孤立した女子高校生とハーフの転校生
絵を描くことが大好きな加倉井彩は、同じクラスに転校してきたハーフの美少年、佐田アイムの校内案内係を任される。尊敬する先生に裏切られて学校で孤立していた彩だったが、アイムは彼女の悪い噂など気にすることなく、彩とまっすぐ向き合う。そしてアイムから興味を持たれ、ある出来事で急接近してきた彼から突然キスをされる。これ以来、何気ない日常を通して彩とアイムの切なくも美しい恋愛模様が綴られる。岩下慶子の圧倒的な画力と世界観で、微妙な心情や表情が繊細に描かれており、印象的なキスシーンも見どころとなっている。
ハーフの金髪美少年×恩師に裏切られたぼっち少女
ヒロインの彩は、信頼していた恩師に裏切られ、誰にも信じてもらえずに学校で孤立無援となり、大好きだった絵も描かなくなっていた。自分の色をなくして透明になることで、人とかかわらずに一人で過ごしていた彩は、フランスからの帰国子女のアイムと交流を持つようになり、少しずつ以前の明るさを取り戻していく。アイムはフランス育ちで変わり者ながら、強い意志と明るい人柄、それに加えて輝くような美貌の持ち主で、転校初日からクラスメイトの注目と人気を集めていた。そんな中、アイムは彩が子猫を拾ったことをきっかけに親しくなり、やがて彼女の心境や心の傷を理解したうえで恋心を抱くようになる。
恋愛を通して心が癒やされていく
彩はアイムに強引にせまられることに戸惑いながらも、彼と過ごす時間に癒やしと安らぎを感じていた。担任からも問題児扱いをされている彩は、アイムに近付かないよう釘を刺されたり、彼に思いを寄せる女子たちを気にしてアイムと距離を置こうとしてすれ違いが発生。そんな中、とある騒動で二人きりになったアイムは彩に突然キスをし、彩もアイムへの思いを伝えて交際が始まる。そして、フランス人とのハーフであるアイムには人と違った容姿への悩みや、幼少期の悲しい過去があることを知った彩は、アイムに寄り添うことを決意する。その後、彩は美術部に復帰し、アイムはスカウトされて芸能活動をスタートさせる。こうして、過去に孤独を抱えた二人は互いに必要な存在となり、それぞれが将来に向かって歩み始める。
登場人物・キャラクター
加倉井 彩 (かくらい あや)
有名進学校に通う女子高校生。佐田アイムのクラスメイト。黒髪をロングヘアにしている。サッカー部に所属する翼という弟がいる。絵を描くことが趣味で美術部に所属していたが、尊敬していた美術教師に裏切られ、学校で孤立している。ほかの先生からも問題児扱いされ、同じクラスの女子からはいじめを受けている。これ以降は絵を描くのを止め、自らの存在感を消して残りの2年間が淡々と過ぎるのを待っていた。そんな加倉井彩が本当の自分を出せるのは唯一家族の前だけ。ある日、帰国子女のアイムが転校してきたのを機に友人との関係も改善され、絵を描くことも再開するなど、以前の明るさを取り戻していく。拾った白い子猫をアイムに預けることになり、「カラフル」と名付けて首輪をプレゼントした。美術の勉強のためにフランス留学を志しているため、独学でフランス語を学んでいる。
佐田 アイム (さだ あいむ)
フランスから加倉井彩のクラスに転校してきた男子高校生。日本人とフランス人のハーフで、綺麗なブロンドヘアの美少年。基本的には誰に対しても好意的に接するが、自分の容姿に注目されるのを嫌っている素振りを見せることがある。フランス語を流暢(りゅうちょう)に話すが、幼少期は日本に住んでいたため、日本語もペラペラ。転校早々、学校中の女子から人気を集めている。学校で孤立している彩に興味を覚え、交流を重ねるうちに好意を寄せるようになる。心に傷を抱えた彩の心を癒やしていくが、実はアイム自身も幼少期に偏見に苦しみ孤独だった過去を抱えていた。のちに芸能プロダクションからスカウトされ、芸能活動を開始する。