恋愛ジャンキー

恋愛ジャンキー

女性に興味はあるものの交際経験のない会社員・榊原栄太郎がさまざまなタイプの女性と出会いを重ね、関係を深めていく姿を描いたラブコメディ。栄太郎の周囲で突発的にお色気ハプニングが起こり、これをきっかけにその女性とかかわりを持つようになるというのが、お決まりのパターンとなっている。

正式名称
恋愛ジャンキー
ふりがな
れんあいじゃんきー
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

女性との交際に自信が持てず、恋愛に消極的な榊原栄太郎は、自分の部屋でお色気ゲームに熱中していた。そんな彼を心配して、同居人にして同僚の幼なじみ尾美照好は、女性と付き合う事を勧める。口下手だからと合コンの申し出を断る栄太郎を尻目に、照好は出会い系のホームページにアクセスし、勝手に栄太郎の名前でメッセージを発信してしまう。その後、照好や照好の友人・椎名舞子の後押しや、合コンオフ会などの機会もあり、栄太郎はさまざまな女性と出会いを重ねていく。積極的にアプローチをかけて来る女性達にタジタジになりながらも、何人かと親しい関係になる事に成功する。(エピソード「い・け・な・い♥保険外交員」。ほか10エピソード収録)

第2巻

榊原栄太郎は、女子高校生の井出ミホに頼まれ、通学途中のミホに痴漢をする男を捕まえる事になる。その男はミホの友人の弟・山崎で、栄太郎から説得して痴漢をやめさせてほしいというのだ。栄太郎が山崎を捕まえるため、電車に乗り込んだその日、山崎は女子トイレに入ったミホを襲い、個室の中で二人きりになる。ミホは痴漢をやめるように山崎を諭すが、山崎は悪びれる事なく痴漢行為に及ぶ。なかなかトイレから戻って来ないミホを心配した栄太郎は、女子トイレに様子を見に向かう。(エピソード「犯人をつかまえろ!」。ほか10エピソード収録)

第3巻

二ノ宮絵夢は、榊原栄太郎の誕生日のお祝いにと、自分の家で手作りディナーを振る舞う事となった。そして、最後のメニューの準備を終えた絵夢は、パンティー一枚の姿で自分のバストにテザートを盛り付け、栄太郎の前に現れる。無防備な姿で食卓に横たわる絵夢に勧められ、栄太郎はデザートを食べ始める。自制心を保つので精一杯でしどろもどろの栄太郎に対し、絵夢は最後まで食べてくださいと誘い、恋愛の進展を迫る。(エピソード「究極のデザート」。ほか9エピソード収録)

第4巻

二ノ宮絵夢榊原栄太郎の部屋で、井出ミホが栄太郎に贈った手作りパジャマを窓から投げ捨てるが、窓の下にミホの姿を見つける。トゲのある言葉をミホにぶつける絵夢と、絵夢を困ったちゃん扱いするミホの、栄太郎を巡る女の意地がぶつかり合う。二人の板挟みで何も言えない栄太郎を交えた修羅場の中、同居人の尾美照好椎名舞子高木大介を連れて帰って来て、栄太郎を肴に宴会を始める。(エピソード「乙女のミッション」。ほか10エピソード収録)

第5巻

街を歩いていた榊原栄太郎尾美照好は、見覚えのない若い男性と歩いている椎名舞子を見かける。大通りを挟んで、目が合ってしまう照好と舞子。修羅場を心配して冷や汗をかく栄太郎をよそに、二人は親しげに合図を送り合う。栄太郎は、複数の相手と関係を持つ事をよしとする二人の行動が理解できず、舞子に疑問をぶつけると、考え方の違いから言い争いになってしまう。(エピソード「椎名さんの場合」。ほか9エピソード収録)

第6巻

夏休みになり、榊原栄太郎の妹・榊原あいが東京にやって来た。あいと買い物に出かけた栄太郎と二ノ宮絵夢は、三人で喫茶店で休んでいたところ、偶然、高木大介と出会う。思いがけずあいに会う事ができて大喜びの大介は、三人をダブルデートに誘う。栄太郎とあい、大介と絵夢のペアに分かれてボウリングをするが、大介の提案で負けたチームのペアは勝ったチームのペアにキスをする、というルールで勝負をする事になる。(エピソード「招かれざる人々」。ほか9エピソード収録)

第7巻

二ノ宮絵夢のアルバイト仲間の後押しにより、絵夢と榊原栄太郎は、絵夢の働くハンバーガーショップの控え室で二人きりになる。栄太郎に抱かれたい気持ちを、はっきりと伝えた絵夢は、いよいよ願いが叶うという思いに胸を高鳴らせる。お互いに気持ちを通わせた二人は、ついに身体を重ねる。まったく初めての経験にとまどい驚きつつも、絵夢は栄太郎の愛を再確認し、幸せな気持ちに満たされるのだった。その日の夜明け、ハンバーガーショップを出たあとの路上で、絵夢は自分から栄太郎にキスをする。(エピソード「愛の証明」。ほか8エピソード収録)

第8巻

仁科恵須美は、「さかきばらえいたろう」を名乗る尾美照好の正体を暴くため、デートをしていた。照好は恵須美のようなかわいい女性が清掃の仕事をしているのが珍しいと問うと、恵須美は掃除が好きになったきっかけを話す。そつなく優しく接し、親密な関係になろうとする照好を恵須美はかわそうとするが、次第に彼に思いを寄せるようになっていく。だが、照好が「さかきばらえいたろう」だと思っている恵須美は、友達の彼氏を好きになってはいけないと、照好ともう会わない事を決心する。(エピソード「本当の名前」。ほか9エピソード収録)

