吸血姫美夕

元々オリジナルアニメビデオ(OVA)として制作された作品を、原作およびキャラクターデザインを手がけた作者によってマンガ化された作品。作者にとって漫画家としてのデビュー作であり、初期の一話完結形式シリーズはアニメーターとしての仕事と平行して制作された。その後スピンオフシリーズである『吸血姫夕維』を挟んで、1992年に『新・吸血姫美夕』としてシリーズを再開。またその後テレビアニメ化に合わせ『吸血姫美夕』のタイトルとともに一話完結形式に戻したマンガ版も1998年から描かれた。原作・平野俊貴。平野俊貴は作者の夫で、アニメ版の原作・監督でもある。

概要・あらすじ

美夕は人間の血を吸う「吸血姫(ヴァンパイア)」であると同時に、やはり人間を襲う存在・「はぐれ神魔」を狩る「監視者」でもある。人間の世界に紛れ込んでいる神魔を見つけ出し、相棒のラヴァとともに狩っていく戦いの日々を送っているが、神魔たちにも人間を愛してしまったり、神魔同士の愛のために戦いを挑む者が存在するのだった。

登場人物・キャラクター

美夕 (ミユ)

人間の血を吸い、命を奪う「はぐれ神魔」を狩る「監視者」である「吸血姫」(ヴァンパイア)の、最後のひとり。自身も人間の血を吸って生きながらえており、目覚めた高校生の頃から外見的に年老いることはない。人間の血を吸う時は美夕自身が気に入った相手を選び、その人間の意思を確認した上で行うが、吸われた人間は現実の生活を失う代わりに幸福感に包まれ永遠を過ごすことになる。 神魔に対する際は白い寝巻のような着物に赤い帯、結った髪にも赤いリボンをつけた出で立ちとなり、リボンは武器にもなる。また、神魔と対する際には炎の魔法を使うことが多い。美夕は人間あるいは神魔の獲物を求めて各地に赴き、そこで一般の人間と同じように生活しており、苗字は場所によって変えている。 美夕がその地を去ると周囲にいた者の記憶からも存在が消える。普段は淑やかで学校でも優等生的に振舞っているが、神魔に対する際はいたずらっぽく笑い、冷酷な性格を見せる。

ラヴァ

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。常に美夕に付き従う、全身を黒いマントで包み、顔は仮面で覆っていることが多い神魔。美夕とふたりでいるときは仮面を外していることも多く、明るい色の髪をした美青年である。もともとは美夕を眠らせるためにやってきたが、幼い美夕に呼びかけて覚醒を促し、最初の獲物となりそれ以来下僕となる。 みずから「美夕の永遠の守護者」と名乗り、神魔との戦いでも重要な働きをする相棒役。手に鋭いツメを持ち、それを武器として相手を切り裂く攻撃を得意とする。

夕維 (ユイ)

『吸血姫美夕』に登場する日本神魔。胎内にいる間に母親が美夕の血を受けたため、吸血姫として生まれた少女。14歳のときに覚醒し、その時に現れた美夕に、妹であり、娘であり、美夕自身でもあると言われている。黒く長い髪を持つ美少女で、スピンオフ作品『吸血姫夕維』の主人公でもある。那嵬(なぎ)という、「シ(「鬼」上の点がない文字)一族」の男とともに行動しており、互いに想いあっている。

爛火 (ランカ)

『吸血姫美夕』に登場する日本神魔。日本神魔界第二層の監視者。日本人形のような黒髪に和装の少女の姿をしているが、葵と一狼を従える存在。ケット・シーら西洋神魔に倒された美夕の血を集め、夕維の血と合わせて復活させる。葵(あおい)という鬼面をつけた剣士と、一狼(いちろう)という狼に変身する能力を持つ少年を引き連れている。 また塊端(かいは)という元従者がはぐれ神魔となった時には、みずから地上に現れ美夕に頼んで狩っている。

冷羽 (レイハ)

『吸血鬼美夕』に登場する日本神魔。日本の神魔界第三層の支配者。幼い少女の姿をしているが、氷や吹雪を操る強大な力を持っており、松風(まつかぜ)という名の日本人形を従者としている。ひどく冷酷な性格で、半分人間の血が流れ西洋神魔のラヴァを従える美夕とは幾度となく対立する。

(カオル)

美夕が吸血姫として目覚める前、幼い頃に仲がよかった人間の男の子。幼い美夕は、ラヴァとは雰囲気が似ていると評していた。

美夕の母 (ミユノハハ)

