もしもし、てるみです。

もしもし、てるみです。

インターネットにつながらない携帯電話、もし電を販売するもしもし堂で働くてるみと、男子中学生の桜井鈴太郎を中心に、インターネットを通じて巻き起こる騒動を描いたコメディ作品。一見ほのぼのとした作風ながらも、性的なネタがふんだんに盛り込まれている。「週刊ビッグコミックスピリッツ」2016年16号から2018年10号にかけて連載された。

正式名称
もしもし、てるみです。
ふりがな
もしもし てるみです
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

今日も携帯電話会社、もしもし堂の直営店舗「富良々店」の店先では、店員のてるみが一人でクロスワードパズルを楽しんでいた。そこに、注文していた携帯電話、もし電を受け取りに、桜井鈴太郎がやって来る。てるみは広告で評判の隣町のハンバーグをこれから食べに行こうと鈴太郎を誘うものの、鈴太郎はSNS、トモッターで不味いと拡散されていたと話す。インターネット嫌いなてるみは気分を害し、実際に自分で確かめなければ納得できないと、一人で行ってみる事にする。てるみは自分の留守中の店番をお願いするため、くろちゃんを呼び出す。(CALL.1。ほか、44エピソード収録)

第2巻

川瀬みちるが、気に入らない人気ゲームソフトを天ぷらに揚げた画像を投稿した結果、SNSが大炎上する事となった。インターネット上で罵詈雑言を受けたみちるは激しく落ち込み、学校にも登校しなくなってしまう。クラスの女子から、実はみちるが自分の事を好きだと聞かされた桜井鈴太郎は、みちるを励ますために電話をかける。(LAST CALL。ほか、43エピソード収録)

登場人物・キャラクター

てるみ

携帯電話会社もしもし堂に勤務する若い女性店員。年齢は不明だが車の運転ができ、自分で自分の事を、「大人」だと称している。インターネットの情報よりも自分で体験した事や感じた事を大切にしており、SNSなどに疲れた人達からは女神扱いされている。頭に付けた大きな黒いリボンは、うれしい事や嫌な事を察知すると、まるで身体の一部のように動く。 童顔でかわいらしい容姿をしているが、思った事はすぐに口にする毒舌家でもあり、性の知識も豊富。桜井鈴太郎から恋心を寄せられているが、まったく相手にしていない。好きなものはクロスワードパズルとくろちゃん。

桜井 鈴太郎 (さくらい りんたろう)

中学2年生の男子。てるみに熱烈な片思いをしている。川瀬みちるに3日でふられたショックから立ち直る事と、てるみと親しくなりたい気持ちから、それまで使っていたスマートフォン、ミライフォンを解約して、携帯電話、もし電を持つ事にした。メガネをかけたかわいらしいルックスだが、精力旺盛で、つねにてるみとの性的な接触を狙っている。 てるみには何度も拒絶されているが、絶対にあきらめない強い心を持つ。

美串 (みくし)

中学2年生の男子。桜井鈴太郎の友達。周りからは「みっくん」と呼ばれている。鈴太郎が携帯電話、もし電に変更して不便を感じている事を気遣い、スマートフォン、ミライフォンに戻してはどうかと勧めている。パク田コピえもんの大ファンで、彼の興味を引くためにSNS、トモッターで設定している自身のアイコンを女装した写真に変更しようとした。 加賀美に一方的な片思いをしていたが、のちに交際へと発展する。

小保山 (こぼやま)

中学2年生の女子。桜井鈴太郎の友達。ふだんはおとなしく目立たない存在ではあるものの、パク田コピえもんの大ファンのため、パク田の話題が出ると熱く語り出す。そのため、鈴太郎ら周りからは面倒くさい人物だと思われている。

(ゆう)

中学2年生の女子で、桜井鈴太郎のクラスメイト。琵琶、江須奈と行動している。三人の中ではもっとも常識人ではあるが、その場の雰囲気が盛り上がると意味不明な言動をしてしまうなど、流されやすい一面もある。

琵琶 (びわ)

中学2年生の天然気味な女子。桜井鈴太郎のクラスメイト。優、江須奈と行動している。髪の毛によく寝癖がついており、その髪型は芸術的な域にまで達する事もある。そのため、江須奈に寝癖を隠し撮りされている。

江須奈 (えすな)

中学2年生の女子。桜井鈴太郎のクラスメイト。優、琵琶と行動している。大人びた容姿で、つねにポーカーフェイス。涼しい顔をして性的な言動を繰り返しているが、親の前では年齢相応の子供らしい表情を見せる。スタイル抜群で、自身の下着姿などの際どい自撮りをして楽しむ趣味があり、母親にやめるよう諭されている。

加賀美 (かがみ)

中学2年生の女子。桜井鈴太郎のクラスメイト。歌がプロ並みにうまく、カラオケ動画をインターネット上にアップしたところ、顔がかわいくないと徹底的に叩かれてしまう。そのため、自分に自信を失くしていたが、桜井鈴太郎と美串の励ましによって立ち直りつつある。美串から恋心を寄せられており、のちに交際をスタートさせた。

川瀬 みちる (かわせ みちる)

SNSを巧みに使いこなす女子中学生。かわいらしいルックスと軽くノリのいい性格で、一般人ながらもトモッターでは有名人並みフォロワー数を誇る。そのため、個人情報や男性遍歴をまとめたウェブページが存在している。現在は桜井鈴太郎の友達ではあるが、過去に3日間だけ交際をした事がある。川瀬みちるにあっさりふられた事も、鈴太郎が携帯電話・もし電に変更した事の一因となっている。 鈴太郎の事は本当に好きだったが、自分が有名人である事から鈴太郎に何らかの危害が及ぶのではと不安になり、別れを告げた。

