あらすじ
義理のきょうだいになった元カップル
シングルだったお互いの両親が再婚したことで、伊理戸水斗と伊理戸結女は一つ屋根の下で暮らすことになった。だが、水斗と結女はほんの2週間前まで交際しており、気持ちのすれ違いから破局していた。そして二人は、奇(く)しくも同じ高校に入学することが決まっていた。そのような成り行きから、水斗と結女は両親の前では良好な関係を演じるものの、二人きりになるとケンカばかりをしていた。しかし、一つ屋根の下で暮らす中で、水斗と結女は再びお互いを意識するようになっていく。そして訪れた高校の入学式の日、二人は運悪く同じクラスになってしまう。新入生代表を務めた結女の周りには自然と人が集まってきて、彼女はクラスの序列の頂点に君臨することとなった。すると次の日、今度は水斗の周りに人だかりができ、彼は何が起こったのかと困惑する。
結女の体調不良
伊理戸結女はもともと根暗な性格だったが、完璧な人間だと周囲に印象づけるため、毎日無理をしながら生活を送っていた。結女は何とか人付き合いはうまくこなしていたが、唯一運動だけは克服できずにいた。そして体力測定の日、結女は彼女なりに一生懸命こなしてそれなりの結果を出すが、途中で無理がたたって倒れてしまう。その姿を見た伊理戸水斗は、すかさず彼女を助けに入り、結女の胸は思わず高鳴るのだった。結女はそのまま発熱して学校を休むこととなるが、結女の友達である南暁月が、お見舞いに行きたいと水斗に申し出る。
結女と下着
ある日、伊理戸結女は自宅の脱衣所で、伊理戸水斗の下着を目にしてしまう。思わず結女が下着を手に取ったところ、運悪く水斗が帰宅する。焦った結女は、水斗の下着を元に戻すことができず、自室に持ち帰ってしまう。その後、なんとか水斗にばれずに元の場所に下着を戻した結女だったが、今度は自分のブラジャーが不自然な位置に置かれていることに気づく。
暁月の企み
ある日の放課後、伊理戸結女は伊理戸水斗が知らない女子とカフェにいる姿を目撃する。さらに別の日に結女が帰宅すると、水斗の靴と並んで女性のローファーがあり、結女は水斗に彼女ができたのではないかと焦りを覚える。実は結女の知らないところで、水斗は南暁月からのしつこいつきまといに遭っていた。暁月は結女に執着するあまり、水斗と交際して結婚すれば、結女と家族になれると考えていたのだ。勝手に家に入り込むなど常軌を逸した言動を見せる暁月の暴走を止めたいと思う一方で、水斗は何も知らない結女との友情を壊すようなこともしたくないと思っていた。そこで水斗は、川波小暮に協力してもらい結女とデートをし、二人の関係が強固なものであり、暁月が入り込めないことを印象付ける作戦を決行する。この事情を知らない結女は、水斗とのデートを戸惑いながらも受け入れ、二人は楽しい時間を過ごす。
緊張の席替え
伊理戸水斗と伊理戸結女が在籍するクラスの担任から、今日の午後から席替えをすることを知らされる。現在は水斗と結女は前後の席になっており、水斗はやっと緊張感のある配置から解放されることに安堵(あんど)する。それと同時に水斗が中学生の時、結女ととなりの席になるために、おまじないのようなことをしていた過去を思い出す。
二人の母の日
伊理戸水斗と伊理戸結女が義理きょうだいになってから、初めての母の日が訪れる。二人の連名で母親にプレゼントを贈ることで、伊理戸由仁にとっての安心感につながるのではないかと考えた結女は、水斗を誘って街に買い物に出掛ける。そして改めてお互いの両親の話をした二人は、再婚したばかりの両親にも二人きりの時間が必要なのではないかと思い立つ。
メディア化
テレビアニメ
2022年7月、本作『継母の連れ子が元カノだった』のテレビアニメ版『継母の連れ子が元カノだった』がAT-Xほかで放送された。製作はproject No.9が担当している。キャストは、伊理戸水斗を下野紘、伊理戸結女を日高里菜が演じている。
登場人物・キャラクター
伊理戸 水斗 (いりど みずと)
高校1年生の男子。父親の伊理戸峰秋が伊理戸由仁と再婚したため、元彼女の伊理戸結女と義理のきょうだいになった。誕生日は結女と同じだが、11時34分生まれ。早く生まれた自分が姉になるべきと主張する結女に対し、双子はあとに生まれた方が長子となる決まりがあることを引き合いに出して、自分が兄だと言い張っている。結局決着はついていないが、高校入学後は、結女の義弟ということで周知されたため、学校では弟として振る舞っている。結女とは中学2年生の夏に知り合い、付き合い始めたが、嫉妬がきっかけですれ違い、関係は修復不可能となった。付き合いは中学3年生になった頃、早々に破たんしてしまったものの、互いに行動を起こすことなく時間だけが過ぎ、中学卒業を間近に控えた2月半ば、ようやく明確に破局を迎えた。中学時代、自分も結女も片親だったため、金銭的負担という観点と伊理戸水斗自身が通う中学校からの進学実績のない私立の難関進学校を受験することで、気まずい関係となった結女と同じ高校になることを避けようとした。しかし、互いに同じ考えを持った結果、同じ高校に入学することになる。ちなみに、特待入試制度を利用し、成績優秀者として合格したため、学費の問題はクリアしている。高校入学後は、一躍人気者となった結女の影響で、結女に下心のある数多の男子たちから言い寄られることになるが、すべて突っぱねている。その後、本心で友達になりたいと接近してきた川波小暮と、友人関係を築くことになる。読書好きで、部屋は本がいっぱいある。男所帯だったため、料理は人並みにできる。
