ふしぎ遊戯

ふしぎ遊戯

渡瀬悠宇の代表作。不思議な本の世界で運命の恋人・星宿と出会った中学三年生の女子・夕城美朱。四神を巡る戦いに巻き込まれながら、美朱は神獣・朱雀の力を借りて世界を救っていく。小学館「少女コミック」1991年1号から1996年12号まで連載。1995年4月のテレビアニメ化をはじめ、ノベライズやゲーム化もされている。

正式名称
ふしぎ遊戯
ふりがな
ふしぎゆうぎ
作者
ジャンル
アドベンチャー
 
ファンタジー
レーベル
コミック文庫(女性)(小学館)
巻数
既刊10巻
関連商品
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概要・あらすじ

夕城美朱本郷唯は、高校受験を控えた中学3年生。2人は図書館で偶然手にした古書・「四神天地書」のなかに吸い込まれてしまう。そこは青龍、朱雀、玄武、白虎の四神を祀る4つの国が治める世界。異世界から来た少女は、神獣を呼び出し3つの願いを叶えられる巫女の力を持つ。美朱はそこで朱雀の巫女を守る朱雀七星士の鬼宿星宿らと出会う。

そして鬼宿と恋に落ち、時空を超えた愛を誓い合った。いっぽう唯は冷酷な青龍七星士の心宿に籠絡され、その野望のため青龍を呼び出す巫女として利用される。美朱は唯を助けて元の世界に戻るべく、巫女として朱雀を呼び出すことを決意。

そして心宿の陰謀を砕くため、朱雀七星士とともに神獣の召喚に必要な神器・神座宝を探し出した。神座宝を奪った唯が先に神獣・青龍を呼び出すが、心宿の陰謀を知って朱雀の召喚に協力。心宿は朱雀に倒され、美朱は現実の世界で鬼宿と結ばれた。だが間もなく神になろうと企む魔神・天罡が、その障害となる朱雀を抹殺すべく両方の世界で暗躍しはじめる。

美朱鬼宿は再び時空を行き来しながら、朱雀を復活させて天罡を滅ぼす。

登場人物・キャラクター

夕城 美朱 (ゆうき みあか)

都立第三中学校3年生。1977年5月12日生で、身長158cm。両親は離婚しており、母親と大学生の兄・夕城奎介と3人暮らしをしている。料理下手だが大食いで、天真爛漫かつおおらかな性格。ただし当初は高校受験で母親から過度なプレッシャーを与えられ、不満を抱いていた。「四神天地書」の世界では朱雀の紅南国で朱雀七星士を全員見つけ出した後、神獣の召喚に必要な神座宝を求めて玄武の北甲国、白虎の西廊国を旅する。 朱雀を呼び出した際、1つめの願いで本郷唯を取り戻し、2つめの願いで青龍を封印、3つめの願いで鬼宿を現代に蘇らせた。心宿を倒した後、唯とともに都立四ツ葉台高校へ進学する。

鬼宿 (たまほめ)

「四神天地書」の世界の住人。琮鬼宿の名で暮らす朱雀七星士の1人(鬼宿は七星名)で、額に「鬼」の字を持つ。17歳、身長180cm。家族のため1人で出稼ぎをして働いていた。純粋な熱血漢だが、商売っ気たっぷりな一面も。初めて「四神天地書」の世界に迷い込んだ夕城美朱と本郷唯を助けた。 言い伝えられてきた朱雀の巫女に幼い頃から憧れを抱いており、異世界からやって来た美朱と恋に落ちる。心宿を倒した後に宿南魏として現代に生まれ変わり、ようやく美朱と結ばれたが、生まれ変わる際に7つの記憶を天罡に奪い取られて不完全な存在となった。そのため魏と美朱は天罡との死闘を経て7つの記憶を取り戻し、朱雀を復活させる。

星宿 (ほとほり)

