天元突破グレンラガン

天元突破グレンラガン

TVアニメ『天元突破グレンラガン』のコミカライズ作品。自由な世界を夢見る少年は、頼れる兄貴分とともに、地上を支配する敵に立ち向かう。幾多の困難を乗り越え成長していく少年の姿を描いたSFロボットストーリー。「月刊電撃コミックガオ!」2007年6月号から連載の作品。原作はGAINAX、監修は中島かずき。

正式名称
天元突破グレンラガン
ふりがな
てんげんとっぱぐれんらがん
原作者
GAINAX
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
電撃コミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊10巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

プロローグ(第1巻~第2巻)

地中深くに存在するジーハ村に住む穴掘りの少年・シモンは、地上に出ることを夢見る兄貴分の青年・カミナとともに平和に暮らしていた。ある時、村の天井が崩れたことをきっかけに、シモンとカミナは念願の地上に出ることに成功。だが地上はロボット兵器・ガンメンを操る「獣人」と呼ばれる生物に支配された世界であり、そこでは人間は虐げられていた。シモンとカミナは地上を人類の手に取り戻すため、獣人と戦うことを決意する。

第一部(第3巻~第6巻)

チミルフとの死闘の末にカミナを失ったシモンたち大グレン団は、大きな喪失感に襲われていた。カミナの代わりになろうと、シモンは限界を超えてまで戦い続けていたが、ついに撃墜され谷底で孤立してしまう。シモンはそこでニアという少女に出会う。ニアに勇気づけられたシモンは、カミナの代わりではなく自分自身として強くなることを決意し、ついに獣人の王・ロージェノムのもとに辿り着く。

第二部(第7巻~第10巻)

ロージェノムを倒して地上を取り戻してから7年後。平和になった都市・カミナシティ新政府の総司令を務めていたシモンは、自分を支え続けてくれたニアに結婚を申し込む。だがその瞬間、ニアに仕込まれていたアンチ=スパイラルとしての意識が目覚め、無常にも人類の殲滅開始を告げるのだった。

メディアミックス

TVアニメ

本作『天元突破グレンラガン』は、2007年4月1日から同年9月30日まで、4部構成全27話でテレビ東京系列局で放送された同名のTVアニメ版を原作としている。監督は今石洋之、シリーズ構成は中島かずき、キャラクターデザインは錦織敦史が務めている。アニメーション制作はGAINAX。また、キャストはシモン役を柿原徹也、カミナ役を小西克幸、ヨーコ役を井上麻里奈が演じている。

劇場版アニメ

2008年9月6日より、劇場版の前編にあたる『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』が、2009年4月25日より、その後編にあたる『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』が、それぞれ公開された。これらはTVアニメ版を再編成したいわゆる総集編であり、紅蓮編はTVアニメ版の第一部を、螺巌編はTVアニメ版の第二部以降を描いている。スタッフ・キャストともにTVアニメ版と同じ制作陣で作られている。

ノベライズ

小学館ガガガ文庫より、同タイトルの小説が全4巻で刊行された。作者は2巻までが砂山蔵澄、3巻からは中島かずきが担当した。内容はTVアニメ版に準拠している。

ラジオ

2007年3月15日から同年11月26日にかけて、インターネットラジオ局「音泉」内で、『音泉突破グレンラガンラジオ』が毎週月曜日に配信された。パーソナリティはシモン役の柿原徹也、カミナ役の小西克幸、ヨーコ役の井上麻里奈が務めた。全39回。

ゲーム

ニンテンドーDS専用ソフト『天元突破グレンラガン』が、2007年10月25日にKONAMIから発売された。ジャンルは「必殺技収集ドリルアクション」と銘打たれており、タッチペンを使用して穴を掘るアクションなどがある。一部キャラクターボイスが実装されており、キャストはアニメ版に準拠している。

舞台

2014年10月22日から27日にかけて、全労済ホールスペース・ゼロで舞台『天元突破グレンラガン ~炎撃篇~』の「其の壱」が、2015年9月17日から22日にかけてシアター1010で「其の弐」「其の参」が公演された。シモン役は伊藤孝太郎、カミナ役は本川翔太、ヨーコ役は柴小聖が演じている。