伊理戸 結女 (いりど ゆめ)
高校1年生の女子。母親の伊理戸由仁が伊理戸峰秋と再婚したため、元彼氏の伊理戸水斗と義理のきょうだいになった。誕生日は水斗と同じだが、水斗よりも30分以上先に生まれていることを引き合いに出し、姉になるべきは自分だと主張。水斗は、双子はあとに生まれた方が長子となる決まりがあることを理由に、自分が兄だと言い張ったため、決着はついていないが、高校入学後は、水斗の義姉ということで周知されたため、学校では姉として振る舞っている。水斗とは中学2年生の夏に知り合い、付き合い始めたが、嫉妬がきっかけですれ違い、関係は修復不可能となった。付き合いは中学3年生になった頃、早々に破たんしてしまったものの、互いに行動を起こすことなく時間だけが過ぎ、中学卒業を間近に控えた2月半ば、ようやく明確に破局を迎えた。自分も水斗も片親だったため、金銭的負担という観点と、伊理戸結女自身が通う中学校からの進学実績のない私立の難関進学校を受験することで、気まずい関係となった水斗と同じ高校になることを避けようとした。しかし、互いに同じ考えを持った結果、同じ高校に入学することになった。ちなみに、特待入試制度を利用し、首席での合格を果たしたため、学費の問題をクリアしているだけでなく、入学式では新入生代表を務めるに至った。そのため、高校では一躍人気者となり、登校初日にしてクラスカーストの頂点に君臨する。特にクラスメートの男子からはあこがれのマドンナ的な存在となった。サラサラストレートのロングヘアで、清楚で利発そうな印象だが、かなり勝気で素直になれない性格の持ち主。もともと中学生の頃は人見知りがひどく、体育の授業で相棒を見つけることにすら苦労するどんくさい印象だった。しかし水斗と付き合った経験から、コミュニケーション能力が著しく向上し、中学3年生になる頃には友達も増えた。料理は苦手で、水斗と付き合っていた際、一度だけお弁当を手作りしたことがあったが、水斗には産業廃棄物ばりの出来だったと評されている。時々思い付きで大胆な行動を起こしがちなところがある。再婚前の苗字は綾井だったため、水斗からは「綾井」と呼ばれていた。
伊理戸 由仁 (いりど ゆに)
伊理戸結女の実母。伊理戸峰秋と再婚し、伊理戸水斗の義母となった。明るい性格でかわいらしい笑顔を浮かべ、いつも若々しい。峰秋とは今もラブラブな状態。私立の難関進学校に合格した結女と水斗を誇らしく思い、入学を心から喜んでいる。
伊理戸 峰秋 (いりど みねあき)
伊理戸水斗の実父。伊理戸由仁と再婚し、伊理戸結女の義父となった。伊理戸峰秋自身の再婚に際し、年頃の男女が同居することに不安を感じていたが、実際に四人での生活を始めると、穏やかに暮らせていることに安堵している。
川波 小暮 (かわなみ こぐれ)
伊理戸水斗と伊理戸結女と同じ学校に通う男子で、二人のクラスメート。周りの男子たちが結女目的で水斗に接近しようとする中、純粋に下心なしで水斗に話し掛けた。最初は結女目的とカンちがいした水斗から、軽薄そうな外見を指摘され、結女には絶対に近づかせないとけん制されるが、結女目当てではないと説明して水斗と友人関係を築くことになる。明るくノリが軽いこともあって軽薄そうに見えるが、実際は誠実な性格の持ち主。
南 暁月 (みなみ あかつき)
伊理戸水斗、伊理戸結女と同じ高校に通う女子。二人とはクラスメイト。入学してから結女と親しくなり、彼女にとって初めての友達となる。まるで小動物のような愛嬌(あいきょう)のあるかわいらしい容姿で、明るく誰とでも親しくなれる性格の持ち主。天然気味に見えるが、周囲のことをしっかりと観察している。水斗と結女の関係性も、ただの義理きょうだいではないということを、早くから見抜いていた。また、結女と親しくしていくうちに彼女に執着するようになり、水斗と交際して結婚すれば結女と家族になれると考え、積極的なアプローチを開始する。運動は面倒だから好きではないものの、いざやってみるとずば抜けた能力を発揮する。
クレジット
- 原作
-
紙城 境介
- キャラクター原案
-
たかやKi
書誌情報
継母の連れ子が元カノだった 8巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉
第1巻
(2019-12-09発行、 978-4040733937)
第2巻
(2020-07-09発行、 978-4040737157)
第3巻
(2021-05-08発行、 978-4040740577)
第4巻
(2022-05-09発行、 978-4040744612)
第5巻
(2022-12-09発行、 978-4040747828)
第6巻
(2023-07-07発行、 978-4040750545)
第7巻
(2024-01-09発行、 978-4040752846)
第8巻
(2024-07-09発行、 978-4040755243)