山田太郎ものがたり

山田太郎ものがたり

私立一ノ宮高校と、主人公山田太郎の家族生活を中心として物語が展開していく。基本的には1話完結型の連載形式。漫画は2000年に全14巻で完結しているが、2007年にドラマ化を記念して15巻が番外編として発売されている。番外編では、太郎の友人である御村託也や担任の鳥居先生、妹の山田よし子といった主人公の周囲人物に注目した話が描かれている。作者、森永あいの代表作。

正式名称
山田太郎ものがたり
作者
ジャンル
ラブ・コメディ
レーベル
あすかコミックス(角川書店)
巻数
全15巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

私立一ノ宮高校に特待生として入学した1年生の山田太郎は、成績優秀で眉目美麗、スポーツ万能の完璧男子だった。そんな彼の唯一の欠点は、家が貧乏な事だった。大家族の長男として生まれるが、小さな納屋のような家に住み、家族を養うためにアルバイトを掛け持ちしたり、遅くまで起きて繕い物をしていた。また、父親は行方不明、母親の山田綾子は浪費家で、太郎がアルバイトで貯めた生活費を、どこからか見つけて使ってしまう。

そんな太郎はある日の晩、見ず知らずの女子高生、白鳥真奈美から、小麦粉と100万円が入った袋を渡されて動揺する。100万円は母親に見つからないように隠し、小麦粉はホットケーキにして兄弟達と共に平らげてしまう。翌朝、親友の御村託也に制服の特徴を話した事で、学校を割り出す事に成功。お金をもらう事のできない太郎は、理由もなく100万円を返しに行こうとするが、帰宅すると、すでにお金は綾子に発見されてなくなっていた。この件を白鳥に謝罪しようとする太郎であったが、白鳥からは「とある教師から自分を守ってほしい」と依頼をされる。(エピソード「そう、それは清く正しく美しい」)

太郎のクラスメイトである池上隆子は、玉の輿に乗って庶民の生活から抜け出す事を夢見て、一ノ宮高校に進学。そんな池上は、いかにもお金持ちの顔をしている太郎に恋をする。山田家の嫁になるために、池上は必死のアプローチをするが、工事現場で働く太郎のあとをつけていった結果、太郎が貧乏人である事を知って大きなショックを受ける。(エピソード「だって女の子だもん」)

第2巻

いくつものアルバイトを掛け持ちして生計を立てている山田太郎の家では、バレンタインは1年で最も重要な日である。そのために、太郎をはじめとした兄弟達は、周囲に笑顔と優しさを振りまく努力をし始める。バレンタイン間近のある日、太郎は私立一ノ宮高校2年生の杉浦圭一に目をつけられる。圭一は、太郎に女子からの人気を奪われた事を恨み、太郎の株を下げたり、バレンタイン当日には、太郎がもらったチョコレートを盗み出し、焼却炉に投げ込もうとしたりする。だが、そのために圭一は執拗に太郎に付きまとっており、周囲からは太郎に気があるのではないかと疑いをかけられてしまう。(エピソード「バレンタインに賭けろ!!」)

新学期になって物入りの山田家では、いつものように太郎が家計簿を見ながら頭を悩ませていた。そんな太郎に新たなるピンチが訪れる。それは、小学校の制服が変わるという事であった。入学間近の山田六生山田七生は、綾子に新しい制服を買ってもらった事で大喜びするが、山田次郎山田三郎山田よし子山田五子は今の制服で我慢する事になった。しかし、古い制服にはほつれも目立つ。そんな弟や妹達をかわいそうに思った太郎は、新しい制服を手に入れる手段を考え始める。(エピソード「ありがとう、あんちゃん」)

バレンタインが終わったあとも、太郎は新学期に必要なものを買い揃えた費用を埋めるために、ゴールデンウィークのアルバイトを探していた。そんな太郎に、御村託也は自身の家の家政婦をするという高額アルバイトを紹介し、太郎は二つ返事で請け負う。何も知らずに託也の家に向かった太郎は、そこで託也の家が茶道の家元でお金持ちである事、そして募集していたのが女性の家政婦である事を知る。そこで太郎は「民子」と名乗り、女性のふりをして働く事になった。すると託也の祖父は、太郎が孫の託也の恋人ではないかと疑い始める。託也の嫁はかわいらしい女子がいい、とかねてより思っていた託也の祖父は、太郎に対して無理難題を押し付ける。(エピソード「おいしいバイト」)

