声優ましまし倶楽部

声優ましまし倶楽部

アイドル声優志望の真島いろはるが、さまざまな人達と出会いながら、夢に向かって突き進んでいく姿を描いた4コマ漫画。声優業界の仕組みや裏側といった業界ネタも盛り込まれている。なお、コマ割りは4コマ漫画の体裁を採っているが、4コマ目でオチがつかないパターンがほとんどであり、物語は通常のストーリー漫画のように展開される。「ジャンプ+」2014年1号と2号に続けて掲載されたあと、2016年11号まで隔週更新された。

正式名称
声優ましまし倶楽部
ふりがな
せいゆうましましくらぶ
原作者
目黒 ひばり
漫画
ジャンル
声優
関連商品
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あらすじ

第1巻

人気アイドル声優を目指す真島いろはるは、自慢の大きな胸を武器に、桜あやめといった人気新人声優がパーソナリティーを務めるラジオ番組のアシスタントの座を手にした。だが、調子に乗ってしまったいろはるは、非公開のオーディション情報をTwitter上で漏えいして大炎上。結果、所属する声優事務所「マシプロ」から、ほとぼりが冷めるまでラジオ以外の仕事をさせてもらえなくなってしまう。焦ったいろはるは事務所の勧めもあり、新人声優達がアルバイトをしているカフェ「ラッシュ」のオープニングスタッフとして働く事を決意する。ところが「ラッシュ」は売上不振と人間関係の悪化により、短期間で閉店してしまう。いろはるが進むべき方向を見失った時、彼女の前にカントクが現れ、ネット上の生放送番組に出演してみないかと誘うのだった。いろはるはその提案を快く受け入れるものの、彼女を待っていたのは、若手お笑い芸人が挑むようなレベルの過酷な罰ゲームの連続であった。必死に耐え続けるいろはるだったが、カントクはいろはるよりも従順な緩木をかわいがるようになり、ついにキャストから外されてしまう。不幸は続き、いろはるがアシスタントを務めていたラジオ番組も終了となり、ADの片山からは、勝手に彼女扱いされたうえに一方的にふられてしまう。そんな中、いろはるのもとに、人気ライトノベル作品のドラマCDの仕事が舞い込む。

第2巻

人気ライトノベル作家の櫻田は、かつて真島いろはるが出演していたネット上の生放送番組を観ており、彼女を自作のドラマCDの声優として推薦する。その作品はすでにアニメ化も決定していたため、人気アイドル声優の仲間入りができると喜んでいたいろはるだったが、アニメ版ではキャストから外されてしまう。声優への気力を失ったいろはるは一時休業を決意し、あおいの紹介でIT企業の雑用アルバイトを始める。しかし、社長、黒岡レオナルドのビジネスの才能のなさに不安を覚えたいろはるは無断でアルバイトを辞め、再びアイドル声優への夢を燃え上がらせる。そんな中、アニメの業界人が集う交流会に参加したいろはるは、自分を慕う中野アンナと知り合う。だが、アンナは内心ではいろはるをバカにしており、自分の引き立て役として利用しようと考えているだけだった。

第3巻

改めてアイドル声優としての活動を再開しようと、声優事務所「マシプロ」にアプローチを開始した真島いろはるは、統括マネージャーにWEBアニメのオーディションを紹介される。いろはるはその仕事を甘く考えており、自信満々でオーディションに臨むが、そこには実力者ばかりが集い、いろはるはあっけなく不合格となってしまう。落ち込んでしまったいろはるは、またも声優の世界を離れて、スーパー銭湯でアルバイトを始めるが、やはりアイドル声優の夢があきらめきれない。そこでいろはるは、父親の真島清を説得し、再度声優専門学校に入学して、一からアイドル声優を目指す事を決意をするのだった。

登場人物・キャラクター

真島 いろはる (ましま いろはる)

声優事務所「マシプロ」に所属している女性。アイドル声優になる事を夢見ている。童顔で小柄な体型ながらも胸は大きく、真島いろはる自身もそれを武器として使う事にためらいはない。声優業には真剣に取り組んでおり、自主練習は欠かさない努力家でもある。基本的にはまじめな性格ながら少々天然なところもあり、融通が利かず空回りする事も多い。 また、自分が大好きで、とにかく周囲からちやほやされたい願望が強く、心の中では他人をランク付けするなど、腹黒い一面も持ち併せている。アイドル声優は処女でなければならないという信念の持ち主で、これまで誰とも交際した事はない。しかしイケメンを前にすると、すぐに好きになってしまい、同時に相手の些細な言葉で彼女になったと勘違いしてしまいがち。 基本的に痛い言動が目立つが、人当りは悪くない事から、友人関係には恵まれている。

(えのき)

若手の男性声優。真島いろはるがアシスタントを務めるラジオ番組の出演者であり、仕事熱心で、周囲に気配りもできる好青年。また、声優の中ではトップレベルの美男子という事もあって人気が高く、いろはるにも以前からあこがれられていた。

桜 あやめ (さくら あやめ)

