概要・あらすじ
初めて出会ったときから運命を感じた水守美緒と成宮颯。二人は運命的なものを感じて相思相愛になる。しかし火をあやつる力を持つ四条忠臣も美緒を手に入れようと邪魔をする。忠臣に引き裂かれまいと抗う二人だったが、その戦いの中で自分たちには前世からの因縁が関わっていることに気づく。
登場人物・キャラクター
水守 美緒 (みずもり みお)
高校1年生。伊豆に住む平凡な女子高生だったが、突然の火事により両親を亡くし、一人生き残る。両親亡き後、母方の親戚という四条家に引き取られ、いとこに当たる四条忠臣と出会う。同時期、暴漢に襲われたところを成宮颯に助けられ、運命的な出会いを果たす。立て続けに自身に降りかかる事件や事故を嘆き、周囲の人が傷つくことに心を痛める優しさを持ちつつも、原因を追及しようとする行動力や自らの運命と闘おうとする意志の強さも持ち合わせている。
成宮 颯 (なるみや そう)
高校2年生。成宮建設の長男。4歳の時不審な火事に何度も襲われ、肩に大やけどを負う。颯の身を案じた両親は、表向き颯が火事によって死んだことにし、1歳年下の澪という妹として育てた。暴漢に襲われそうになった水守美緒を助けたことで彼女と知り合う。後に正体を明かし、相思相愛の関係となる。 澪として女装していても周囲に男性と疑われないほど容姿が整っており、行く先々で女性を惹きつけているが、本人は美緒と出会ってからは彼女一筋。真面目で一途な性格。
四条 忠臣 (しじょう ただおみ)
高校2年生。水守美緒を引き取りいとことして振る舞う。学校では生徒会長を務め人気もあるが、一方で不良グループのリーダーという裏の顔も持っている。生まれつき火を操る超能力を持つ。超能力を持つ異端としての自分と理解し合えるのは美緒だけだとして、美緒に強く執着する。 あまり表情を崩すこともなくクールに振る舞っているが、自分の目的の邪魔をするものは冷酷に排除し、他人を利用することもいとわないという激しい気性を併せ持つ。
小松川 順平 (こまつがわ じゅんぺい)
美緒が転校した先の秀星高校において、SF研究会の部長を務める。転校してきた当初から美緒に超能力があるのではないかと疑い、美緒の周辺を探る。その中で偶然美緒が超能力を行使する場面に遭遇し、純粋な興味から接触する。しかしその様子を忠臣に目撃され、美緒に興味を持つ不穏分子としてプロパンガスを積んだ車の爆発事故に巻き込まれたと見せかけて殺される。
遠野 星子 (とおの せいこ)
忠臣が美緒と出会う1年ほど前に一時期つきあっていた女性。頭が良く周囲からうらやまれるほどの美人だったが、つきあってしばらくして忠臣の持つ超能力の存在に気づき、その力を恐れるがあまりに精神を病んでしまった。現在も病院に入院し、退院できるには至っていない。
みお
忠臣がリーダーを務める不良グループで忠臣に興味を持ち、近づいてきた女性。不良でほとんど学校に登校していなかったが、美緒・忠臣・颯の通う秀星高校に在籍する生徒であり、忠臣と知り合ったことで登校するようになる。美緒と同じ名であり、そのことがあって優しくする忠臣へ好意を抱く。 しかしそれが美緒の存在故だと知り、嫉妬から美緒に危害を加えようとして忠臣の逆鱗に触れる。
藤原 雅 (ふじわら みやび)
湘南に住む女子高生。颯の父親の会社である成宮建設のメインバンク、東都銀行の頭取の娘。忠臣から逃れて湘南に来た美緒と颯に偶然出会い、保護する。勝ち気で物怖じしない性格。颯に一目惚れするも、美緒との関係を見て片思いに迷っている心の隙を忠臣に利用される。
藤原 進之介 (ふじわら しんのすけ)
藤原雅の兄。画家であり、実家の他に葉山にアトリエを持っている。中国旅行から帰ってきたところに、雅からアトリエを紹介されて身を隠しに来た美緒と鉢合わせる。歴史上の有名な女性をモチーフにした絵をシリーズで描いており、同じシリーズとして藤原家に伝わる紅の扇を共に描いた絵を制作途中だった。
市岡 建治 (いちおか けんじ)
警視庁の刑事。飛行機の墜落事故の捜査に関わり、美緒が直前に飛行機から降りたことに違和感を覚え、美緒のことを調べ始める。
藤原 龍之介 (ふじわら りゅうのすけ)
藤原雅・進之介の父親。颯の父親の会社である成宮建設のメインバンク、東都銀行の頭取を務めている。美緒を保護したせいで二人の子供が亡くなったと思い込み、美緒に対して強い復讐心を抱く。
由美 (ゆみ)
美緒が転校してきた秀星高校に在籍する女生徒。美緒のクラスメートであり、一緒に昼食を取るなど、仲が良い。「裕ちゃん」というサーファーの彼氏がおり、彼が写った写真の背後の海が美緒の前世につながるきっかけとなったり、美緒に日本舞踊部の存在を教えたりと、美緒が前世を調べるに当たって無自覚ながら様々なヒントを与える。
集団・組織
秀星高校 (しゅうせいこうこう)
『天よりも星よりも』に登場する高等学校。東京都世田谷区成城にあり、私立の名門校として有名。忠臣が生徒会長を務める。制服は男女ともにブレザーにネクタイ。高校には珍しく能楽部や日本舞踊部があり、自分の前世について調べていた美緒は、その過程で日本舞踊に興味を持ち、入部する。
場所
由比ヶ浜 (ゆいがはま)
『天よりも星よりも』に登場する地名。神奈川県鎌倉市にあり、相模湾沿岸の一部。夏にはサーファーが集まる海としても有名。鎌倉時代には数々の激戦地の舞台となった。美緒は友人の彼氏の写真に由比ヶ浜が写っているのを見て、言いようのない感情に襲われ、その原因を探るため由比ヶ浜を訪れる。
その他キーワード
ハンググライダー
『天よりも星よりも』に登場する飛行器具。成宮颯が得意としている。日常のストレス発散のため、しばしば颯が町中を飛んでいたが、颯の父親はそれによる事故を危惧して毎度止めていた。美緒との出会いをもたらし、忠臣との戦いにおいても颯の重要な武器となる。