登場人物・キャラクター

シモン

ジーハ村に住む引っ込み思案な少年。第一部では年齢が14歳、第二部では年齢が21歳。穴を掘るのが得意で、村人からは「穴掘りシモン」と呼ばれている。カミナを「アニキ」と呼び慕っている。ジーハ村拡張工事のために穴を掘っていたところ、地中に埋まっていたコアドリルとガンメンのラガンを掘り当て、その勢いのまま地上へ飛び出した。 地上でヨーコたちと出会い、カミナが大グレン団を結成してからは、彼らとともに獣人との戦いに身を投じていく。時に恐怖で戦えなくなっても、その度にカミナから熱い励ましを受け、ラガンのパイロットとして活躍する。旅の中でヨーコに対し淡い恋心を抱くようになるが、獣人チミルフとの決戦の前夜に、ヨーコとカミナがキスを交わしている現場を目撃してしまい、精神的にショックを受ける。 そして戦いの最中でもそのショックを引きずっていたため、ラガンのパワーを最大限に発揮することができなかった。その結果、カミナが死亡する原因を作ってしまう。そのあまりにも大きな喪失感と自責の念から、カミナの代わりとなるべく、がむしゃらに戦いを繰り返していたが、ある時、精神の消耗が原因でラガンを暴走させ、谷底で1人孤立してしまう。 そこで廃棄された棺の中にいたニアを発見し保護するが、直後に獣人アディーネの襲撃を受ける。仲間たちの援護のおかげでなんとか退けるが、ラガンを動かすことはできず、「アニキにはなれない」と極限まで落ち込んでしまう。2度目のアディーネの襲撃からニアを護ろうとした際に、彼女の後押しによってラガンを再び動かすことに成功。 以降はカミナの死を受け入れ、カミナの代わりではなくシモン自身として強くなることを決意した。第二部では、人間が地上に築いた新政府の総司令を務める。そして支え続けてもらっていたニアに、ついにプロポーズをするが、その直後に、ニアの中のアンチ=スパイラルとしての意識が目覚め、敵対してしまうこととなる。

カミナ

ジーハ村に住む青年。第一部では年齢が17歳。長身で、腕と肩に大きな刺青をしている。物事をすべて「気合」で解決しようとする破天荒な熱血漢。シモンをはじめとする仲間たちからは「アニキ」と慕われている。幼い頃から地上に出ることを夢見ており、村人たちからは問題児扱いされていた。地上へ出てヨーコたちと出会ってからは、地上を獣人たちの支配から解放するべく、強奪したガンメンのグレンを操り、戦いを繰り広げる。 その後も、カミナのカリスマ性に惹かれて多くの仲間が集まると、大グレン団を結成し、本格的に大きなレジスタンス組織を作り上げて、リーダーとなった。チミルフとの決戦前夜にヨーコから想いを打ち明けられ、それに応えて恋人同士となる。 その後の決戦の際に、動揺から力を発揮できなくなったシモンを殴り飛ばして活を入れるが、その隙が仇となって、チミルフから致命傷を負わされてしまう。最後の力を振り絞ってグレンラガンを操ってチミルフを撃破した後、シモンに男の信念を伝えて死亡した。死後も大グレン団の精神的支柱であり続け、第二部では彼の名を冠したカミナシティという街が首都となっている。

ヨーコ

ジーハ村の隣にあるリットナー村出身のグラマラスな少女。村一番の銃の腕前を誇る。赤いポニーテールと身の丈ほどもある巨大な銃がトレードマーク。獣人を追ってジーハ村に来たところでシモンとカミナに出会い、ともに行動するようになる。当初はカミナの破天荒さや無鉄砲な行動に呆れていたが、同時に男気や信念の強さに惹かれるようになる。 チミルフとの決戦前夜に想いを打ち明け、恋人同士となる。しかしその後、決戦でカミナが戦死してしまった後は、シモンに劣らないほどの喪失感を抱えることとなった。仲間たちの前では気丈に振舞いながらも、カミナの死という現実を受け入れることができずにいた。しかし、アディーネとの戦いの中で、強くなることを自ら宣言したシモンを目の当たりにし、自身も前に進むことを決意する。 ニアに対しては、彼女がロージェノムの娘であり、また、悪気はないもののカミナの死を軽んじるような発言をしたので敵意を抱いていた。しかし、父親と戦うという彼女の決意を聞いて考えを改め、以降は親友のような間柄となる。第二部では政治に関わることをせず、「ヨマコ」という偽名を名乗って首都・カミナシティから離れた小島で、学校の先生をしていた。 アンチ=スパイラルによる宣戦布告の後は、ガンメンのパイロットとして戦線復帰した。

