なんとなく放っておけない姉の親友
高校1年生の尚は、姉の莉緒の親友・瀬那とは小学生の頃からの知り合いで、いつも軽いノリで「弟」と呼んでくる瀬那のことを鬱陶しく感じていた。一方で、尚は瀬那のことを憎めない存在で放っておけない女性と感じており、それには彼女の複雑な過去と男運の悪さが関係していた。生真面目で不器用な尚と、天真爛漫(らんまん)で鈍感な瀬那のあいだで繰り広げられるもどかしくも切ない恋愛模様と日常が、ラブコメディやヒューマンドラマを交えて展開される。
生意気イケメン高校生×距離感バグ年上女子
尚は、整った容姿とクールな性格で女性からの人気が高く、学校でもよく告白されているイケメン。そんな尚はシスコンな一面があり、慕っている姉の莉緒から親友の瀬那を紹介された時も、莉緒を瀬那に取られるのではないかと彼女に対して敵意を向け、やきもちを焼くこともある。その一方で、昔から男運が悪いうえに家族関係も複雑な瀬那のことを放っておけない存在と感じており、つい気になってしまう。しかし彼女を前にすると、気恥ずかしさから悪態をついたり、冷たい態度で接してしまう尚だったが、瀬那のある事情を知ったことで考えを改めるようになる。
5歳年上の気になる存在
瀬那は過去に別れたはずの元彼氏から、しつこく付きまとわれるようになる。そんな瀬那の危機を救った澄尚だったが、元彼氏から逆恨みされてピンチに陥る。すると、勇気をふり絞って元彼氏に立ち向かった瀬那に助けられた尚は、孤独と弱さを隠しながら強がっている彼女が愛(いと)おしくなり、その場で思いを伝える。ふだんは明るく振る舞っている瀬那が笑顔の裏に隠した複雑な思いや、昔から鬱陶しく感じていた、5歳年上の瀬那との恋愛の行方も見どころとなっている。また、あずさきなの代表作『友達の姉ちゃんに恋した話』には尚と瀬那がサブキャラクターとして登場するため、本作との違いを見つけるのも楽しい。
登場人物・キャラクター
三澄 尚 (みすみ なお)
とある高校に通う1年生の男子。濃い茶髪のショートヘアで、両耳にピアスを付けたイケメン。口数が少なくクールに振る舞っており、感情をあまり表に出すことはない。瀬那からは「弟」と呼ばれている。幼少期から姉の莉緒に面倒を見てもらうことが多かったためお姉ちゃんっ子で、シスコン気味なところがある。莉緒の親友の瀬那とは小学生時代からの知り合いで、能天気で人との距離感が異常に近く、ウザ絡みしてくる瀬那のことを鬱陶しく感じながらも、どこか憎めない存在だった。元彼氏に翻弄される瀬那を放っておけなくなり、彼女への思いを自覚する。
生田 瀬那 (いくた せな)
尚の姉、莉緒の親友の女性。彼女が高校生時代、尚が小学校2年生の時に莉緒の紹介で出会った。明るい茶髪をロングヘアにしている。明るく人懐っこい性格ながら、男運の悪さは壊滅的で、尚からは男を見る目がないと苦言を呈されている。実家や街中で何かと尚と出会う機会が多く、彼にウザ絡みしている。腹違いの弟と妹がいる。勉強は苦手で、尚の学校の宿題もまったく理解できていない。高校時代に両親が離婚して実母に捨てられ、父親の再婚相手の花代を母親のように慕っていたが、彼女を亡くして喪失感を感じている。
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友達の姉ちゃんに恋した話 (ともだちのねえちゃんにこいしたはなし)
あずさきなの代表作の一つ。あずさきなの『姉ちゃんの友達がうざい話』とは、世界観や登場人物を共有している。現代日本を舞台に、中学2年生の有沢遥翔と親友の姉である大学1年生の三澄莉緒の恋愛模様や、日常を描... 関連ページ:友達の姉ちゃんに恋した話
書誌情報
姉ちゃんの友達がうざい話 2巻 一迅社〈comic POOL〉
第1巻
(2023-04-25発行、 978-4758018128)
第2巻
(2024-03-25発行、 978-4758018746)