魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編

魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編

秋田禎信の小説『魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編』のコミカライズ作品。『魔術士オーフェンはぐれ旅』の主人公、オーフェンの少年時代であるキリランシェロの姿と、在りし日のチャイルドマン教室の面々を描いたファンタジーアクション。『魔術士オーフェンはぐれ旅』では描かれなかった、キャラクターたちの意外な素顔や過去が明かされる前日譚にあたり、シリーズの原点ともいえる物語となっている。「ニコニコ静画」内の「comicコロナ」で2017年12月25日より掲載の作品。

正式名称
魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編
ふりがな
まじゅつしおーふぇんはぐれたび ぷれへん
原作者
秋田 禎信
漫画
ジャンル
アクション
 
ファンタジー
関連商品
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あらすじ

第1巻

大陸最高峰の黒魔術士養成所「牙の塔」の中でも、チャイルドマン教室は飛び抜けた力を持つ者が集まる教室だが、同時にその面々は問題児だらけでもあった。ある日、チャイルドマン・パウダーフィールドは生徒たちの素行を口実に、牙の塔の最高執行部が自身の影響力を削ごうとしていると推測し、それを品行方正な優等生のレティシアに相談する。上層部のパワーゲームと問題児たちの好き勝手、その状況に頭を痛めたレティシアは、自身が風紀委員となって仲立ちし、後輩たちを上層部からの弾圧から守ろうと考える。しかし、レティシアの取り締まりは、コミクロンが廊下を走っただけで半殺しにされたり、ハーティアが女子とすれ違っただけで逆さづりにされたりなど、苛烈極まるものだった。レティシアは順調だと思うものの、キリランシェロたちが不平不満を口にしているのを知って大激怒し、彼らに襲い掛かる。そしてレティシアとキリランシェロたちの戦いで牙の塔は甚大な被害を被る事となり、風紀委員の取り締まり制度はわずか5日で廃止されるのだった。

メディアミックス

小説

本作『魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編』は、秋田禎信の小説『魔術士オーフェンはぐれ旅 プレ編』が原作となっている。原作小説は2018年1月から2019年4月にかけて全2巻がTOブックスより発行された。

登場人物・キャラクター

キリランシェロ

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する少年。年齢は15歳。黒い髪を短く切りそろえ、利発そうな雰囲気を漂わせている。チャイルドマン・パウダーフィールドから暗殺技術と戦闘技術を叩き込まれたため、若くして一流の黒魔術士と認められており、その戦闘能力の高さから「鋼の後継」の異名を持つ。アザリー・ケットシーとレティシアとは同じ孤児院で姉弟同然の関係で育ったために仲がいいが、彼女たちのむちゃ振りに振り回される事も多く、姉たちの理不尽さを身をもって知っている。のちに牙の塔を出奔し、名を捨てて孤児を意味する「オーフェン」の名を名乗るようになる。

ハーティア

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する少年。年齢は15歳。顔にはそばかすがあり、赤毛の髪を肩まで伸ばしている。キリランシェロとは年が近いために仲がいい。軽薄な性格で、牙の塔の女子生徒をナンパしてはふられるという事を繰り返している。時々、ナンパが成功する事もあるが、デリカシーがなく本番に弱いという性格もあり、付き合いは長続きはしない。レティシアの私物を盗んでは彼女のファンに高く売りつけるという行為を繰り返していたため、レティシアからは何度も折檻を受けている。

コミクロン

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する少年。年齢は17歳。童顔で長く伸ばした髪を三つ編みにしているため、まるで女性のように見える。牙の塔の魔術士の中でも上位に位置する優秀な魔術士だが、科学を学び、実験をたびたび行う変人。つねに白衣をまとい、キリランシェロを一方的にライバル視し、コミクロン自身が発明した発明品「人造人間」シリーズをキリランシェロにけしかける。コミクロンの発明品とキリランシェロの対決は毎週のように行われており、「今週のエリート対決」として牙の塔の中で一種の娯楽と化し、観客も集まるようになっている。人造人間シリーズを作っているうちに、牙の塔の用務員と仲よくなっているらしい。医療魔術のエキスパートで、ほかの魔術士では完治不可能な負傷も短時間で治癒する事が可能。レティシアに半殺しにされた際も、自力で傷を癒やして復帰した。攻撃魔術も使えるが、よけいなエネルギーを周囲にまき散らす事を嫌い、最小限の力で敵を倒す効率的な魔術を好む。

アザリー・ケットシー

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する女性。年齢は20歳。若干癖のある黒い髪を肩口で切りそろえている。キリランシェロを弟のようにかわいがっており、従姉のレティシアも交えて実の姉弟のように接する。好奇心旺盛でわがままな性格をしており、気まぐれや思い付きで破滅的な企みを行う事もしばしばあるトラブルメーカー。レティシアとは別方向の問題児で、アザリーとレティシアが巻き起こす姉妹ゲンカは「目の前で友が死んでも動揺しない」といわれている牙の塔の魔術士が騒然とするほど、恐れられている。

