概要・あらすじ
18世紀から19世紀頃のドイツをモデルとした世界を舞台に、契約がありながらも無断で自分のもとを立ち去った悪魔メフィストフェレスを探し、旅をするヨハンナ(ファウスト)に、ひょんなことから巻き込まれ、彼女に同行すると決めた少年、マリオンの目を通して描いたファンタジー作品。
登場人物・キャラクター
ファウスト
眼鏡をかけた女性。探し物のために旅をしている。歴史学、博物学、天文学、医術、錬金術など、様々な学問や技術に精通し、魔術を使用することもできる。女性の姿をしているが、言葉遣いは男性的。契約していた悪魔、メフィストフェレスから不老不死の呪いをかけられているため、教会など神聖な場所に立ち入るには、新月を待ち、誰かに招き入れてもらう必要がある。 過去、ファウストの名で呼ばれていたころは男性だった。
マリオン
本を盗み、店主に追われていたところを、旅の途中のヨハンナに助けられる。元は裕福な家庭で育ったが、父親が商売に失敗したことから、生活が一変し、学校に通えなくなっていた。勉強が好きで、ヨハンナの願いをひとつ叶えることを約束に、彼女が街にいる間、学問を教えてもらう。彼女のそばで学びたいと願ったことから、彼女の旅に同行する。
メフィストフェレス
『フラウ・ファウスト』に登場する悪魔。仮面をかぶり、黒いコートを着た男性の姿をしている。ファウストと契約をしていたが、「自分を見つければお前の勝ち、立ち止まれば俺の勝ち」というゲームを仕掛け、不老不死にした後、無断でファウストのもとを去る。
ロレンツォ・カランドラ (ろれんつぉからんどら)
異端査問官の男性。ベールで顔の上半分を隠しているため、人相が定かではない。たっぷりとした長いコートを着用している。異端査問官としてファウストを付け狙う。悪魔やそれに関わった人間を誅殺することに躊躇がなく、任務には忠実で冷静。口数も少ない。基本的に優秀だが、似顔絵は壊滅的に下手。
ヴィート
異端査問官の男性。記録課に所属し、図書室に勤務している。好奇心が強く、メフィストフェレスに興味をもっている。
ニコ・バーンスタイン (にこばーんすたいん)
『フラウ・ファウスト』に登場するキャラクター。ファウストの娘を名乗る長いストレートの黒髪の女性。孤児院で子供達の面倒を見ている。育ちのよさを感じさせる言葉遣いで、子供達には優しいが、身内を害しようとするものには容赦がない。
ホムンクルス
『フラウ・ファウスト』に登場するキャラクター。錬金術によりファウストに作り出された人造生物。フラスコの中でしか生きることができない。
マルティナ
ニコ・バーンスタインが切り盛りする孤児院で暮らす少女。体調の悪さを押しても、仕事である薬売りを行うなど、健気な性格をしている。マルバムギの種が体の中で芽吹き、死に瀕する。
カール
ニコ・バーンスタインが切り盛りする孤児院で暮らす少年。
ブルーノ
ニコ・バーンスタインが切り盛りする孤児院で暮らす少年。
その他キーワード
自動人形
『フラウ・ファウスト』に登場する技術。ニコ・バーンスタインが切り盛りする孤児院より西にある国で開発された。自律的に活動することができる人間型の機械のこと。人工物であるため、整備する必要がある。
マルバムギ
『フラウ・ファウスト』に登場する植物。ニコ・バーンスタインが切り盛りする孤児院の付近で栽培される食用のムギ。花粉が変異することがあり、マルティナは変異したものを《種》と呼んでいる。《種》は動物の体内に入ると根を張り、そうすることで殺した動物を養分として成長するが、発芽することは稀である。発芽した場合も、死体を埋め、日光を当てなければ《種》も死ぬ。
ミツバナスイセン
『フラウ・ファウスト』に登場する植物。動物の体内で発芽したマルバムギの根を焼くための薬を作るために使われる植物。毒性がある。葉が白いマツの根元で育ち、三つの花をつけるスイセンのような姿をしている。
アカクサリ
『フラウ・ファウスト』に登場する植物。葉が白いマツに、ツタ状に絡みついて育ち、小さな赤い花をつける。この赤い花を、動物の体内で発芽したマルバムギの根を焼くための薬を作るために使用する。毒性がある。
書誌情報
フラウ・ファウスト 5巻 講談社〈KCx〉
第1巻
(2015-04-07発行、 978-4063807554)
第2巻
(2015-11-06発行、 978-4063808148)
第3巻
(2016-07-07発行、 978-4063808636)
第4巻
(2017-06-07発行、 978-4063809275)
第5巻
(2018-03-07発行、 978-4065110065)