太郎の家が貧乏である事を知っているのは、親友の託也とクラスメイトの池上隆子、そして担任の鳥居京子だけである。担任の鳥居は調理部の副顧問をしており、残った食材を飼育小屋で飼っているウサギに分けている。そこに太郎が現れ、ウサギをかわいがるが、ウサギの方は太郎に怯え続ける。翌朝、ウサギが行方不明になった事で学校は大騒ぎになる。鳥居は、太郎が連れて帰り、食べてしまったのではないかと疑い始める。(エピソード「犯人を追えっ!!」)

第3巻

夏休み。バレンタインの一件から同性愛者の疑いをかけられた杉浦圭一は、いつの間にか山田太郎に対して本気で恋心を抱くようになっていた。滝行によって太郎を見ても平常心を保ち続ける修行をしたものの、圭一は自身の家が経営するスーパーにアルバイトとして働いていた太郎の姿を見るなり、心をときめかせる。結局圭一は、太郎といっしょにいる時間を増やすために、いっしょにアルバイトを始めるのだった。しかし、妹の杉浦ミカも太郎に目をつけた事で、ミカは太郎に家庭教師のアルバイトを依頼する。色仕掛けで太郎の心を自分のモノにしようと行動を起こす反面、ミカは、自分と太郎の関係を気にして右往左往する圭一を見て楽しむのだった。(エピソード「アルバイトはスーパーで」)

山田次郎達が通う小学校では、運動会のシーズンがやって来た。一等賞を取ればノートと鉛筆をもらえるという事で、兄弟達は気合を入れて運動会に挑み、綾子や太郎はその応援に足を運ぶ。各クラスで出場種目を決める際、次郎はできるだけ多くの競技に出場する事を進言。そんな次郎を見てライバル心を燃やしているのが、クラスメイトの福田正男であった。(エピソード「燃える運動会」)

山田家の子供達が学校で出払っている時、家に空き巣が入る。金目のものなどない家の中を漁る空き巣だったが、高熱を出して意識が朦朧としながらも、太郎が隠したお金を見つけた山田綾子が天井から降ってきて驚く。そして空き巣は、物を盗る事はせず、成り行きで綾子の看病を始める。(エピソード「夢みる母」)

第4巻

ある日、山田太郎が家に帰って来ると、行方不明だった父親の山田和夫がそこにいた。ほかの兄弟達や山田綾子は和夫との再会を喜ぶが、間もなくしてマリア・レベッキーニが和夫を追いかけて来日し、山田家に転がり込む。和夫を自分のモノにしようと奮闘するマリアであったが、和夫の心は綾子にしか靡かず、肩身の狭い思いをする。そんなマリアを癒してくれたのは、太郎の家で飼われている犬の矢島敦士であった。その矢島は山田家ではペットではなく非常食。食料が底をついた太郎達は、矢島をサバこうとするが、マリアがそれを阻止する。結果マリアは和夫をあきらめ、矢島を連れてイタリアへ帰って行った。(エピソード「父帰る」)

私立一ノ宮高校で太郎と同じクラスに通う池上隆子は、太郎に恋心を抱いていたものの、家が貧乏だと知って以来、その気持ちは打ち砕かれ、失恋真っ只中であった。そんな隆子は、道端で玩具を売る和夫と出会う。自分と同じ高校の出身であり、芸術大卒という和夫の経歴を聞いた隆子は、運命の出会いと思って和夫に思いを寄せる。しかし隆子が和夫のフルネームを聞き、家に案内された時、それが太郎の父親であった事を知って落胆し、再び失恋をするのだった。(エピソード「隆子の誤算」)

修学旅行の時期。太郎が修学旅行に行かない事を知ると、弟や妹達は兄の太郎を修学旅行に行かせるために、あらゆる手段を使って商店街の福引券を集め始める。これに御村託也も助力し、太郎は修学旅行で上海へ行く事になる。しかし、商店街の福引の景品チケットのため、太郎のみがファーストクラスで上海へ向かい、貧乏である事を知らない多くの生徒が、太郎をどこかの御曹司と勘違いしていく。(エピソード「赤玉に賭けろ!」「マイナス8円で海外旅行に行く方法」)

第5巻

修学旅行で上海へと向かった山田太郎は、クラスメイトと旅行を楽しむ事はせず、現地でアルバイトをして小銭を稼いだり、日本に残した弟や妹のために持ち帰れそうな食べ物をかき集める。クラスメイトの池上隆子は、太郎への思いをあきらめる事ができず、太郎に食べ物を与えては、となりをキープしていた。これをよしとしないのは恋のライバル、甲田だった。甲田と池上は、修学旅行の最中、どちらが太郎の心を射止めるのか張り合う事になる。(エピソード「上海ラブ・バトル」)

