姫君と三獣士のファンタジー・ロマンス
本作は、ファンタジー世界のアルバフォレスト王国を舞台にしたアドベンチャー・ロマンス。ヒロインのバイオレット・アルバフォレス16世は、「三獣士」と呼ばれる盗賊たちと共に世界を冒険しながら、さまざまなことを学んでいく。彼女を取り巻く三獣士は、蛇、狐、烏をモチーフにした勇敢で魅力的なイケメンたちで、危険な旅や試練を通じて、バイオレットとの絆を深めていくラブロマンスも見どころとなっている。「宝物」も本作の重要なテーマであり、エピソードごとに数々の秘宝や美術品が登場する。さらに、旅先での新たな出会いや未知の存在との接触といった冒険ファンタジー要素も楽しむことができる。
世間知らずのお姫様と謎の盗賊たちの出会い
王宮で軟禁状態だったバイオレット・アルバフォレス16世は、外の世界への強いあこがれと旺盛な好奇心を抱くお姫様。そんな彼女のもとに、父親であるアルバフォレス王が遺した秘宝を狙うという大胆な予告状が届く。その予告状を出したのは、世間を騒がせている「三獣士」と呼ばれる盗賊の三人組だが、バイオレットも王妃も、父親が遺した秘宝についてはまったく心当たりがなかった。そんな中、厳重な警戒を巧みに突破してきた盗賊の一人である鴉がバイオレットに接触。そして彼は、過去にバイオレットと出会ったことや、国王が遺した地図の存在を知る。一方、好奇心を抑えきれないバイオレットは、王妃たちに手紙を残し、鴉たちと共に旅立つことを決意する。彼女が旅立ちと共に得たのは、三人の心強い仲間という最初の宝物だった。
王女と鴉たちの旅路
バイオレット・アルバフォレス16世が故郷を旅立ったのは、単なる外の世界への好奇心だけではなかった。彼女には、旅を通じて見聞を広め、将来立派な王女になるという強い目標があったのだ。さまざまな土地や人々との出会いを重ねる中で、当初は世間知らずだった彼女は大きく成長していく。一方、幼少期から過酷な環境で生き抜いてきた鴉たちは、バイオレットの無私な優しさや強い意志に触れるうちに心を開き、次第に彼女との絆を深めていく。各地に眠る秘宝を巡る冒険を通じて、彼らはどんな困難からもバイオレットを守る頼もしい存在となり、やがて主従関係だったバイオレットと鴉のあいだに特別な恋愛感情が芽生え始める。それぞれが特技を持つ個性豊かな三獣士たちの活躍や、彼らとバイオレットとの関係性の変化も、物語の大きな見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
バイオレット・アルバフォレス16世 (ばいおれっと あるばふぉれすじゅうろくせい)
アルバフォレスト王国の姫君。年齢は15歳。冒険家であった立派な父王に幼い頃から数々の冒険譚を聞かされ、その影響で外の世界に強いあこがれを抱いている。時には部屋に閉じ込められるような窮屈な生活を送ってきたため、世間知らずな一面もあるが、芯が強く優しい性格の持ち主。立派な王女になることを目指し、盗賊集団「三獣士」と共に冒険の旅に出る決意を固めた。旅立ちの前に、長かった茶髪を断髪してセミロングヘアにした。特技は木登り。
鴉 (からす)
アルバフォレスト王国に現れた盗賊集団「三獣士」の一員で、漆黒の短髪を持つ美青年。年齢は20歳。過去に一度だけバイオレットと出会ったことがあり、その際に彼女からペンダントを譲り受けた。そのペンダントは今も手放さず、宝物として大切にしている。幼少期は浮浪児であり、7歳の時にルナールや朽縄と共に盗賊団に拾われたという過去を持つ。
ルナール
アルバフォレスト王国に現れた盗賊集団「三獣士」の一員で、明るい茶髪をロングヘアにした美青年。年齢は20歳。両利き。女性や女性の髪を深く愛し、紳士的で優しい性格をしている。また、キツネのようにさまざまな姿に変身できる高度な変装術の使い手でもある。
朽縄 (くちなわ)
アルバフォレスト王国に現れた盗賊集団「三獣士」の一員で、赤茶髪のショートカットにした美青年。年齢は20歳。どんなに頑丈な扉の鍵でもこじ開け、まるでヘビのようにどこへでも侵入できる特技を持っている。粗暴で口は悪いが、優しい一面も持ち合わせている。クモが苦手。
書誌情報
姫君と三匹の獣 全4巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(2009-08-19発行、978-4592190318)
第2巻
(2010-03-19発行、978-4592190325)
第3巻
(2010-08-19発行、978-4592190332)
第4巻
(2011-04-19発行、978-4592190349)