ニア

谷底でシモンに保護された少女。ロージェノムの実娘であり、獣人からは「ニア姫様」と呼ばれている。父親に、自分が生まれた理由を尋ねて反感を買い、棺に入れられて谷底に廃棄された。生まれた時から獣人の中で育ったため、世間をまったく知らない。「敵をぶったおす」と発言したキタンに対して、「敵とはなんですか?」「ぶったおすとはなんですか?」と質問攻めにした。 カミナの死によって自暴自棄になっていたシモンを、懸命に励まし続けることで立ち直らせ、やがて大グレン団のメンバーからも仲間として認められるようになる。その後もシモンを精神的に支え続け、いつしか彼に恋心を抱くようになった。第二部ではシモンからプロポーズされるが、その瞬間にアンチ=スパイラルとしての意識が目覚め、人類に対して宣戦布告をするメッセンジャーとなってしまう。

リーロン

リットナー村出身の男性。大グレン団のメカニックを担当。厚化粧とオネエ口調が特徴的なオカマ。常に冷静沈着で、掴みどころのない性格をしており、メンバーの相談役になることが多い。ガンメンの修理やカスタマイズに関しては天才的な腕を持っており、ダイグレンを手に入れて管理を引き受けている。第二部では科学局の長官に就任しており、月面探査用のロケットガンメンの打ち上げに成功させるなど、相変わらず優秀な研究者として活躍している。

ダヤッカ

リットナー村出身の筋骨隆々の男性。村のリーダー格であり、シモンやカミナと出会う前は村人たちを指揮していた。外見はいかついが、実際は生真面目な常識人である。搭乗するガンメンはダヤッカイザー。旅の中で出会った黒の兄弟の長女であるキヨウに一目惚れし、それとなくアタックを繰り返すが、あまり相手にされていなかった。 だが、ロージェノムとの戦いの後に、晴れて両想いとなる。第二部ではキヨウと結婚し、子供をもうけている。また、新政府では食糧局長の地位に就いている。

キタン

黒の兄弟のリーダーにして長男。大グレン団の切り込み隊長的存在。豪快で血の気の多い性格をしており、似たタイプのカミナに、何かにつけて対抗意識を燃やしている。獣人からガンメンを強奪して戦うカミナの姿に衝撃を受け、自らも敵からガンメンを奪い、「キングキタン」と名付けて戦いに参加した。カミナ死亡後に荒んだシモンに対して業を煮やし、大グレン団の二代目リーダーを名乗っていた。 しかし、カミナ以上に後先考えない行動が目立ったため、シモンが立ち直った後は、リーダーの座を譲っている。妹のキヤル専用のガンメン・キヤルンガをカスタムするなど、メカに強い。第二部では新政府の法務局長に就任するが、決して得意ではないデスクワークに悪戦苦闘していた。

キヨウ

黒の兄弟の長女で、金髪でグラマラスな美女。楽観的で柔和な性格をしており、主にダイグレンのオペレーターを務めている。ダヤッカから一目惚れをされ、アプローチを受けるが、最初のうちは相手にしていなかった。だが、旅をする中で彼の頼もしさに触れ、次第に惹かれるようになっていった。直接戦闘に参加することは少ないが、運動神経は優れており、ダヤッカの代わりにダヤッカイザーを操縦することもある。 第二部ではダヤッカと結婚し、第一子を授かっている。

キノン

黒の兄弟の次女で、眼鏡をかけた茶髪の少女。黒の兄弟の中で一番しっかりした性格をしている。姉と同じくダイグレンのオペレーターを務めており、主に索敵を担当することが多い。兄弟の仲では唯一ガンメンでの出撃は行わなかった。第二部ではロシウ・アダイの秘書を務めるようになった。政治的な能力がないシモンに代わって、それを一手に引き受けるロシウの姿に惹かれるようになり、彼のためなら自分を犠牲にしようとするほどに強い想いを抱いている。

