探偵明智は狂乱す

探偵明智は狂乱す

『未来日記』で知られる作者・えすのサカエの連載作品。舞台は現代日本。名探偵の明智小五郎にあこがれる女子中学生の花咲マユミが、明智の幽霊と出会ったことをきっかけに、怪人が引き起こす数々の事件に巻き込まれる姿を描いた、江戸川乱歩へのオマージュをこめたミステリー。KADOKAWA「月刊少年エース」2017年5月号から2019年2月号まで連載。

正式名称
探偵明智は狂乱す
ふりがな
たんていあけちはきょうらんす
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
スプラッター・猟奇
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊1巻
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幽霊探偵と女子中学生の奇妙なバディ関係

ごくふつうの女子中学生、マユミは、探偵にあこがれて小学生の頃から身近な事件を解決してきた。一方、明智はかつて名探偵として名を馳せた男性だが、現在は死後3年を経た幽霊となっている。明智はマユミに憑依しなければ自由に移動することができず、一方のマユミは彼の強引な捜査に巻き込まれながらも、好奇心を抑えきれない。そんな二人の不思議なバディ関係こそが、本作の大きな魅力の一つとなっている。

明智が豹変した理由

明智は、かつてパノラマ島の地下王国で多くの怪人を殺害し、自爆という壮絶な最期を遂げたと伝えられている。その証拠として、島には今も巨大な爆発跡と無数の人骨が風化することなく残されている。明智がなぜ怪人たちを無差別に殺戮(さつりく)したのか、その真相はマユミにも明かされていないが、その行為によって怪人二十面相の娘であり、「二代目怪人二十面相」を名乗るグリモアから、明智は深い恨みを買っている。明智の死の真相や、かつてマユミを救出した際の紳士的な姿から、現在の粗暴な姿へと変貌してしまった理由が、作品全体を通しての大きな謎となっている。

復活した怪人二十面相

かつてパノラマ島の地下王国で多くの怪人たちと共に生活をしていたグリモアの証言によれば、怪人二十面相とその妻は明智によって殺害されている。しかし、明智とマユミが怪人蜘蛛男を捕まえた際、蜘蛛男は「怪人二十面相は生きている」という衝撃的な情報を明かす。その真偽を確かめるためにパノラマ島を訪れた明智とマユミは、そこでかつて怪人たちの慰み者となり、命を奪われた明智の妻、文代の変わり果てた姿を目撃する。その光景を目の当たりにした明智は、冷静さを失い、激しく動揺する。

登場人物・キャラクター

花咲 マユミ (はなさき まゆみ)

明智にあこがれる女子中学生。黒色のロングヘアを外ハネにしており、その先端はマユミ自身の好奇心に応じて上下に揺れる。人目を引くほどの豊満なバストの持ち主。幼少期に誘拐された際に明智に救出されたことから、彼にあこがれを抱き、探偵を志すようになった。身近な小さな事件を解決した経験はあるものの、周囲を顧みない強引な捜査方法が原因で、周囲から煙たがられている。両親は海外で働いており、伯父夫婦に預けられていたが、二人は怪人「魔人ゴング」に命を奪われてしまう。事件を目撃したマユミは、現場に現れた明智の幽霊に憑依され、怪人が引き起こす事件に巻き込まれていく。記憶の中の明智とは異なる粗暴な言動に疑問を抱きながら、マユミは彼の死の真相を突き止めようと奔走する。

明智 小五郎 (あけち こごろう)

かつて名探偵として名を馳せた男性。現在は幽霊となっている。癖の強いウェーブのかかった髪で、サスペンダー付きのズボンを着用している。マユミが幼い頃に彼女を誘拐犯から救出した過去を持ち、その時は紳士的な人物として多くの人々に慕われていた。幽霊となった今は、怪事件の現場や明智自身の探偵事務所があったビル内をさまよう日々を送っていたが、マユミに憑依することで、再び自由に行動できるようになった。怪人への復讐に異常な執念を燃やす一方で、デリカシーに欠ける言動が目立つ。思春期のマユミの身体を勝手にあやつり、シャワーを浴びたり、女性に対して性的な悪戯を仕掛けたりすることもある。また、明智の私室には、異様な存在感を放つ豹頭の全裸女性の標本がある。

書誌情報

探偵明智は狂乱す 1巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉

第1巻

(2018-01-25発行、 978-4041059982)

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