概要・あらすじ
妹の雪影は健康で成績もいいが器量の良くない少女、姉の花影は美しいが足が悪く病弱で学校にも通えない女性。対照的な姉妹に、両親と祖母は花影ばかりを可愛がり、何かにつけて雪影の事は後回しだった。高校のアイドル的存在である石塚が親切だったのも花影のことが知りたいがためだった。雪影の心は屈折していく。
そんな誰からも愛されていた花影が川から水死体で発見されたのだった。
登場人物・キャラクター
雪影 (ゆきえ)
ショートカットの地味で目立たない中学生。家族から溺愛される美しい姉の花影とは対照的で、、誰からも関心を持たれない。成績は優秀で目指す高校へ進学したいが、商業高校で充分とそれすらも叶わない。いつしか雪影の心は屈折していく。
花影 (はなえ)
主人公の姉。足が悪く、病弱で高校にも行けず、たびたび病院にかかっている。長い黒髪に大きな瞳の美人で、おっとりとした優しい性格。病院の息子石塚のことが気になって雪影に相談を持ちかける。
雪影の祖母 (ゆきえのそぼ)
雪影と花影の祖母。病弱な花影を溺愛し、死体のあがらない花影を探すために、「ニワトリは死者の在り場所を告げる長鳴鳥(ながなきどり)」という言い伝えを信じて、飼っていた雄鶏を抱えてボートに乗り、見事に花影の水死体を探し当てる。
石塚 (いしづか)
雪影の学校の三年生。県の模試で一位をとり、サッカーでも有能で学校中の憧れの男性。花影の通院する病院の息子で、花影に感心をしめす。