概要・あらすじ
25歳の海藤福太郎の家は政治家一家。祖父、父ともに総理大臣を務めており、福太郎も長男として、その地盤を受け継ぐための教育をされてきた。仕方ないと自分の運命を受け入れた福太郎は、後援会への根回しをしながらそつのない演説をする。コンビニでガムを買おうと車を降りた福太郎は、ビルの角を曲がった時、両手にアイスクリームを持って走ってきた女の子とぶつかってしまう。福太郎の服にはアイスがべっとりついてしまい、アイスは台無しに。女の子は「久しぶりのギャラで買ったのに」と福太郎を責め立てた。時間のなかった福太郎は1000円を彼女に渡してあやまり、車に乗り込んだ。女の子は80円足りないと福太郎の乗る車を追いかけてきたが、なんとか彼女を振り切ることができた。それからしばらくして、福太郎は選挙に当選、国会への初登院を迎えた。記者の名前もきちんと覚え、新人らしさと坊ちゃんらしさを残しつつ、記者の質問に答える福太郎。そこに東京1区から初当選した女性、山田一斗がやって来た。彼女は元地下アイドルで記者の注目の的。その一斗が福太郎に気づくと会いたかったと80円を請求してきた。彼女は以前、福太郎とぶつかってアイスを落とした女の子だった。福太郎も一斗も所属するのは与党の「大国民党」。通常は首班指名に所属する党の代表を記入するのだが、一斗は自分の名前を書き、「国会の中を見ても国のリーダーにふさわしい人はいないので、私が総理大臣になる」と発言。衆議院本会議場を騒然とさせた。なんとか除名は免れた一斗だったが、なぜか福太郎は幹事長から彼女の面倒を見てほしいと頼まれてしまう。こうして政界の常識を知らずに発言してしまう破天荒な一斗に振り回される福太郎の日々が始まった。
登場人物・キャラクター
海藤 福太郎 (かいとう ふくたろう)
政治家一家に生まれた世襲議員。与党「大国民党」の新人議員であり、25歳で海藤家の長男。慶應大学卒で2年ほど父の秘書を務める。どんなに自分ががんばっても総理大臣だった父や祖父の影がついて回ることを自覚している。小さい頃から作り笑いが上手。後援会の人々や記者、地元の人たちの顔と名前をきちんと覚えている。トラブルがあっても瞬時に優先順位をつけて対応できるリーダー資質を持っている。
山田 一斗 (やまだ いっと)
元地下アイドルの女性。与党「大国民党」の新人議員で、25歳。初登院での首班指名に自分の名前を書き「自分が総理大臣になる」と発言。非常識なおバカ議員と言われる。記憶力はよく、一度聞いた演説を丸暗記できる。本当の両親がおらず、貧乏暮らしで進学もままならず、社会の底辺にいた。自分の名前を言うときには決めポーズがある。地下アイドルの時のグループ名は「涙目マリオネット」。