月日は経って期末試験の時期、受験を控えた杉浦圭一は、太郎のクリスマスの予定が気になって仕方がない状況に陥っていた。おまけに圭一は、太郎の一番近くにいる御村託也と太郎の関係までも疑い始める。あと3か月で卒業の圭一は、このまま太郎と会えなくなる事が悲しいと思うようになると、思い切って留年をしようかと考えるようになる。しかし、太郎の後押しもあり、圭一は留年する事なく高校を卒業するが、受験当日に腸捻転になり、留年が確定した。さらには、杉浦ミカが一ノ宮高校に合格した事で、圭一のストレスはさらに増え続ける。(エピソード「嗚呼、卒業」)

折角帰って来た山田和夫が、また行方をくらませて3日が経つと、山田綾子は怒りが爆発し、浮気をするといって家を飛び出していった。公園で一人泣き続ける綾子を慰めたのは、男子高校生のひろしであった。ひろしに優しくされた事で、綾子はひろしとの浮気を決意。まじめなひろしは綾子の家庭事情を知ると、立派な父親になると熱を上げる。(エピソード「父ちゃんは中学生!?」)

父親、和夫の一時帰還により、浮気をすっぱりと止めた綾子は、和夫の子供を妊娠。8人目の出産費用や、弟の山田次郎の中学進学によってより出費がかさむため、バイトを増やそうと考える太郎。そんな太郎が一人のOLの広瀬に恋をする。太郎にも恋の季節がやって来たとわかると兄弟達は大喜びし、兄の恋の応援を始める。しかし、太郎が広瀬に惹かれるのにはとある理由があった。(エピソード「ときめき太郎」)

第6巻

山田太郎は次の年のゴールデンウィークも、御村託也の家に家政婦のアルバイトとして働いていた。昨年、託也の祖父をはじめ、御村家の人達には既に太郎が男である事がバレているが、託也の祖父は一度は孫の嫁として認めた女が、本当は男であったという事実を嫌悪し、太郎を嫌っている。そんな中、太郎の妹、山田よし子が太郎を訪ねてやって来た。託也の祖父は、よし子こそが託也の嫁に相応しいと思うようになると、託也の嫁によし子をくれと太郎に頼み始める。まだ9歳のよし子の事を考えた太郎は、玉の輿という言葉に気持ちは揺らぐが断固反対。すると託也の祖父は、よし子にもしばらくのあいだ、託也の家でお手伝いさんとして働くよう薦める。(エピソード「お嫁においで」)

学校祭シーズンになると、各クラスや部活では出店や研究発表の会議に大忙し。映画研究会部長の小谷は貧乏な青年が困難を乗り越えていくというストーリーを書きあげ、これを学校祭で発表しようとする。その主人公を世間的には貧乏のイメージがまったくない太郎にしようとする。小谷は何とかして太郎に出演オファーを取り付けようと奮闘していく。(エピソード「ビンボー仮面」)

山田五子のクラスメイトの西園寺は、イタリアの貴族から犬を譲ってもらったと自慢話をしていた。高級な犬だと聞いた五子は、西園寺に頼んで犬の「チェーザレ」を見に行く事にする。肥満体型のチェーザレは、五子からすれば美味しそうな肉にしか見えず、五子はチェーザレを眺めながら給食の残りを食べる日々を始める。するとチェーザレは日に日にやせ細っていき、毛並みも悪くなっていった。しばらくの間西園寺は、五子をチェーザレに会わせる事をやめるが、我慢のできなかった五子は西園寺の家に押しかける。そこで標準体型になったチェーザレを目にした五子は、ある真実に辿り着く。(エピソード「理想のおかず」)

私立一ノ宮学園に入学した杉浦ミカは、事あるごとに太郎に近づく。その姿は校内の女子生徒からすれば許せない存在であるが、これをもっとも許せずにいるのは兄の杉浦圭一であった。圭一は学校の外からミカの動向を監視し始めるようになる。また圭一は、太郎が出産費用を稼いでいるという話を聞くと、太郎に恋人がいたと勘違いし、仕舞いにはその相手をミカだと誤解していく。(エピソード「圭一より愛をこめて」)

第7巻

山田太郎は3年生になり、進路を考える時期になった。担任の鳥居京子は、成績抜群の太郎に対して大学進学を薦めたいが、彼の家庭の事情や進路調査に「就職」を希望している事から、これを薦める事ができず、学費免除の大学の話も太郎の心を摑む事ができなかった。そこで鳥居は、城南学院大学の農学部教授であり、高校の先輩にあたる永原眞実に相談を持ち掛ける。永原は太郎の成績と、彼の日常生活を見たうえで大変興味を持つ。そこで永原は、太郎の受験費用・学費等をすべて免除する条件として、太郎がこのままトップの成績を維持しつつ試験と面接を合格する事に加え、鳥居が自分の嫁になる事を要求する。(エピソード「大学へ行こう!」)

