ふしぎ遊戯 白虎仙記

ふしぎ遊戯 白虎仙記

渡瀬悠宇の代表作『ふしぎ遊戯』のスピンオフ第2弾。「四神天地書」という書物の中の、「四正国」と呼ばれる異世界が舞台。大正12年、8歳の少女、大杉鈴乃は、震災がきっかけで「四神天地書」の中に吸い込まれ、美青年カサル=ツォニェ(婁宿)と運命の出会いを果たす。白虎の巫女(みこ)となる鈴乃を主人公にした冒険恋愛ファンタジーで、小学館「月刊flowers」2017年10月号より2018年6月号まで隔月連載。作者体調不良による休載を経て、2024年7月号より連載を再開した。

正式名称
ふしぎ遊戯 白虎仙記
ふりがな
ふしぎゆうぎ びゃっこせんき
作者
ジャンル
その他歴史・時代
 
転生
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
巻数
既刊2巻
関連商品
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白虎の巫女・大杉鈴乃を主人公にしたスピンオフ第2弾

朱雀の巫女、夕城美朱と青龍の巫女、本郷唯を描いた本編『ふしぎ遊戯』(朱雀・青龍編)は、1992年から1996年まで、小学館「少女コミック」に連載された、渡瀬悠宇の代表作の一つ。テレビアニメ化されたほか、OVA、小説、舞台、ゲームなど様々なメディアに展開された大ヒット作である。本作は、玄武の巫女・奥田多喜子を主人公にした『ふしぎ遊戯 玄武開伝』(玄武編)に続くスピンオフ作品。前2作にも登場した白虎の巫女、大杉鈴乃にスポットを当てた白虎編である。なお、本作に先駆け、小学館「月刊flowers」2015年4月号に掲載された読み切り作品『ふしぎ遊戯 白虎異聞』の主人公は、虎人(フウイン)の少女・寧蘭で、鈴乃ではない。

本編では描かれなかった鈴乃と婁宿の物語

「朱雀・青龍編」での鈴乃は、四正国で白虎の巫女になり、白虎七星士の一人、婁宿(カサル=ツォニェ)と相思相愛になった。しかし、四正国で婁宿と共に生きる願いは叶(かな)わず、一人で現実世界に生還し、数十年後に訪ねてきた美朱の兄、奎介に「四神天地書」について語った。一方、四正国に残った婁宿は、術で老化を止め、白虎廟で神座宝(鈴乃が持っていた鏡)を守り続ける。しかし、白虎廟を出れば一気に肉体が衰え、死を迎える運命にあった。本作は、鈴乃が白虎の巫女になった過程や、婁宿との出会いと別れなど、「朱雀・青龍編」では描かれなかったエピソードが綴られていく。

「玄武編」と「朱雀・青龍編」つなぐストーリー

本作で描かれる時代は、四正国の時間で「朱雀・青龍編」の約90年前。「玄武編」からは約20年が経過した世界である。なお、現実世界では大正12年にあたる。「玄武編」の直後、鈴乃の父・大杉高雄が、多喜子の父・奥田永之介から「四神天地書」の処分を依頼されたところから物語が始まる。燃やしても裁断してもビクともしない「四神天地書」に高雄が手を焼いていたある日、関東大震災が発生する。家屋の下敷きになった高雄は、「四神天地書」を抱きながら震えている鈴乃に、本を開くよう命ずる。鈴乃の命を救うためのやむを得ない選択であった。言われた通り本を開いた鈴乃は、異世界の四正国に飛ばされてしまった。

登場人物・キャラクター

大杉 鈴乃 (おおすぎ すずの)

三つ編みのおさげが特徴の少女。出版社に勤める大杉高雄の一人娘で、後の白虎の巫女。玄武の巫女となった奥田多喜子を慕っていた。8歳のとき、関東大震災に見舞われ、家屋の倒壊から逃れるために「四神天地書」を開き、異世界の四正国の西廊国に飛ばされた。西廊国では、美青年カサル=ツォニェに助けられるが、虎人の少女、寧蘭に襲われた際、大きな光りに包まれ、再び現実世界に戻る。震災ですべてを失い、父の顔見知りである医者に引き取られた。それから約10年後、17歳の少女になった鈴乃の前に、再び「四神天地書」が出現する。

カサル=ツォニェ

四正国の西廊国に住む美青年。褐色の肌と長い黒髪が特徴で、後の白虎七星士の一人、婁宿。故郷を失い、弟のカルムと旅をしていたところ、砂漠で倒れていた大杉鈴乃と寧蘭を発見する。優しい性格で、両親と離れて不安な気持ちでいた鈴乃を励ました。故郷を失って以来、なぜか人間の霊や怨念が見えるようになっている。

寧蘭 (ねいらん)

希少な存在である虎人(フウイン)の少女。虎に変身する能力を持っている。皇帝への献上品として運ばれている途中、隊商が盗賊に襲われ解放される。大杉鈴乃と一緒に倒れていたところを、カサル=ツォニェに救われた。鈴乃が大きな光に包まれ、現実世界に戻った直後、駆けつけた兵士が誤解したことを利用し、白虎の巫女に成りすます。

ベース

ふしぎ遊戯 (ふしぎゆうぎ)

渡瀬悠宇の代表作。不思議な本の世界で運命の恋人・星宿と出会った中学三年生の女子・夕城美朱。四神を巡る戦いに巻き込まれながら、美朱は神獣・朱雀の力を借りて世界を救っていく。小学館「少女コミック」1991... 関連ページ:ふしぎ遊戯

関連

ふしぎ遊戯 玄武開伝 (ふしぎゆうぎ げんぶかいでん)

渡瀬悠宇のSF『ふしぎ遊戯』のスピンオフ作品。『ふしぎ遊戯』ではあまり語られなかった初代巫女である奥田多喜子のストーリーが描かれる。「少女コミック増刊」2003年4月15日号から2004年2月15日号... 関連ページ:ふしぎ遊戯 玄武開伝

書誌情報

ふしぎ遊戯 白虎仙記 2巻 小学館〈フラワーコミックス α〉

第1巻

(2018-04-10発行、 978-4098701179)

第2巻

(2024-08-09発行、 978-4098726752)

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