つむぐと恋になるふたり

一人でいることが大好きな女子高校生の森本紬は、突然の引っ越しを余儀なくされ、同じ高校に通う榊亮太郎の仕事場で居候生活を送ることになった。他人とかかわることを極力避けてきた紬が、誰かと過ごすことの心よさを知り、亮太郎に心惹(ひ)かれていく姿を描いた「友達から始まる」ラブ・コメディ。「デザート」2021年12月号から掲載の作品。

正式名称
つむぐと恋になるふたり
ふりがな
つむぐとこいになるふたり
作者
ジャンル
作家・漫画家
 
ラブコメ
レーベル
KC デザート(講談社)
巻数
既刊3巻
関連商品
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あらすじ

友達

高校1年生の森本紬は、生真面目で融通が利かない性格なことから、幼い頃に友人とのあいだで起きたトラブルが原因で、これまで「友達」という存在がトラウマとなっていた。そんなある日、紬の母が勝手に決めた引っ越しで、紬は母親の友達、亮太郎の母の好意に甘える形で、母子共々榊家に間借りさせてもらうことになった。その家は、同じ学校に通う3年生の榊亮太郎が仕事場として使用しており、同居生活を送ることとなる。実は亮太郎はプロの漫画家であり、仕事場には三人のアシスタントも出入りしていた。そのため、これまで人と接することを避けてきた紬にとって、ハードルの高い日常生活を送ることになるが、一方の亮太郎は親を安心させる材料になったと、紬と母親との生活を歓迎する。亮太郎は、つねに飾らない素のままの自分に優しく接してくれ、紬が他人に対して作る強固な壁をも壊していく。そして紬と亮太郎は、互いに友達がいないという似た部分があり、いっしょに過ごすうちに紬は亮太郎に共感し、飾らない亮太郎の言動一つ一つが紬の心の欠けた部分にすんなりと沁(し)みこんでいく。亮太郎も、そんな紬の素直な反応に好感を持つようになり、二人は他人といっしょに過ごすことの楽しさを体感していく。

榊亮太郎に恋をしていることを自覚した森本紬は、人を好きになることの素晴らしさを知り、いつしか自分の中の世界が少しずつ変わっていたことに気づく。そんな中、アシスタントの津田から、相手に正直な気持ちを伝えたことで友達を失ってしまった話を聞いた紬は、恋愛が今の良好な関係を失ってしまう危険性をはらんでいることに気づかされる。自分の感情が亮太郎に知られてしまうと、友達でいられなくなってしまうことを恐れた紬は、自分の気持ちを抑えようとする。そして考えた末、紬は亮太郎の仕事場を出て行くことを決め、紬の母と二人で生活する部屋を探し始める。しかし、亮太郎にはそんな紬の決意を理解してもらえず、二人はケンカ状態になってしまう。そんな中、漫画家仲間のちまるが亮太郎を訪ねて来る。仕事が行き詰まった亮太郎のサポートにやって来たちまるは、紬と共に画材屋に出かけることになる。

登場人物・キャラクター

森本 紬 (もりもと つむぎ)

高校1年生の女子。人付き合いが苦手で、融通の利かない性格から一人でいることが大好き。横断歩道は手を上げて渡る、ごはんは30回以上嚙むなど、決められたことに忠実で、周囲はその生真面目な性格を「公務員」と揶揄(やゆ)している。小学生の頃からつねに友達の話の聞き役だったが、友達から八方美人と非難されたことがある。この言葉に深く心が傷つき、それからは一人でいることを選ぶようになった。そのため、森本紬自身にとって友達という存在は、ある意味トラウマとなっている。時おり寂しく思う時もあるが、傷つくことのない一人の時間を大切にしていた。そんな中、紬の母が勝手に自宅を友達に貸す約束をしてしまったため、自分たちが住む場所を失い、急遽(きゅうきょ)亮太郎の母の好意に甘える形で部屋を間借りすることになった。同じ家で暮らすことになった漫画家の榊亮太郎は、自分と同じ学校に通う先輩。家でいっしょに過ごす時間が増え、仕事で忙しい母親に代わって食事も担当している。亮太郎とは、学校ではいっしょにお昼ご飯を食べたり、いっしょに出かけたりとプライベートを共にするうちに、良好な友達関係を築いていく。亮太郎と共に過ごす中で、一人だけではない時間も好きになり、亮太郎への思いが膨らんでいき、いつしか好意を寄せるようになる。自分の中の初めての感情に困惑しつつも、少しずつ周囲とのコミュニケーションを取りながら亮太郎との関係を深めていく。趣味は読書とオンラインゲームのソロプレイ。また予定を管理したり、計画を立てたりすることが大好き。

紬の母 (つむぎのはは)

森本紬の母親。女手一つで紬を育てたシングルマザー。明るい性格で人がよく、ポジティブだがおおざっぱでいい加減なところがある。友達が住むところがなくなったと知り、自分と紬が住む家を貸すことを勝手に決めてしまった。それにより、自分たちが住む場所を失うこととなったが、昔から付き合いのある友達、亮太郎の母が、二つ返事で空いている部屋を貸してくれることになり、紬と共に世話になることを決めた。紬のことをいつも心配しており、温かく見守っている。

榊 亮太郎 (さかき りょうたろう)