山田よし子はゴールデンウィークが終わったあとも、御村託也の家へ茶道を習いに出かけている。日々茶道の稽古に頑張るよし子に対し、託也が海へ遊びに行く提案をすると、よし子は大喜びする。しかし、2人が海に行く事を知った弟子の一人、北条汪子は2人を邪魔するために、一方の太郎は2人を監視するために海へ足を運ぶ。(エピソード「私を海へ連れていって」)

アルバイトの日々に明け暮れる太郎。とあるヒーローショーの着ぐるみのアルバイトをした際、自分と同じ貧乏人の桜井健に出会う。事務員の健は、太郎と同様に弟と妹を養うために働いており、太郎と意気投合するが、何かと健は運が悪い人物であった。そんなある日、スーツアクターの一人が脱水症状で倒れた事から、弟の桜井ヨシオと妹の桜井ミチコの推薦を受けた健がスーツアクターを担当する事になった。しかし、いざステージに立つと、健は緊張と脱水症状により混乱し、ヒーローショーをパニックの渦に巻き込んでいく。(エピソード「がんばれ、兄ちゃん!」)

御村託也には御村前子と御村衍子という二人の姉がいる。普段は京都の大学に通うために実家を離れているが、大学が休みになり、帰省してきた。美麗な顔立ちであるが男の好みにはうるさい二人が、ある時、乗馬仲間の座田甯子が婚約をした事を耳にする。その相手は有名大学を卒業し、外務省で務めるほどのキャリアを持った人物であると知った前子と衍子は敗北感を味わう。そして、結婚披露宴に呼ばれた二人は、弟の託也とその友人の太郎を連れ、甯子に見せびらかす計画を立てる。しかし、太郎の貧乏性が露見しては意味がないと悟った2人は、太郎をお金持ちの紳士に見えるように、その精神を鍛え上げる事にする。(エピソード「マイ・フェア・タロー」)

第8巻

ある日、山田太郎のクラスの副担任が入院しているあいだ、新任の大崎が代わりに副担任を務める事になった。だが大崎は何故か太郎を毛嫌いしており、何かと嫌がらせをしては太郎を困らせる。数日後、鳥居京子が放課後デートに出かけようとすると、大崎の彼氏の話に付き合わされたうえ、その彼氏の写真を見せられて硬直する。写真に写っていたのは永原眞実で、これからデートをする相手だったからだ。この事実にショックを受けた鳥居は、永原とのデートをキャンセルし、太郎の城南学院大学への入学に関する条件も保留にしたいと言い出す。(エピソード「愛の四重奏」)

ある日、山田綾子はカツラを買ってきて、山田六生にかぶせた。すると六生は、双子の妹の山田七生と瓜二つになる。これを面白がった六生と七生は、二人で外へと遊びに出かけていく。数日後、太郎の家に鶴屋饅頭本舗の社長が訪れ、七生を新製品のポスターのモデルとして起用したいと依頼する。七生はモデルデビューを喜ぶが、いざポスター撮影になった段階で、社長は町で見かけた時とは違うと、違和感を覚え始める。(エピソード「スカウト大作戦!」)

若かりし頃の綾子は大きなお屋敷に住むお嬢様だったが、両親が借金を残したまま他界して以降は、ボロボロの屋敷で執事のじいやと二人で暮らしていた。そんな綾子に対し、綾小路は熱烈な愛を説いており、彼と結婚をすれば、また裕福な生活をする事は可能ではあった。しかし綾小路の平凡な顔を納得できないじいやは、綾子との結婚については濁し続けていた。そんなある日、綾子が山田和夫の実家の病院を訪れるが、忘れ物をしたまま帰ってしまう。その忘れ物を届けるため、使いに出された和夫を見たじいやは、容姿・学歴共に綾子の相手に申し分ないと見初め、綾子に和夫を手籠めにするようそそのかす。(エピソード「和夫と綾子の青春」)

