜梨子 (さかぐち ありす)
高校1年生。北海道から東京の石蕗高校へ転校してきたが、クラスにはあまり馴染めずにいる。動物や植物の気持ちを理解することができる。小林輪が前世の記憶に覚醒したことをきっかけに、自分の前世が木蓮であったことを徐々に思い出し始める。完全に覚醒してからは、額に木蓮と同じキチェが現れ、歌声で植物を操るキチェ=サージャリアンとしての能力を身につける。
小林 輪 (こばやし りん)
曼珠沙華小学校に通う7歳の小学生。坂口亜梨子と同じマンションの隣室に住んでいる夫妻の一人息子。亜梨子の部屋のベランダから落ちた事故がきっかけで、科学者紫苑の記憶と超能力サーチェス・パワーに覚醒し、天才的な頭脳と強力な念動力、テレポーテーション能力を身につける。 その後、亜梨子とともに同じ前世の記憶を持つ土橋大介たちのグループに参加するが、現存する月基地とコンタクトを取ることを画策し、密かに行動を始める。紫苑の記憶も相まって、木蓮の記憶を持つ亜梨子に執着している。
小椋 迅八 (おぐら じんぱち)
石蕗高校に通う高校生1年生で、坂口亜梨子のクラスメイト。喧嘩っ早い性格。錦織一成とは中学校からの友人。一成と同じくムーン・ドリームを見ていることを知り、玉蘭の記憶に覚醒する。次第に玉蘭の持っていた超能力サーチェス・パワーも発現するが、無意識的にしか使えない。 亜梨子に恋をしている。亜梨子が木蓮の記憶に覚醒してからは、木蓮に執着していた紫苑の記憶を持つものを警戒し始める。
錦織 一成 (にしきおり いっせい)
石蕗高校に通う高校1年生で、坂口亜梨子とは別のクラス。中性的な顔立ちの少年で、前世では女性科学者槐の記憶を持つ。小倉迅八とは中学校からの友人で、二人でムーン・ドリームの話をしているところを亜梨子に見られ、最初は同性愛者と勘違いされる。月間オカルト雑誌の愛読者で、読者投稿欄で月基地の記憶を持つ仲間を探すことを提案する。
土橋 大介 (どばし だいすけ)
川崎に住む高校生。科学者柊の記憶を持つ。7歳の頃からムーン・ドリームを見ており、その影響で入った天文観測サークルで繻子蘭の記憶を持つ国生桜と知り合う。錦織一成の出した雑誌の読者投稿を読み、月基地の記憶を持つ者たちの会合に参加する。柊が月基地での責任者だったこともあり、会合ではリーダー的存在となる。
国生 桜 (こくしょう さくら)
横浜に住む女子高生。科学者繻子蘭の記憶を持ち、土橋大介とともに月基地メンバーの会合に参加する。前世で繻子蘭と仲のよかった槐の記憶を持つ錦織一成と仲よくなる。槐にあこがれており、同じようなワンレングスの髪型にしている。
笠間 春彦 (かさま はるひこ)
秋海棠の記憶を持つ少年。幼いころからムーン・ドリームを見ており、超能力サーチェス・パワーによるテレポートを繰り返していた。そのため体を壊して入院し、年齢的には高校2年生だが、中学3年生に復学した。偶然デパートで小林輪と出会い、秋海棠の記憶を完全に覚醒させ、前世での罪の意識に悩まされる。 母親がインド系ハーフのクォーターのため、浅黒い肌で紫苑によく似た容姿をしており、それを輪に利用されて、紫苑として月基地の会合に参加させられる。
木蓮 (もくれん)
坂口亜梨子の前世のシア星系人。女性生物科学者で月基地ではマドンナ的存在。生まれながらにして額に四葉型の痣キチェを持つキチェス=サージャリアンで、故郷のシア星系では神格化されている。動植物と心を通わせることができ、キチェス=サージャリアンの能力を使って、歌声で植物の成長を操ることができる。 日本語に月基地メンバーたちの名前と同じ読みの植物があるのを発見し、全員に漢字表記のあだ名を付ける。
紫苑 (しおん)
小林輪の前世のシア星系人。月基地の男性科学者。天才的なエンジニアであり、強力なサーチェス・パワーを持っている。戦災孤児で、孤児院の出身。その影響か攻撃的で協調性に欠ける性格。学生時代は常にトップクラスの成績だったが友人は少ない。玉蘭・秋海棠とは同級生で、数少ない友人だが、家族があり友人も多い玉蘭にはコンプレックスを抱いている。 紆余曲折を経て木蓮と結ばれる。
玉蘭 (ぎょくらん)
小椋迅八の前世のシア星系人。月基地の男性考古学者。優等生で友人が多く、面倒見のよい性格。紫苑とは学生時代からの友人。実は何事も自分より優れている紫苑には劣等感を持っている。超能力サーチェス・パワーを持っているが、自分では制御が効かず、耳に能力を制御するためのピアスをつけている。 木蓮に恋をしている。