第9巻

二ノ宮絵夢の高校陸上部最後の記録会の日、榊原栄太郎は絵夢の応援をするため学校を訪れていた。絵夢の姿を見つけてカメラに収めようとしていたところに、栄太郎を変質者と勘違いした斑尾洋介が摑みかかる。誤解が解けたあと、洋介は絵夢への思いを栄太郎に告げ、ハイジャンプで絵夢に勝つ事を宣言する。半ば一方的に宣言を終わらせたあと、走り去る洋介を栄太郎は余裕の笑みで見送った。(エピソード「THE 勝負」。ほか8エピソード収録)

第10巻

榊原栄太郎は、井出ミホに対する自分の気持ちに気づき始める。一方のミホも、自分が栄太郎を思っている事を自覚する。互いに会いたいという気持ちを募らせた二人は、街中で偶然に再会した日、ついに結ばれる。一方で二ノ宮絵夢は、栄太郎と自分の心の距離が、少しずつ離れていくのを感じていた。絵夢は不安をかき消すように、ミホに栄太郎は渡さないと決意するのだった。(エピソード「STAY AWAY」。ほか9エピソード収録)

第11巻

投げやりな気持ちを抱えたまま、夜の街を歩き回っていた二ノ宮絵夢は、男に声を掛けられる。彼らはグラビア雑誌のスカウトを名乗り、グラビアアイドルにならないかと絵夢を誘う。この仕事をすれば何か変わる、という男達の言葉に絵夢の心は揺らいでいた。そして絵夢は榊原栄太郎の部屋へと向かい、ドア越しにスカウトを受けた事を伝える。(エピソード「祈り」。ほか9エピソード収録)

第12巻

芸能事務所の代表を務める枝古悦子が、新人アイドルの中田くららを連れて、榊原栄太郎尾美照好のところに挨拶にやって来た。その帰り際、悦子は二人を事務所主催のパーティーに誘う。一夜限りの無礼講で知られるそのパーティーに、成り行きで栄太郎の先輩・塩田譲地井姿子金渡三平も参加する事になった。しかし姿子は、パーティーを楽しみにしているようにも、譲といっしょにいる事を納得しているようにも見えない。譲と行動を共にする姿子のそんな普段と違う様子が、栄太郎は気になって仕方がない。(エピソード「シークレット・パーティー」。ほか9エピソード収録)

第13巻

ある朝、榊原栄太郎が職場に出勤すると、栄太郎の社員証が落とし物として届けられていた。届け主にお礼をするために、残した名刺に書かれていた風俗店に向かう栄太郎。指名に応じた拾い主・入江つくすは、街中で栄太郎が井出ミホと見間違え、呼び止めてしまった女性だった。ノリのいいつくすと、意気投合する栄太郎。何度かつくすの勤める風俗店に通ううち、栄太郎はつくすに店で働く理由を聞くと、彼女は大切な宝物があって、それを守っていると答えるのだった。(エピソード「カモン!カモン!」。ほか9エピソード収録)

第14巻

榊原栄太郎地井姿子は、丸太町恭也の行きつけのゲイバーで、彼と親しいバーのママ光一郎に頼み事をされた。光一郎は、自分が原因のトラウマで彼女を作れない恭也に、何とかして彼女を作ってあげてほしいと二人に頼み込む。近頃、恭也に気がある様子を見せる飯星咲子と恭也を引き合わせようと考えた二人は、栄太郎、姿子、恭也、咲子の四人でのダブルデートを計画する。(エピソード「今、あかされる過去」。ほか8エピソード収録)

第15巻

榊原栄太郎は近頃、身に覚えのない人違いをされる事が増えていた。街中で見知らぬ女性に声を掛けられ、エッチのテクニックをベタ褒めされたりと、栄太郎は困惑するばかり。声を掛けて来た女性から相手の情報を聞き出した栄太郎は、従兄の榊原勝之助が栄太郎を騙ってナンパをしまくっていた事を知り激怒する。一方、当の勝之助は懲りもせず、栄太郎の名前を名乗って合コンに参加していた。たまたま友人に誘われて、その合コンに参加していた地井姿子は、そこで栄太郎そっくりの勝之助に出会う。(エピソード「その名は勝之助」。ほか9エピソード収録)

第16巻

榊原栄太郎地井姿子は、お互いの気持ちを確認し、付き合い始めた。男性との交際経験がなく不慣れな姿子に、栄太郎は当分のあいだキス以上の事はしないと伝える。何かカップルらしい事をしようとしてみても、二人にはどうもなじまない。そんな中、尾美照好にムードが足りないと指摘された姿子は、雑誌で見たムードの作り方の記事を参考に、ムードたっぷりの部屋を作り込む。そしてある台風の日、姿子は栄太郎を部屋に呼びだしてお泊まりデートを敢行しようとする。(エピソード「ムードのない2人」。ほか8エピソード収録)

第17巻

榊原栄太郎地井姿子が以前にモデルとして出演した、ウエディングチャペルのCMの続篇の撮影が決まった。撮影が開始された教会では、本物の結婚式が行われていた。撮影の待ち時間、栄太郎は参列者の列の中に、井出ミホの友人の弟・山崎の姿を見つけて不思議に思う。その頃、結婚式のブーケトスに紛れ込んだ姿子は、飛んで来たブーケをキャッチする事に成功。しかし姿子だけではなく、新婦の友人として参列したミホも、同じブーケを摑んでいた。(エピソード「運命の悪戯」。ほか8エピソード収録)