キヤル

黒の兄弟の三女で、黒髪ショートヘアの少女。末っ子らしくお転婆な性格をしており、いつも兄であるキタンの真似をしている。一人称は「俺」。当初は姉たちとともにダイグレンのオペレーターを務めていたが、次第にガンメンに乗って戦うことを求めるようになる。妹が直接戦闘することに対して、キタンは最後まで反対していた。 その一方で、自分と同じく言い出したら絶対に聞かないこともわかっていた。キタンから専用ガンメンのキヤルンガを受け取った後は、前線に出るようになった。第二部ではアイドルとして活動するようになっていたが、アンチ=スパイラルの宣言により、また戦いが始まったことを悟ると、すっぱり辞めてガンメン乗りとして戦線に復帰する。

ロシウ・アダイ (ろしうあだい)

アダイ村に住む少年。露出の多いヨーコの服装を下品だと一蹴するなど、真面目を絵に描いたような性格。村の司祭であるマギンの言葉を信じて、地上を「天上の国」だと思っていた。シモンとカミナに地上の真実を教えられ、ともに旅に出る決心をした。大グレン団に加わってからは、その冷静な頭脳を遺憾なく発揮し、カミナの死後はグレンのパイロットを代行して、シモンを支える。 第二部では新政府の総司令補佐官となり、シモンに代わって政治を一手に引き受けている。だがニアによる宣戦布告後は、市民のために全力を尽くしても、ことごとく裏目に出てしまい、人類を滅ぼしかねない状況に追い込んでしまう。これに絶望して自殺を図るが、シモンの一喝と、自分を慕うキノンの涙ながらの声で思い留まり、勇気を出して戦うことを決意する。

キッド

大グレン団に所属するガンメンのパイロット。搭乗するガンメンはキッドナックル。そばかすに茶髪が特徴の少年で、相棒のアイラックとともに、「つむじ風ブラザーズ」を名乗っている。楽観的でテンションの高い性格をしており、戦いになると喜び勇んで参加する。第二部では他のメンバーとともに新政府で役人を務めているが、役職は不明。

アイラック

大グレン団に所属するガンメンのパイロット。搭乗するガンメンはアインザー。青髪でキザな性格の青年であり、相棒のキッドとともに、「つむじ風ブラザーズ」を名乗っている。特に女性の前では高い戦闘能力を発揮するタイプで、メンバーの信頼も厚い。第二部では他のメンバーとともに新政府で役人を務めているが、役職は不明。

ジョーガン

大グレン団に所属するガンメンのパイロット。バリンボーの双子の兄で、搭乗するガンメンは弟と二人乗りのツインボークン。アフロに青いサングラスという非常に目立つ外見をしている。常にそわそわしている落ち着きがない性格で、声は大きいが言葉足らずなため、会話が成立しないことが多々ある。非常に仲間想いであり、戦闘では身を呈して仲間の盾となることも多い。 第二部ではバリンボーとともに、新政府の人民局局長に就任している。

バリンボー

大グレン団に所属するガンメンのパイロット。ジョーガンの双子の弟で、搭乗するガンメンは兄と二人乗りのツインボークン。アフロに赤いサングラスという非常に目立つ外見をしている。性格や仲間想いなところも兄と共通しており、大グレン団のメンバーからも信頼されている。第二部ではジョーガンとともに、新政府の人民局局長に就任している。

マッケン

大グレン団に所属するガンメンのパイロット。搭乗するガンメンはモーショーグン。坊主頭に腹巻、赤いマフラーという目立つ外見の男性。寡黙な性格だがパイロットとしての能力は非常に高く、大グレン団には欠かせない戦闘要員となっている。第二部ではレイテと結婚し、二男一女をもうける。夫婦でメカの修理工場を営んでおり、第一部で使われたガンメンを修理して保管していた。

レイテ

大グレン団に所属するメカニック。白衣を着て眼鏡をかけたクールビューティで、常に煙草を口にくわえている。ぶっきらぼうな口調で、表には出さないが、戦いの際はメンバーを心配している。リーロンとともにガンメンの開発やメンテナンス引き受けており、腕前は非常に優秀。また、ダイグレン出撃の際は、クルーとして出力の調整を担当している。 第二部ではマッケンと結婚して3人の子供を授かり、夫婦でメカの修理工場を営んでいる。

