概要・あらすじ
北ドイツの地方貴族の娘ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプストは、己が支配する側の道を進むべき人間だという自負があった。凡庸な容姿を補うために、10歳から教養と知性を身につけるべく努力を重ねたゾフィーは、ピョートル大帝の孫ピョートル・ウルリックと出会い、ロシア帝国の玉座を夢見るようになる。
そして、知識を武器に困難を乗り越え、遂にロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックの公妃の座を射止めたゾフィーは、誰よりもロシア人らしいロシア人になるため、ドイツ名を捨ててエカテリーナ=アレクセーエヴナと名乗り、玉座への階段を1歩踏み出した。しかしエカテリーナが歩む道の先には、皇帝の座をかけた激しい権力争いの陰謀が待っていた。
登場人物・キャラクター
ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプスト
北ドイツ地方の田舎貴族の父と、ロシア皇室とも縁がある名門ホルシュタイン=ゴッドルプ家出身の母の間に生まれた少女で、美人の母に似ず不器量であることにコンプレックスを抱いていた。しかし幼い頃から自分が支配する側の人間だという自負があり、凡庸な容姿を補うために勉学に励み、深い教養と知性を身につける。 14歳でロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックのお妃候補となり、母ヨハンナと共にロシア帝国に出立。困難を乗り越え、16歳で晴れて公妃となった際、誰よりもロシア人らしいロシア人になるためロシア正教に改宗し、ドイツ名を捨ててエカテリーナ=アレクセーエヴナと名乗り、玉座への道を1歩踏み出した。 人並み外れた努力家で、語学や哲学、思想書、政治など君主が備えるべき知識をすべてものにした。さらに敏感に時流を読み、的確な判断で危機的な状況を回避する高い政治能力を発揮し、女帝の座へと昇りつめていく。歴史上の実在の人物、エカチェリーナ二世がモデル。
ピョートル・ウルリック (ぴょーとるうるりっく)
『女帝エカテリーナ』の登場人物で、ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプスト、後のエカテリーナ二世のいとこであり、夫となる少年。ピョートル大帝の孫であり、叔母にあたるロシア女帝エリザヴェータより皇位継承者として指名され、ロシア帝国の皇太子となる。しかしピョートルは北ドイツのホルシュタイン公国を治めていたホルシュタイン=ゴットルプ家の出身ということもあり、当時ロシア帝国と対立関係にあったプロシア王フリードリヒ二世を崇拝。 宮廷内でもドイツ語で話すことを好み、兵隊人形で軍隊ごっこをして遊ぶのが趣味だったため、廷臣であるロシア貴族の反感を買っていた。エカテリーナとの婚約中に天然痘にかかり、一命を取り留めたものの顔中に痕が残った上に男性機能を失い、それがコンプレックスとなってエカテリーナに対し心を閉ざしてしまう。 歴史上の実在の人物、ピョートル三世がモデル。
ヨハンナ
『女帝エカテリーナ』の登場人物で、ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプストの実母。スウェーデンの王位継承権を持ち、ロシア皇室とも縁がある名門ホルシュタイン=ゴッドルプ家の出身で、実兄カール・アウグストは、ロシア帝国女帝エリザヴェータの許嫁者だった。甲斐性のない夫と自分に似ず不器量な娘のせいで、美貌と才能と名門の血がドイツの片田舎で埋もれることを憂いていたが、1741年にロシア帝国でクーデターがおき、ピョートル大帝の第2皇女エリザヴェータが女帝に就いたことで運命が一転。 ロシア帝国皇太子・ピョートル・ウルリックのお妃候補となったゾフィーと共に、ロシア帝国へ旅立つ。 歴史上の実在の人物、ヨハンナ・エリーザベト・フォン・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン=ゴットルプがモデル。
エリザヴェータ
『女帝エカテリーナ』の登場人物で、ロシア帝国初代皇帝ピョートル大帝の第2皇女。1741年、クーデターにより第5代皇帝イヴァン六世と摂政アンナを追放し、第6代女帝の座に就いた。皇位継承者として、甥のピョートル・ウルリックを北ドイツ・ホルシュタイン公国からロシア帝国に呼び寄せた。 ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプストの母ヨハンナの実兄が許嫁者であった縁もあったが、ゾフィー本人の深い教養と気立ての良さを気に入り、皇太子ピョートルの妃に指名する。ロシア一の美貌の持ち主であったが、自分以外の女性を褒めた者を宮廷から追放するなど嫉妬深い一面がある。 また疑り深い性格で、気に入らない者は即刻宮廷から排除するなど、絶対的な権力を思うまま振るっている。歴史上の実在の人物、エリザヴェータ・ペトロヴナがモデル。