第9巻

生活費や出産費用を稼ぐため、アルバイトに明け暮れる山田太郎は、弟や妹が、友達といっしょに帰る事や、頬にキスをしてあげる事で小銭を稼いでいる事実を知る。太郎は弟達に妙なアルバイトをするなと叱るものの、母親が事故で入院する事になったため、高校生にもかかわらずこっそりと水商売を開始。入った店はコスプレパブで、お金を稼ぐためと身を削るが、同時に心も痛めるのだった。そんな太郎を偶然に見つけてしまった浪人生の杉浦圭一もまた、太郎のそばにいたい一心で共に働き始める。すると今度は、御村託也や杉浦ミカ、圭一の母に発見され、さらには医者をしている山田和夫の父親と母親が客としてやって来る。妹に見つかってしまった圭一は、恥ずかしさのあまり店を飛び出すが、そこで陣痛が始まった山田綾子に出会う。出産間近という危機的状況を知った圭一はタクシーを呼び、綾子を家まで送る。そこには太郎と同じ顔をした兄弟がたくさんおり、圭一は太郎が納屋のような家に住んでいる事を知る。圭一のおかげで綾子は無事に赤ちゃんを出産。しかし、それが三つ子であった事は、綾子と再び姿を消した和夫以外、誰も知らなかった。貯めたお金も綾子の手によって一気に底を付き、太郎達は変わらぬ貧乏暮らしを続ける事となる。(エピソード「山田兄弟増殖中」)

城南学院大学の受験日を迎えた太郎が意気揚々と受験会場に向かおうとすると、綾子が高熱を出して倒れてしまう。こうして太郎は、生まれたばかりの山田やすみ、山田九太、山田十子の子守りをしながら受験に臨む事となる。そんな太郎の姿に、面接官の永原眞実をはじめとした教授達は、笑いが止まらなくなってしまう。(エピソード「一身上の受験」)

太郎に対して好意を抱いているうちに、女が嫌いになっていく圭一は、やすみ、九太、十子の出産の手伝いをした事や、山田家で起こった出来事が夢だったのではないかと放心状態になる。このままではいけないと思った圭一は、再び太郎の家へと足を運ぶ。すると圭一は、偶然帰って来た山田よし子に心を動かされ、次第に好意を抱いていく。偶然託也が食べ物を持って山田家に現れると、圭一は託也が太郎ごと餌付けをしていると認識し、対抗意識を燃やし始める。(エピソード「お前でなくっちゃ」) 

第10巻

時は過ぎ、山田太郎は見事に城南学院大学に合格した。太郎は鳥居京子に見届けられる中、入学手続きを完了させ、進路の心配はなくなった。高校生活も残りわずかになった時に、太郎をどこかの国の王子様と勘違いしていた関口美己子の尾行により、校内では「山田太郎の家がものすごい貧乏」だという噂が流れた。太郎の好感度を下げないため、池上隆子はこれを必死で否定するも、内情をすべて知っている御村託也はあっさりと肯定する。(エピソード「わたしの王子様」)

貧乏の噂が一ノ宮高校内で広まっている頃、山田家では近所に住む98歳の女性、田中ウメが亡くなり、その全財産を、生前親しくしてくれた山田和夫に譲るという遺言により、約50億円もの遺産を手にしていた。これにより太郎達家族は、ウメが住んでいた大きな屋敷に引っ越し、正真正銘のお金持ちとなる。これによって関口の流した噂は噓だったとして終息するが、貧乏性が抜けない太郎は、使用人の存在や高級品で囲まれた空間に居続ける事で、神経をすり減らしていく。(エピソード「噂の真相」)

第11巻

多額の遺産と高級な御屋敷を得た山田太郎であったが、貧乏癖が抜ける事がない。しかし、弟や妹達に不自由な暮らしをさせないため、太郎は御村託也の協力のもと、貧乏性を治す訓練を始める。山田和夫はどこにも行かず、絵を売って収入を得たり、山田綾子が宝くじで1000万円を当てたりした事から、太郎の貧乏癖は少しずつ改善して行く事になる。(エピソード「とんでけ、ビンボー神」)

貧乏神との縁が切れたかのように、豊かな暮らしを手に入れつつあった太郎だが、家の前に行き倒れになっていた桜井健とその兄弟の桜井ヨシオ、桜井ミチコを助けた事により、出費がかさむ不幸が連発する事となる。山田家は財産の大半を失い、元の家へと帰る事になるが、綾子が勝手に通帳のお金を動かした事により、山田家は貧乏どころか借金を背負う事になってしまう。(エピソード「桜井兄弟、再び!」)

第12巻

借金地獄から抜け出す事ができず、山田太郎のアルバイト生活は続き、楽になる事はない。しかし太郎はある時、土地と家を売る事を決断する。引っ越し先の賃貸を探すが、家族12人が暮らせる安い場所は見つからない。悪戦苦闘をしていると、不動産から家が売れたとの連絡が入る。おまけに、月の家賃さえ払えば引っ越す必要がないと聞き、太郎は大喜びする。そして、家族総出で大家を出迎えるが、そこにやって来たのは御村託也であった。(エピソード「前より貧乏」)

