天使の擬態

天使の擬態

萩尾望都作品の中では珍しい、現代日本を舞台にした恋愛もの。生物学の教師で、進化論を説く織田四郎に、女子大生の有栖川次子は、「人間が進化したら翼がはえるのではないか」と問いかける。過去の恋愛で傷つき、前向きになれない女の子の心理に、進化論を重ね、立ち直るまでを描いた短編。『プチフラワー』誌上で1984年11月号に掲載。

正式名称
天使の擬態
ふりがな
てんしのぎたい
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

鎌倉の夜の海で睡眠薬を飲んで自殺を図った女子大生・有栖川次子は、たまたま通りかかった織田四郎に助けられる。偶然にも、四郎は次子の大学の新任教師だった。「人間はまだ進化の途中で、この先、もっと進化したら翼が生えるのではないか」と問い続ける次子に惹かれていく四郎。やがて、次子から自殺未遂の話を聞き、翼を欲しがった理由を悟る。

次子の重かった心の扉は、四郎の言葉によって開放されていく。

登場人物・キャラクター

有栖川 次子 (ありすがわ つぎこ)

女子大生。横浜の女子大学に通い、文様研究会に所属する19歳。両親は海外転勤、姉は地方に嫁いでいるので、横浜の港のみえる丘公園の近くにある家で一人暮らしをしている。鎌倉の海で睡眠薬を飲み、自殺未遂をおこしたところを、織田四郎に助けられる。

織田 四郎 (おだ しろう)

有栖川次子の通う大学に勤める、新米の生物教師。長崎で生まれて関西で育ったため、関西なまりがある。短気で怒りっぽい。海岸で自殺未遂をおこしたところを助けてから、次子が気になって仕方がない。ヨーゼフの教会に下宿している。

ヨーゼフ

教会の牧師。戦争中は医師をしていたが、のちに牧師となり、鎌倉の教会に住んで画塾を開いている。織田四郎はそこの下宿人。自殺未遂をおこした有栖川次子の介抱をした。体型は太めで、優しい紳士。

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