宝石箱に愛をつめよう

宝石箱に愛をつめよう

みきもと凜の代表作の一つ。現代の日本を舞台に、自分をかばって命を落とした大切な人の死をきっかけに、大好きだった歌から距離を置いていた月森百音。そんな彼女が、かつて同じバンドで活動していた先輩の朝日杏治との交流を通じて、止まっていた時間と向き合いながら少しずつ立ち直っていく姿を描いた、愛と再生の青春ラブストーリー。講談社「別冊フレンド」2025年5月号から連載の作品。

正式名称
宝石箱に愛をつめよう
ふりがな
ほうせきばこにあいをつめよう
作者
ジャンル
恋愛
 
学園
レーベル
講談社コミックス別冊フレンド(講談社)
巻数
既刊1巻
関連商品
Amazon 楽天

輝きを失った世界が再び動き出す

幼い頃から歌の才能に恵まれていた中学生の百音は、偶然出会った年上の杏治と快音に誘われ、バンド活動を始める。やがて百音は快音に恋心を抱くようになるが、ある日、二人で並んで歩いている際に事故に遭い、快音は帰らぬ人となってしまう。このショックから百音は歌うことをやめ、杏治とも疎遠になってしまうが、進学した高校で杏治と再会する。杏治に「もう一度音楽をやらないか」と誘われた百音は当初は拒んでいたものの、彼の情熱と自身の内にある歌への思いを抑えきれず、再び音楽と向き合うことを決意する。

歌を愛する無愛想な女子×軽口で感情を隠す軟派な男子

百音は感情を表に出すのが苦手で、ついツンとした態度をとってしまうため、周囲からは生意気だと思われがち。高校生活では友人に恵まれ、表面上は充実しているように見えるが、夜は眠れず、食事も喉を通らないなど、快音の死からまだ立ち直れていない。一方、杏治は持ち前の明るさとルックスで女子生徒からの人気が高い。ふだんは親友だった快音の死を乗り越えたかのように振る舞うが、ふとした瞬間に彼を思い出し、最後に二人で食事をしたレシートを捨てられずにいるなど、心の整理はついていない。明るく振る舞うことでしか前に進めなかった杏治は、だからこそ百音の苦しみを理解している。忘れたふりをすることでしか前に進めなかった二人は、同じ喪失を経験しているからこそ、誰にも見せられなかった弱さをさらけ出していく。

二人にとって大切な快音の存在

杏治と同い年の快音は、10代前半から大人に混じってギターを弾くほどの腕前で、その姿を杏治が目にしたことがきっかけで、二人は知り合った。もともとピアノ演奏が得意だった杏治は、快音といっしょに音楽を楽しむためにドラムを始め、やがてバンドの作曲も担当するようになる。音楽を通じて深い絆で結ばれた親友同士だったが、杏治は密かに百音に惹(ひ)かれていた。しかし、百音の心が快音に向いていることを悟り、自分の気持ちを伝えることはなかった。一方、百音にとって快音は、音楽の知識がなかった自分を支え導いてくれた存在であり、優しく包み込んでくれる初恋の人でもあった。正式な交際には至らなかったものの、互いにかけがえのない存在だった。亡き快音の記憶は、残された百音と杏治をつなぐ唯一の絆であると同時に、二人の恋の進展を妨げる要因にもなっている。

書誌情報

宝石箱に愛をつめよう 1巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉

第1巻

(2025-11-13発行、978-4065414774)

SHARE
EC
Amazon
logo