若手の女性声優。ファンからは「あやめる」の愛称で呼ばれている。真島いろはるがアシスタントを務めるラジオ番組の出演者でもある。心優しい性格で、無名声優のいろはるにも親切に接し、食事に誘ったりして親交を深めた。メディアで「美人すぎる声優」と紹介されるほどの美貌の持ち主なうえ、演技力も優れており、人気が非常に高い。

中野 アンナ (なかの あんな)

新人の女性声優。表向きはかわいらしく、甘え上手に振る舞っているが、自分より目立つ女を嫌う腹黒い性格。桜あやめの持ち物をトイレにぶちまけるなど、陰湿な嫌がらせを繰り返している。業界内の女性にはその悪行が知れ渡っており、評判も悪いが、真島いろはるにはそんな裏の顔を知られていない。いろはるの事を自分より下の人間と位置付けており、慕うふりをしながら、引き立て役としていろはるを利用しようと、行動を共にしている。 いろはるの処女アピールをうっとうしいと感じており、遊び人の間一智を紹介した。

間 一智 (はざま かずとも)

ベテランの男性声優。浅黒い肌に大人の色気が漂う容姿をしており、人気も高い。かなりの遊び人で、新人の女性声優を甘い言葉で誘惑しては、身体の関係を持つので有名。ただし、真島いろはるにはそんな悪い噂は知られていない。中野アンナを通していろはると知り合い、当初はターゲットとして狙っていた。しかし、一度食事をしただけのいろはるが、勝手に彼女面をし始めた様子を見て危険な人物だと考え、結局は手を出さずに終わった。

あおい

声優事務所「マシプロ」に所属する新人の女性声優。美人で、心優しい性格の持ち主。真島いろはるのかわいらしい声にあこがれ、自分に足りないものを持っていると、うらやましく思っている。のちに声優として成功する夢をあきらめ、会社員として黒岡レオナルドのIT企業に勤務するようになる。いろはるの仕事関連の相談には快く応じている。

座古 (ざこ)

声優事務所「マシプロ」に所属する新人の女性声優。真島いろはるからは「座古ちん」と呼ばれている。いろはるや守部と共に一流声優を目指しているが、なかなか芽が出ずにいる。嫉妬深く、自分より目立つ相手に対しては陰湿な言動を見せる事がある。ネット掲示板上の噂や炎上に詳しく、また何かあると、すぐにネットで調べてくれる事から、いろはるからは、密かに「有益な情報を提供してくれるサーチエンジン」扱いされている。

守部 (もぶ)

声優事務所「マシプロ」に所属する新人の女性声優。真島いろはるからは「守部ちん」と呼ばれている。サバサバした性格の持ち主で、いろはると出会った頃はボーイッシュな雰囲気だった。のちにタクミと交際するようになってからは、見た目も性格も女性らしく変化している。いろはるや座古と共に一流声優を目指していたが、タクミと結婚するために、いち早く見切りをつけて声優事務所を辞めた。 その後、タクミは声優が好きなだけのニートという事が発覚。守部の稼ぎだけに頼っており、さらに気に入らない事があると暴力も振るわれているが、別れられずにいる。

メグにゃん先輩 (めぐにゃんせんぱい)

声優事務所「マシプロ」に所属する女性声優。真島いろはるの先輩にあたる。大物声優ぶった発言が多いが、実際には事務所の人気声優と抱き合わせの、短い台詞の仕事ばかりしている。いろはるからは内心見下されているが、メグにゃん先輩自身は気づいておらず、むしろいろはるをかわいがっている。

槍林 透 (やりばやし とおる)

新人の男性声優。真島いろはるとはカフェ「ラッシュ」のアルバイト仲間として知り合う。整った顔立ちをしており、さわやかで人当りのいい性格。しかし女たらしであり、「ラッシュ」で働く緩木と燦の二人とも身体の関係を持っており、「チョロそうだから」という理由で、いろはるにもちょっかいを出していた。だが声優としての実力は確かで、注目の新人男性声優として、雑誌などにもたびたび掲載されている。

緩木 (ゆるき)

声優事務所「31(サーティーワン)プロダクション」に所属する新人の女性声優。真島いろはるとは、カフェ「ラッシュ」のアルバイト仲間。穏やかでいつもにこやかな表情をしているが、男性関係は派手で、槍林透とも割り切った身体の関係を持っていた。槍林が燦とも身体の関係を持っている事を知っているが、自分は恋人ではないため特に関心はない。 槍林や燦と「ラッシュ」の調理場で修羅場になった時も、まるで他人事のように傍観していた。いろはるを通じてカントクや片山と知り合い、両方から気に入られる。

(さん)

新人の女性声優。真島いろはるとはカフェ「ラッシュ」のアルバイト仲間。普段はクールな性格で、サバサバと振る舞っているが、男性関係がもつれると逆上する。槍林透と身体の関係を持っており、燦自身は彼女だと思っていたところ、緩木とも関係がある事実を知り、「ラッシュ」の調理場で包丁を振り回すなど修羅場を起こした。 趣味はコスプレ。