吸血姫として目覚めることなく人間の男性のもとに嫁ぎ、美夕を授かる。美夕が生まれたとき初めて神魔が現れ、自分と娘が吸血姫であることを知るが、美夕もまた目覚めることなく成長することに望みを託し育ててきた。

レムレス

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。黒髪のハンサムな男性の姿をしているが、女性を嫌っており、かつて友だったラヴァを取り戻すため美夕を狙っていた。美夕とラヴァに返り討ちにされ封印結界に眠らされていたが、美夕が西洋神魔に倒された際によみがえり、常に時空を移動する「幻影城」を拠点にカールアとともにラヴァ奪還を企てる。

ケット・シー

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。浅黒い肌にたくましい体つきをしたハンサムな男性で、幽霊船に乗って日本にやってきた西洋神魔たちのリーダー格。ただし、目的はラヴァ奪還ではなく、自身の母親ケアル復活のため。目的のためには仲間たちを見殺しにすることも厭わず、自身の眷属であるギア、ギギ、ギオ、ギマに監視させている。

カールア

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。仮面をつけ、フードを被った女性の姿をしている。ラヴァの従妹で幼い頃から好意を抱いており、奪還を目的に日本へとやってきた。同じ幽霊船に乗ってきたレムニアとは幼なじみ。フードの下にはウェーブのかかった豊かな金髪と、まだ幼さの残る少女の顔立ちがある。勝気な性格のやや幼い妹リリスがおり、後に姉を追うようにしてやってくる。

ナイト・ギア

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。女性のような顔立ちをした男性の姿をしており、夢を操る能力を持つ。武器としてサーベルを持ち、稲妻を放つこともできる。幽霊船で日本にやってきた西洋神魔のひとり。

パズス

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。頭にターバンを巻いた姿が特徴のハンサムな男性。幽霊船で日本にやってきた神魔のひとり。西洋神魔の中でも位が高く、ラヴァやスパルトイの育ての親で、師匠とも呼べる存在。ラヴァを美夕の支配から解放するため、カールアの血と入れ替える「魔手術」を行った。日本へやってきたのもラヴァ奪還が目的で、日本神魔との戦いには興味がなかった。

ウォーター・リッパー

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。魚のヒレを思わせる耳と、水かきのある手を持つ水性の神魔で、長い髪の美女の姿をしている。幽霊船で日本にやってきた神魔のひとり。

アミイ

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。幽霊船で日本にやってきた神魔のひとり。口数の少ない女性的な顔立ちの男性で、スパルトイに好意を持っている。炎の魔法を得意とし、傷つき人間の母子に助けられていた美夕を狙って母子をその住居ごと焼き尽くしている。

スパルトイ

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。幽霊船で日本にやってきた神魔のひとり。身体に竜(ドラゴン)を巻きつけた出で立ちの美丈夫で、竜を操ることもできる。ラヴァとは幼なじみで、ともにパズスのもとで修行し、よく腕比べをしていた。

レムニア

『吸血姫美夕』に登場する西洋神魔。レムレスの弟で、黒髪や顔かたちもよく似ている。幽霊船で日本にやってきた神魔のひとりだが、兄奪還が目的ではなく、好意を抱いている幼なじみのカールアとともにいたかったから。

集団・組織

吸血姫 (ヴァンパイア)

『吸血姫美夕』に登場する魔物の種族。この物語における魔族の総称である「神魔」の中でも、「日本神魔」に属し、神魔を統率する一族とされる。人間の血を吸うという点で、ヨーロッパの伝説にある「吸血鬼」とよく似ているが、日中でも行動できたり、十字架やにんにくを厭わないなど異なる点が多い。

メディアミックス

吸血姫美夕

書誌情報

吸血姫美夕 全10巻 秋田書店〈秋田文庫〉 完結

第1巻

(2002年2月発行、 978-4253177719)

第2巻

(2002年6月発行、 978-4253177726)

第3巻

(2002年10月発行、 978-4253177733)

第4巻

(2003年2月発行、 978-4253177740)

第5巻

(2003年5月発行、 978-4253177757)

第6巻

(2003年10月発行、 978-4253177764)

第7巻

(2004年2月発行、 978-4253177771)

第8巻

(2004年6月発行、 978-4253177788)

第9巻

(2004年11月発行、 978-4253177795)

第10巻

(2005年5月発行、 978-4253177801)

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