第18巻

地井姿子は、結婚式で知り合い親しくなった井出ミホが、榊原栄太郎の昔の彼女だった事を知って思い悩んでいた。ある雨の日、気持ちを抑えきれなくなった姿子は、栄太郎に直接ミホの事を尋ねる。しかし、そっけない返事ばかりする栄太郎の態度に怒った姿子は、彼の言葉を遮り傘を放り出して走り出す。追いかけて来た栄太郎を振り切って、赤信号をギリギリで渡りきったところで、姿子は転んでメガネを落としてしまう。(エピソード「すれちがう心」。ほか9エピソード収録)

第19巻

地井姿子三上荘にCM出演を依頼した。荘は自分よりも若くてかっこいいタレントにすべきだと出演を断ろうとするが、姿子は荘は十分かっこいいと自らの思いを伝える。予想していなかった言葉に驚く荘に対し姿子は、尾美照好に荘を口説けと頼まれた事、姿子自身もその企画のコンテ担当で参加する事を明かす。帰り道、荘は姿子の頼みなら断れないと、CM出演を承諾するのだった。(エピソード「姿子の頼み」。ほか9エピソード収録)

第20巻

乙訓涼子は、アダルトビデオに榊原栄太郎そっくりの男優「笠木原A太」が出演しているのを見つけ、人事部の上司に栄太郎が副業をしているのではないかと相談を持ちかける。その話を偶然聞いた椎名舞子は、変装した地井姿子を連れて保険の営業として接触し、情報を集めようとする。舞子と姿子の色仕掛けにハマった上司は、栄太郎の情報を伝えながら、姿子達の身体を触り始める。(エピソード「2人の女スパイ」。ほか9エピソード収録)

第21巻

地井姿子山瀬ひかりに頼まれ、メイド姿で接客する整体マッサージ店を手伝う事になった。姿子が勤務する日、最後のお客様として待っていたのは三上荘だった。姿子と荘は思わぬ場所での出会いに、緊張を隠せない。気まずい雰囲気のままに接客を続けるが、二人はお互いがなぜこの場所にいるのかが気になって仕方がない。荘がこんな店に来るとは思っていなかった姿子は、荘がイメージとは違った男性なのかとショックを受ける。(エピソード「マッサージ@禁じ手」。ほか9エピソード収録)

第22巻

榊原あいの結婚が決まった事で、榊原栄太郎は結納に出席するために、地井姿子を連れて帰省していた。そこで栄太郎は父親に、姿子と結婚したいと打ち明けるが、一方の姿子は自分がジーナである事を隠して栄太郎と結婚するのに、大きな罪悪感を感じていた。このまま隠しておくべきか、栄太郎に打ち明けるべきか、姿子は悩み続ける。(エピソード「苦しい胸の内」。ほか9エピソード収録)

第23巻

海にサーフィンに出掛けた榊原栄太郎は地元のサーファーに絡まれるが、地井姿子の友人・奏詠美に助けられる。そして栄太郎は、助けてもらったお礼に詠美をランチに誘う。高校時代の姿子の話をするうちに、栄太郎はどことなく危険な雰囲気を漂わせる詠美に、次第に惹かれていく。(エピソード「始まりは突然に」。ほか10エピソード収録)

第24巻

榊原栄太郎は、榊原勝之助が経営するホストクラブの手伝いをする事になった。知り合いにばれないよう栄太郎は変装して店に立つが、その正体は明白だった。そして栄太郎は、オーダーが入るたびに復唱したり、踊ったりする店のスタイルにも馴染めず、自分にはホストは向いていないとため息をつくのだった。一方、勝之助は栄太郎と勝之助の区別がつかない太田むつみ乙訓涼子を相手に、ここぞとばかりに甘い言葉で口説き始める。(エピソード「ドッペルゲンガー」。ほか10エピソード収録)

第25巻

榊原栄太郎は、ホストクラブに地井姿子を呼び出したが、店が閉店を迎える時間になっても姿子は現れない。栄太郎は姿子の心が、もう自分から離れてしまったのかと落胆していた。その翌日、栄太郎と姿子は会議室で顔を合わせ、携帯電話のメール越しに会話を交わす。それぞれの思いを通じ合わせる事ができずにすれ違いながらも、二人はずっとお互いの事を考え続けていた。(エピソード「愛と欲望の一夜」。ほか10エピソード収録)

第26巻

地井姿子三上荘は、旅行で温泉旅館へ来ていた。そこで荘は、ずっと抑えていた思いを告白し、姿子を抱きしめる。その時、荘の携帯電話に緊急の呼び出しがあり、荘は旅行を切り上げて仕事現場へ向かうのだった。旅館で朝を迎えた姿子は、自分を変えようと決意をしても結局は変われなかった事、そして、その事に自分が安心している事に気づくのだった。(エピソード「抱きしめたい」。ほか9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

榊原 栄太郎 (さかきばら えいたろう)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める男性で、年齢は22歳。自分の事を口下手だと思っており、同居の友人・尾美照好に勧められるまで、女性と交際した経験がなかった。面倒見がよく、女性達の相談事に親身になって応える優しい性格の持ち主。恋愛については、基本的に受け身でいるタイプで、積極的な女性達のアプローチに押され気味。 榊原栄太郎自身は、予想もしていなかった状況での出会いに対しても、来るものは拒まずの姿勢でいる。

尾美 照好 (おび てるよし)