マギン

アダイ村の司祭を務める壮年の男性。肩書は司祭だが、実際は村長の役割を果たしている。若い時に地上での生活を夢見て、故郷の仲間を率いて獣人に戦いを挑むが、惨敗して自分だけが生き残ってしまった過去を持つ。そのため、アダイ村の人々には地上や獣人のことを何も教えず、オリジナルの宗教を作り出して指導者となり、細々と暮らしていた。

ストレイア

ビジョ村を治める老婆。その正体はニアと同じくロージェノムに廃棄された元王女で、ニアの姉にあたる。廃棄された際、谷底で奇跡的に生き延びるが、獣人から逃げ続ける生活を送っていた。逃げ切れず捕まった時に、殺される代わりにビジョ村の統治をすることとなった。以来100年以上自由のない生活を余儀なくされており、自由になるためにニアに跡を継がせることを画策する。 だが実は、生命維持装置に繋がれていなければ生きられないほどに老化が進んでおり、最後には姉としての優しさから、ニアをかばって死亡した。

ロージェノム

獣人を統べる地上の王。獣人からは「螺旋王様」と呼ばれている。外見は髭を生やした褐色の偉丈夫。不死ではないが、それに近い肉体を持っており、1000年以上の時を生きている。かつてはアンチ=スパイラルに立ち向かう戦士であったが、敗北して地球へ逃れた。その後は、人口が増えて再びアンチ=スパイラルが襲って来ることを懸念。 人口を一定数以下に保つため、獣人を作り出して地上を支配し、人類を地下に追いやった。専用のガンメンであるラゼンガンを操り、それが破壊されても、素手でラガンと互角の戦いをするなど圧倒的な実力でシモンを追い詰める。しかし、シモンの全力を込めたコアドリルの一撃で、身体に風穴を空けられて敗北した。

ヴィラル

ロージェノムの部下の男性型獣人。肩書は「人間掃討群極東方面部隊長」。金髪とギザギザの歯、猫のような瞳が特徴だが、他の獣人よりは人間に近い外見をしている。専用にカスタマイズされたガンメンのエンキを操る。地上でカミナと遭遇し、互角の戦いを繰り広げるが、合体したグレンラガンに敗北。その後はカミナに執着し、彼を倒そうとする。 再びグレンラガンと戦った際に、パイロットがシモンであり、カミナが戦死していることを知って衝撃を受ける。シモンにも敗北したため、ロージェノムに自分を改造してくれるよう頼み、睡眠を必要としない不老不死の身体を手に入れる。だが、それでもシモンに勝つことはできず、ロージェノムの目の前で敗れ去った。 第二部では新政府に反逆するレジスタンスに参加しており、人間たちのゲリラ活動にも加わっていた。

チミルフ

ロージェノムの部下の男性型獣人。四天王の1人で、通称「怒濤のチミルフ」。好戦的で、ゴリラのような外見をしている。超巨大ガンメンのダイガンザンを操り、大グレン団のメンバーを一方的に追い詰める。しかし、岩盤ごと崩される作戦で谷底に落とされ、ラガンの能力でコントロールを奪われることとなった。その後は専用のガンメン・ビャコウで出撃してカミナに致命傷を負わせるが、最後の力を振り絞った攻撃で、ビャコウごと破壊され戦死した。 同じ四天王のアディーネに対しては、花を贈るなど紳士的な態度を取っていた。

アディーネ

ロージェノムの部下の女性型獣人。四天王の1人で、通称「流麗のアディーネ」。外見は非常に人間に近いグラマラスな女性だが、サソリのような尻尾がある。四天王唯一の女性だが、気性の激しい性格をしており、度々気に入らない部下を病院送りにしている。表には出さないものの、チミルフに対しては好意を持っており、彼が戦死した際は激昂し、大グレン団を襲撃する作戦に出た。 巨大な潜水母艦型のガンメンであるダイガンカイと、専用のガンメン・セイルーンを使って大グレン団に攻撃を仕掛け、得意の水中線で追い詰める。土壇場でダイグレンの主砲の直撃を受け、今際の際にチミルフへ仇を取れなかったことを詫びながら戦死した。

シトマンドラ

ロージェノムの部下の男性型獣人。四天王の1人で、通称「神速のシトマンドラ」。孔雀のような羽とトサカを持っている。極度のナルシストであり、かつ他の誰よりもロージェノムに心酔している。飛行部隊のリーダーを務めており、巨大航空母艦型のガンメン・ダイガンテンと、専用のガンメンシュザックを操る。自身の飛行部隊を用いて大グレン団に襲いかかるが、シモンとグレンラガンの実力を過小評価していたために、串刺しにされて敗北、戦死した。