ついに迎えた合格発表の日。杉浦圭一は、太郎が進学を決めた城南学院大学に合格するが、一方で池上隆子は同じ大学を受験したものの不合格となる。大いに喜ぶ圭一だったが、託也も同じ大学に合格している事が判明し、また太郎が今まで以上に託也に懐いている光景を目の当たりにする事となる。こうして圭一は、より一層託也をライバル視していく。(エピソード「サクラ咲く人、咲かぬ人」)

生徒達の大学入試が一段落した鳥居京子は、式の日取りなどを決めようと永原眞実に呼び出された。すでに婚約指輪をもらっている身でありながら、鳥居は未だに永原に怯えており、結婚に踏み切る事ができないでいた。そんなある日、生理が来ない事から、鳥居は自身の妊娠を疑い始める。(エピソード「身に覚えあり」)

卒業式間近、甲田や杉浦ミカ、関口美己子は太郎のプロムの相手の座を奪い合う戦いを始めた。太郎が再び貧乏に戻ってしまった事を知った隆子は、彼の事をあきらめようとするがどうしてもあきらめきれず、とある手段で太郎のプロムのエスコートを申し込む。(エピソード「思い出をください」) 

第13巻

山田太郎の卒業式間近、行方不明になっていた山田和夫が再び帰って来た。和夫は、今度は女性ではなく、謎の外国人のアブド・アルカリームと、その息子のアリー・アルカリームを連れて来た。山田五子は当初気さくに話し掛けようとしたものの、アリーに冷たい態度を取られた事で、二人は犬猿の仲となってしまう。しかし、共に生活をしているうちに、五子の獲物を狙う目が、アリーが寵愛していた鷹の目と瓜二つだと感じた事から五子の事を気に入り始める。そしてアリーは五子を故郷に連れて帰りたいと言い出すが、五子はこれを断固として断っていた。しかし、アブドがとアラブの国の王様であり、アリーが王子様である事を知ると、五子は養女になる事を自ら望むようになる。(エピソード「天敵現わる」)

五子がアブドの養女になる事を最初は反対した太郎だったが、妹の幸せを邪魔していいものかと考えるうちに、反対し続ける事ができなくなってしまう。それから数日後、山田家の流し台が壊れ、立て直し工事をしている最中に力士が横切った事で、家の柱は斜めになり、家が倒れる寸前で維持する形になってしまう。(エピソード「養女になります」)

卒業式も終わり、太郎は池上隆子を、御村託也は許嫁の山田よし子を誘ってプロムに参加。ほかの兄弟達も、美味しい食事にありつくためにプロムの会場へと足を運んでいた。そんな中、隆子は五子がアラブの国の養女となり、お金持ちになった事で、太郎と結ばれても玉の輿に乗れる可能性が出てきた事に気づく。こうして隆子は、再び太郎との距離を縮めようと奮闘を開始する。(エピソード「名もなく貧しく美しく」) 

第14巻

かつて、山田太郎が一ノ宮高校に入学して間もない頃。太郎は周囲からお金持ちの子だと噂されていたが、御村託也は、太郎が授業中に繕い物をしているところを見たり、ペンケースがお菓子の空箱である事に気づき、実際はお金持ちではないのではないかと疑惑を抱く。そんな託也は、太郎が学校を休んだ時、プリントを届けに行った事で、彼の家の実態を知るのだった。(エピソード「太郎と託也の出会い編」)

鳥居京子は高校に入学してすぐ、眉目秀麗な永原眞実に部活のマネージャーをやってほしいと声をかけられる。メンクイの鳥居は一目惚れをし、二つ返事でマネージャーを承諾したが、永原が入っていたのが空手部である事を知る。この時の鳥居は、空手とは凶暴な牛と戦ったりする武道だと思い込み、入部を辞退しようとしたが、永原によって強制的に入部させられる形になった。それ以来、鳥居は永原の顔に惚れつつも、その性格の悪さに怯え続ける事となる。(エピソード「永原教授と鳥居先生の青春編」)

高校3年生になった山田よし子は、許嫁である御村託也の家で生活をしながら、行儀見習いをしている。そのため周囲から、託也の関係の進展を聞かれる事もたびたびあった。しかし、託也はよし子を子供扱いし、いまだにキスもしていない。そんな事情からよし子は託也の浮気を疑っており、ある時ついに託也が通う城南学院大学の研究室で、彼の浮気現場を目撃してしまう。(エピソード「託也とよし子の××編」)