榊原栄太郎と同居する友人の男性。広告代理店「第一エージェンシー」に勤める同僚で、幼なじみでもある。女性との交際経験が豊富で、恋愛観も非常にオープン。彼女も複数人いる。これまで恋愛の経験のない栄太郎を見かね、交際相手を探す事を勧める。栄太郎の名前で勝手に出会い系サイトにメッセージを発信し、栄太郎の出会いのきっかけを作った。 椎名舞子と親しく、二人で策を練り栄太郎の恋愛の後押しをしている。

椎名 舞子 (しいな まいこ)

榊原栄太郎が交際相手を真剣に考えはじめてから、関係を深めている女性。保険会社に勤務している。ゆるくウェーブのかかったふんわりとしたボブヘアをしている。栄太郎の勤務先の廊下で、たまたま栄太郎とぶつかって出会った。その日、残業中の栄太郎の仕事場に突然現れ、セクシーアピール全開で栄太郎に迫る。栄太郎は舞子に誘われるままに、22年間の童貞歴に終止符を打った。 恋愛については超オープンで、栄太郎の友人・尾美照好とも親しく、二人で策を練り栄太郎の恋愛の後押しをしている。

井出 ミホ (いで みほ)

榊原栄太郎が出会い系サイトで知り合った女子高校生。ツインテールの美少女で、瞳がキラキラと輝いている。出会い系サイトのオフ会では、周囲の参加者とはかけ離れたかわいらしさで男性達の注目を集めていた。ハンドルネームは「ミホ」。井出ミホを狙う参加者は何人もいたが、ミホはすべての誘いを断り、栄太郎を誘う。オフ会のあとも栄太郎とは関係を深め、何かと相談事や頼み事をするようになる。

谷山 陽次 (たにやま ようじ)

榊原栄太郎が利用している出会い系サイトの管理者の男性。焼き鳥屋でのオフ会を企画し、参加メンバーを集めた。積極的な性格で、オフ会では進行役も務めた。勢いよく話し、語尾を長く伸ばす癖がある。

温ノ山 なり子 (おのやま なりこ)

榊原栄太郎が利用している出会い系サイトのオフ会に参加した女性。濃い目の化粧とファンシーなカーディガンという出で立ちながら、いかついタイプの温ノ山なり子には似合っていなかった。ハンドルネームは「ナンシー」。現在は無職で、彼氏と仕事を募集中だと自己紹介した。

飯星 咲子 (いいぼし さきこ)

広告代理店「第一エージェンシー」の事務担当に配属された新人女性。短大卒で、年齢は21歳。おかっぱの黒髪と白い肌が日本人形のように美しいと評されている。尾美照好と一度だけノリでホテルに行って以降、照好に好意を寄せるようになる。照好と榊原栄太郎の仲を誤解し、照好に振り向いてもらうために、栄太郎にお色気アタックを仕掛ける。 茶道に華道、クラシック鑑賞が趣味。帰国子女でもある事から、かなりのお嬢様だと社内では噂されている。

藤原 杏 (ふじさわ あん)

広告代理店「第一エージェンシー」が担当する事になったCMモデルの女性。目力の強さと爽やかな雰囲気で人気があるが、実はネットのエッチ動画に出演している。ある日、その動画を発見した榊原栄太郎と尾美照好は、動画のモデルが藤原杏本人ではないかとか確かめようとした。しかし、杏がそれに気づき先手を打ったため、二人がその真実を知る事はなかった。 のちに、杏の動画出演が週刊誌に取り沙汰されて問題になるが、栄太郎の証言によって事なきを得る。

ジーナ

榊原栄太郎が、クリスマスにいっしょに過ごす相手が見つからず、ネットの2ショットチャットでイメージプレイをした女性。佐賀県在住の26歳のOLと称して、栄太郎に写真を送った。ジーナは写真を見た栄太郎が驚いてしまうほどの美女で、プレイ中に意気投合した二人は、そのあと直接電話で会話を交わす事となった。会話中、栄太郎の家の近くを救急車が通った際、電話の向こうからも救急車の音が聞こえたが、栄太郎はあまり気にしていなかった。 実はその正体は地井姿子。

英知 えり子 (えいち えりこ)

ふられた男性に送るつもりだったメールを榊原栄太郎に間違えて送った、大阪に住む女子大学生。国立大学の2年生で一人暮らしをしている。メールの内容は「道頓堀のひっかけ橋から飛び込んで死ぬ」というもの。栄太郎はこのメールに返信をするが、飛び込むと宣言した時間が近づいても英知えり子からの返信がないのを気にかけ、出張から帰って来たばかりの大阪へとんぼ帰りした。 栄太郎に励まされ元気を取り戻したえり子は、別れ際に栄太郎に感謝のキスをした。

榊原 あい (さかきばら あい)

榊原栄太郎の妹で、年齢は17歳。栄太郎の郷里にある高校に通っている。高校の創立記念日に両親に行き先を告げずに上京し、栄太郎の部屋にやって来た。クラスメイトから彼氏との交際話を聞いて、自分も処女を捨てるつもりで、目的を遂げるまで家には帰らないと栄太郎に宣言した。栄太郎に子供扱いされるとムキになる。

高木 大介 (たかぎ だいすけ)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める男性。ちゃらい感じのイケメンで、女性と遊び慣れている。会社近くで榊原栄太郎と榊原あいを偶然見かけ、翌日、栄太郎の自宅前であいをナンパした。あいの擦れていない清純さを気に入り、職場で栄太郎をお兄様と呼び、豪華な弁当を振る舞うなどして慕うようになる。