グァーム

ロージェノムの部下の獣人。四天王の1人で、通称「不動のグァーム」。他の獣人と違い、人間のような部分が存在しない、完全なアルマジロのような外見をしている。また最古参の獣人であり、500年以上ロージェノムに仕えている。巨大要塞型ガンメン・ダイガンドと、専用のガンメンゲンバーを操り、巨大な竜巻を起こして大グレン団を窮地に陥れるが、グレンラガンに地下からドリルで貫かれて戦死した。

集団・組織

大グレン団 (だいぐれんだん)

カミナが地上に出て結成した組織。地上を支配する獣人を倒すことを目的としており、装備の大半は獣人から強奪した兵器で賄っている。メンバーのほとんどが、カミナのカリスマ性に引き付けられて参加していたため、カミナが死亡した際は瓦解の危機に陥る。だがカミナの死を乗り越えて成長したシモンがリーダーとなって、獣人に立ち向かうことを決意。 再び組織としての結束を取り戻した。ロージェノムとの決戦後は役目を終えたため解散していたが、第二部でアンチ=スパイラルの存在が明らかになると、宇宙を救うために再び結成された。

アンチ=スパイラル

人類を滅ぼそうとする、宇宙から現れた集団。人類がその数を増やして進化することを良しとせず、ある一定数を越えたところで、ニアに仕込んでいたアンチ=スパイラルとしての因子を目覚めさせ、彼女をの口から人類を殲滅すると宣言した。ロージェノムだけはその存在を知っており、人類殲滅が始まらないように人口を抑制するため、獣人を作り出して地上を支配していた。

黒の兄弟 (くろのきょうだい)

キタン、キヨウ、キノン、キヤルの四兄妹の通称。村から村へと渡り、獣人に対抗するためのレジスタンスとして活動していた。もともと一所には留まらずに活動していたが、4人そろって大グレン団に参加してからは腰を落ち着けている。

新政府 (しんせいふ)

シモンたちが立ち上げた組織。ロージェノムを倒して地上を解放した後、カミナシティを治めるために組織された。総司令をシモン、総司令補佐をロシウ・アダイ、法務局長をキタンが務めるなど、大グレン団のメンバーが要職に就いている。だがメンバーが、これまで戦うことしか経験していなかったため、市民を治める組織としては、まだ上手くいっていないことも多い。

場所

ジーハ村 (じーはむら)

シモンとカミナの出身地。地中に作られており、四方を土で囲まれている。上層には「開かずの天井」と呼ばれる丸い天井があり、地上へと繋がっている。地中に存在するため常に地震に脅かされており、それを嫌ったカミナが地上へ出ることを画策。シモンが掘り出したラガンとともに、開かずの天井を破壊して地上と繋がった。

リットナー村 (りっとなーむら)

ジーハ村から数キロ離れたところにある村。ヨーコ、リーロン、ダヤッカの出身地。地中で平和に暮らしていたが、村の武器庫から突如毒ガスが発生し、やむなく地上へと移り住むこととなった。地上へ出たので獣人と戦わざるを得なくなったが、武器庫に保管されていた兵器を利用してなんとか渡り合っている。

アダイ村

地中を掘り進んでいたシモンとカミナが辿り着いた貧しい村。ロシウ・アダイの出身地であり、マギンが治めている。マギンの方針で、地上のことはすべて秘匿されており、村人は1機だけ打ち捨てられていたガンメンを「顔神様」と崇めている。村の生産能力では、50人の村人を養うことが精いっぱいであったため、村人が50人を超えるとくじ引きを行い、当たった者を地上に追い出していた。

ビジョ村

美しい女性だけが住む村。その正体はロージェノムのもとに送られる女性を育て上げるためだけに存在する村であり、廃棄された元王女のストレイアが治めている。彼女は100年以上の長きにわたって、統治者の椅子に縛り付けられていたため、偶然出会った同じ元王女であるニアを身代わりにして自由になろうとした。

王都テッペリン (おうとてっぺりん)

ロージェノムの居城であり、地上にある唯一の都市。螺旋塔を逆さにしたような外見をしており、宙に浮いている。その正体は都市自体が巨大なガンメンであり、対アンチ=スパイラル用の兵器として建造されたものであった。シモンたちの手によって陥落した後は、カミナシティとして生まれ変わった。