ベストゥージェフ
ロシア帝国第6代女帝エリザヴェータが、最も信頼を置く副宰相。反プロシアを標榜しており、ゾフィー・フォン・アンハルト=ツェルプストと皇太子ピョートル・ウルリックの結婚を阻止するため、様々な陰謀を巡らせる。後に宰相に昇格する。歴史上の実在の人物、アレクセイ・ベストゥージェフ=リューミンがモデル。
マリア・セミョーノヴナ・チョグローコヴァ夫人 (まりあ・せみょーのゔな・ちょぐろーこゔぁふじん)
ロシア帝国皇太子妃となったエカテリーナ=アレクセーエヴナを監視するため、女帝エリザヴェータと宰相ベストゥージェフが付けた素行監視係。エカテリーナが特定の侍女と親しくすることや自由に外出することを厳しく制限する。
アンドレイ・チェルヌィショーフ (あんどれいちぇるぬぃしょーふ)
ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックの友人として宮廷に招かれ、エカテリーナ=アレクセーエヴナと出会う。エカテリーナの叔父ゲオルクによく似た容姿をした心優しい美青年で、ピョートルが天然痘にかかった際に、不安に陥ったエカテリーナを精神的に支えた。 エカテリーナとは、互いに好意を抱くようになる。
セルゲイ・サルトゥイコフ (せるげいさるとぅいこふ)
エカテリーナ=アレクセーエヴナの素行監視係・マリア・セミョーノヴナ・チョグローコヴァ夫人の別荘に招かれていた青年貴族で、名うてのプレイボーイ。恋の手管は宮廷一という自負があり、皇太子妃であるエカテリーナに熱い視線を送る。
パーヴェル・ペトローヴィチ (ぱーゔぇるぺとろーゔぃち)
『女帝エカテリーナ』の登場人物で、エカテリーナ=アレクセーエヴナの第1子として誕生した皇位継承者。誕生してすぐに、跡継ぎを切望していたロシア帝国第6代女帝エリザヴェータに預けられ、祖母の手元で養育されることになる。歴史上の実在の人物、パーヴェル1世がモデル。
スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ (すたにすわふあうぐすとぽにゃとふすき)
英国大使チャールズ・ウィリアムズの随員としてロシア帝国を訪れた23歳の美青年で、ヨーロッパのあらゆる宮廷を遍歴してきた経歴と堪能な語学力を持っている。エカテリーナ=アレクセーエヴナに一目惚れし、2人目の愛人となる。ポーランド一の名家の出身。
ミハール・ヴァロンツォーフ (みはーるゔぁろんつぉーふ)
ロシア帝国第6代女帝エリザヴェータの副宰相。姪のエリザヴェータ・ヴァロンツォーフが、皇太子ピョートル・ウルリックの寵愛を受ける恩恵に与かり、エカテリーナ=アレクセーエヴナを次期皇帝に据えようと画策していた政敵ベストゥージェフを失脚させる陰謀を仕組んだ。 ベストゥージェフ失脚後は念願の宰相の座に据わり、第7代皇帝となったピョートルと共に、エカテリーナの排除を目論む。歴史上の実在の人物、ミハイル・ヴォロンツォフがモデル。
エリザヴェータ・ヴァロンツォーフ (えりざゔぇーたゔぁろんつぉーふ)
ロシア帝国副宰相ミハール・ヴァロンツォーフの姪で、不美人で有名な姉妹の姉。エカテリーナ=アレクセーエヴナに仕える侍女のひとりだったが、皇太子ピョートル・ウルリックの寵愛を受け公の愛人となり、エカテリーナに対して不遜な態度を取る。歴史上の実在の人物、エリザヴェータ・ヴォロンツォヴァがモデル。
エカテリーナ・ヴァロンツォーフ (えかてりーなゔぁろんつぉーふ)
ロシア帝国副宰相ミハール・ヴァロンツォーフの姪で、皇太子ピョートル・ウルリックに寵愛されるエリザヴェータ・ヴァロンツォーフの妹。エカテリーナ=アレクセーエヴナを心から敬愛し、エカテリーナを排除しようと画策するヴァロンツォーフ一族と決別し、政治的に難しい局面に立たされたエカテリーナのため、尽力する。 後にダーシュコフ公と結婚し、ダーシュコヴァ夫人となる。歴史上の実在の人物、エカテリーナ・ロマノヴナ・ダーシュコワ公爵夫人がモデル。
グリゴーリー・オルローフ (ぐりごーりーおるろーふ)