山崎 (やまざき)

井出ミホの友人の弟で、まじめでおとなしそうな少年。ミホが家に遊びに来た時に会う程度の関係だが、通学途中のミホに痴漢を繰り返していた。ミホにあこがれ、思いを遂げようと女子トイレでミホを襲った結果、ミホにパンチと罵声を浴びせられ手痛くふられるが、さらにミホへの思いを深めていく。

渋沢 圭 (しぶさわ けい)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める榊原栄太郎の上司。大人の色気を漂わせている女性で、年齢は28歳。社内でもあこがれる者の多い美女だが、栄太郎にはちょっと怖いと思われている。ある日、休憩中の栄太郎を強引に飲みに誘い、相談事を持ちかけた。2年間同棲していた恋人にふられたばかりで、その思いを吹っ切れずに悩んでいたが、栄太郎の協力により再び恋人と再会し、その思いに決着をつけた。 普段は自信に満ちた振る舞いをしているが、アルコールが入るとややオープンな一面を見せる。

謙司 (けんじ)

渋沢圭の元恋人の男性。2年にわたって同棲していたが、留守番電話のメッセージを残して圭の前から姿を消した。圭は謙司を探すために榊原栄太郎に相談を持ちかけた。残された写真ではビジュアル系の美男子。その後、女性の姿でゲイバーに勤めている事が判明し、圭と栄太郎は二人でそのバーを訪れる。圭と交際した事で謙司は本当の自分に気づき、女性として生きる決意を固めた。 謙司は栄太郎に圭を託し、圭を泣かせたら許さないと凄みのあるメッセージを残した。源氏名は「KEI」。

地井 姿子 (ぢい しなこ)

広告代理店「第一エージェンシー」の専属コンテマン。やや幼い見た目のおさげ髪がかわいらしい女性で、年齢は21歳。締め切り間際の残業中、コンビニに買い物に出かけた榊原栄太郎に、猛スピードで衝突した事で知り合った。栄太郎が思わず、地井姿子の胸を揉んでしまったために、栄太郎に対する第一印象は最悪なものだった。 どこでも3秒で寝る事ができ、一度眠ってしまうとどんな事があっても目を覚まさない。実は栄太郎と2ショットチャットでイメージプレイをした女性ジーナ。

二ノ宮 絵夢 (にのみや えむ)

ハンバーガーショップ「マッテリア」でアルバイトをしている女子高校生で、年齢は17歳。街中で子供を手助けする榊原栄太郎を偶然見かけて以来、栄太郎に思いを寄せている。アルバイト仲間に後押しされ、栄太郎に告白をしようとするが、緊張のあまり栄太郎に頭突きをしてしまう。しかし、これがきっかけで告白に成功し、栄太郎の初めての彼女となる。 明るく素直な性格で、ストレートな物言いで栄太郎をリードしている。料理と運動が得意。特に陸上では優秀な成績を収め、部員達に卒業するのがもったいないと言われるほど。

江貫 一子 (えぬき いちこ)

榊原栄太郎の中学時代のクラスメイトの女性。大きな瞳と泣きぼくろが特徴。福岡で行われた同窓会の日、栄太郎と一夜を共にした。翌朝、栄太郎はホテルで目覚めると、となりに江貫一子が寝ている事に驚愕する。子供時代は家庭環境に複雑な事情を抱えていたり、クラスでいじめにあったりと不遇だったために、消極的な少女だったが現在は明るく積極的な女性に変貌を遂げている。 クラスメイトが信じられないとコメントするほど容姿も変わった。両親の離婚後は、地元の福岡を離れて名古屋に住み、母親の実家のスナックを手伝っている。小田は母親の名字。

鴨中 洋太 (かもなか ようた)

広告代理店「第一エージェンシー」の取引先のイベントに来ていた少年。取引先の専務の息子。まだ20代の尾美照好をじじい扱いして怒らせたり、渋沢圭の胸にいきなり抱きついたりと好き放題の行動をしていた。榊原栄太郎と照好の勤務先が父親の企業の下請けだと理解しており、父親をたびたび引き合いに出す。女性の胸を触るのが大好きで、エッチな事ばかり考えているが、背伸びしているだけで中身はまだまだ子供。

太田 むつみ (おおた むつみ)

榊原栄太郎の仕事先のスタジオでヘアメイクを担当する、ロングのソバージュヘアがよく似合う美女。年齢は25歳。初対面の相手にも気さくに声を掛け、親しみやすいほんわかした雰囲気を漂わせている。ギャラのほとんどを車に費やしており、愛車はバリバリにチューンアップされた気合いの入ったもの。普段は眼鏡をかけているが、眼鏡を外すと情熱的でキップのいい姐御に変貌する。 運転中に自分よりも速い車を見つけると挑戦せずにはいられない。

洋次 (ようじ)

椎名舞子の遊び友達の男性。年齢は20歳。街で舞子といっしょにいたところを、榊原栄太郎と尾美照好に目撃された。舞子がほかの男性と会話する事も嫌うため、息苦しさを感じた舞子から別れを告げられた。その後、舞子の家に侵入して待ち伏せ、一方的に自分のものにしようとしたが、舞子が照好に送ったメールで異変に気づいた照好と栄太郎が舞子の部屋に乗り込んだために、事なきを得た。

高峰 沙理奈 (たかみね さりな)