第15巻

私立一ノ宮高校に特待生として入学した山田次郎の唯一の欠点は、家が貧乏である事だった。家は数年前に潰れてしまい、今は穴を掘って家族と共に地下で暮らしている。そして、バレンタインは山田家にとって一年で最も大事なイベントであり、数日前より周囲の好感度を上げて、多くのチョコレートを得ようと奮闘する。しかし、小学校時代からのクラスメイトの福田正男の嫉妬心を焚きつけてしまった事から、次郎はクラスメイトからチョコレートをもらうのを妨害されてしまう。(エピソード「山田次郎ものがたり」)

29歳のOL、佐藤は、仕事一筋で男の影などいっさいない女性だった。そんな佐藤は、酒の勢いで、たこ焼き屋でアルバイトをする山田三郎と肉体関係を結び、妊娠する。三郎はその時17歳の高校生。淫行を犯した佐藤はショックを受けつつ、三郎の子供を生むかどうかを悩み始める。また、三郎と過ごす日々が増えるにつれ、活き活きと仕事ができるようになったが、一つのミスによって、かかわっていたプロジェクトを降りる事になる。佐藤をプロジェクトから外した人物が山田太郎が籍を置いている城南学院大学の教授だと知ると、三郎は兄の太郎に連絡を取り、直属の教授である永原眞実に、とあるお願いをする。(エピソード「山田三郎ものがたり」)

高校生になった山田五子は、その美貌を武器に、お金を持っている大学生や社会人と遊び、贅沢な暮らしをしていた。しかし、一ノ宮高校に入学して来たアリー・アルカリームが付きまとう事によってデートを台無しにされて、五子は大激怒する。もともとアリーに対して恋愛感情をいっさい持った事がなかった五子だが、アリーが3000万円もする時計を手に付けた途端、アリーとの恋も悪くないのではと思い始める。(エピソード「山田五子ものがたり」)

城南学院大学に通う杉浦圭一は、大学に通っても太郎に思いを寄せ続ける。そのため、太郎が自分の家のスーパーでアルバイトしているとわかると、急いで帰宅をする。この状況をよしとしない圭一の母は、圭一にお見合いをさせる事になる。(エピソード「杉浦圭一ものがたり」)

太郎をはじめ、山田家の子供達は成長し、それぞれがアルバイトでお金を稼いできたりするようになり、生活が豊かになってきた。すると太郎は、少し贅沢をしてみる事を提案し、非常食として飼っていた矢島敦士をペットとして飼う事を決め、矢島に幸せな生活が訪れる事になる。(エピソード「矢島敦士ものがたり」)

中学校を卒業した山田よし子は、御村託也の祖父の提案により、託也の家で行儀見習いをする事となった。結婚までの道のりを順調に進んでいるように見えているが、託也が自分への思いを言ってくれない事から、よし子は不安になっていく。さらによし子は、過去に託也が北条汪子対して「年上の女性は苦手」と言った事を気にしており、体が成長しないように食事を控えたりし始める。(エピソード「山田よし子ものがたり」)

太郎がまだ高校1年生の頃の物語。アルバイト代で弟や妹達の給食費を賄う太郎に、大きな問題が立ちふさがる。それは、母親の山田綾子が洗剤と引き換えに契約をしてしまった新聞の代金である。新聞代として3000円を払うと給食費が払えなくなってしまうため、太郎は新聞の集金が日曜まで来ない事を願っていた。そんな中、人の気配を感じた太郎は、家の灯りを消し、居留守を使ってその場を乗り切ろうとする。(エピソード「山田太郎ものがたり」)

山田和夫は家に居付く事はなく、フラフラと外を出歩く事が多い。時には海外に出かけてしまう事もあるが、ある時、和夫は宇宙人にさらわれてUFOに乗せられてしまう。実験材料にされそうになった和夫は宇宙人を誘惑し、肉体関係を持って自由を得るが、これによりUFOの中では修羅場が発生してしまう。(エピソード「山田和夫ものがたり」)

登場人物・キャラクター

主人公

8月2日生まれ、獅子座。血液型はA型。初登場時は私立一ノ宮高校1年生。両親と6人(後に3つ子が増える)の大家族の長男。大学は城南大学農学部に進学。毎日家計のやりくりで頭を悩ませ、バイトで肉体労働をして... 関連ページ:山田 太郎

山田太郎の友人。私立一ノ宮高校の1年生。有名なお茶の家元の出身でお金持ち。祖父、両親と姉が2人いる。大学は太郎と同じく城南大学(学部は違う)。楽しいことが好きでかなりの愉快犯であり、常に人をからかって... 関連ページ:御村 託也