祖父は、歩兵から将校にまで昇進したロシア帝国初代皇帝ピョートル大帝の忠臣。父はロシア北東の都市ノヴコロド総督になった人物。その息子(次男)であり近衛連隊に所属するグリゴーリー・オルローフたちは、「オルローフ家の5人兄弟」と呼ばれ、兵士たちの憧れの的になっている。 その背後に控える兵力と、ギリシャ彫刻のような男ぶりをエカテリーナ=アレクセーエヴナに見初められ、エカテリーナの3人目の愛人となる。偏狭な精神と強靱な肉体を持ち、名誉を重んじ軍隊を愛し、酒と賭博と女を好む粗野な性格。歴史上の実在の人物、グリゴリー・グリゴリエヴィチ・オルロフ伯爵がモデル。
アレクセイ・オルローフ (あれくせいおるろーふ)
「オルローフ家の5人兄弟」の3男。兄グリゴーリー・オルローフと共に、エカテリーナ=アレクセーエヴナに忠誠を誓い、尽力する。
イヴァン・シュヴァーロフ (いゔぁんしゅゔぁーろふ)
ロシア帝国第6代女帝エリザヴェータが、その死の間際まで側に置いていた愛人。しかし病床についたエリザヴェータの容態が悪化すると、エカテリーナ=アレクセーエヴナの新たな愛人になるために近づいてくる。歴史上の実在の人物、イヴァン・シュヴァーロフがモデル。
フリードリヒ二世 (ふりーどりひにせい)
ロシア帝国と対立するプロシアの国王で、かつてエカテリーナ=アレクセーエヴナを、ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックのお妃候補として推薦した人物。北ドイツのホルシュタイン公国を治めていたホルシュタイン=ゴットルプ家の出身のピョートルに崇拝されている。 歴史上の実在の人物、フリードリヒ二世がモデル。
シモン・ヴォロンツォーフ (しもんゔぉろんつぉーふ)
ロシア帝国宰相ミハール・ヴァロンツォーフの甥で、エカテリーナ=アレクセーエヴナの忠実な侍女エカテリーナ・ヴァロンツォーフの実兄。ロシア帝国陸軍の中でも、規律の厳しさと戦意の強さで名高いプレブラジェンスキー隊を率いる連隊長として、第7代皇帝ピョートル・ウルリックに忠誠を誓い、エカテリーナの前に立ちはだかる。
イヴァン六世 (いう゛ぁんろくせい)
ロシア帝国初代皇帝ピョートル大帝の姪の孫で、メクレンブルク伯家のアンナと、その夫ブラウンシュヴァイク公の息子。齢数ヶ月という乳幼児にも拘らず、ロシア帝国第4代女帝アンナが崩御した後にイヴァン六世として即位したが、1741年にピョートル大帝の第2皇女エリザヴェータのクーデターにより帝位を追われた。 廃位後、6歳から牢獄に幽閉されている。帝位に就いたエカテリーナ=アレクセーエヴナ改めエカテリーナ二世の地位を脅かす存在として、注視される。歴史上の実在の人物、イヴァン六世がモデル。
グリゴーリー・ポチョムキン (ぐりごーりーぽちょむきん)
エカテリーナ=アレクセーエヴナが、クーデターを成功させ帝位に就いた折、近衛隊中尉として戦っていた男性。クーデターの立役者であり、エカテリーナ二世の公の愛人として将校となったアレクセイ・オルローフを介して、エカテリーナ二世と出会う。博識なエカテリーナ二世と互角に意見を交わせる知性とロシア帝国の領土拡大を目論む旺盛な野心、そして男らしい野性味を併せ持った不思議な魅力を持っており、エカテリーナ二世の興味を引く。 歴史上の実在の人物、グリゴリー・アレクサンドロヴィチ・ポチョムキンがモデル。
エメリアン・プガチョフ (えめりあんぷがちょふ)
エカテリーナ=アレクセーエヴナ改めエカテリーナ二世のクーデターにより廃位となった、第7代皇帝ピョートル三世の名を騙り、エカテリーナ二世を皇位簒奪者と貶め、農民を率いて叛乱を起こしたヤイク地方出身のコサック農民。歴史上の実在の人物、エメリヤン・プガチョフがモデル。
ナターリア
ロシア帝国の皇位継承者であるパーヴェル・ペトローヴィチの妃。ドイツヘッセン=ダルムシュタット伯爵の娘で、ドイツ名ヴィルヘルミーナから改名し、ナターリアと名乗る。乱暴な夫パーヴェルに愛想を尽かし、パーヴェルの友人アンドレイ・ラズモフスキーと愛し合う。 歴史上の実在の人物、ナターリア・アレクセーエヴナがモデル。
アレクサンドル・パーヴロヴィッチ (あれくさんどるぱーゔろゔぃっち)
ロシア帝国の皇位継承者であるパーヴェル・ペトローヴィチの再婚相手マリア・フョードロヴナが産んだ、エカテリーナ二世初孫。後に誕生した弟コンスタンチンと共に、エカテリーナ二世の元で皇位継承者として教育を受ける。歴史上の実在の人物、アレクサンドル1世がモデル。
アレクサンドル・ランスコーイー (あれくさんどるらんすこーいー)
エカテリーナ二世により、実子パーヴェル・ペトローヴィチと共に教育を施される。25歳の知的な美青年に成長してエカテリーナ二世と再会し、グリゴーリー・ポチョムキンが遠征に出ている間に、エカテリーナ二世の新たな恋人となる。歴史上の実在の人物、アレクサンドル・ランスコイがモデル。
集団・組織
ロシア正教 (ろしあせいきょう)