高校3年生の男子。プロの漫画家として活躍しており、月刊誌で大人気の「螺旋の家」を連載している。実は仕事が多忙なため、2度目の高校3年生活を送っている。現在もあまり登校できていない状況で、卒業できるかは怪しい状況にある。現在は実家の向かいに仕事場を設け、アシスタントも出入りしている。亮太郎の母からは、仕事場で何かあったらと健康面や防犯の面で心配されていたが、母親の知り合いの紬の母と共に森本紬が空き部屋に入居することになり、親を安心させるいい材料になったと榊亮太郎は胸をなでおろしている。そのため、紬たちが同じ家で暮らすことを歓迎している。紬とは、いっしょに料理をしたり出かけたりと、プライベートを共にする時間が増えていく。共に生活を送る中で紬に興味を持つようになり、友達からさらにそれ以上を求めるようになる。基本的に仕事が優先のため、学校を疎ましく感じていた。学校に特別仲のいい友達もおらず、同級生よりも年上のため、周囲も遠慮がちで距離を感じており、退学しようと思っていた。しかし、紬となかよくなったことで、学校に行こうという気持ちが芽生え、卒業したいと考えるようになった。紬と同居を始めてからは、仕事に必要なポーズモデルとして紬の写真を撮ることが多くなったが、実際は趣味で紬の写真を撮っている。好きな食べ物は海老(えび)で、どんな食べ物も海老が入っていると大喜びする。仕事でかかわる人たちからは、「先生」と呼ばれている。

亮太郎の母 (りょうたろうのはは)

榊亮太郎の母親。明るい性格で人当たりがよく、細かいことは気にしないタイプ。いつもファンシーな服に身を包んでいる。紬の母とは若い頃からの付き合いで、住む場所を失くしたと聞いて、空いた部屋を使っていいと二つ返事で快諾した。亮太郎が自宅前に仕事場を構えたことに関しては、健康面や防犯面からつねに心配している。そのため、紬の母と森本紬が空き部屋に入居することに安堵(あんど)し、同居を歓迎している。

津田 (つだ)

榊亮太郎のもとで、漫画家を目指して勉強中のアシスタントを務める男性。無邪気で明るく、いつも元気一杯のムードメーカー的な存在で人当たりがいい。現在は独身で彼女なし。早く連載作家になりたいと夢見ながら、彼女が欲しい、彼女に癒されたいという思いをつねに抱いている。仲のいい女友達が食事を作りに来てくれるなど、脈もあると感じながらも、なかなか進展しないでいる。その後、思い切って告白したものの、フラれてしまったため、結局仲のいい友達も失うことになってしまう。アシスタント仲間の久宝や長堀と仲がいい。

長堀 (ながほり)

榊亮太郎のもとで、漫画家を目指して勉強中のアシスタントを務める男性。早く連載作家になりたいと夢見ながら、仕事に集中するために彼女はいらないと断言している。アシスタント仲間の久宝や津田との関係は良好ながら、津田が恋愛に関して上から目線で語ることに苛立(いらだ)っている。亮太郎はもともと人を信用していないところがあり、これまで自分たちアシスタントも時間をかけて信頼関係を構築してきた経緯があるため、同居早々に気に入られている森本紬のことを少々疎ましく思っている。また、周囲に対してはつねに塩対応。

久宝 (くぼう)

榊亮太郎のもとで、漫画家を目指して勉強中のアシスタントを務める男性。いつも冷静沈着で、誰に対しても礼儀正しく丁寧に話し、メンタルが安定している。アシスタント仲間の津田や長堀との関係は良好ながら、津田が恋愛に関して上から目線で語ることには思うところがある。森本紬に対しては、ほかの人と同様に礼儀正しく接している。

中田 (なかた)

女子高校生。小学生の時、森本紬と同じ学校に通っていて仲がよかった。しかし、あることがきっかけでいっしょにいてもつまらないと紬に本音をぶつけ、それ以来、紬の友達という存在をトラウマにした張本人。彼氏と二人で映画を観に行った際、偶然に紬と再会。自分から声をかけたものの、軽くあしらわれてしまったため、紬に腹を立てた。その様子を見ていた彼氏に、紬はもともとあまり学校に来ていなかったし、空気が読めない変わった子だったと説明。きっと今も友達は一人もいないだろうと暴言を吐いた。中田自身が紬にした蛮行についてはまったく自覚していない。

ちまる

漫画家の女性。榊亮太郎とは割と仲がよく、ネームに詰まった亮太郎をサポートするために亮太郎の家にやって来た。三つ編みで眼鏡をかけており、優しくて人当たりがいい。亮太郎と同居人の森本紬がケンカしていることに気づき、相談に乗るべく紬を誘っていっしょに画材屋に買い物に出掛けた。実は女子高校生に強い興味を持っており、思わず「女子高生は神」と発言することもある。その後は紬と友達になり、メッセージIDの交換をした際には、女子高校生と友達になったと目を輝かせて喜んだ。

三嶋 (みしま)

出版社「公団社」のバロウ編集部に所属する男性。榊亮太郎を担当している。大柄な体型で、つねにスーツを着用している。肩下まで伸びるストレートのロングヘアがトレードマークで、口調が少々女性っぽい。亮太郎がネームに行き詰まり、3日間も音信不通になった際には血相を変えて家に乗り込んで来た。

書誌情報

つむぐと恋になるふたり 3巻 講談社〈KC デザート〉

第1巻

(2022-03-11発行、 978-4065271414)

第2巻

(2022-08-12発行、 978-4065288306)

第3巻

(2023-01-13発行、 978-4065304518)

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