「四神天地書」の世界の住人で、紅南国第4代皇帝・彩賁帝。かつ朱雀七星士の1人でもある。首に「星」の字を持つ。18歳、身長182cm。穏やかで平和的な性格。女性のような美貌に自信を持つナルシストの一面も。星宿も朱雀の巫女に思いを寄せており、夕城美朱に愛を告白する。 だが鬼宿を選んだ美朱を尊重し、素直に身を引いた。皇帝の執務のため神座宝探しには同行せず、その間に柳宿とそっくりな妃・鳳綺を娶る。鳳綺は皇太子・芒辰を身ごもるが、星宿は誕生を見ることなく心宿との戦いに倒れた。その後は精神だけの存在となって登場する。

本郷 唯 (ほんごう ゆい)

都立第三中学校3年生で、身長162cm。夕城美朱とは幼稚園からの親友。初めて美朱と「四神天地書」の世界に入った際、鬼宿に一目惚れする。間もなく現実の世界に戻るが、再び本のなかに入った美朱が危険な目にあっていることを知り、助け出そうと後を追う。だが暴漢に襲われたうえ、救い出した心宿によって美朱のせいでレイプされたと思い込まされる。 唯は美朱への憎悪に我を忘れ、心宿の意のままに巫女として青龍を呼び出した。1つめの願いで朱雀を永久に封印、2つめの願いで美朱を鬼宿と別れさせるため自分と一緒に現代の世界に戻す。だが心宿の企みを知って正気に戻り、3つめの願いで美朱に朱雀を呼び出す力を与えた。 心宿が倒された後、美朱とともに都立四ツ葉台高校へ進学。哲也とつき合うようになる。

夕城 奎介 (ゆうきけいすけ)

夕城美朱の兄。K大に通う大学生で、中国語ができる。一時的に現代の世界に戻った美朱から「四神天地書」のことを知り、半信半疑ながら親友の哲也とともに調査を始めた。やがて玄武の巫女が日本語版翻訳者・奥田永之介の娘・奥田多喜子、また白虎の巫女が奥田の親友の娘・大杉鈴乃だったことを突き止める。

柳宿 (ぬりこ)

「四神天地書」の世界の住人。迢柳娟として暮らしていた朱雀七星士の1人で、胸に「柳」の字を持つ。18歳、身長166cm。女性にしか見えないが、実は女装の男性。妹の名・康琳を名乗って彩賁帝(星宿)の後宮にいたが、星宿との関わりはなかった。当初は星宿を愛していたが、やがて女装を止め男性として青龍七星士らと戦うように。 体格は華奢だが、怪力の持ち主。心宿が放った青龍七星士の1人・尾宿と刺し違えて絶命した。その後は精神だけの存在となって登場する。

翼宿 (たすき)

「四神天地書」の世界の住人で、朱雀七星士の1人。侯俊宇、別名・幻狼として山賊をしていた。右腕に「翼」の字を持つ。17歳、身長178cm。鉄扇を振るう炎の技烈火神焔を得意とする。口は悪いが実は純情な直情径行タイプ。密かに夕城美朱を意識していた。

軫宿 (みつかけ)

「四神天地書」の世界の住人で、朱雀七星士の1人。妙寿安の名で紅南国北部の村で医師をしていた。左手に「軫」の字を持つ。22歳、身長199cm。病気、けがなどを治す能力を持つが、最愛の女性・少華を病から救えなかったため世捨て人となった。いかつい外見で寡黙だが、内面はやさしい。 心宿が起こした倶東国と紅南国の戦争で戦死。その後は精神だけの存在となって登場する。

井宿 (ちちり)

「四神天地書」の世界の住人で、朱雀七星士の1人。右足に「井」の字を持つ。24歳、身長175cm。「四神天地書」の世界を守護する仙人・太一君の下で3年修行し、さまざまな術を使いこなす。かつて李芳准と呼ばれていた。自分の許嫁を奪った親友を見殺しにしたことがあり、その際に負った顔の傷を隠すために笑い顔の仮面をつけている。 普段はしばしば3頭身になるなど、コミカルでひょうひょうとしたキャラクター。

張宿 (ちりこ)

『四神天地書』の世界の住人で、王道煇として暮らしていた朱雀七星士の1人。左足に「張」の字を持つ。13歳、身長148cm。年齢の割に小柄で性格は大人しい。ずば抜けた知力を有し、科挙でも優秀な成績を修めた。ただし足の「張」の字がしばしば消え、その間は知力を発揮できない。青龍七星士の箕宿に肉体を乗っ取られた際、自分もろとも相手を倒そうとして自害した。 その後は精神だけの存在となって登場する。

