愛人 ラマン

愛人 ラマン

マルグリット・デュラスの小説『愛人 ラマン』(原題「L'Amant」)のコミカライズ。1929年のフランス領インドシナを舞台に、現地のフランス人女学校で学ぶ貧しい少女のマルグリット・デュラスと、裕福な華僑の青年とのあいだに生まれる人間模様を叙情的に描く。「トーチweb」で2019年2月から2019年12月にかけて配信された作品。

正式名称
愛人 ラマン
ふりがな
らまん
原作者
マルグリット・デュラス
漫画
ジャンル
自伝・伝記
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

フランス人のマルグリット・デュラスは、デュラスの母と二人の兄弟と共にフランス領インドシナで暮らしていた。デュラスの母は役人に騙されて、土地のほとんどが海水につかってしまう劣悪な土地を買わされ、その借金を返済するために一家は貧しい生活を強いられていた。さらにデュラスの一番上の兄はアヘン中毒者で、デュラスと下の兄に激しい暴力を振るっていた。そんな上の兄をデュラスの母は咎めるどころか溺愛しており、デュラスは自らの人生に対して静かに絶望していた。そんなある日、デュラスは自宅から全寮制のフランス人女学校に戻る途中で、中国人の青年から声をかけられる。裕福な華僑の家系に生まれた青年に対して、デュラスは快楽とお金のためと割り切って、愛人契約を持ちかける。最初はとまどっていた青年だったが、次第に青年にとってデュラスは愛人を越えた大切な存在となっていく。一方のデュラスは、快楽とお金のためだと割り切って青年に接しており、ついに家族でフランスに帰国する資金を要求する。

登場人物・キャラクター

マルグリット・デュラス

フランス領インドシナで暮らす美少女。年齢は15歳ながら大人びた容姿をしている。現地にある全寮制のフランス人女学校に通っており、ふだんは寮で生活している。デュラスの母が役人に騙され、土地のほとんどが海水につかってしまう劣悪な土地を買わされたことにより、その借金を返済するために貧しい生活を強いられている。二人の兄がいるものの、上の兄はアヘン中毒者でさらにきょうだいに暴力を奮うため、マルグリット・デュラス自身を取りまく環境と人生に絶望している。自宅から学校に戻る途中の電車の中で、偶然出会った中国人の青年から声をかけられたことをきっかけに、快楽とお金のためと割り切り、彼に愛人契約を持ちかける。

青年 (せいねん)

フランス領インドシナで商売をしている中国人の青年。裕福な華僑の家系に生まれる。自宅から全寮制のフランス人女学校に戻る途中のマルグリット・デュラスに一目ぼれして声をかけ、知り合いになる。最初は美しいデュラスと少しでも親しくなりたい気持ちから接近したが、彼女から愛人契約を持ち掛けられ、とまどいながらも受け入れる。しかし体の関係を続けていくうちに、デュラスのことを本当に愛するようになっていく。一方で、デュラスがあくまで快楽とお金のために自らの体を差し出していることにも気づいており、苦悩している。資産家ではあるが、それを鼻にかけることはなく、真っすぐで純粋な性格の持ち主。母親は既に他界しており、病床に伏している父親がいる。

デュラスの母 (でゅらすのはは)

マルグリット・デュラスの母親で、元小学校教師。フランス領インドシナで家族と暮らしており、デュラスのほかに二人の息子がいる。役人に騙されて、土地のほとんどが海水につかってしまう劣悪な土地を買わされ、その借金を返すために貧しい生活を強いられている。長男はアヘン中毒者で、デュラスと次男に激しい暴力を振るっているが、長男を溺愛してるために咎めずにいる。ただし、デュラスや次男にも愛情を抱いていないわけではない。デュラスが中国人の青年と関係を持っていると知り、ふしだらだと激怒する一方で、フランスへ帰国する資金を得るために、娘を利用するしかないとも考えている。

エレーヌ・ラゴネル

フランス領インドシナで暮らす少女。マルグリット・デュラスと同じく現地にある全寮制のフランス人女学校に通っている。学期の途中で入学してきて、それからは同室のデュラスと親しくしている。表裏のない純粋な性格で、デュラスに対して性体験へのあこがれを赤裸々に語ることも多い。かわいらしい容姿とスタイル抜群なことから、デュラスからうらやましがられている。

クレジット

原作

マルグリット・デュラス

SHARE
EC
Amazon
logo