井出ミホが進学した大学のコンパで知り合った女性。はっきりした顔立ちに派手なファッションを身につけた美人。周囲からの羨望の眼差しを浴びたいという願望が強く、男性参加者の注目を一身に集めるミホを許せない様子で、怒りをあらわにする。ミホに対抗心を燃やし、お色気でアピールをするが、男性の中で一人だけ興味を示さないタキ夫にいらつく。 「コンパの女王・沙理奈様」と自称するほどの自信家。

タキ夫 (たきお)

井出ミホが進学した大学のコンパで知り合った男性。参加者から離れ、一人でひっそりと飲んでいた。数合わせで誘われたコンパで、ほかの男性参加者からアルコールが足りなくなった時の注文係のように扱われていた。おとなしい性格で押しに弱い。周囲から下心だけで誘われるのに困惑していたミホは、自分と同じように数合わせで参加している状況に共感し、いっしょに飲もうとタキ夫を誘った。 タキ夫と話しながらミホは、榊原栄太郎と初めて会った時の事を思い出す。

久遠寺 林檎 (くおんじ りんご)

コインランドリーの洗濯機に忘れられていたパンティーを見つけた榊原栄太郎を、下着泥棒と勘違いして襲って来た若い女性。かなり酒に酔っており、栄太郎が否定しても聞く耳を持たなかった。関西弁で話す。栄太郎に強烈なパンチを食らわしているところを、たまたま通りがかった二ノ宮絵夢に目撃され、絵夢にも襲いかかる。直後、久遠寺林檎は酔いが回って眠り込んでしまい、仕方なく栄太郎が部屋に連れて帰る。 酔いが覚めたあとに警察官だという事が判明する。正義感が強いが、思い込みが激しく暴走してしまう事がよくある。

山瀬 ひかり (やませ ひかり)

榊原あいと同じ高校に通う女子高校生で、あいの事を慕っている。「七瀬ぴんく」の芸名でコスプレアイドルをしている。心臓が弱く、無理のできない身体ながらあいを追いかけ、東京でのアイドル活動のついでに榊原栄太郎の部屋を訪ねた。何事にもリアクションが大きく、いつもテンションが高い。あいは自分だけのものと思っている節があり、彼女に関するすべての事に非常に敏感。 高木大介があいの手にキスしようとしただけで、それを阻止するため、大介と栄太郎をキスさせようと強行手段に出たほど。普段から自分の事を芸名の「ぴんく」と呼んでいる。

仁科 恵須美 (にしな えすみ)

二ノ宮絵夢のクラスメイトの女性。年齢は17歳。大学に行く費用を稼ぐために、清掃のアルバイトをしている。仕事先のビルの清掃中、松井寺シャネ子から逃げていた尾美照好と出会う。照好が「さかきばらえいたろう」と名乗っていたため、仁科恵須美は照好を絵夢の交際相手だと思っていた。さらに照好が恵須美を抱きしめて、自分の彼女だと言い、逃げる口実に使った事で、恵須美は「さかきばらえいたろう」に不誠実な印象と不信感を抱く。 その後、絵夢のためを思って照好の誘いにわざと乗り、「さかきばらえいたろう」の正体を暴こうとした。ユニセックスなファッションを好み、一人称は「オレ」。

松井寺 シャネ子 (しょうじょうじ しゃねこ)

広告代理店「第一エージェンシー」の社長令嬢。背が高くスタイル抜群で、5か国語が堪能でソルボンヌ大学を卒業したという才女。非常にインパクトのある顔立ちをしているが、立ち居振る舞いには品があり、後ろ姿は非常に美しい。始業時間前に職場の榊原栄太郎の机をきれいに掃除し、高価なプレゼントを送っている。しかし、栄太郎自身は松井寺シャネ子に会った事がなく、心当たりもなかった。 これは尾美照好がシャネ子に「さかきばらえいたろう」と名乗ったのが原因で、間違いに気づかないまま、シャネ子は照好を栄太郎だと思っている。背の高さと顔立ちは父親の「松井寺グチ蔵」譲り。

布袋 ミキ (ほてい みき)

広告代理店「第一エージェンシー」が担当した大手クライアントのCMに出演した女性タレント。千葉崎優と二人でユニット「LOVE CRUSH」を組んでいる。意思の強さを感じさせる瞳と褐色の肌が特徴。大振りの羽根付きマフラーやボディコンなどの派手なイケイケ風のファッションを身につけている。AV女優からタレントに転向した。 仕事相手を交えた飲み会で榊原栄太郎と出会う。飲み会に参加した男性の中では尾美照好の事がいいと優に話していたが、股間の大きさから、栄太郎に興味を持つ。ミキはその後も栄太郎が忘れられず、優といっしょに栄太郎を拉致しようとする。

千葉崎 優 (ちばさき ゆう)

広告代理店「第一エージェンシー」が担当した大手クライアントのCMに出演した女性タレント。布袋ミキと二人でユニット「LOVE CRUSH」を組んでいる。黒目がちな大きな瞳と幼い人形のような顔立ちが特徴。フリルがふんだんにあしらわれた大きなリボンで髪を飾り、フリルやリボンでデコレーションされたスイートロリータ風の服を身につけている。 AV女優からタレントに転向した。仕事仲間を交えた飲み会で榊原栄太郎と出会う。栄太郎が電話で二ノ宮絵夢に帰りが遅い弁解をする姿を見て、あんな彼氏は絶対嫌だとミキに話していた。のちに人のものがほしくなってしまう女の性が疼き、飲み会の中では栄太郎が一番と考えを改めた。ミキと栄太郎への評価が一致した事で、栄太郎を拉致しようとミキに話を持ちかけた。