カミナシティ

第二部で王都テッペリンの跡地に作られた都市。大グレン団のメンバーを中心作られた新政府が治めており、法整備も充実しているので非常に治安が良く、生活水準が高い。名前はもちろんカミナからとられており、街の中心には彼を象ったモニュメントが設置されている。

その他キーワード

コアドリル

シモンがジーハ村で掘り出した親指大の小さなドリル。ラガンを動かすキーであり、コクピット内にある穴に押し込んで回すと起動させることができる。持ち主の精神状態によって発揮できる力が変わり、シモンの精神が不安定な場合は、ラガンの起動すらできない。昂っている場合は、コアドリル単体でも大きな破壊力を見せることもある。

獣人 (じゅうじん)

ロージェノムによって創り出された人工生命体。外見は人間とほとんど変わらない者から、まったく人間の面影がない者までさまざまである。人間を殲滅することを目的としており、人間のことを「ハダカザル」と侮蔑している。強靭な肉体を維持するために深く長い睡眠を必要としており、日中にしか人間を襲わないのはそのためである。

ガンメン

人間や獣人が搭乗するロボット。ほぼすべてのガンメンには顔がついており、顔に直接手足がついているガンメンも多数存在する。もともとは獣人が使用する兵器であったが、獣人から強奪したり、それをもとにして開発したりして、人間も使用している。その正体は対アンチ=スパイラル用に作られた兵器であり、唯一「ムガン」に対抗することのできる武装である。

ラガン

シモンが搭乗するガンメン。ジーハ村の地下深くに封印されていたが、キーであるコアドリルとともに掘り出された。名付け親はカミナ。小型のガンメンであり、顔から直接手足が生えている。また通常とは違うコアマシンという種類のガンメンであり、どんなガンメンとも合体し、その制御を乗っ取ることができる。

グレン

主にカミナが搭乗するガンメン。彼の死後はロシウ・アダイをはじめとしたさまざまな大グレン団のメンバーが搭乗している。もともとは下っ端の獣人からカミナが強奪したガンメンであり、性能も低かった。リーロンの手で改造され、大幅にパワーアップした。ラガンと合体してグレンラガンとなり、更に大きな力を発揮することができる。

グレンラガン

グレンとラガンが合体して生まれた巨大ガンメン。腕や足以外にも、全身の数多くの場所からドリルを出すことができる。コアマシンであるラガンがグレンを支配する形で合体しており、戦闘で破壊した敵のガンメンを取り込んで、さらに強くなることができる。必殺技は超巨大ドリルで敵を貫く「ギガドリルブレイク」。

キングキタン

キタンが搭乗するガンメン。全身が尖っていることが特徴。カミナに対抗してキタンが獣人から強奪したガンメンであり、性能も高くなかった。リーロンの改造によってパワーアップした。必殺技は頭部の突起で敵を貫く「キタンスティンガー」。

ダヤッカイザー

ダヤッカが搭乗するガンメン。西洋の鎧のような姿をしている。名前の由来は搭乗者であるダヤッカとカイザー(帝王)からきている。大型のカノン砲によって長距離攻撃に優れ、主に後方支援で活躍している。ダヤッカがダイグレンで指揮を執っている場合は、キヨウが搭乗することがある。

キヤルンガ

キヤルが搭乗するガンメン。キヤルのためにキタンがカスタマイズした。槍のような形状の足とピンクのカラーリングが特徴。槍と盾のパーツに分離することができ、キングキタンに装備するとパワーアップすることができる。

アインザー

アイラックが搭乗するガンメン。バッタのような形状をしており、強力な脚力で飛び回って敵を攪乱する戦法を得意とする。また上部には銃座が設置されており、ヨーコが搭乗して移動砲台の役割を果たすこともできる。

キッドナックル

キッドが搭乗するガンメン。足がない代わりに4本の腕を備えており、銃撃戦を得意とする。上部の2本の腕で歩行し、下部の2本の腕にはそれぞれ2挺拳銃が装備されている。アインザーとともに機動力を活かした中距離戦を行うことが多い。

