概要・あらすじ
松嶋りらは、本当の父親が別の家庭を持っており、戸籍上はシングルマザーの家庭で育った。中学校のクラスメイトである鈴木凱とは、密かに想い合う仲でありながら、まだ幼くて気持ちを伝え合うには至っていなかった。そんなある日、りらは凱が自分の異母兄妹であることを知ってしまう。凱からの告白を拒絶し、無理やりに自分から遠ざけようとするが、彼への想いを忘れることができずにいた。
一方で凱もまた、りらへの気持ちを忘れられないままでいた。数年後、2人は運命に引き寄せられるかのように偶然再会するが、凱もまた自分たちが異母兄妹であることを知り、お互いにもう二度と会わないことを誓うのだった。
登場人物・キャラクター
松嶋 りら (まつしま りら)
葉庭学院大学附属中学校に通う中学3年生の女子。クラス委員長を務めている。父親は鈴木美和だが、戸籍上には載っておらず、シングルマザーの松嶋玲と二人暮らし。ただ、美和とは父娘として交流がある。女子ながら身長が170cm以上あり、唯一自分より背の高いクラスメイトの鈴木凱に想いを寄せていた。しかし彼と自分が異母兄妹であることを知り、凱への気持ちを押し殺しながら、彼からの告白を拒絶する。 離れてから数年が経過しても、凱への気持ちを忘れられずにいる。大学生になり、モデルとしてデビューする。
鈴木 凱 (すずき がい)
葉庭学院大学附属中学校に通う中学3年生の男子。クラス副委員長を務めている。幼稚園の時からピアノを習っており、中学卒業後は音大の付属高校から音大へと進学する。中学時代から松嶋りらが好きで、告白するが振られてしまう。りらと離れてからも、ずっと忘れられずにいた。高校の時に、りらと父親である鈴木美和が一緒にいるところに遭遇し、りらと自分が異母兄妹であることを知る。
井荻 (いおぎ)
松嶋玲が所長を務めるモデル事務所で働く32歳の男性。モデルになった松嶋りらのマネジメントを担当している。完璧に仕事をこなす男性で、過去には自身もモデルをしていた経験がある。鈴木凱をモデルとしてスカウトするが、これが、凱のことを忘れようと努めていたりらの心を乱すこととなってしまう。密かにりらに想いを寄せている。
鈴木 美和 (すずき よしかず)
男性誌の編集長を務める男性。松嶋りらにとっては父親にあたる。ただし別に家庭を持っているため、りらとは同居もしておらず、戸籍上でも親子関係にない。りらの母親である松嶋玲とは不倫関係にある。時折遊びに来ては、りらを可愛がっている。愛妻家で、自身の家庭も大切にしている。
松嶋 玲 (まつしま れい)
松嶋りらの母親で、鈴木美和の恋人。モデル事務所の所長をしており、若い子の礼儀作法には厳しい。バリバリ仕事をこなすキャリアウーマンで、プライドが高い。美和との間にもうけたりらの出産・育児もすべて自分の力で行い、美和の妻である鈴木花織に知られないように細心の注意を払った。
鈴木 花織 (すずき かおり)
鈴木凱の母親で、鈴木美和の妻。可愛らしく、独身の時は世間知らずで、守ってあげたくなるような女性だった。その性質は現在も変わらず、温かく居心地のいい家庭を守ることに気を配っていた。凱が大学生の時に、凱の妹となる鈴蘭を出産する。
由奈 (ゆな)
鈴木凱と同じ音大に通っている女性。弦楽科に所属し、ヴァイオリンを演奏している。邪気がなく、相手に安らぎを与えるタイプ。凱に気に入られて交際することとなる。凱の心の中に忘れられない女性がいる、ということには気づいていない。
場所
葉庭学院大学附属中学校 (はにわがくいんだいがくふぞくちゅうがっこう)
松嶋りらと鈴木凱が通っている中学校。りらはそのまま高等部・大学と進学したが、凱は外部の音大附属の高校に編入した。ずっと持ち上がりなので、学生たちは身内のように気心が知れており、アットホームな雰囲気の学校。りらと凱は、それぞれ学校のアイドル的存在であり、なおかつ同級生たちは2人が結ばれるものだと考えていた。
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