ふたりの気持ち

ふたりの気持ち

作者の高見まこの代表作の一つ。1990年代前半の東京が舞台。高校2年生の岡田寛(おかだかん)は、予備校の受付で小坂冬美と再会する。彼女は3年前、兄と結婚するも半年で家を出ていった元義姉であった。受験生と元兄嫁の恋愛を描いた青春ストーリー。年の差がある元義姉弟という、複雑な関係ながら惹(ひ)かれ合う二人の気持ちを丁寧に描いたラブロマンス。また、家族の断絶と和解を描いた人間ドラマでもある。集英社「週刊ヤングジャンプ」1992年10号から1994年19号まで連載。

正式名称
ふたりの気持ち
ふりがな
ふたりのきもち
作者
ジャンル
家族
 
恋愛
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全8巻完結
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元兄嫁との偶然の再会

受験生の岡田寛と元兄嫁・小坂冬美の純愛を描いたラブロマンス。冬美は寛の兄・篤志の花嫁だったが、わずか半年で二人は離婚。冬美は家を出ていってしまう。それから3年後、受験生になった寛は、予備校の受付で、偶然冬美と再会する。お互いに好意を持っていた二人は、少しずつ距離を縮め、やがて深く愛し合うようになる。年の差や元兄嫁と弟という関係への偏見、周囲の反対に向き合い、悩み傷つきながらも前に進んでいく二人の姿を描く。

受験を控えた高校生×6歳年上の元兄嫁

寛は受験を控えた高校生。兄・篤志の結婚式で、冬美の笑顔に魅せられて以来、彼女は憧れの存在だった。離婚で突然姿を消した冬美が、再び身近な存在になり、彼女への気持ちを募らせていく。冬美は寛の6歳年上の元兄嫁。冬美の離婚理由は、義母の言いなりだった篤志への不満である。寂しくて毎日一人で泣いていた彼女の支えになっていたのが、明るくて素直な寛の存在だった。寛と再会した冬美は、懐かしさから交流を重ねるが、弟のようだった寛が、次第になくてはならない存在に変わっていく。

寛、篤志、冬美の三角関係

ある日、寛の母が突然倒れて入院することになった。冬美は篤志に頼まれ、岡田家で洗い物や着替えの用意を手伝うようになる。篤志は、寛と冬美の関係を知りながら、本気で冬美とやり直したいと申し入れ、不意にキスをした。それを偶然目にしてしまった寛は、篤志に詰め寄るが、二度と後悔したくないという篤志は真剣だった。昔とは違う誠意をみせる篤志に戸惑う冬美だが、寛への気持ちが変わることはなかった。この事件をきっかけに寛と冬美は一線を越えるが、やがて二人の関係は、寛の母の知るところとなり、大きな波紋を呼ぶことになる。

登場人物・キャラクター

岡田 寛 (おかだ かん)

素直で明るい少年。初登場時は高校2年生。テニス部の部長で、全国大会に出場できるほどの腕前で、後輩女子に人気がある。一方、勉強の方は今ひとつで、ストレートで名門大学に入学し、大手企業に勤める兄と比べられ、劣等感を抱いている。予備校の申し込みに行った際、受付として働く小坂冬美と3年ぶりに再会。彼女は、兄の篤志との結婚後、わずか半年で離婚した元義姉だった。初めて会ったときから彼女の笑顔に惹かれていた寛は、再会をきっかけに交流を始める。

小坂 冬美 (こさか ふゆみ)

ロングヘアーが特徴の明るく元気な女性。初登場時は23歳。短大卒業後、20歳のときに、岡田寛(おかだかん)の兄、篤志と結婚して岡田家に入るも、半年で離婚。3年後、予備校の受付として働いていたところ、寛と再会する。一緒に暮らしていた頃から、素直で明るい寛には好感を抱いており、再会をきっかけに寛に惹かれていく。

岡田 篤志 (おかだ あつし)

名門大学を出て大手商社に勤務するエリート。岡田寛の兄で、小坂冬美の元夫。親の期待に応えるために一心不乱に勉学に励んでいたが、実は自由奔放な寛のことがうらやましく、コンプレックスを抱いていた。結婚していた頃は、母親の言いなりで、冬美のつらい気持ちに気づいていなかった。離婚して3年が経ち、再会した冬美に、もう一度やり直したいと真剣に申し入れた。

書誌情報

ふたりの気持ち 全8巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(1993-01-24発行、 978-4088751047)

第8巻

(1994-06-01発行、 978-4088751559)

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