ツインボークン

ジョーガンとバリンボーが搭乗するガンメン。2つの顔がついた2人乗りのガンメンであり、口の中から腕が生えている。その腕をロケットパンチとして放つことができる。通常のガンメンよりも大きなボディで耐久力も高いため、仲間を護って盾となることも多い。

モーショーグン

マッケンが搭乗するガンメン。日本の甲冑のような形状をしており、髷と袴のようなパーツも付いている。武器は2本の刀であり、近接戦闘を得意とする。飛び道具は装備されていなかったが、リーロンの改造によって肩から砲弾を撃つことができるようになり、さらに汎用性が増した。

ダイグレン

足が付いた巨大な戦艦型のガンメン。元はチミルフが操る獣人の基地の役割を果たすガンメンであった。激戦の末に大グレン団が奪い取り、以降は彼らの拠点となる。奪取した際、ヨーコの強い希望によって、戦死したカミナの意志を汲んだ「ダイグレン」という名前に改名された。

ラゼンガン

ロージェノムが搭乗するガンメン。グレンラガンと似た形状のガンメンであり、頭部生えた巨大な一本角と尻尾が特徴。スマートな見た目に反して強力な装甲を持っており、グレンラガンのギガドリルブレイクをたやすく弾き飛ばし、ラガンの合体による支配も受け付けなかった。

エンキ

ヴィラルが搭乗するガンメン。人型のガンメンであり、頭部と胸部にそれぞれ顔を持つ。頭部には長く伸びたリングが付いており、そこから超高威力のビーム「エンキ・サン・アタック」を放つことができる。また「エンキソード」と名のついた剣を2本装備しており、近接戦闘にも優れる。

ビャコウ

チミルフが搭乗するガンメン。ダイガンザンに格納されている。エンキと同じく人型をしており、額にもう1つの顔がある。ビーム状の刃を出す槍を装備しており、白兵戦の性能は飛びぬけている。必殺技は槍からビームを放出する「断罪の焔(コンデム・ブレイズ)」。

ダイガンカイ

アディーネが指揮する潜水母艦型の巨大ガンメン。エビやサソリのような甲殻類をモチーフにした形状をしている。内部には魚雷のようなガンメンを多数装備しており、水中戦でその真価を発揮する。水流を発生させて津波を引き起こすことが可能。

セイルーン

アディーネが搭乗するガンメン。人間の女性のような形状をしており、背中に翼が生えている。2本の鞭と羽を繋げることで巨大なブーメランにすることができ、中距離での戦闘に優れる。また水中戦も得意としており、上手く動けないグレンラガンを追い詰めた。必殺技は巨大なブーメランを放つ「鮮血の抱擁(ブラッディ・ウィスパー)」。

ダイガンテン

シトマンドラが指揮する航空母艦型の巨大ガンメン。その大きさからは考えられないほど高速で飛行する。また無数のミサイルと強力な主砲を装備しており、飛行のできないダイグレンに対して絶対の制空権を握った。

シュザック

シトマンドラが搭乗するガンメン。細身の人間のようなフォルムをしている。装甲が薄い代わりに非常に高い機動力を誇り、空中戦を得意とする。必殺技は右腕を変形させた巨大な円形のノコギリで相手を切り裂く「堂々たる大庖丁(マジェスティック・ビッグ・チョッパー)」。

ダイガンド

グァームが指揮する要塞型の巨大ガンメン。王都テッペリンを守護するために建造されたガンメン。非常に強力な装甲を持ち、ドーム型のフォルムをしている。また無数の主砲とミサイルを備えており、前後左右と上部にはまったく隙がなかったが、弱点は地下からの攻撃である。

ゲンバー

グァームが搭乗するガンメン。アルマジロのような形状をしている。四天王のガンメンで一番分厚い装甲を持ち、その防御力と膂力を活かした近接戦闘を得意とする。背面にはもう1つの顔が付いており、そちらを正面にして変形するとダンゴムシのようなフォルムになる。必殺技は相手を捕獲してそのまま押しつぶす「絶望の刻印(デスペラード・エングレイブ)」。

クレジット

原作

GAINAX

監修

書誌情報

天元突破グレンラガン 10巻 KADOKAWA〈電撃コミックス〉

第1巻

(2007-09-27発行、 978-4840240574)

第5巻

(2010-03-27発行、 978-4048685115)

第8巻

(2012-01-27発行、 978-4048862844)

第10巻

(2013-06-27発行、 978-4048917711)

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