ルードウィヒ・B

ルードウィヒ・B

作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの半生を描いた伝記作品。オリジナルキャラクターであるフランツ・フォン・クロイツシュタインとルードウィヒの因縁など、史実にはない出来事が多く加えられていることが特徴。連載中に作者・手塚治虫が逝去したため未完となった、手塚の遺作の一つ。

正式名称
ルードウィヒ・B
ふりがな
るーどうぃひ びー
作者
ジャンル
自伝・伝記
レーベル
手塚治虫文庫全集(講談社コミッククリエイト)
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概要・あらすじ

ウィーンの貴族、クロイツシュタイン家に息子・フランツが誕生、しかし、母は出産の際命を落としてしまう。その原因をクジャクの「ルードウィヒ」と逆恨みした父は、フランツに「ルードウィヒ」という名を恨むように教え込むのだった。フランツ8歳のころ、1770年12月17日。ドイツのボンにルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが産声をあげた。

音楽家の父と祖父を持つ彼は、幼いころから音楽の才能を発揮、6歳にして新聞に取り上げられることに。それをある事件から勘当され、ボンへと追放されたフランツが偶然にも目にしてしまう。フランツは怒りルードウィヒを襲撃し、耳に怪我を負わせてしまう。一時は聴力を失ったルードウィヒだが、音楽家に師事して成長。

ルードウィヒモーツァルトのもとでの修行や、彼のミューズとなる女性・エレオノーレとの出会いを経て、成功への道を歩んでいく。一方、フランツは事あるごとにルードウィヒを妨害するも一様に失敗。その後ウィーンに舞い戻ったフランツは、ハイドンに弟子入りしてウィーンで名をはせていたルードウィヒと直接の対面を果たすこととなる。

登場人物・キャラクター

ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (るーどうぃひゔぁんべーとーゔぇん)

音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンをモデルとしている。1770年12月17日、ドイツのボンに生まれる。音楽家の父と祖父を持ち、幼い頃から厳しく音楽の訓練を受けてきた。6歳のときフランツに杖で殴られた後遺症で、時折聴力を失ってしまうことがある。幼い頃から才能を発揮し、ウィーンに渡りモーツァルトに師事。 ボンに戻り、貴族たちの賞賛をうけ音楽家として成功していく。その後ハイドンに弟子入りするためウィーンへ赴く。体格は小柄で、怒りっぽくて偏屈な性格。

フランツ・フォン・クロイツシュタイン (ふらんつふぉんくろいつしゅたいん)

オーストリアの貴族。母は出生とともに死亡。その原因を耳元で鳴いたクジャクの「ルードウィヒ」だと考えている父に「ルードウィヒ」と名の付くものを憎むように教えられた。幼い頃、母を侮辱した相手を後ろから刺し、卑怯者として勘当、ボンへと移り住むこととなる。そこで当時6歳だったルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの活躍を新聞で目にし、「ルードウィヒ」の名に憎悪を燃やし襲撃。 その後もルードウィヒを付け狙うようになる。成長して勘当を解かれ、ウィーンに戻った後はハプスブルグ騎士団に加わり、フランスとの戦争に参加する。

エレオノーレ・ブロイニング (えれおのーれぶろいにんぐ)

実在する人物。宮廷顧問官の娘。男まさりで活発な性格。ボン時代のルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンにレッスンを受け、交友を持つこととなる。幼いころ、フランツにいじめられていたルードウィヒを助けたことがある。ルードウィヒに慕われ、自身も思いを寄せている節を見せている。

ワルトシュタイン伯爵 (わるとしゅたいんはくしゃく)

実在する人物。エレオノーレを訪ねたところ偶然ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの演奏を聴き、その才能に惚れ込みんだ。ルードウィヒはエレオノーレをめぐる恋敵だと思い込んでいたが、後に婚約者がいることが判明した。

モーツァルト

音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとしている。音楽家として名を馳せている。即興演奏を見せたルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの才能を認め、弟子に取った。女性関係などにだらしがないが、次から次へと作曲をこなす天才的才能の持ち主。史実では、ベートーヴェンの弟子入りを断ったとされている。

書誌情報

ルードウィヒ・B 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉

(2010-10-08発行、 978-4063737868)

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