概要・あらすじ
29歳の花霞ゆめは、漫画アシスタントで生計を立てているアラサー女子。かつては漫画家を目指していたがなかなかデビューできず、いつしか「自分は主人公にはなれないモブキャラのような人間」と思うようになっていた。そんな彼女にも恋をしている相手がいる。といってもそれは実在の人物ではなく、大人気の少年漫画「惨劇のデーモン」に登場するサブキャラクターの一人、ヘルベルト。彼女は漫画のキャラクターに本気で恋心を抱く「夢女子」なのだった。掲載誌の発売日におめかしをして最新話を読んだり、ヘルベルトが実在して自分と交際している妄想をしつつ、ゆめは日々を過ごしていた。ところが、ある日「惨劇のデーモン」最新話で、ヘルベルトが作中の女性キャラクターの一人、アネモネに対し、愛の告白としか受け取れない発言をしてしまう。ショックと彼を応援したいという気持ちがないまぜになり、虚脱した日々を送ってしまうゆめ。さらにそんな中、ゆめのそんな生態は知らない大学時代の同級生の桂木裕司が、ゆめに交際を申し込んでくるのだった。