レティシア

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する女性。年齢は20歳。艶やかな黒髪をストレートに長く伸ばしている。一見すると理知的で穏やかな性格をした優等生だが、本性は神経質な潔癖症。ヒステリーを引き起こしては黒魔術を無意識に暴発させる悪癖を持つため、牙の塔では「死の絶叫」の名で恐れられている。また思い込みの激しい人物で、牙の塔の上層部がチャイルドマン教室を弾圧しようとしている噂が立った際には、年若い後輩を守るためにレティシア自身が風紀委員に立候補して、弾圧から守ろうとする。本人は後輩を守ろうと大まじめにやっていたが、実態は塔の上層部に見つかる前にレティシアが後輩を弾圧するという苛烈なものだったため、最終的に風紀委員の見回り制度は廃止され、塔の上層部にレティシアが要注意人物としてマークされる事態になった。アザリー・ケットシーの従姉で、トラブルメーカーのアザリーと対等に接する事ができる数少ない存在。アザリーも交え、幼なじみのキリランシェロとは実の姉弟のように接する。アザリーとレティシアが巻き起こす姉妹ゲンカは、塔の定例行事で、歴戦の黒魔術士も二人のケンカを前にすると裸足で逃げ出すほど恐れられている。

フォルテ

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する男性。年齢は20歳。面倒見のいい青年で、キリランシェロたちにとって頼れる兄貴分。教師であるチャイルドマン・パウダーフィールド以外で暴走したアザリー・ケットシーとレティシアを唯一止められる存在で、彼女たちが巻き起こした騒動の後始末もしている。アザリーとレティシアにも落ち着いて接しているが、これはそう振る舞おうとしている努力の賜物で、内心は彼女たちの言動に動揺する事も多い。

コルゴン

牙の塔のチャイルドマン教室に所属する男性。年齢は17歳。目的のためなら手段を選ばない合理主義者で、コルゴン自身は自覚していないが、冷徹で浮世離れした性格をしている。コミクロンと仲がよく、去年の学園祭でコンビを組んで公開試技に臨んだ。放浪癖があるらしく、牙の塔の外に出ている事が多い。

チャイルドマン・パウダーフィールド

牙の塔に所属する男性教師。年齢は25歳。大陸最強の黒魔術士といわれており、塔教師の平均年齢の半分の若さにもかかわらず、塔上層部に対して多大な影響力を手にしている。チャイルドマン教室の生徒たちを指導しつつ、塔や外部組織のパワーバランスを調整している。ただし教室の生徒が問題児ぞろいであるため、最近は生徒たちが巻き起こす騒動の後始末で頭を悩ませる事も多い。

集団・組織

チャイルドマン教室 (ちゃいるどまんきょうしつ)

牙の塔に存在する教室の一つ。担当教師はチャイルドマン・パウダーフィールドで、牙の塔では教室の前に担当する教師の名前が付くのが決まりとなっているため、「チャイルドマン教室」という名前となっている。生徒数は七人で、それぞれ別の専門的な技術や知識を学んでいる。チャイルドマンは教師の中でも飛び抜けて強く、そして教師としては飛び抜けて若いため、チャイルドマン教室は内外から強い注目を集めている。その評判は王都にまで届いており、王都の魔術士たちはチャイルドマン教室の生徒をスカウトする機会を虎視眈々と狙っている。また、チャイルドマン教室の生徒は牙の塔でたびたび騒動を巻き起こしており、七人中六人が周囲から相当な問題児として認識されている。中でもアザリー・ケットシーとレティシアの姉妹ゲンカは、牙の塔では「恐怖」の代名詞として扱われるほどである。

その他キーワード

人造人間 (じんぞうにんげん)

コミクロンが作る発明品。魔術を使わず、科学的な機構で作られている。「人造人間」はコミクロンが作る発明品のシリーズとなっており、22号はクロスボウを自動で発射する装置で、23号はマネキンのような人形、24号はかかしのような形をしていた。コミクロンも人造人間の型番はよく覚えていないらしく、型番の認識は時折、曖昧になっている。毎週のように作っては、キリランシェロにけしかけているため、現在はコミクロンの発明品とキリランシェロの対決は牙の塔の生徒たちのあいだで見世物的扱いとなっている。現在まで発明された人造人間シリーズは例外なくキリランシェロに破壊され、ガラクタとなっている。ちなみに連続で巨大な人造人間シリーズを作ると後片付けが大変で、用務員に怒られるらしく、最近は用務員と話し合いをして作る物を決定している模様。

クレジット

原作

秋田 禎信

キャラクター原案

草河 遊也

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