ボッチ

新人の男性声優。真島いろはるとはカフェ「ラッシュ」のアルバイト仲間。暗い性格で、ボソボソとつぶやくように話をする。音響監督など、アニメ業界に知り合いが多い。

タクミ

新人声優好きなオタクの男性。カフェ「ラッシュ」に客として訪れ、当初は真島いろはるのファンとなったが、最終的には「ラッシュ」で働く新人声優達を全員応援する、というスタンスに変わった。その中でも守部の事を特に気に入って交際を始め、結婚までこぎつける。しかし実はニートであり、結婚後は守部に養われている。一見優しそうに見えるが、DV気質の持ち主。

片山 (かたやま)

ラジオ局でADとして働く男性。まるでカエルのような顔をしており、真島いろはるからは、心の中で「ガマゲルゲ」と呼ばれている。いろはるに好意を抱き、交際をしていると、勝手に周囲に言いふらす。

統括マネージャー (とうかつまねーじゃー)

声優事務所「マシプロ」の統括マネージャーを務める女性。真島いろはるの担当をしている。仕事には厳しく、いろはるがミスを犯した際には厳しく注意する事から、いろはるには苦手意識を抱かれている。色々と手のかかるいろはるに対し、呆れつつも、そのがんばりは認めている。

カントク

音響監督を務める中年男性。小太りの体型で、真島いろはるも、初対面時にキモいと感じてしまうほど。深夜アニメを中心にキャスティングを担当していると言ってはいるものの、本当に番組にかかわっているのかは不明である。ボッチを通じていろはると知り合い、自分の事をちやほやしてくれる若い女性として気に入っている。

櫻田 (さくらだ)

人気ライトノベル作家の男性。礼儀正しく、まじめな性格をしている。真島いろはるがネット上の生放送番組に出演していた場面をたまたま視聴しており、作中にいろはるをモデルにしたキャラクターを登場させる。ドラマCDの製作が決まった際には、声優にいろはるを推した。

真島 清 (ましま きよし)

真島いろはるの実の父親。怪しいネットワークビジネスを手掛けている。いろはるからは「パァパ」と呼ばれている。娘のいろはるには非常に甘く、これが、いろはるが自分大好きな性格になる大きな要因となった。

黒岡 レオナルド (くろおか れおなるど)

小さなIT企業の社長を務める男性。この会社には、声優をやめたあおいが就職した。アルバイトとして真島いろはるも入社させている。イケメンで、つねに難しいビジネス用語を使うため、仕事のできる人物に見える。実際は薄っぺらい人間で、社長としての器も才覚もなく、会社は倒産寸前の状態にある。

山本 勘助 (やまもと かんすけ)

スーパー銭湯に勤務する男性。この銭湯でアルバイトをしている真島いろはるの事をネットで勝手に調べ上げ、声優であると見破った。さらに館内アナウンスを任せたりして、いろはるをプロデュースしようと意気込んでいるが、いろはるからは迷惑がられている。

(ゆう)

真島いろはると同い年の女性で親友。高校時代にラーメン屋で仲よくなり、それ以来、頻繁に連絡を取り合っている。凪や早乙女とはラーメンを共通の趣味とする友達で、いろはるに二人を引き合わせた。

(なぎ)

真島いろはると同い年の男性。悠とはラーメンを共通の趣味とする友達。美男子で、大学に通いながらもモデルとして活動している。将来の夢は弁護士になる事。いろはるとは悠を通して再会した。高校時代にいろはるから惚れられ、一方的に彼女になったと勘違いされた過去があるが、今は何もなかったように接している。いろはる、早乙女と三人で「ラーメン弐号」を訪れる事が多い。

早乙女 (さおとめ)

真島いろはると同い年の男性。悠とはラーメンを共通の趣味とする友達。周囲からは「オトメ」と呼ばれている。虚弱体質で、非常に細身であり、ゲームやアニメが大好きなオタク。いろはるとは悠を通して知り合った。いろはるの事を応援し、彼女にかかわるイベントには必ず参加しているが、いろはるからは有難迷惑に思われている。いろはる、凪と三人で「ラーメン弐号」を訪れる事が多い。

場所

マシプロ

業界内では中堅として知られる声優事務所。真島いろはる、座古、守部、メグにゃん先輩が所属する。統括マネージャーが担当する声優のスケジュールやオーディション情報を管理している。

ラッシュ

アニメ制作会社が経営するカフェ。新人声優が多く働いており、週末には声優達による朗読劇などのイベントが開催される。声優事務所「マシプロ」だけでなく、さまざまな声優事務所に所属する新人声優達がアルバイトをしている。真島いろはるのおすすめメニューは、ブタをモチーフにした「声豚パフェ」。売上が芳しくなく、さらに槍林透や緩木、燦が調理場で修羅場を起こした事でアルバイト内での人間関係が悪化し、短期間で閉店する事となった。

ラーメン弐号 (らーめんにごう)

横並びのカウンター形式のラーメン店。麺や野菜がまるで山のように盛られたラーメンが人気。食券機のとなりに50円を置くと、裏メニューが頼めるなど、常連客にしかわからないサービスが多い。そのボリュームのため一般の女性では完食が難しいとされているが、真島いろはるは毎回完食している。

クレジット

原作

目黒 ひばり

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