パク田 コピえもん (ぱくた こぴえもん)

漫画を生業としている男性。代表作は情熱サッカー漫画「もらうな!!イエローカード」。一見長髪の優男風の容姿で、トモッターを駆使してファンの女性に手をつけており、それを公言している。川瀬みちるをはじめアイコンがかわいい女性にしか返信をしない事で有名で、パク田コピえもんの「パク田」は「ファンの女性をパクパク食べる事」が由来。 女好きで鬼畜な言動からアンチも多いが、作者は嫌いだけど漫画がおもしろいから読んでいるという読者も多い。

丸雁 (まるがり)

もしもし堂サポートセンターに勤務する新人女性。黒髪を三つ編みにしており、一見まじめで清楚な雰囲気を漂わせているが、性的なトークが大好き。周囲が性的な話題の相談電話を受けていると、うらやましくて仕方がない。過去に男性との交際経験がなく、耳年増の処女である。

伊久留 (いくる)

もしもし堂サポートセンターにアルバイトとして勤務する女性。褐色の肌に明るい髪色で、一見派手に見えるものの、中身はおとなしく内気な性格をしている。以前はスマートフォン、ミライフォンを使用していたが、個性を出すためにあえて携帯電話、もし電を使用し、もしもし堂サポートセンターの対応に感動した事から、サポートセンターで働き始めた。 出身大学名を言えば、みんなが驚くほどの高学歴の持ち主。

戸芝 (としば)

桜井鈴太郎が通う中学校の教員を務める中年男性。携帯電話、もし電を愛用しており、同じくもし電を使用している鈴太郎には非常に甘い。もし電ではアダルトサイトが視聴できずに辛いだろうからと、鈴太郎にこっそりエロ本を差し入れした。

牛田 (うしだ)

やよい会計事務所に勤務する男性サラリーマン。携帯電話、もし電の熱烈なユーザーで、インターネットと隔離されて生活する自分を特別視している節がある。電話の履歴は家族ばかりで、同じ会社に勤務する女子社員が気の毒に思い、自分達の電話番号を登録した。

鈴太郎の父 (りんたろうのちち)

桜井鈴太郎の父親。穏やかで優しい性格の持ち主。やや心配性な鈴太郎の母をたしなめる事も多い。鈴太郎に対しては余計な詮索や束縛はせずに、信じている。鈴太郎の母とは間違い電話をきっかけに知り合った。

鈴太郎の母 (りんたろうのはは)

桜井鈴太郎の母親。優しく子煩悩な性格の持ち主。鈴太郎の父とは間違い電話をきっかけに知り合った。やや心配性な一面がある。鈴太郎がスマートフォン、ミライフォンを持ちたいと言った時には、有害なサイトにアクセスしないかと心配していた。携帯電話、もし電を使用してからは、友達との会話についていけているのかと不安を覚えている。

くろちゃん

携帯電話会社、もしもし堂によって開発された謎の生命体。大きな黒い球体に手足が生えたルックスをしていて、言葉は話せないが、身体に一文字でその時の感情を表す漢字が浮き出る。てるみが外出をする時には店番をしたり、荷物の受け取りをするなど、積極的に働いているため、てるみから溺愛されている。総勢6匹のそっくりの個体がおり、富良々商店街でかつて営業していた書店の空き店舗でいっしょに暮らしている。

場所

もしもし堂 (もしもしどう)

携帯電話、もし電を製造および販売している会社。直営店舗が全国展開されている。富良々商店街にある富良々店に、てるみが勤務している。現在はスマートフォン、ミライフォンにほとんどのシェアを奪われているため、店を訪れる客は少ない。富良々店のみ、ミライフォンからもし電に乗り換える時には、これまで使用していたミライフォンをてるみの目の前で破壊しないといけないルールがある。

もしもし堂サポートセンター (もしもしどうさぽーとせんたー)

携帯電話会社、もしもし堂で購入した携帯電話、もし電の、サポートをしている無料のカスタマーサービスセンター。どんな相談にも乗ってくれるうえに時間は無制限。ユーザーからは機能やサービスに関する質問はなく、恋愛相談や雑談ばかりで、会社もそれをサービスの一環だと認めている。録音などがいっさいされておらず、ユーザーも本音をぶつけて来るため、てるみは「24時間営業の無料キャバクラ電話」と評している。 丸雁と伊久留が勤務している。

富良々商店街 (ふららしょうてんがい)

携帯電話会社、もしもし堂の直営店舗「富良々店」がある商店街。以前は活気あふれる商店街だったが、現在はもしもし堂の富良々店を残してすべての店舗が閉店している状況のため、商店街を歩く人はほとんどいない。書店の空き店舗では、オーナーの許可を得てくろちゃんが住んでいる。

その他キーワード

もし電 (もしでん)

携帯電話会社、もしもし堂が製造および販売している携帯電話。家庭用電話機の子機に、昔ながらの黒電話のようなダイヤルがついた見た目をしている。インターネットやカメラ機能はなく、電話をする事しかできない。スマートフォン、ミライフォンの登場によってほとんど姿を消しつつあるが、現在でも根強いユーザーに支えられている。

ミライフォン

インターネットやカメラ機能などが搭載された便利なスマートフォン。ほとんどの人が使用しており、携帯電話会社、もしもし堂の携帯電話、もし電が市場から消えていく原因を作った。

トモッター

短文を投稿する事ができるSNSサービス。スマートフォン、ミライフォンは対応しているが、携帯電話、もし電では使用できない。一般人だけでなく有名人も登録しており、漫画家のパク田コピえもんは積極的に活用して女性を口説いている。

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