斑尾 洋介 (まだらお ようすけ)

二ノ宮絵夢と同じ高校に通う男子高校生で、年齢は16歳。女性にモテたくて音楽を始め、オリジナルの歌を歌っている。歌詞の気恥ずかしいラブソングばかりで、同級生からの評価はいまいち。ある日、背面飛びをする絵夢の姿を見て一目惚れし、絵夢にアプローチをするようになった。校内でもギターを持ち歩き、事あるごとに弾き語りをするが、いつも残念な結果に終わっている。 軽音楽部に所属していたが、陸上の練習中に絵夢に部外者は消えてと言われた事で、即陸上部への入部を宣言し、背面飛びで絵夢に勝てたらデートしてほしいと申し込む。

井筒 治 (いづつ おさむ)

夜の街を歩き回っていた二ノ宮絵夢をスカウトした男性。軽快な調子で話し、とても口がうまい。グラビアアイドルの仕事だと絵夢には説明したが、実は過激な表現を売りにした雑誌の撮影である事は黙っていた。撮影当日、仲間と共に絵夢を手籠めにしようとしたが、現場に乗り込んだ榊原栄太郎と斑尾洋介に仲間共どもボコボコにされた。

薮井 稲 (やぶい いね)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める女性で、年齢は22歳。かわいらしい容姿で、職場ではアイドルのようだとあこがれる者も多い。チャットで「RUI」と名乗る男性とエッチを楽しんでいる。ハンドルネームは「マナ」。過去に男に騙され大金を取られた経験から男性を信じていないが、チャットでの会話は別で、「RUI」に命令されなすがままに、マゾな自分の欲求不満を満たしている。 「RUI」の誘いを受けて、実際に会う約束をする。「RUI」とのデート当日、命令にしたがってパンティーをはかずに出勤した。金渡三平と同じフロアで仕事をしているが、三平が「RUI」だという事は知らない。

金渡 三平 (かなわたり さんぺい)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める男性で、年齢は23歳。チャットで「マナ」と名乗る女性とエッチを楽しんでいる。ハンドルネームは「RUI」。女性経験はまったくないが、チャットでは相手を従わせる王様キャラを演じている。チャットを進めるうちに「マナ」に会いたくなり、つい会おうと誘ってしまう。「マナ」とのデート当日、ヒップホップのファッションを決めて出勤した。 薮井稲と同じフロアで働き、稲をあこがれの眼差しで見ているが、稲が「マナ」だという事は知らない。

枝古 悦子 (えだふる えつこ)

芸能事務所「株式会社ピンクキャベツ」の社長を務めている女性。年齢は33歳。新人アイドル中田くららを連れて、榊原栄太郎の仕事場に挨拶にやって来た。東大を卒業した敏腕キャリアウーマンで、女性週刊誌で特集が組まれた事もある。枝古悦子自身もモデル出身で非常に美しく、初対面の尾美照好に色目を使われた。「株式会社ピンクキャベツ」主催のパーティーに、栄太郎と照好、塩田譲、地井姿子、金渡三平を招待。 一夜限りの無礼講パーティーで、乱痴気騒ぎをする事で知られている。悦子は全身全霊を賭けてサービスする姿勢が芸能界の生き残りの手段と考え、アイドル達を厳しく教育している。

中田 くらら (なかた くらら)

「株式会社ピンクキャベツ」所属の新人アイドル。枝古悦子に連れられ、榊原栄太郎の仕事場に挨拶に訪れた。清楚な雰囲気を漂わせた魅力的な女性。デビューを間近に控え、事務所主催のパーティーに参加し、来賓をもてなしていた。中田くららと共にパーティーに参加したアイドル・みるくとはなかよし。アイドルとしての経験は浅いが、みるくに励まされ真摯に仕事と向き合っている。

みるく

株式会社ピンクキャベツ所属のアイドル。事務所主催のパーティーに参加し、来賓をもてなしていた。飾らない色気が魅力的な女性。みるくと共にパーティーに参加したアイドル中田くららとはなかよし。芸能界の仕事を天職だと思っており、アイドルとしての自分に自信を持って仕事に取り組んでいる。

塩田 譲 (しおた ゆずる)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める男性で、年齢は28歳。榊原栄太郎と尾美照好の先輩にあたるが、いつも高圧的な態度で他人と話すため、二人にはいい印象を持たれていない。譲は親しげに地井姿子を連れ歩いているが、本当は姿子を自分の好きなタイプの女に仕立て上げる事を目的としており、そんな姿子の事をまったく考えない態度から、栄太郎の怒りを買っている。 ちなみに姿子が譲に従っているのも、仕事上でのミスを逆手に取られ、そのミスを許す代わりに譲の言う事を何でも聞くという、理不尽な約束をさせられているため。

入江 つくす (いりえ つくす)

榊原栄太郎が落とした社員証を拾い、職場に届けた女性。「つくんこ」の源氏名で、コスプレ系の風俗店に勤めている。入江つくすが風俗店の名刺を受付に残した事で、栄太郎はお礼をするために店を訪れる。つくすは栄太郎に、彼が自分を井出ミホと見間違えて声を掛けた事、その時に彼が社員証を落とした事を話した。ノリのいいつくすと意気投合した栄太郎は、店に通ううちにつくすと親しくなる。 3歳になる娘みつきと二人暮らしをしている。店を辞める直前、ミホのコスプレをして栄太郎を励まし、地元の北海道へ帰っていった。

