小林少年と不逞の怪人

小林少年と不逞の怪人

大正時代の日本を舞台に、世間を騒がせる怪盗・怪人二十面相が難事件に挑むミステリー作品。江戸川乱歩による小説作品が原作としてクレジットされているが、コミカライズに際しては登場人物の設定やプロットに関して大幅な改変が加えられている。2016年より「週刊ヤングマガジン」に数回の読み切り版掲載を経て、「週刊ヤングマガジン」2017年52号より連載開始。

正式名称
小林少年と不逞の怪人
ふりがな
こばやししょうねんとふていのかいじん
原作者
江戸川 乱歩
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

大正時代、帝都を騒がせ続けている怪盗・怪人二十面相は、とある事件を通じて探偵の小林少年と知り合ったことがきっかけで、「明智小五郎」を名乗り探偵事務所を開設していた。ある夜、財宝を盗み出して逃亡中の二十面相は、女学生・花崎がビルの屋上から飛び降りようとしている現場に出くわしてしまい、成り行きで彼女を引き止めてしまう。

明智小五郎探偵事務所で目を覚ました花崎は、彼女が住む寄宿舎内で謎の視線を感じ続けており、それを苦に自殺しようとしていた。寄宿舎内に興味を持った二十面相は、小林少年を連れて寄宿舎へ向うが、ちょうどその日、浴室で一人の女学生が変死しているのが発見される。ますます寄宿舎に興味を持った二十面相は、寄宿舎内に潜入するが、日を追うごとに自殺者は増えていく。

何者かの他殺を疑う小林少年だったが、二十面相はすべて自殺だと断言する。そんな中、一度は二十面相によって命を救われたはずの花崎が、小林少年と同じ部屋のなかで、夜寝ている間に自殺を遂げてしまうのだった。

登場人物・キャラクター

怪人二十面相 (かいじんにじゅうめんそう)

怪盗として世間を騒がせている人物。犯行に当たっては予告状を送りつけ、どんなに厳重な警備を行っていても予告したものを盗み出し、警察の捜査も振り切って逃亡を続けている。正体は若い男性。とある事件を通じて小林少年と知り合ったことをきっかけに、「明智小五郎」を名乗って探偵事務所を設立している。人間の持つ心の闇を垣間見ることを好み、犯行を暴かれた犯人を嘲笑して楽しんでいる。 探偵業は退屈しのぎの道楽として行っているが、結果的に難事件を解決に導いている。傲慢な性格で毒舌家。大の甘いもの好きで、明るい場所が苦手。変装の達人であり、女装することも多い。

小林少年 (こばやししょうねん)

「明智小五郎」こと怪人二十面相の助手を務める探偵。普段は学生服に短パン姿で男装しているが、れっきとした女性。女性の社会進出を快く思っていない、保守的な思想を持つ自分の父親を嫌っており、探偵として活動することを知られないように男装している。二十面相とは、とある事件を通して知り合い、彼の人間観察力と洞察力の高さを社会のために活かそうと強引に探偵事務所に誘った。 表向きは助手の立場だが、怪人二十面相のことは普段呼び捨てにしている。二十面相からは「子猿」と呼ばれてからかわれている。

花崎 (はなさき)

東栄女学園に通う女学生。学園の寄宿舎で生活しているが、寄宿舎の中で常に誰かの視線を感じ続けており、それを苦に飛び降り自殺しようとしていた。しかし、偶然その場に通りかかった怪人二十面相に引き止められた。寄宿舎に戻ってからも視線を感じ続け、小林少年が寝ているのと同じ部屋で自殺してしまう。

郷田 三郎 (ごうだ さぶろう)

東栄女学園の理事長を務める男性。車椅子を使って移動しており、寄宿舎の管理はシスターにまかせている。清純で規律の正しい、全寮制の学園を経営することを目標にしていたが、寄宿舎内で女学生の自殺が相次いでいる状態を嘆かわしく思っている。

シスター

東栄女学園の寄宿舎を管理している初老の女性。学園の運営状態を知るものからは、面倒見はよいが、実務としては悩み相談しかできないと評価されている。寄宿舎内で潜入捜査をしていながらも、最初に相談を持ちかけた花崎を自殺させてしまった小林少年の相談に乗るが、その際に不審な行動をとる。

クレジット

原作

江戸川 乱歩

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