槐 (えんじゅ)
錦織一成の前世のシア星系人。月基地の女性古生物学者。玉蘭・秋海棠とは大学院からの同級生。学生時代から玉蘭への片思いを続けており、玉蘭の後を追って月基地のメンバーとなる。普段から発揮させることはないが、サーチェス・パワーを持ち、テレパス能力がある。
柊 (ひいらぎ)
土橋大介の前世のシア星系人。言語学者で、月基地での責任者を務める男性。ロマンチストで責任感が強いが、小心な性格でもある。星間戦争の勃発によってシア星系からの連絡が途絶えた際に、紫苑たちに地球に避難することを提案されるが、却下する。
繻子蘭 (しゅすらん)
国生桜の前世のシア星系人。女性科学者で、槐とは無二の親友。玉蘭を追って月基地のメンバーになった槐への保護者意識から、自分も月基地のメンバーになる。口が悪く、勝ち気な性格だが、実はメンバーの中で一番精神的に弱く、月基地ではたびたびホームシックになる。
秋海棠 (しうかいどう)
笠間春彦の前世だが、紫苑の前世を持つ小林輪に似た容貌をしたシア星系人。医学博士の男性で、玉蘭とは学生時代からの友人。本星と連絡の途絶えた月基地内で伝染病が流行した際、ワクチンを作り上げる。
田村 一登 (たむら かずと)
松平タカシの世話係。孤児院の出身で元暴走族だった少年時代にタカシの父松平羅王蔵に拾われる。父が松平建設の建築技師である笠間春彦とは友人関係。投身自殺をした弟の面影を残す春彦のことを特に気にかけている。タカシが輪からの脅迫を受けたことによって輪と対峙し、その後春彦の告白によって、月基地での出来事を知る。
松平 タカシ (まつだいら たかし)
建設会社を営む松平羅王蔵の息子。暴走族のドラ息子だが、父の建設会社が東京タワーの改装工事を請け負っていることから、小林輪に脅迫を受ける。
薬師丸 未来路 (やくしまる みくろ)
京都出身で20歳の大学生。地球人だが強力な念動力やテレポーテーションなどの超能力を操るエスパー。異母兄の薬師丸北斗によって田村一登に紹介され、小林輪と対決することになる。
最長老 (さいちょうろう)
キチェ・サージャリアンの長老。木蓮は「おばあちゃん」と呼んで親しんでいた。予知能力を持ち、自分たちの住む星系の滅亡を予期していたのか、木蓮が月基地勤務を希望した時も反対せずに送り出した。
リアン=モード
シア星系人の女性で、木蓮の世話係。サージャリム信仰における修道女であり、剃髪している。キチェ・サージャリアンとして神格化されていった木蓮とも常に対等に接し続けた。木蓮の一番の理解者であり親友。
ラズロ
戦災孤児だった幼少期の紫苑を、親代わりとなって孤児院から引き取ったシア星系人の男性。一緒に暮らすようになった紫苑のことをよく理解し、愛情を注いで暮らしていたが、紫苑と一緒に暮らすようになってからわずか78日後に交通事故で死亡する。
キャー
ラズロといっしょに暮らしている珍獣。見た目は猫によく似ていて、二足歩行をする賢い動物。背丈はラズロと同じほどある。ラズロと同じく、交通事故で死亡する。
場所
月基地
シア星系人たちが地球を監視するために月面に作った観測基地。シア星系に全面戦争が起こり、月基地メンバーたちは最後に残ったシア星系人となる、伝染病の蔓延によって全員が死亡し。
シア星系
地球から遠く離れた惑星系。大母星と呼ばれる惑星から人類が発祥し、いくつかの惑星や衛星に暮らしている。シア星系人は優れた科学力とサージャリムという信仰を持ち、生まれつきサーチェス・パワーと呼ばれる超能力を身につけている者もいる。容姿は人間とそっくりだが、身長は数cmしかない。 惑星間で大母星の所有権をめぐる星間戦争が起こり、消滅した。
続編
ボクを包む月の光 -ぼく地球次世代編- (ぼくをつつむつきのひかり ぼくたまじせたいへん)
ごく普通の少年が、両親から前世の記憶と超能力を受け継いだことで、様々な困難に巻き込まれながらも成長していく姿を描く。日渡早紀による漫画作品『ぼくの地球を守って』の続編。 関連ページ:ボクを包む月の光 -ぼく地球次世代編-
ぼくは地球と歌う 「ぼく地球」次世代編Ⅱ (ぼくはちきゅうとうたう ぼくたまじせだいへんつー)
日渡早紀の代表作『ぼくの地球を守って』に端を発する「次世代編」の第2作目で、『ボクを包む月の光 -ぼく地球次世代編-』の続編。生と死の境を経て生還した小学6年生の小林蓮は、平和な日常の中、妹の小林地球... 関連ページ:ぼくは地球と歌う 「ぼく地球」次世代編Ⅱ