妹は知っている

職場では無表情で「つまらない人」と思われがちなサラリーマンの貴一郎。しかし、彼は実はラジオ番組の大喜利投稿で名を馳せる人気ハガキ職人の「フルーツパフェ」だった。本作は、地味で同僚から軽んじられがちな貴一郎が、日常の些細な出来事から非凡な大喜利を生み出すギャップが魅力のコメディ。また、兄の才能を唯一理解する妹の美貴や、同僚の広瀬澄音、横尾蕾とのリアルなオフィスでの人間模様を軸に、ラブコメディが展開される。

主人公の貴一郎の妹である美貴は、兄の非凡な才能を理解する唯一の存在。人気アイドルとして華やかに活躍する一方で、プライベートでは兄のマンションのとなりの部屋に住み、毎日のように彼の部屋に入り浸っている。美貴は、兄のセンスや優しさを世間に知ってもらいたいという思いと同時に、自分だけの兄でいてほしいという複雑な感情も抱いている。そんなブラコン気味の美貴と兄が織りなす微笑ましいやり取りが、本作に心温まるホームドラマとしての魅力を添えている。

当初は妹の美貴だけが知っていた兄、貴一郎の魅力が、次第に職場の同僚たちにも広がっていく。同僚の澄音は、その可憐な容姿からつねに男性のアプローチを受け、さらにモラハラ彼氏に悩まされていた。そんな彼女を貴一郎が救ったことをきっかけに、澄音は彼に好意を抱くようになる。一方、社内で「お局」として恐れられている蕾も、貴一郎の人柄に惹かれ、彼が同じラジオ番組の投稿仲間であることを知ってからは、趣味の合う友人として親しくなっていく。貴一郎と彼女たちが織りなすオフィスラブの行方も、本作の大きな見どころの一つとなっている。