山田太郎の友人。両親と平凡な家庭で育った。ズボラな両親のことが嫌いで、私立一ノ宮高校で玉の輿を狙っている。太郎のことが好き。当初は太郎が貧乏だと知らず、玉の輿に乗る予定だったが真実を知り一度は諦めた。... 関連ページ:池上 隆子

初登場時は私立一ノ宮高校2年生。山田太郎を目の敵にしていて、最初はいちゃもんばかりつけていたが、ある出来事をきっかけに太郎を意識するようになった。それから事あるごとに周りに現れるようになる。大学は太郎... 関連ページ:杉浦 圭一

山田太郎の母親。もともとはそれなりのお金持ちだったが、借金を抱えてしまい貧乏に。山田和夫の玉の輿に乗る予定だったが失敗してしまい、結局貧乏のままズルズルと過ごしている。価値観がかなりずれており、太郎が... 関連ページ:山田 綾子

山田太郎の父親。14歳の時に父親のツテで山田綾子と知り合い、絵のモデルを務めてもらうところから関係がスタートする。両親は医者で、今はソマリアでボランティア活動をしている。彼自身は、家にいることは珍しく... 関連ページ:山田 和夫

山田家次男。山田太郎のつらさを目の当たりにしているためか、しっかり者。番外編では家を出た太郎に変わり家計をやりくりしている。太郎のことが大好きで太郎が高校の修学旅行に行けそうになかったときは、弟妹の先... 関連ページ:山田 次郎

山田家三男。番外編では、たこ焼き屋のバイト中に出会った年上の女の人と一夜を過ごし、そのまま17歳で父となる父ちゃん似。可愛い思ったものはストレートに可愛いというなど、素直な性格。ふわふわした雰囲気だが... 関連ページ:山田 三郎

山田家四女。しっかり者で、たいていの家事はこなしている。御村託也の祖父に気に入られて、彼公認の嫁となった。かなり積極的で、嫁になることが決まった時にいきなり唇にキスをした。番外編では、成長してしまった... 関連ページ:山田 よし子

山田家の五女。食べ物が大好きで矢島敦士をおかずにご飯を食べたり、運動会のパン食い競争でパンを全部食べたりしている。番外編では、医者と片っ端から交際して玉の輿を狙っている。幼少期に出会ったアリーという王... 関連ページ:山田 五子

山田 六生

山田家六男。山田七生とは双子。ミステリアスな男の子で8歳児にもかかわらずどこか妖艶な雰囲気をもっている。母のいたずらで女装したときは七生よりかわいいと近所で評判になった。女の子としてモデルをつとめた経験もある。七生とはお互いのことを呼び捨てで呼び合っており、仲は良い。

山田 七生

山田家7女。山田六生とは双子。元気で活発な少女。とても健康的で、六生とは真逆。五子と似ていて自分の容姿に自信を持っている。そのため、六生と比較されたとき、彼の方が可愛いといわれてかなり落ち込んだ。六生とはお互いのことを呼び捨てで呼び合っており仲は良い。

鳥居 京子

山田太郎のクラス担任。太郎が貧乏であることを知っており、食べ物を分け与えたり、進路を気にしていたりしている。自分の恋人にお願いし、太郎の特待生を支持してもらうように頼んだりと、体をはることもあるいい先生。恋人、永原教授の顔と体が好みで、性格が悪いのを我慢して付き合っている。

もともとは非常食として飼われた犬だが、山田家の異常な目に怯えて、逃げたり、ほかの人に逃がしてもらったりしていた。最終的にはきちんとペットとして認めてもらった。犬種は赤犬で小型犬。常に怯えた目をしている... 関連ページ:矢島 敦士

書誌情報

山田太郎ものがたり 全15巻 角川書店〈あすかコミックス〉 完結

第1巻

(1996年4月発行、 978-4049245882)

第2巻

(1996年8月発行、 978-4049246131)

第3巻

(1996年12月発行、 978-4049246360)

第4巻

(1997年6月発行、 978-4049246742)

第5巻

(1997年11月発行、 978-4049247039)

第6巻

(1998年2月発行、 978-4049247190)

第7巻

(1998年7月発行、 978-4049247428)

第8巻

(1998年11月発行、 978-4049247572)

第9巻

(1999年2月発行、 978-4049247671)

第10巻

(1999年7月発行、 978-4049247879)

第11巻

(1999年12月発行、 978-4049248036)

第12巻

(2000年3月発行、 978-4049248173)

第13巻

(2000年7月発行、 978-4049248265)

第14巻

(2000年12月発行、 978-4049248470)

第15巻

(2007年9月22日発行、 978-4049250497)

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