概要・あらすじ
中学生である双子の兄妹、結城頼と結城郁。二人は小さな頃からとても仲がよかったが、頼は郁に恋愛感情を持つようになる。禁断の恋と自覚し、自分の気持ちを押し殺す頼だったが、ある日突然寝ている郁にキスをして告白してしまう。郁は頼という大切な存在を失いたくない一心で頼の気持ちを受け入れ、甘く苦しい禁断の恋がスタートする。
やがて、二人の恋を守るために別々の高校に進学する彼らに、さまざまな障害が立ちふさがる。
登場人物・キャラクター
結城 頼 (ゆうき より)
成績優秀・スポーツ万能で容姿端麗と完璧な少年。小さな頃から双子の妹結城郁に恋をしている。許されない恋だと思っていたため、想いを殺し郁の親友友華と付き合っていた。やがて郁に思いは通じるが、当初の予定通り郁と離れるためにエスカレーター式の高校に進学ではなく、あえて外部の紫堂高校に入学。 しかし、暴行未遂事件や無断外泊など幾度となく問題を起こして退学となる。その後、郁たちが通う高校に戻り、森杏沙と出会う。二人一緒には暮らせないと悟った頼は郁に内緒で家を出るが、偶然にも10年後ロンドンで再会する。郁に初めて気持ちを伝えたのは教会前でシロツメクサの冠を編んでいるときだったため、二人の中でシロツメクサはとても大事なものとなっている。
結城 郁 (ゆうき いく)
何でもできる双子の兄結城頼に劣等感を抱いている。勉強がものすごく苦手で、なおかつ天然で抜けているところがあるが、それを補うような努力家でもある。好きなタイプは「かっこよくて、やさしくて、かわいい人」。頼も同じエスカレーター式の高校に進学するものだとばかり思っていたため、別の高校に通う頼にどうしても会いたくて何度か頼の寮に忍び込み、結果頼を退学へ追いやってしまう。 そののちに家族を捨てて自分と一緒になるかと聞かれ、選べなかったため結城頼が家を出ていった。以降、猛勉強の末大学へ進学し、外資系会社に入社した。10年後、仕事先のロンドンで頼に再会する。頼とは二卵性双生児のため似ておらず、異父重複受精により父親も違う。
楠 友華 (くすのき ともか)
結城頼の元カノで結城郁の元親友。中学時代から頼が好きで、頼が郁のことが好きなことも気づいていたが、あえて言及せずそのまま付き合っていた。頼と郁の兄弟以上の関係に早くから気づき、2人を引き離し、頼を自分のものにしようあの手この手で邪魔した。頼が外部の高校に入学したのを機に、親の転勤を利用して頼と同じ紫堂高校へ編入。 頼に会うため男子寮に侵入した郁を嵌めようとして頼を呼び出し、そのすきに男子生徒に強姦させようとしたことがきっかけで、頼の退学が決定的になった。
中村 幸生 (なかむら ゆきお)
小学校1年生のときに結城郁のことが好きだった少年。キーホルダーを郁に渡し、彼女自身も大事にしていたが、その事実に苛立った頼によって夜中にこっそり捨てられてしまった。高校に入ってからは矢野立芳と郁と同じクラスになった。
矢野 立芳 (やの はるか)
結城頼の親友。卒業式の日に、頼から妹との秘密を打ち明けられたため、二人の唯一の協力者である。御曹司で、男子寮侵入の一件で頼が退学することになった時、しばらく別荘に頼と結城郁のことをかくまっていた。郁のことが好きだが、それ以上に頼が好き。ウェルシュ・コーギーのメスを飼っており、名前は郁が飼ってる犬のヨリを模してイクと名づけた。 吸ってるタバコはセブンスター。
小倉 秀一 (おぐら しゅういち)
紫堂高校男子寮で結城頼の同室だった。新入生代表だったが、編入してきた頼にその座を奪われたため、目の敵にしている。 そのため、頼を何かと庇う垣野内逞のことを面白く思っていない。 楠友華のことが好きで、その気持ちを友華に利用される。 結局、頼が退学するまで成績は勝てずじまいだった。
森 杏沙 (もり あずさ)
結城郁と矢野立芳の学校に高校から編入してきた少女。結城頼の異母妹であるため、風貌が頼に似ている。彼女の持論は「恋愛は性欲の言い訳」である。郁と頼に対して、双子なのに全く似ていない、むしろ自分のほうが頼に似ていると発言したことから、頼が郁と血がつながっていないのではないかと疑い始めた。
垣野内 逞 (かきのうち たくま)
紫堂高校男子寮寮長。紫堂高校唯一の結城頼の味方。 女子寮寮長の種田繭のことが好きだが、ある事情のため告白できずにいる。 事情を抱えていながらもいつも明るく、成績優秀で運動神経もよい。激しい運動はできない為、女子寮に忍び込むときにも繭に心配をかけた。本作のスピンオフ作品『僕の初恋をキミに捧ぐ』の主人公。
種田 繭 (たねだ まゆ)
紫堂高校女子寮寮長。垣野内逞の幼馴染みで、逞のことが好きな女の子。黒髪ポニーテルが特徴。 寮長を務めるなど人望も厚く才色兼備。気が強く、真面目で喧嘩っ早いが、同じくらい他人思いでもある。逞が結城頼のことをかばい、他の生徒や先生たちが逞のことまで悪く思うことを心配している。 本作のスピンオフ作品『僕の初恋をキミに捧ぐ』のヒロイン。
森 裕吾 (もり ゆうご)
森杏沙の父。結城頼と結城郁の両親結城俊平と平山咲の大学の同級生。学生時代咲と出会って恋に落ちたが、咲はすでに付き合っていた結城俊平と結婚する約束をしていたため、振られてしまう。しかし結婚式当日、やはり気持ちを抑えられず控え室にいき咲と関係を持った。 その時に出来た子が頼だった。
平山 咲 (ひらやま さき)
結城頼と結城郁を産んだ母親。夫の結城俊平とは大学時代から付き合っていたが、心は森裕吾とも繋がっていた。裕吾から告白されたが、結婚の約束をしていた俊平のことを第一に考え、断っていた。結婚式当日、気持ちを抑えきれなかった裕吾と関係を持ってしまう。その日に俊平とも初夜を共にし、24時間以内に二人以上の男性と関係を持つとごく低い確率で父親の違う双子が産まれるという「異父重複受精」が起こり頼と郁が生まれた。 そのことを秘密にし、父親の違う頼を俊平の子として育てた。
結城 俊平 (ゆうき しゅんぺい)
結城郁の実の父。妻の平山咲とは大学時代から付き合って結婚した。実は頼が自分の子ではないことに気が付いていたが、その他は少し鈍感な性格で平山咲が郁と頼の関係に気づいた時、何も気づいていなかった。
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僕の初恋をキミに捧ぐ (ぼくのはつこいをきみにささぐ)
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