みつき

入江つくすの娘で、年齢は3歳。元気いっぱいの明るい女の子。つくすからの手紙を持って、一人で榊原栄太郎の部屋を訪ねて来た。つくすはその日に大切な用事があり、みつきを栄太郎に預かってくれるように頼んだのだった。たまたま栄太郎を映画に誘おうと部屋を訪ねて来た地井姿子と玄関で鉢合わせになり、三人で映画を見に行く事となった。 みつきは栄太郎の事をパパと呼び、パパとしては理想的だけど恋人としてはちょっと物足りない、というつくすの言葉を伝えた。

丸太町 恭也 (まるたまち きょうや)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める男性で、年齢は36歳。CMディレクターを務めている。面倒見がいい性格で、多くの女子社員にあこがれられているが、特定の相手はおらず独身。営業時間外の夜のオフィスで、榊原栄太郎のパソコンで何かをしているのを栄太郎に見られて以来、栄太郎とは気まずい関係になってしまう。これがもとで飯星咲子からは、栄太郎と丸太町恭也が付き合っていると誤解された。 女性との交際にトラウマがあるが、咲子の事が好きで、秘かにコラージュ写真を作って楽しんでいる。

光一郎 (こういちろう)

丸太町恭也の行きつけのゲイバーのママ。恭也とは大学時代からの友人でもある。榊原栄太郎と地井姿子に、何とかして恭也に彼女を作ってあげてほしいと依頼した。昔、恭也から彼女についての相談をされた時に、その彼女に恭也を取られたくないと思い、間違ったアドバイスをした事を今でも後悔している。

榊原 勝之助 (さかきばら かつのすけ)

榊原栄太郎の従兄にあたる男性。栄太郎と同い年で、顔がよく似ていて、子供の頃からよく間違えられていた。性格は栄太郎よりも積極的。東京に来ていると聞いた栄太郎が、部屋に布団やパジャマを用意して待っていたが、その日は榊原勝之助は現れなかった。その頃、勝之助は渋沢圭に出会い、ナンパしてホテルにいた。街中で色々な女性をナンパしていたが、その時に栄太郎の名前を名乗っていたため、栄太郎は非常に迷惑している。 のちにAV男優「笠木原 A太」としてデビューした。

岩井 みなも (いわい みなも)

榊原栄太郎の部屋のとなりに引っ越して来た女性。年齢は24歳だが、身長が145センチと低く、なおかつ童顔なために小学校高学年くらいにしか見えない。大学院で考古学を専攻しながら、占いや呪術を研究して神田の高架下で水晶占いの店を営んでいる。冷静な性格で頭の回転が速く、理路整然とした話し方をするが、時おり予言じみた変な発言をする。

三上 荘 (みかみ そう)

街中で地井姿子のメガネを踏みつぶしてしまった事がきっかけで、姿子と知り合った男性。年齢は35歳。穏やかな物腰で料理上手。ずぶ濡れの姿子を家まで送る途中で、自宅を兼ねた事務所に呼んだ。姿子に振る舞ったパスタは、あまりのおいしさに姿子が我を忘れるほどだった。一級建築士の資格を持ち、建築事務所を経営している。前妻と死別して以来、特定のパートナーを作っておらず、恋愛には消極的。 榊原栄太郎は姿子と三上荘の関係を知らないが、栄太郎と荘は仕事の付き合いがある。

(あきら)

三上荘の同居人。すらりとしたスタイルの上品な人物で、女性っぽく見えるが実は男性。荘といっしょに住んでいるが、付き合っているわけではない。地井姿子にメールをしようとして、その扱いに困っていた荘にメールの送り方を教えた。荘が姿子を好きになっている事に気づき、彼の新しい恋を応援しようとしている。

奏 詠美 (かなで えいみ)

地井姿子とは高校の美術部で同期の女性。IT関係の仕事をしている。つねに男性と付き合っていないとだめなタイプで、友人からは「恋愛中毒症(れんあいジャンキー)」と陰で囁かれている。姿子との別れ際、榊原栄太郎を見て、意味ありげな笑みを浮かべていた。父親はサーフショップを経営しており、伝説のサーファーとして知られている。 ちなみに高校時代の名字は「森元」だった。

乙訓 涼子 (おとくに りょうこ)

広告代理店「第一エージェンシー」に勤める女性。年齢は23歳。地味でまじめな性格で人事部に所属している。上司と不倫中、上司が妻からの電話を受けてホテルから帰ったあとに、部屋のアダルトビデオで、榊原栄太郎そっくりの「笠木原A太」こと榊原勝之助が出演しているのを見つけてしまう。涼子は上司に業績をあげさせるために、栄太郎の身辺を調べ始めた。

北川 こうじ (きたがわ こうじ)

岩井みなもの部屋で、みなもに告白をした少年。17歳の時に病気で亡くなった幽霊で、恋愛に未練があると語っている。みなもは榊原栄太郎に彼氏のふりをさせて北川こうじに自分の事をあきらめさせようとしたが、幽霊を見てショック受けて気絶した栄太郎に憑依し、みなもとエッチな事をしようと試みた。みなもに部屋を追い出されたあとは、栄太郎の部屋に居着くようになる。

場所

第一エージェンシー (だいいちえーじぇんしー)

榊原栄太郎の勤める広告代理店。複数の企業が入居する大きなビルにオフィスを構えている。社長は「松井寺グチ蔵」が務めている。CMを中心とした仕事を請け負い、多くのモデルやタレントなどを起用している。広告代理店の中では新興の企業ながら、大きな案件を手掛けている。

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