心宿 (なかご)

「四神天地書」の世界の住人で、青龍七星士の1人。紅南国の隣国・倶東国で将領として兵力の3分の2を掌握する。15歳、身長193cm。金髪碧眼の濱族の出身。濱族は魔王を崇める呪われた一族と呼ばれる。心宿は14年前に倶東国の領土拡大で一族を滅ぼされ、奴隷同然で宮廷に連れて来られた。 「四神天地書」の世界を支配する野望を抱き、異世界からやって来た本郷唯を利用する。青龍を呼び出した唯が朱雀を永遠に封印した後、紅南国への侵攻を開始した。やがて兵を翻して倶東国の宮廷を襲い、皇帝を惨殺。青龍に「永遠の生命と超越した力を持つ神になる」という願いを叶えさせるつもりだったが、唯の裏切りで鬼宿に倒された。

房宿 (そい)

「四神天地書」の世界の住人で、青龍七星士の1人。西域・寧族の娘・白花婉。19歳、身長170cm。雷を操る力を持つ。7年前に出会った心宿を慕い続け、房中術で気を高めるため床の相手もしていた。紅南国に攻め入った際に槍で狙われた心宿を助けるため、身代わりになって死亡。

角宿 (すぼし)

「四神天地書」の世界の住人で、青龍七星の1人。倶東国・山雲省出身の孤児・武俊角。双子の兄で同じく青龍七星の1人・亢宿(武亢徳)が朱雀七星士に殺されたと思い込み、心宿の手下として夕城美朱らを狙う。鬼宿の家族を殺した。本郷唯に恋心を寄せ、嫉妬心から鬼宿を目の敵にする。 唯が朱雀を永遠に封印する願いを叶えたことで無力となった鬼宿を追い詰めるが、返り討ちにあって死亡。

太一君 (たいいつくん)

「四神天地書」の世界の住人で、巫女と七星士を導く仙人。選ばれた者しか入れない大極山に住む。かつて紅南国の初代皇帝に「四神天地書」を与えた。さまざまな術を通じて、夕城美朱と朱雀七星士を背後から支える。

天罡 (てんこう)

「四神天地書」の世界の住人で、濱族が崇めていた魔神。もとは飛鳥時代ころの日本の皇子だった。唐から伝わった「四神天地書」を通じて鬼道に狂い、処刑されて怨念となる。やがて四神の力で高松塚古墳石室に封印されるが、ともに葬られた「四神天地書」に自分の念を移した。 心宿と通じ合い、鬼宿が生まれ変わる際に奪った7つの記憶で復活しようとする。だが朱雀七星士と夕城美朱らに滅ぼされた。

その他キーワード

四神天地書 (しじんてんちしょ)

『ふしぎ遊戯』に登場する本。四神教という邪教に基づき、4つの神獣を呼び出す呪文を1つの経典にまとめた書。神獣を呼び出した巫女は、強い意志がないとその生け贄として体を蝕まれてしまう。夕城美朱が図書館で見つけたのは、大正時代の作家・奥田永之介が翻訳した日本語版。原本はかつて中国に存在した。 唐の時代に日本へ伝わり、高松塚古墳にも巻物の形で封印されている。「四神天地書」のなかの世界と現実の世界は、お揃いの学生服などペアになったアイテムなどで交信可能。ページが開かれていると自由に現実の世界に戻れるが、閉じられると中の世界に閉じ込められてしまう。

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書誌情報

ふしぎ遊戯 10巻 小学館〈コミック文庫(女性)〉

第1巻

(2003-08-09発行、 978-4091915115)

第2巻

(2003-08-09発行、 978-4091915122)

第3巻

(2003-09-13発行、 978-4091915139)

第4巻

(2003-09-13発行、 978-4091915146)

第5巻

(2003-10-15発行、 978-4091915153)

第6巻

(2003-10-15発行、 978-4091915160)

第7巻

(2003-11-15発行、 978-4091915177)

第8巻

(2003-11-15発行、 978-4091915184)

第9巻

(2003-12-13発行、 978-4091915191)

第10巻

(2003-12-13発行、 978-4091915207)

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