『女帝エカテリーナ』に登場する教派。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックとの婚姻の際に改宗を希望した宗教。ロシア帝国初代皇帝ピョートル大帝により国教会的な組織に改編された後、ロシア帝国の君主はロシア正教を統制下に置くことになる。
ルター派 (るたーは)
『女帝エカテリーナ』に登場する教派。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックとの婚姻前に信仰していた、キリスト教プロテスタントのひとつ。臣民の評判など意に介さなかったロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックは、ルター派からロシア正教への改宗をせず、臣民から異端派と呼ばれることになる。
場所
シュテッティン公国 (しゅてってぃんこうこく)
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナの出身地である、北ドイツの小国。エカテリーナがロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックのお妃になった後、父アンハルト・ツェルプスト公と母ヨハンナが亡くなり、エカテリーナの実弟が家を継いだが、ロシア帝国と対立を深めていたプロシア王フリードリヒ二世に領土を取り上げられ、公国は消滅した。
ホルシュタイン公国 (ほるしゅたいんこうこく)
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナの夫であり、ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックの出身地で、北ドイツにあった小国。ドイツ贔屓でプロシア王フリードリヒ二世を敬愛するピョートルは、祖国ホルシュタインから臨時駐屯部隊を呼び寄せ「閲兵ごっこ」に興じ、ロシア貴族や近衛軍隊から反感を買う。
ポーランド
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、帝位に就きエカテリーナ二世となって初めて直面した外交問題であり、将来の領土拡大の足がかりとなったヨーロッパの王国。エカテリーナ二世は、先王グスタフ・アウグストの逝去の報せを受けた際、かつて自分の愛人であった親ロシア派の貴族スタニスアフ・ポニャトフスキを推薦。 時を置かずポーランド国境に軍隊を集結させてフランスを牽制し、スタニスアフを王位に就かせることに成功する。
フランス
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、帝位に就きエカテリーナ二世となった時代、プロシアやイギリスと対立していた、ヨーロッパの大国。当時の国王ルイ十五世は、ロシア帝国のポーランド侵攻の報復として、トルコ帝国を焚き付け、ロシア帝国に宣戦布告させることに成功する。 しかしそれは逆に、ロシア帝国のクリミア進出を許す、皮肉な結果となった。
オーストリア
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、帝位に就きエカテリーナ二世となった後に、プロシアと共に第1回ポーランド分割の秘密協定を結んだ、ヨーロッパの王国。当時の君主は、ヨーロッパ最大の名門ハプスブルグ家のマリア・テレジアの嫡子ヨーゼフ二世。マリア・テレジアは、息子がポーランド分割に荷担したと知り、勘当しかねないほど立腹した。
トルコ帝国 (とるこていこく)
『女帝エカテリーナ』に登場する国家。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、帝位に就きエカテリーナ二世となった後に、ロシア帝国と数十年に渡る長き戦いをすることになる中央アジアの大国。エカテリーナ二世は、敬愛するロシア帝国初代皇帝ピョートル大帝の悲願であったコンスタンチノープルを奪還を夢見て、グリゴーリー・ポチョムキンを海軍将校として送り込み、後にはトルコ帝国との和平交渉の全権委任公使として、愛人グリゴーリー・オルローフを送り込んだ。
その他キーワード
啓蒙思想 (けいもうしそう)
『女帝エカテリーナ』に登場する思想。エカテリーナ=アレクセーエヴナが、ロシア帝国皇太子ピョートル・ウルリックの妃となった時代に、全ヨーロッパ思想界を支配していた思想。エカテリーナは、フランス啓蒙時代の第1期を築いたヴォルテールと書簡を交わすなど熱心に勉強をしていたが、帝位に就いた後に絶対君主制度と相反する政治思想を持つ啓蒙思想を否定し、思想弾圧を実行する。
クレジット
- 原作
-
アンリ・トロワイヤ